ガム


D810 + SIGMA 35mm F1.4 DG HSM

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「ホワイトカラー」のファイナルシーズンが始まったが、調べたらたった6話で終わりだそうだ。
これまでのシーズン(シーズン1からシーズン5)がそれぞれ十数話あったことを考えると異例である。
理由は視聴率低迷による打ち切りだそうだ。
何だ、そうなのか・・・とガッカリした。
急遽書き直した無理のあるストーリー展開で強引に終わらせてしまわなければいいが・・・

比較的よく出来たドラマで、何より都会的でスマートなところがよかった。
しかし内容を引っ張りすぎだ。
最近はだれてしまい、見るのが面倒臭いこともあった。
視聴者というのは、中々敏感で正直である。
この半分くらいのボリュームでまとめていれば、名作として終わることが出来たろうに。

人気が出れば無理に引っ張る、人気が落ちれば途中でも打ち切る。
視聴率の数字がすべてというが、言い換えれば儲かるか儲からないか、お金がすべてなのである。
そういう業界の体質に、作品の品質が振り回された例だろう。
程良いところで止める事が出来ず、もうこれ以上味が出ないところまで噛んで、ポイとゴミ箱に捨てられるガムのようだ。



オールデンの559、パンチドキャップトゥ・ブルーチャー。
モディファイド・ラスト。
アッパーはキッドスキン(子ヤギ)でキャップトゥ部分のみカーフ。
サイズはUS5.5-4E。

1990年代のデッドストックである。
数ヶ月前にお店で見せてもらい、その時は悩んだ末、同じモディファイド・ラストのUS6-3Eのアルゴンキンを購入した。(2016年4月15日の日記
5.5-4Eの方は次回・・と思っていたら、次に行った時には、そちらの方は売れてしまっていた。
誰かに買われてしまったか!と非常に残念に思った。

ところが最近再度お店に行ったら、それと同じ型番、サイズの靴がもう一組入荷していた。
日本で米国の古靴の同じモデル、同じサイズに何度も巡り合うことは珍しい。
想像だが倉庫に数組残っていたのだろう。
いずれにしても、今度こそ逃すまいと、すぐにゲットした。

何しろ日本には入っていない「幅広のモディファイド」である。
日本人の足は当人が思っているほど幅広ではないというが、それでも正確にフィッティングすると、やはり多くの人が、幅を2E、3Eにして長さを短く取るのが適正であるという。
その比率でやっと捨て寸(足の指の先の空間)が計算通りになるのだ。

モディファイドは本来足に疾患を持つ人向けの矯正靴用ラストだから、本国の医療用のモデルでは6Eなどというとんでもない幅も用意されている。
しかし種類があまりに多くなり、お店で全サイズを用意するのも難しいため、正規代理店ルートではワイズD(一部のお店でEもある)の製品しか入れていない。
フィッティングばかり重視して、幅を広げることで靴の外観を崩したくないという理由もあるだろう。

幅広のモデルが欲しい場合、別ルートで輸入される限られた製品(米国内に残っている古靴)を輸入しているお店でみつけるしかなく、当然自分に合うサイズに巡り合う可能性は低くなる。
90年代といえば古靴としては新しい方だが、それでも四半世紀も前の製品であり、在庫が豊富なわけではない。
現在も米国のオーソペディック系の靴店に注文すれば、このサイズの靴が購入できるとは思うが、アッパーの革の質に関しては、恐らくこの年代のものの方がいいと思う。



大変面白い作りの靴である。
先端のキャップの部分のみがカーフで、そこから後ろの本体部分は子ヤギの革であるキッドスキンが使われている。
キッドスキンは銀面に細かいしぼと独特の光沢のある高級素材で、しなやかで強度が高いという特徴がある。
パーツにより2種類の革を使い分けた理由はわからないのだが、オールデンのこのシリーズは古い年代の製品よりこのスタイルがあるようだ。
これらの写真を撮影した後、全体に乳化性クリームで栄養を与え、先端部のカーフの部分のみ鏡面仕上げにした。
磨きマニアの思いつく仕上げ方法としては、ごく自然な発想であろう(笑)

以前アルゴンキンの時にも書いたが、いつもはUS7H-Dを買っている僕が、US5.5-4Eを選ぶのだから、如何に異常な事であるかお分かりいただけると思う。
私のサイズは25.5cmですと言っていた人が、正確に測ったら、23.5の4Eがベストだったというのに等しい。
そのサイズが履けてしまうこと自体が驚きである。

幅広モディファイドのフィッティングは別格で、多分ビスポークで作るものよりフィット感がいいのではないかと思う。
この特殊な履き心地を味わうと、他のラストの靴がすべて合っていないような気がしてくる。
これはモディファイド病とでも言うべき症状で、そうは言ってもモディファイドラストばかりでは視野が狭くなるので、他のラストの靴も意識して履くべきだとお店の方からアドバイスを受けるほどである。

かかとをしっかりホールドして、土踏まずを細めて下から持ち上げて優しくサポート、それによってまずは足を固定する。
先端部にたっぷりと空間を与えて、指を自由に動かせるのでストレスを感じさせない。
この特殊なレイアウト故に、このような思い切ったサイズ違いが履けてしまうのだろう。



6-3Eのアルゴンキンと、この5.5-4Eのパンチドキャップトゥを、一日交代で履いて比較してみた。
パンチドキャップトゥの方は、足の踵から土踏まずにかけて、余裕無くピッタリと吸い付く。
当初それが少々窮屈に感じられ、土踏まずを押し上げる感触も強めであった。
さすがに全長を縮めて幅を広げるやり方も、5.5では限度を超えているかと思った。

しかし半日も履いていると、角が取れるように滑らかに足にフィットしてきた。
夕刻には相当いいところまでいき、モディファイドならではのフィッティングを楽しめるようになった。
6-3Eのアルゴンキンは最初から申し分のないフィッティングであったが、5.5-4Eのパンチドキャップトゥは少々時間を要した。
恐らく幅広モディファイドもこのサイズが限界であろう。
あちらの白衣のシューフィッターが、どのサイズを僕に勧めてくれるかを知りたいものである。

柔らかいキッドスキンの部分が折れ曲がり、先端のカーフの部分はまったく皺が入らない。
そのコントラストが実にカッコいい。
実際に履いてみて、二つの素材を使い分けている意味がわかってきた。
一日履いただけで、数人の人から「その靴カッコいいですね」と言われた。

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