SIGMA DP1Merrill

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俳優のブラッド・ピットが、人の顔を覚えられない症状に悩んでいるという。
相貌失認(そうぼうしつにん)という病ではないか・・という。
顔が覚えられないから、声や服装で相手のことを記憶するのだそうだ。

一方で、人の顔を異常なほどよく覚えている人がいる。
僕の叔父がそうで、過去30年くらいで会った人は、ほぼ全員明確に覚えている。
もちろんもっと前、例えば子供の頃の同級生が、大人になって街でばったり会っても「おう、久しぶり」とすぐにわかる。
作家の吉村昭氏も顔の記憶力が抜群だったそうで、電車の中で前に座った人の顔まで覚えていたという。
そういう人は、単なる記憶力というより、形状の認識力において独自の法則を掴んでいるようにも見える。

僕はそれほどよく覚えてはいない方だ。
忘れてしまっては失礼な場合が多々あるので、誰だか思い出せない来客と接する時は、最初のうち恐る恐る話すことが多い。
相手が僕のことを知っている場合は、名刺を出そうとしないのでわかる。
何となく会った事のある人だな・・という感触はあるので、会話の中で探りを入れたりする。

もっとも「すぐに忘れてしまう人」を演じた方が、都合がいい場合もある。
切れ者でピーンと緊張感のある、油断ならない人物であるより、少しアバウトな人である方が、相手も気を許し話がスムースに進む。
ええと・・誰だったかな・・という顔をしてみせると、向こうも察して「前に一度お会いした○○です」と名乗ってくれる。
若い頃はそれでは済まなかったが、50歳になるとそういう事が許されるのだ(笑)

人の顔を思い出してみると、明確に映像として頭に浮かぶ顔と、まったく思い浮かばない顔がある。
記憶しやすい顔と記憶しにくい顔があるのだ。
声や雰囲気、存在感は甦るのだが、顔の具体的なパーツが思い出せない。

不思議なことに、思い出せる顔と思い出せない顔は、はっきりと2分するように思う。
毎回同じ人物の顔を、忘れてしまう傾向があるのだ。
記憶し易い、あるいは記憶し難い顔の法則があるのだろうが、いまだにそれがよく分からない。
自分の脳の中にある判別フィルターのロジックが知りたいものだと思う。

本当は、来客全員の顔を写真に撮らせてもらえば、問題は解決する。
顔写真を大量に収集したら、名前や会社などの属性とともに、データベースを作ることが出来る。
当然相手のマル秘情報も記録しておくことになる。
もっとも大きな企業や政府の機関などは、どこかで隠し撮りしておいて、とっくにやっているのだろうが・・・
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