選定


SIGMA DP1Merrill

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今日はBMWのTさんが来社。
エミールの買い替えの話を進めている。
僕としては珍しく6年も乗った車だ。

最近は飛ばすことも少なくなったので、次はより走破性の高い四駆にすることも考えた。
しかし日光に行く時にいろは坂を走り、やはり小さいFR車の魅力には勝てないと思った。
テールが滑るギリギリのところを探るように走る楽しみは、少々時代錯誤とはいえ、捨てがたいものがある。

上級の3シリーズに戻すことも考えたが、昔と違ってボディが大きくなっており、僕向きではないという。
そういうところは長年の付き合いで、Tさんはよく心得ている(笑)
実際代車などで上級機種を借りると、最初から高級セダンとして作られており、かつての魅力は失われているのに気付く。
個人的には、今まで所有したBMWではE36が一番好きであったが、現在それに相当するのは恐らく1シリーズだろうと思う。

スポーティな後輪駆動車で、僕の腕で扱いきれるパワーで、ボディが小さくて、ドアが4枚あり、4人が快適に移動できる・・・
その条件に当てはまる車はごく限られる。
また自分の身の丈に合っている・・という意味でも、1シリーズならアンバランスな感じがなくていい。
その点に関しては、一方の趣味である時計とはずいぶん矛盾した価値観であるが・・・(笑)



今日の時計ベルト。
ユリス・ナルダンのサン・マルコ・クロノメーターに、ジャン・クロード・ペランのバッファローのブラックをつけた。

数あるブルー・ダイヤルの中でも、これこそが最右翼といえる製品であろう。
貴重なクロワゾネ(七宝)技法が用いられた、極めて彩度の高いブルーの文字盤。
放射状に彫られた細かいギョウシェの上から、丁寧にエナメル仕上げが施されており、光の角度に応じて、えも言われぬ美しい模様が浮かび上がる。
思わず溜息の出るような、圧倒的な輝きを放つ時計だ。

実はしばらく前に入手したものだが、日常に使用して様子を見ていた。
クロノメーターを取得しているだけあり、精度は高く、日に数秒しか狂いは出ない。
ムーブメントはETAベースのようであるが、この時計の美しさを見ると、とりあえず中身はどうでもよくなる(笑)
腕の上で文字盤だけが別世界のように際立つ。

オリジナルのブレスは、コマが細かめの薄手のステンレスで、キラキラと輝き意外に目立つ。
コマのいくつかにはユリス・ナルダンのマークが彫られている。
強い存在感を示す文字盤と、上手くバランスが取れているのは確かで、当初はそのまま使うべきかと考えていた。

しかし僕のような真面目(?)なタイプには似合わない・・というより着こなせない(笑)
余程カッコいい人か、少し「遊び」の入った人でないと、上手く使いこなせないデザインであった。
革ベルトに交換して正解だと思う。
ベルトを付け替えることで、この時計の別の面を引き出すことにも成功したように感じている。



ここまで文字盤が目立つと、それをどう扱うかがポイントになる。
いつものように、質感の上で見合うベルトを探すのは、この時計の場合不可能といっていい。
ただでさえマッチングにシビアな「青の時計」である。
組み合わせるベルトの選択は非常に難しい。

まずは無難なブラックから選んでみた。
以前J.C.ペランにオーダーしたバッファローのベルトである。
サン・マルコのカン幅は奇数の19mmであるが、バッファローの革は柔らかいので、20mm幅のベルトをスムースに取り付けることが出来た。

何度か書いているが、手縫いのステッチを2列入れて、その色を微妙に変えてもらうという、凝った仕様でペランにオーダーしたベルト。
ところがステッチを複数列にしたことで、本体が圧縮されて薄くなってしまい、今風の厚みのある時計とマッチしなくなった。
しばらく相手がみつからず放置してあったが、最近はオイスターデイト用として活躍している。
現在では皮肉にも一番使用頻度の高いベルトになっている。

サン・マルコとの組合せは、なかなか優れたものとなった。
グレーで統一したモノトーン調のベルトが、派手なサン・マルコを相手に、脇役に徹してでしゃばらない。
それでいて、細部の作りから凝った仕様のベルトであることが伝わる為、時計全体に高い品質感が加わるのだ。

もうひとつ、重要なことに気付いた。
バッファローの革は非常にしなやかなため、薄手のベルトの素材に使用すると、抜群の装着感が得られる。
腕にフレキシブルに巻きつき、革のベルトとして、ベストに近い感触といえる。
通常この革を使用した製品は、バッファローのワイルドな面を強調し、厚く作られることが多いのだが、今回は意図せず薄手になったことで、思わぬ収穫を得たといえる。

サン・マルコ自体も、ケースが薄く軽く作られており、なかなか着け心地のいい時計である。
重量のあるオリジナルのブレスを外したことで、あらためてそのことに気付いた。
ペランのバッファローとの組合せで、着けていてストレスの少ない、気持ちのいい時計が生まれたといえるだろう。

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