機械


大きな画像

最近ヨーロッパ製の新しい機械が導入された。
それでこのところ家に帰れない日が続いている。

内部を見ると、大掛かりな機械にもかかわらず、機械的なカムをひとつも使っていない事がわかる。
全ての動作はサーボモーターによって行なわれ、指示はタッチパネル式のモニタとキーボードによって行なわれる。
ここまで徹底している機械は初めてだ。

あちらでも世代交代は進んでいて、若者は油の付いた機械をいじるのは嫌がるそうだ(笑)
故障の時は原因を追究するよりも、ユニットまるごと交換するパターンである。

古くからの技術者は、本当にそれで大丈夫なのかと言う。
しかしアプローチの仕方は違っても、専門職には違いない。
欧州から来た若手の技術者の機械に対する精通ぶりは、やはり職人のそれだ。

見ると当然のことながら、モーターを制御するサーボアンプがずらりと15台も並んでいる。
これが壊れて痛い目に何度も遭っているが、故障率は1台の15倍になるわけだ(笑)
ひとつ壊れても機械全体が停止してしまうし、海外から取り寄せるのに数日かかる。
しかもヨーロッパの機械は、アジアの国々に散々真似された経験から、徹底してブラックボックス化されており、簡単には日本製パーツで代用できないように設計されている。

サーボアンプは1台何十万円もするパーツであるが、予備を持たざるを得ないだろう。
幸いすべて同じ機種で統一されていて、1台ごとに固有のパラメータ設定も、専用のカードを入れるだけで済むという簡単さだ。

オペレーション自体は、覚えてしまえば古い機械より簡単そうである。
以前のように新しい技術をただ採用するだけではなく、現実に運用が楽になることを考えて作られている。

こういう電子制御された機械の問題点は、やはり数年で旧式になり、パーツが入手できなくなることだろう。
50年前のギアとカムで構成された原始的な機械は、油まみれでみすぼらしく見えても、今でも何とか動かすことが出来る。
ところが10年から20年ほど前の機械は、すでに稼働不可でスクラップ・・ということが、現実に起きている。

カメラの世界ではもっと顕著に同じことが起きるかもしれない(笑)

D3X + AF-S NIKKOR 14-24mm F2.8G ED
コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )