酔生夢死浪人日記

 日々、思いついたさまざまなことを気ままに綴っていく

HEAL 新潟 at ZEPP~和やかな一日

2005-01-11 13:59:50 | 音楽


 昨日(10日)は夕方から新潟ベネフィットに参加した。初見のアーティストが多かったが、それぞれの感想を以下に。

 トップは無戒秀徳。フォークゲリラのような装いでステージに現れ、エレキギターをかきむしり、毒のある詩を撒き散らかす。アジテーションに聞こえながら、激しく自分を撃つ言葉でもあった。

 続くはKEN YOKOYAMA。両脇に屈強な白人を従えたガチガチのパンクだが、客席との掛け合いに時間を割いていた。みんなで楽しもうという旺盛なサービス精神が窺えた。

 3番目はハナレグミ。アコギ一本で身近な出来事をテーマに、伸びのある声でしっとりと歌い上げる。叙情的な癒しの音で、「21世紀のさだまさし」って感じがした。

 そして、清志郎がエレキギター一本で現れる。「雨あがりの夜空」で会場を盛り上げたかと思えば、反戦メッセージを込め、「花はどこへいった」をしっとり歌い上げる。「イマジン」で締めたが、硬軟自在の稀有なパフォーマーであることを再認識させられた。

 5番目はイースタンユース。僧衣が似合いそうなボーカルが、呟き、ぼやきをカマしてから演奏に入っていく。孤独、挫折を糧に奏でられた「希望の歌」で、文学の薫りもする日本語ロックだった。

 トリはJUDE。新作を中心に、翳りある沈んだ感じのステージで、濃淡のアクセントがくっきりした演奏はバンドとしての実力を示していた。俺には心地よかったが、ブランキー時代からの「暴れ系」ファンは少し困ったのではなかろうか。

 全体として、自然体でリラックスしたステージが続いた。これまで「瞬」と「旬」ばかり追求してロックと付き合ってきたが、音楽とは字にある如く「楽しむ」ことであり、和むことでもあると実感した一日だった。
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消えた猫たち~哲学堂公園にて

2005-01-09 13:53:10 | 戯れ言


 昨日、久しぶりに哲学堂公園に足を踏み入れた。暖かな時間帯だったが、閑散としていた。引っ越しする前、片道35分ほどの哲学堂は最高のウオーキングコースだったし、記憶に残る思い出もある。

 俺は大概、なりは汚い。無精ひげ、履き潰したスニーカー、よれよれのトレーナー、穴があいたジーパン、着古したマウンテンパーカー(実は高い)が定番だ。その日も公園を訪ね、ベンチに腰を下ろしていると、ウオークマンを取り上げられた。驚いて振り向くと、ホームレスのおっさんが怖い顔で立っている。

 どの世界にも縄張り、棲み分けはあるもの。どうやら俺は仁義を欠いていたようだ。恐縮して席を譲ると、おっさんは表情を綻ばせ、ウオークマンを返しつつ「それ、どこで拾った」と尋ねてきた。そうか、俺を仲間だと思ったんだ。心外半分、納得半分って感じだったが……。

 公園を一周して戻って来ると、おっさんが野良猫に餌をやっていた。猫たちは尻尾を立てておっさんに甘えている。その周りでは、余った餌を狙って数羽の鳩が様子見していた。

 ホームレス、野良猫、鳩の交歓……。

 哲学というより情に迫る場面だった。その場を去ったものの、もどかしさは消えない。仁義を欠いたままでは男が立たぬと、近くのコンビニでキャットフードを数箱買い、戻っておっさんに渡し、踵を返した。

 あれから数年、哲学堂は様変わりしていた。猫は3匹、鳩も殆ど見掛けない。おっさんの数も明らかに減っていた。俺の記憶が幻ってことは、この件に関する限り絶対にない。近いうちに再度、訪ねてみよう。

 帰途、ドンキホーテ中野店に立ち寄る。事件の影響か客は少ない。警備員が巡回し、消火器も階段近くに配備されている。各階ごとに防犯カメラを覗き込んだが、これは余計だった。事件が起きたら不審者のトップに挙がるかもしれぬ。当分の無事を祈って店を出た。

 さて、競馬。ガーネットSは◎⑯アグネス、○⑫アタゴ、▲⑭メイショウ。⑧サミーと⑪ヒカリは3連複で。馬券的には京都メーンの方が面白そうだ。東西9Rはともにクラシックを占う上で興味深い。

 プラスになったら、明日の新潟ベネフィットで、予定以上のカンパをする。珍しく動機は不純じゃない。ギャンブルの女神にぜひ微笑んでほしいのだが。
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風邪で部屋でJUDE

2005-01-07 16:01:40 | 音楽

 中山金杯は完敗。京都で馬連をゲットした段階で回収率85%。キネティクスがアズマサンダースにハナ差及ばず、3連複は惜しくもアウト。JUDE(ユダ)はスカパーと決した。

 昨日は午後から退職後の雑務。無免許無資格ゆえ、出張所で住民票の写しを請求した際、前住所を尋ねられた。何故か思い出せない。脳は既に腐り始めている。他の要件で確認を済ませ、徒歩でトボトボ向かった区役所、年金窓口でまたも愕然。28歳で就職するまで1年分しか納めていないらしいが、払った記憶が全くない。当時は猫と同棲中で、一食分300円を猫と人でいかに振り分けるかが、日々の悩みの種だったから。

 区役所を出た頃、ダウンジャケットの下、汗に濡れたシャツも乾いていた。そこに冷たい雨。傘も差さず部屋に辿り着いた時、頭はズキズキ、悪寒がした。風邪薬を飲み、毛布を被って午後7時、MUSIC-ONにチャンネルを合わせる。JUDEの生中継が始まった。

 浅井健一(通称ベンジー)のベクトルは、明らかに内側に向かっている。少年の感性を保ちつつ、不要なものを削ぎ落として磨いたナイフ……。こんな四十男、他にいるだろうか。熱に浮かされ、うつらうつら酔生夢死に陥っていく。あとで録画を見たが、期待通りの好演だった。

 ここで、恐らく俺だけが抱く思い込みを。浅井はキュアーのロバート・スミスを強く意識している……。

 根拠①…「尊敬するギタリスト」の問いに、浅井は「スージー&バンシーズ」のギタリストと答えていた。バンシーズ来日時、ギタリストはロバートだったし、浅井のギターはUKニューウエーブの薫りがする。
 根拠②…ブランキー・ジェット・シティーの解散ライブを収録した「ラストダンス」はキュアーの曲名である。
 根拠③…詩の共通点。浅井の世界はメルヘンチックかつサイケなイメージの連なりで、「少年の悪夢」みたいな詩を書くロバートと資質は近いと思うのだが。

 さあ、10日はZEPP東京で新潟ベネフィットだ。JUDEだけでなく、硬骨おやじの清志郎も楽しみにしている。もちろん、寒い懐から小額にせよカンパするつもり。その前に風邪を治さないと。
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スーパーボウルへの道~熱い冬の到来

2005-01-05 14:46:07 | スポーツ

 NFLがプレーオフに突入する。雑食獣たる俺は、アメリカに厳しい目を向けているようで、その実、最もアメリカ的なNFLに囚われている。理由はと問われたら、面白いからと答えるしかない。

 NFLではサラリーキャップが徹底しており、チーム力は均衡している。スーパーボウル終了と同時にリセットされ、コーチや選手はシャッフルされるから、シーズン通してのアップセットが生じやすい。

 「戦争ゲーム」ゆえ分厚いチーム力と気合が求められるが、展開するのは「川中島」ではなく「桶狭間」だ。MLBと違い、「ズル」や「引っ掛け」は称賛の対象で、幸村級の軍師がコーチ陣に名を連ねている。楕円のボールは人知を嗤う転がりで、時にゲームプランを破綻させる。いわばギャンブルの連続で、結末は運にも左右されるのだ。奇跡的な大団円、息を呑むようなドンデン返しを、今季も数え切れないほど目の当たりにした。

 さて、プレーオフの予想をAFCから。咋季覇者ペイトリオッツと第1シードのスティーラーズは、ともに落合中日タイプ。守備を基点に堅実にゲームを進めていく。順当なら両者の一騎打ちも、爆発力に期待してマニング率いるコルツを推す。

 NFCは低調で、AFCに対抗出来るチームはイーグルスしかない。ところが好事魔多し。マグナブと並ぶ大黒柱のオーエンスがケガで欠場中となれば、4年連続チャンピオンシップ敗北のシーンが脳裏をよぎる。ファルコンズを破ってスーパーボウルに進出し、オーエンスが奇跡的に間に合えば、王者になる可能性も十分だ。

 どこかがペイトリオッツを止めてくれというのが、偽らざる本音。サラリーキャップ制度の下、3度目のスーパー制覇となれば、HCベリチック=QBブレイディのコンビは、ウォルシュ=モンタナを超える伝説になる。「愛国者」が「神」になる構図は、俺はあまり好きではない。

 時計を見ると2時半過ぎだ。どさくさで金杯予想も。

 中山は宝くじとしか言いようのないメンバーが揃っている。ならば前回ブログで書いた初夢パート2に乗り、①エルカミーノ、②エイシン、⑬カナハラを軸に、先行して粘れそうな⑪メジロも買う。

 京都も夢の通りといきたいが、さすがに①ゲイリーはないだろう。ということで②ハット、⑬メイショウを軸に⑩アルビレオ、⑫キネティクスかな。

 万が一にも当たったら、明日のJUDEはダフ屋から買って楽しもう。外れたら、スカパーで見る。しかし、的中しても心から喜べない。起きている間の予想は全く無駄ってことになるからだ。まさに「眠りの小五郎」状態だが、酔生夢死の俺には似つかわしいのかな。
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ストリッパーが見た初夢

2005-01-03 15:53:33 | 戯れ言


 俺は京都で生まれ、大学入学時に上京した。その時のカルチャーショックを挙げると、蕎麦のだしの違い、スポーツ紙の1面が巨人だったこと、極上に思えた吉野家の牛丼の味……。

 表面的な事象はともかく、関西人と関東人では距離感が異なることに気付いていった。自分を貶めて他人の懐に飛び込み、部屋に招かれれば勝手に冷蔵庫を開ける……。赤裸々で開放的、かつ無遠慮なのは俺の特性だから、関西人で括るのは筋違いかもしれないが。

 親しくなれば失敗談、失恋譚も平気で話した。でも、投げたボールは壁に当たって転がるだけ。「おまえはストリッパーだな」と友人に言われた。沢田研二の「ストリッパー」が流行っていた頃で、反論の言葉もなかった。

 ストリッパーは似た夢を繰り返し見る。毛布やタオルで素裸を覆っただけの姿で街を歩いたり、電車に乗ったりしている。そして初夢パート1、類型化された夢が訪れた。

 そこは倒産した洋服屋ビルなのか、衣類が詰まった箱の中、俺は裸で暖を取っていた。すると真っ暗なフロア、俺を呼ぶ女性の声が近づいてくる。食虫植物のように手を伸ばし、その人を箱に招き入れた……。

 そこで目が覚めた。続きを見たかったから再び目を閉じると、パート2が幕を開ける。そこは競馬場。狙っていた①、②、⑬が揃って3着以内に入り、大喜びで手元の馬券を見ると、ズレている。モニターには「48万倍」の配当が示されていた。不注意で超大穴を取り逃がし、俺は愕然と立ち尽くしていた……。

 パート1はそこそこ、パート2は悪い夢だった。醒めた現実はどうかとなると、それは1年間の努力次第ってことだろう。

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年頭の誓い~俺は今年、タコになる?

2005-01-01 03:56:38 | 戯れ言

 新しい年を迎えた。浪人初日である。

 会社を辞めた以上、新しい可能性を見つけなければならぬ。尊敬してやまぬ辺見庸氏は、自身の退社について以下のように記している。「詩の流星」の一節だ。長いが引用する。

 ……会社とは固有の言語圏、意味圏でもあり、よそではとても通用しない独特のジャーゴン(業界用語)と、これまた会社外では適用困難な価値観が幅をきかせている。そこから出るということが、とりもなおさず、言葉と意味との蒼茫たる大海原を漂流するに等しいとは、辞めてみるまで気づかなかったが、この漂流は案外に心地いい……

 辺見氏は万人が認めるつわもので、俺のような素浪人と比べるべくもないが、胸に染みる文章である。

 氏は退社後、「世界の質感」を表現する詩と出会い、「会社にあって長らく失っていたものとは、世界の質と量の手触りであった」と実感する。含蓄があって、重みのある言葉だと思う。

 俺も若い頃、世界と薄皮一枚で接するつもりでいた。歴史を学び、世界の出来事にアンテナを張っていれば、いつか「世界の質感」に触れることが出来るとタカを括っていたのだけれど。

 俺は今年、タコになる。タコといっても空に舞う凧ではない。足がいっぱいある蛸だ。マダコは生まれたとき3㍉なのに、1年で300倍以上になる。あやかりたくなる成長力ではないか。

 しかし、である。タコの寿命は1年だという。来年の今頃、俺はタコ壷に閉じこもって……。年明け早々、暗い話になってしまった。
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