米軍によるイラク民間人虐殺映像を公開するなど、権力に牙を剥くウィキリークス創設者のジュリアン・アサンジが、アメリカの要請でロンドンのエクアドル大使館から連行された。香港では、雨傘運動の提唱者に有罪判決が下る。中国の圧力は増すばかりで、自由と民主化は風前の灯になっている。
汚職で追い詰められていたイスラエルのネタニヤフ首相は、トランプ大統領の支援もあり総選挙で勝利する。アパルトヘイトは続行するが、心和むニュースもある。パレスチナのサッカー場が改修され、ガザ地区とヨルダン西岸地区のチームの試合には多くの観衆が集まった。1億円の費用を提供したのは日本政府事務所だ。悪の枢軸<米イ>から距離を置く姿勢を見せたことになる。
キュアーの「ロックの殿堂」入りは遅きに失したが、授賞式におけるトレント・レズナー(ナイン・インチ・ネイルズ=NIN)のスピーチに、キュアーとロバート・スミスの魅力が余すところなく詰まっている。1978年にデビューしたキュアーは、ロック界の二大潮流の起点になった。
UKニューウェーヴの流れを汲むミューズ、インターポール、クーパー・テンプル・クロースらを経て、新星ペール・ウェーヴスのヘザーもキュアーへのオマージュを語っている。一方で、ポストパンク/オルタナにカテゴライズされるレッド・ホット・チリ・ペッパーズ、グリーン・デイらUS勢への影響は絶大で、NINは〝一番弟子〟といえるだろう。ロバート・スミスは今秋発表されるアルバムについて、「ハードコアファンが喜ぶダークで激しい作品」と語っている。
新宿で先日、「キャプテン・マーベル」(19年、アンナ・ボーデン&ライアン・フレック監督)を観賞した。マーベル・スタジオ製作、ウォルト・ディズニー配給で、最新技術をフル活用したスーパーヒーロー映画だ。〝繋ぎ〟的作品で、主人公のキャロルもしくはヴァース(ブリー・ラーソン)は近々公開される「アベンジャーズ/エンドゲーム」にも登場する。
縁がなかったタイプの作品を見るきっかけになったのは、ロッキング・オンHPに掲載された<時代設定は1990年代半ばでグランジ/オルタナ関連の引用がたくさん出てくる>(趣旨)という記事だ。事故で記憶を失ったキャロルはクリー帝国に搬送され、ヴァースの名で特殊能力を生かすべく訓練を受ける。感情を制御するよう彼女を諭すのは上官ヨン・ロッグ(ジュード・ロウ)だ。
テンポ良くアクションたっぷりのエンターテインメントで、荒唐無稽といえるほど弾けている。DVD化された暁には人気アイテムになるのは必至だから、ストーリーの紹介は最小限にとどめ、感想をファジーに記すことにする。
進歩と停滞、正義と邪悪、秩序と混沌、正統と異端……。アンビバレンツな価値観が同居するのがアメコミ原作の映画で、本作も特徴を受け継いでいる。ロックファン必見という点で共通しているのが「クロウ/飛翔伝説」(1994年)で、同作のサントラにはキュアーとNINがレイジ・アゲンスト・ザ・マシーンらとともに名を連ねていた。
地球人キャロル、クリー人ヴァース……。本作は主人公が記憶とアイデンティティーを取り戻す経緯を描いた作品だ。エネルギー・コアの行方を探るため地球に潜入、実は帰還したヴァースが踏み入れたのは1995年のカリフォルニアだ。圧倒的な軍事力を誇るクリーに抵抗するのは、不気味な外見で、カメレオンのように他者に同化するスクラルだ。
シールドのエージェント、ニック・フォーリー(サミュエル・L・ジャクソン)の協力を得たヴァースは、親友マリアと再会し、自身がキャロルだったことを知る。周囲と馴染むためヴァースが着ていたのがNINのTシャツで、グランジ風のアクセサリーも幾つか登場する。尊敬するローソン博士の真意、彼女の死の真相が明らかになり、キャロルはヴァースを捨てた。
<クリー=正義=アメリカ>、<スクラル=邪悪=イラン>といった構図が顛倒し、キャロルはスクラルの思慮深さと反戦の意志に気付く。トランプは二元論そのものだが、冷静に世界戦略を見据えるハリウッドは愚かではない。普遍性を重視し、真の意味でのグローバリズムを志向している。
俺にとって本作は音楽映画だ。エラスティカ、ホール、REMが流れ、肝というべきシーンではニルヴァーナの「カム・アズ・ユー・アー」ときた。猫のグースの活躍もMVP級で、疾走感溢れる作品だった。
汚職で追い詰められていたイスラエルのネタニヤフ首相は、トランプ大統領の支援もあり総選挙で勝利する。アパルトヘイトは続行するが、心和むニュースもある。パレスチナのサッカー場が改修され、ガザ地区とヨルダン西岸地区のチームの試合には多くの観衆が集まった。1億円の費用を提供したのは日本政府事務所だ。悪の枢軸<米イ>から距離を置く姿勢を見せたことになる。
キュアーの「ロックの殿堂」入りは遅きに失したが、授賞式におけるトレント・レズナー(ナイン・インチ・ネイルズ=NIN)のスピーチに、キュアーとロバート・スミスの魅力が余すところなく詰まっている。1978年にデビューしたキュアーは、ロック界の二大潮流の起点になった。
UKニューウェーヴの流れを汲むミューズ、インターポール、クーパー・テンプル・クロースらを経て、新星ペール・ウェーヴスのヘザーもキュアーへのオマージュを語っている。一方で、ポストパンク/オルタナにカテゴライズされるレッド・ホット・チリ・ペッパーズ、グリーン・デイらUS勢への影響は絶大で、NINは〝一番弟子〟といえるだろう。ロバート・スミスは今秋発表されるアルバムについて、「ハードコアファンが喜ぶダークで激しい作品」と語っている。
新宿で先日、「キャプテン・マーベル」(19年、アンナ・ボーデン&ライアン・フレック監督)を観賞した。マーベル・スタジオ製作、ウォルト・ディズニー配給で、最新技術をフル活用したスーパーヒーロー映画だ。〝繋ぎ〟的作品で、主人公のキャロルもしくはヴァース(ブリー・ラーソン)は近々公開される「アベンジャーズ/エンドゲーム」にも登場する。
縁がなかったタイプの作品を見るきっかけになったのは、ロッキング・オンHPに掲載された<時代設定は1990年代半ばでグランジ/オルタナ関連の引用がたくさん出てくる>(趣旨)という記事だ。事故で記憶を失ったキャロルはクリー帝国に搬送され、ヴァースの名で特殊能力を生かすべく訓練を受ける。感情を制御するよう彼女を諭すのは上官ヨン・ロッグ(ジュード・ロウ)だ。
テンポ良くアクションたっぷりのエンターテインメントで、荒唐無稽といえるほど弾けている。DVD化された暁には人気アイテムになるのは必至だから、ストーリーの紹介は最小限にとどめ、感想をファジーに記すことにする。
進歩と停滞、正義と邪悪、秩序と混沌、正統と異端……。アンビバレンツな価値観が同居するのがアメコミ原作の映画で、本作も特徴を受け継いでいる。ロックファン必見という点で共通しているのが「クロウ/飛翔伝説」(1994年)で、同作のサントラにはキュアーとNINがレイジ・アゲンスト・ザ・マシーンらとともに名を連ねていた。
地球人キャロル、クリー人ヴァース……。本作は主人公が記憶とアイデンティティーを取り戻す経緯を描いた作品だ。エネルギー・コアの行方を探るため地球に潜入、実は帰還したヴァースが踏み入れたのは1995年のカリフォルニアだ。圧倒的な軍事力を誇るクリーに抵抗するのは、不気味な外見で、カメレオンのように他者に同化するスクラルだ。
シールドのエージェント、ニック・フォーリー(サミュエル・L・ジャクソン)の協力を得たヴァースは、親友マリアと再会し、自身がキャロルだったことを知る。周囲と馴染むためヴァースが着ていたのがNINのTシャツで、グランジ風のアクセサリーも幾つか登場する。尊敬するローソン博士の真意、彼女の死の真相が明らかになり、キャロルはヴァースを捨てた。
<クリー=正義=アメリカ>、<スクラル=邪悪=イラン>といった構図が顛倒し、キャロルはスクラルの思慮深さと反戦の意志に気付く。トランプは二元論そのものだが、冷静に世界戦略を見据えるハリウッドは愚かではない。普遍性を重視し、真の意味でのグローバリズムを志向している。
俺にとって本作は音楽映画だ。エラスティカ、ホール、REMが流れ、肝というべきシーンではニルヴァーナの「カム・アズ・ユー・アー」ときた。猫のグースの活躍もMVP級で、疾走感溢れる作品だった。
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