弁理士の日々

特許事務所で働く弁理士が、日常を語ります。

デフレ対策・もう一つ

2009-11-24 19:27:22 | 歴史・社会
月刊誌Voice12月号を買いました。最近3ヶ月間、Voiceを継続して買っています。
あの高橋洋一氏が月刊誌に復帰しているのですね。「政策工房会長」という肩書で、『「郵政見直し」国民負担1兆円 まやかしの民営化は必ず破綻する』という評論を書いています。

郵政の話は、私が高橋氏の持論として今まで取り上げてきた内容を踏襲するものでした。

ここでは、亀井静香大臣のモラトリアム法案を題材にした話をメモしておきます。
「モラトリアム」的な考え方は、じつは、GDPギャップが足元で50兆円もあるような現状を前提とし、中小企業への支援対策として考えるならば、悪いものではない、とします。この法案にうまく政策をかませば、力があるにもかかわらず経営難に陥った中小企業にとって大きな救いになるだろうと。
ただし、モラトリアム法案では返済の猶予にあたり、信用保証協会などを活用して政府保証を付けるとしていますが、そのためには財政措置も必要になります。補正予算で政府保証についての計上がされなければならないと。しかし民主党政権は補正予算の提出を年明けの通常国会としています。

ここで高橋氏は、日銀に金融緩和をさせつつ、中小企業対策もやらせることを提案します。
具体的には、中小企業に銀行が貸し付けている貸付債権を日銀が買い取ります。これなら損失は日銀に回り、銀行にとっては政府保証がつくのと変わりません。一方、日銀が買うことで、日銀から出たお金が市中に出回るようになり、結果として長期金利も下がり、これは多くの人が自動的に猶予を受けるのと同じ意味を持ちます。これはまさに金融緩和策で、デフレ対策にも中小企業対策にもなり一石二鳥政策で、どこから見てもいいことずくめです。
日銀が中小企業向けの貸付債権を5兆円なり10兆円なり買い取らせるのがベストといいます。

亀井大臣はそこまで頭が回っていないだろう。金融庁や財務省は、気付いたとしても自分たちの仕事ではないから何も言わない。日銀自身はこれをやりたいと思っていないから自分たちからいいだすこともない。
--以上--

11月23日、テレビで「たけしのTVタックル」の一部を見ていたら、これらかの日本経済やデフレについて論じていました。亀井静香大臣、勝間和代氏、岸博幸氏、中小企業の社長さんたち大勢など、大人数です。

その中で勝間和代氏が、「日銀が中小企業の貸付債権を買い取ると良い」という意見を述べていました。上の高橋洋一氏と同じ意見です。「日銀が国債を買い取るべき」即ち量的緩和政策についても同時に述べていました。
しかし勝間氏の発言も、その後の別の人の発言でかき消され、それ以上進展することはありませんでした。
この番組、民主党関係者も日銀に影響力を有する学者も出演していませんでしたから、この話題で議論を深めることは不可能でしたが。

勝間氏がここで発言したということは、他の場所でも発言しているでしょうから、以前紹介した『勝間和代「リフレ論」が大反響 ネットで賛否両論が渦巻く』と同様、勝間旋風を巻き起こしてくれるかもしれません。それに期待しましょう。

本日11月24日も、日経平均株価は落ちる一方です。
民主党政権はデフレ宣言をして危機を煽るばかりで、デフレ対策を打ち出しません。こんなことならデフレ宣言をしない方がましです。民主党の野党体質が抜けていない、ということでしょうか。日銀も他人事のようにどこ吹く風です。

ps 11/25 こちらに高橋洋一氏「郵政見直し」国民負担1兆円/高橋洋一(政策工房会長)」の全文がありました。
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