<3716> 奈良県のレッドデータブックの花たち(192) ドロニガナ(瀞苦菜) キク科
[学名] Ixeridium dentatum subsp. kitayamaense
[奈良県のカテゴリー] 希少種(旧絶滅危惧種・環境省:絶滅危惧Ⅱ類)
[特徴] 大台ヶ原を源流とする北山川の川岸の明るい岩場に生える紀伊半島南部地域特産として知られ、峡谷の景勝地熊野の名所瀞八丁に因んでこの名があるニガナの仲間の多年草で、その後、十津川や吉野川、福井県の一部でも見つかった日本の固有種である。
草丈は大きいもので高さ30センチほど。よく分枝し、葉は柄を有する披針形で、茎の下部に集まり互生する。花期は4~6月で、枝先に集散花序を出し、直径2センチほどの黄色の頭状花をつける。頭状の舌状花は10個前後で、ハナニガナに似るが、茎や花に違いが見られる。
[分布] 日本の固有種。奈良、和歌山、三重、福井各県。
[県内分布] 十津川村、下北山村、上北山村、天川村、川上村、五條市、吉野町、曽爾村。
[記事] 分布が限られ、個体数も多くなく、環境省も絶滅危惧Ⅱ類にあげているが、近年調査が行き届き、発見箇所が増えたことにより奈良県では絶滅危惧種から希少種(準絶滅危惧種)にランク下げされた。 写真は川岸の岩場で花を咲かせるドロニガナ(右端は花のアップ、全て十津川村)。
生は環境に左右される