<3697> 奈良県のレッドデータブックの花たち(185) テバコモミジガサ(手箱紅葉傘) キク科
[別名] テバコモミジソウ
[学名] Parasenecio tebakoensis
[奈良県のカテゴリー] 希少種(旧無指定)
[特徴] 暖温帯上部から冷温帯の湿気のある林内や林縁に生える多年草で、高さが30~80センチになる。根茎が横に這い群生することが多い。モミジのように掌状に裂ける葉も筒状の花もモミジガサによく似るが、全体に小柄で、葉裏に脈が浮き立つ特徴により判別できる。
花期は8~9月で、茎頂にモミジガサと同じような円錐状の花序を出し、長さが1センチほどの頭花が花柄をともない数個つく。頭花は4~6個の白い筒状花からなり、先が5裂する。雌しべの花柱が2つに分かれ先が丸く反り返る。総苞は筒状で、裂片は5個。実は蒴果。
[分布] 日本の固有種。本州の関東地方から近畿地方の太平洋側、四国、九州。
[県内分布] 中央構造線より南側の外帯(主に紀伊山地)。襲速紀要素植物分布域。
[記事] テバコモミジガサ(手箱紅葉傘)の名は高知県の手箱山(1806メートル)で最初に発見され、直立する茎に紅葉のような葉がつくことによる。紀伊山地の登山道などでときおり出会う。近年シカによる食害の被害で個体数が著しく減少しているという。 写真はテバコモミジガサ(hダリ)と花序のアップ(右)。
生は可能を意味し
可能は望みに通じ
望みのあることが
生を立ち行かせる