<1302> 春の一日
霞立つ 雲雀は我より 日に近し
今日の大和地方は朝方濃霧に被われ、「何も見えねば大和と思へ」の状態だった。これは昨日の雨で大気中に湿気が多く、加えて暖かな朝になったからに違いない。午前九時ごろ晴れ間が広がり、日中は四月中ごろの陽気になった。霧は春霞に移行の状態になって周囲の青垣の山はその霞に遮られてほとんど見えない一日だった。
いよいよサクラの季節で、氷室神社(奈良市)の枝垂れは、樹勢の衰えが少々気になるところであるが、満開。この暖かさが続けば、二、三日で各地のソメイヨシノも満開になるだろう。吉野山のヤマザクラは少し遅れ、一週間ほど後になるのではないか。庭ではムスカリが一気に青紫色の花を咲かせ、いよいよ春爛漫である。
人を寄せ 集めて枝垂れ 桜かな
ムスカリや 庭一面の 暖かさ