生花と造花は違います。
生花を育てるのには、土を耕し、種を植え、水をやり、肥料をやり、雑草を抜き、たくさんの手間暇と努力が必要です。そして、美しく咲いた花を飾ったところで、短い命でしかありません。
一方で、造花作りに力を注ぐ人たちもいます。本物の生花は育てるのも大変だし、命は短いし、コストも高いので、できる限り、本物に似せた造花を作ろうと、人々は懸命に努力をしていきます。ここにも確かに努力と価値があります。
両者は共に努力をしているのです。
人々の需要がそこにある以上、造花を作ろうと懸命に努力をするのも、尊い努力です。
しかし、人を育てる場合、私は、本物らしくする努力をするのではなく、本物を育てる努力でなければならないと思います。
本物らしくしよう、見栄えを良くしようという教育は、結局、偽物を育てる教育にしかならないと思うからです。
どんなに拙くとも、見栄えが悪かろうとも、生きた本物であることこそが大切なのです。
私は本物を育てる教育をし続けていこうと思います。