二宮尊徳翁を訪ねて栢山へ行ってきました。
良いお天気で、富士山がとてもきれいでした。
しかし、皮肉なもので、富士山が噴火したことで、
酒匂川が氾濫し、そこから二宮金次郎の苦闘が始まったのです。
これもまた、一円観で見るべきなのかもしれません。
「一円観」とは、善悪、貧富、強弱、苦楽、禍福、敵味方などの対立の諸相は、あくまで立場の違いからくるもので、相対的なものに過ぎない。
あらゆる物事の対立は、各々を「半円」の姿で見るから起こるのであって、「一円」のもとで見れば、対立するものもすべて合わさって一体のものとなる。
こうした考え方です。
結局、二宮尊徳は、小田原から追い出されることになってしまいましたから、小田原でどれほどその精神が受け継がれ、検証されているのかは定かではありません。
しかし、二宮尊徳ほど世に尽くした人でも、やはり、人々の嫉妬を受けて、その地を追われることがあるのだと、感慨深く思いました。