みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

神から出発する

2021年12月06日 | ヨブ記

ヨブ記 34章16−37節

 土曜日にストラスブールへ。その帰り、パン屋さんで美味しそうなバケットサンドを見つけ、クロワッサン2個といっしょに購入し、車中で夕食。その美味しいこと! 二人であっという間に平らげてしまいました。川を境にして、こんなにもパンの味が違うのだろうかと驚きました。

 34章後半は大きく二つに分けることができます。初めの段落でエリフは、神は公正であり必ず正しくさばく方だと語っています。これは、ヨブが自分の義を沈黙し続ける神に訴える中で、神に疑いをおぼえるようになったことを受けての戒めのことばです。

 そして次の段落で、彼はヨブに、この公正で正しくさばく方に罪を告白するようにと促すのです。32節に「私が見ていないことを、あなたが私に教えてください」とあります。別の翻訳は「私に見えないものを私に教えてください」です。どんなに聡明な人でも見えていないものがある、いやむしろ、聡明な人ほど自分に見えないものがあるのを知っているのかもしれません。

 35節の「ヨブは知識もなしに語る。彼のことばは聡明さに欠けている」ということばは、人間の限界をわきまえるようにと響いてきます。ヨブは沈黙の神に訴え続けているうちに、神のお姿をゆがめて捉えるようになったのではないだろうかと、エリフは指摘するのです。

 エリフが全くの真理を語っているとは言えないにしても、彼のことばはヨブが気づかなかったことに光を当てているということに気づきます。エリフはヨブに、あなたから出発するのではなく、神から出発して事を考えるように諭しているのではないのでしょうか。


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