みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

レビヤタンは私

2016年12月17日 | ヨブ記

ヨブ記 41章13−34節

 レビヤタンについての神の描写が続きます。それは恐ろしくグロテスクでとても人間の手には負えず、やっつけようとしても歯が立たないようなものです。当たり前のことですが、神がご自分のお造りになったものについて熟知しておられることを、それゆえに、ヨブに克明に語っておられることがわかります。

 「そのくしゃみはいなずまを放ち」、「その口からは、たいまつが燃え出し」、「その鼻からは煙が出て、煮え立つかまや、燃える葦のよう」などという描写は、ユーモラスでさえありますし、絵に描いてみたらどんなものなのだろうかと想像力が膨らみます。それとともに、そんな「怪物」が自分の目の前に現れたならば、恐ろしくて凍り付いてしまうでしょう。

 ヨブはいったい、どんな思いでレビヤタンについての神の描写を聞いていたのでしょうか。もちろん、自分にはこんな恐ろしいものを手なずけることなどできないという思いもあったことでしょうが、聞いている中で、この恐ろしい生き物に勝るとも劣らずに、自分もまた恐ろしい生き物なのではないかという思いに駆られたのではなかったでしょうか。語りかけの最後の神のことばは、「それは、すべての誇り高い獣の王である」です。彼は、恐ろしい怪物に何の手出しもできない自分の小ささを思い知るとともに、自分の高ぶりの罪をここで自覚するに至ったのです。レビヤタンとは私だと…。

 「神は、高ぶる者を退け、へりくだる者に恵みをお授けになる。」イザヤ書4章6節


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