魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

桶屋儲け

2010年06月25日 | 日記・エッセイ・コラム

No.941

「風が吹けば桶屋が儲かる」という話は誰でも知っているが、笑い話だと思われているせいか、現実問題として考える人は少ない。
世の中は、これよりもっと単純な理屈さえ通らない。

バブル崩壊の不良債権問題の時、銀行への資金注入に、国中がいっせいに反対した。
「われわれの税金を、放漫経営の銀行になんか出せるか」と言って、もめている内に、どんどん悪化して、手遅れになった。
その放漫経営によるバブルで、いい思いをしていたのは国民であり、銀行が窮地に陥っていた時に、バブル期の利ざやを貯め込んでいたのも国民だ。(貯め込めない人でも、好景気で仕事はあった)
そのあげく、失われた20年で、結局、預金を絞り出すことになった。

個人商店の、父ちゃんと母ちゃん.。父ちゃんが祭りの儲けを狙って大量仕入れをしようとすると、母ちゃんが、「生活に追われているのにそんな金は出せない」と怒鳴りつける。父ちゃんがビビって、何にもできないでいる内に、大量仕入れした隣の店が大儲けして、祭りは終わった。
今日も、母ちゃんは「うちは何で金がないんだ、何とかしろ」と怒鳴っている。

企業所得税の減税をするより、給料を上げるべきだ。と言う理屈は、目先はその通りだ。
しかし、企業が儲かれば雇用は増えるし、給料も上がる。今時の企業は階級闘争時代の企業ではない。まして日本の経営者は労使一体意識が徹底している。(外人のトップの給料と比較すれば歴然)

高速道路無料化は無駄使いだという理屈も、一見その通りだ。
しかし、渋滞緩和に加えて、流通のコストダウンによる経済効果を考えれば、間接的に、社会全体に何倍にもなって帰ってくる。

仮に、経済後進地域を特区にして、企業の税金を免除すれば、企業が続々移転し、莫大な雇用と経済流通が進み、個人所得や消費税、地価上昇からの税収が増えるだろう。

こういう、間接的経済効果については、誰も語ろうとしないし、仮に語っても、自分の財布に金が入らない限り、誰も耳を貸さない。

それどころか、逆に、目先の金さえ入れば、どういう仕組の金かより、何でも良いから現金を得ようとして、マルチ商法に引っかかる。
ギャンブルには、惜しまず金を出す人でも、税金の話になると、俄然、真顔になる。とにかく取られたくない。
だから、胴元のパチンコ屋の脱税も絶えない。

税金問題は、桶屋になって考えなければならない問題だ。