今月の建築講座は明石市大久保にある安藤邸へ訪れた。
遠くにぞくぞくするような魅惑的なたたずまいの屋根が目に飛び込んできた。
安藤邸は大正8年に建てられた邸宅で、なんと外観だけが完成した後、施主が亡くなったため、
内部は未完成のままだそう。
その建物は、未完成のまま誰にも住まわれることなく約90年の時を経、今もなおそのままの状態で残されているという。
その話を聞くだけでもなんだかミステリーな小説を1冊くらい書けそうな感じ・・
マンサード屋根に、珍しいというS字型のスパニッシュ瓦が乗る。
焼きむらのある瓦は遠くから見ると良い色合いを放っていて、青銅の窓枠とマッチしてる。
円形に見えるくらい先が食い込むアーチ窓はアールヌーヴォー様式の特徴だそう。
そして敷地の中へ。
建物は総石造りで建てられているという。
石の厚みは約50cmもあるのだそう。
ルスティカ積みで積まれた外壁
煙突が通ってる部分
この外観で、もし内部が出来上がっていたとしたらどんな雰囲気の内装になっていたのだろう~
1階を少し覗かせて頂いたが、想像力が膨らむ・・
和風の車寄せ
車寄せの格天井
敷地内には洋館の他、書院造の格式の高い客殿と和風住宅があり、客殿の内部も入らせていただけた。
洋館、和館とも改修するにも莫大な費用がかかるとのことで今後の行く末は定まっていないのだそう。
帰りは近くの喫茶店へお茶に立ち寄った。
いつも手作りお菓子を振舞ってくださるKさんがこんなかわいい猫ちゃんのクッキーを作ってきてくださった。
なんと、猫の型枠から手作りだという。いつもながら職人だなあ。
イケフェスの話題で盛り上がりつつ、みんなで写真を撮りながら美味しく頂いた。