転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



娘の通うA中学で、中3保護者を対象に、
高校から始まる文理選択についての説明会があった。
完全に文理に分かれるのは高2からだそうだが、
中3の今から、自分が将来、何になりたいか、
そのためには高校卒業後、どういう進路を取ることになるのか、
それには文理どちらのコースを選ぶべきか、等々を
よく考え、家でも話し合っておくようにとのことだった。

だが、うちの娘の場合、もう議論の余地は、ないのだ。
中学入試の頃から、算数と理科が出来なくてどうしようもなく、
かわりに国語と社会なら、たまに成績優秀者欄に載ることができ、
「まあ、典型的な文系っていうしかないですなぁ」
と進学塾の先生に苦笑されるような成績だったのだ。

こんな者が、週に10時間も数学をせねばならないうえ物理必修、
などという理系コースで、まともに生きていける筈がない。
娘は、一も二もなく、文系だと、本人も認めており、
我が家の場合、全く迷いはないのだった。
ただ問題は、国語と社会、それに英語、の文系三科目が、
果たして「得意」と言えるほどアテになるのか、なのだが(汗)。

娘「まあ、私大文系って感じ?」
私「何が何でも出来るだけ数学や理科を避けて通ろうと」
娘「まぁ、そういうことやね」
私「ほんで、何になりたいわけ?」
娘「漫画家かな」
私「芸術系ってことか」
娘「うーん・・・」

(--#)。
そりゃあ、娘にヒット作を書かせて、私も一緒に印税生活、
などということを、夢に見ないワケではないのだが、
生半可なことで漫画家になれるものではなかろうし、
運良くなれても、なまじなことで続けられるものでもないだろう。
娘は、本当にそのような覚悟があって、言っているのだろうか?

それに何より、キミは、美術の成績がだよ?


ちなみに、きょう学校でお喋りしていて、
とにかく娘らは勉強しない、という点で、
我々保護者は意見の一致を見た。
入試に通ってからすっかり満足し、シアワセになってしまい、
学校が楽しくて仕方なく、高校入試もないし全く危機感がない、
というのは、どの子も似たり寄ったりだった。

と、そのうち、お母さんのひとりが、
「うちの子の希望は、数年前まで『魔女になること』だった」
と仰ったので、皆でオオウケした。
魔女!それって理系なんだろうかな、やっぱり!?

Trackback ( 0 )




CHABO涙…清志郎さんへ追悼の23曲(nikkansports)
『2人で歌うはずだった曲を、たった1人で歌った。2日に58歳で死去したロック歌手忌野清志郎さんの盟友、仲井戸“CHABO”麗市(58)が22日、都内でソロライブを行った。病院で最期をみとり、4日の密葬に参列後の初のステージを清志郎さんへの追悼ライブとした。』

チャボこと仲井戸麗市は、RCサクセションのギタリストであり、
清志郎がソロになってからも、たびたび活動をともにした盟友だった。
清志郎のライブの映像を観ると、ほとんどいつもその横には
まさに当意即妙という呼吸で応えるチャボの姿があり、
二人がどれほど理解し合った無二のパートナーであったかが、
よく伝わって来たものだった。

『冒頭からギターを持つ手が震えた。「ちきしょう、サングラス忘れちゃった…」。親友とともに愛してきた外国人歌手のカバー曲の連続で <歌詞>ここにいるはずの君がいない…。<歌詞>ずっとあれから努力してるんだ、君の不在を受け止めることを…と、悲しみの和訳で歌った。』

4日の清志郎の密葬のとき、チャボは痛々しいほど憔悴していたが、
流れる録音の清志郎のライブの声が、『OK、チャボ!』と呼んだとき、
不意に立ち上がって前に出て、ライブさながらのパフォーマンスをした、
と、新聞記事に書いてあった。
清志郎が高校を出て最初に買ったギターの、
ギブソン『ハミング・バード』が、遺品としてチャボに託され、
チャボは清志郎の出棺のとき、それを高く高く掲げて見送った。

――以来、チャボは沈黙した。
9日の青山の葬儀のときにもチャボの姿は無かった。
この、昨夜のライブが、4日以降、初めての、
チャボからの意思表示だったのだ。

『当初は4月までメールのやりとりをしていた清志郎さんをゲスト出演させるつもりだった。「調子が良さそうなら、歌ってもらおうと楽しみにしてたので、悔しいです」。2人で歌うはずだった、RCサクセションの「君が僕を知ってる」「いい事ばかりはありゃしない」「夜の散歩をしないかね」を1人で歌った。スタンドマイク1本でハモる場面では、いつものように左に寄った。もう、右に清志郎さんはいない。それでも体が自然と傾いた。』

加藤くん(チャボ)と栗原くん(清志郎)は、
まだRCを結成する以前から意気投合し、頻回に文通をしていた仲だった。
携帯もメールもなかった、40年前という時代、
文字通り手書きの往復書簡が、無名の、若い二人を繋いでいた。

『40年前の出会い、文通をしていた秘話を、詩の朗読で披露した。全23曲が清志郎さんにささげる歌詞だった。ザ・ローリングストーンズのボーカルとギタリストに例えられ「日本のミック・ジャガーとキース・リチャーズ」とまで称された唯一無二の名コンビだ。「離れ離れになんかなれないさ」と歌った。』『「おーい!! 清志郎、歌い続けること、だよな? わかってるゼ!! キヨシ、キヨシ、君の友だち、仲井戸チャボ麗市」。』『涙でくしゃくしゃの顔で天に向かって“手紙”を読み上げ、文通が終わった。清志郎にさよならした。』【瀬津真也】

清志郎がいなくなり、本当ならチャボは、まだとても、
人前に出られるような状態ではなかったのではないだろうか。
でも、清志郎を上から下まで全部、わかっていたチャボだから、
こんなにつらいライブを、敢えて行ったのだと思う。
清志郎がチャボに、『歌い続けること』を望んでいるのが、
チャボには、わかっていたから。
チャボにしか歌えない歌を聴かせて貰えたことで、
チャボファンも清志郎ファンも、昨夜は、新たな涙の中で、
どれほど強い気持ちを分かち合えたことかと思う。

ありがとう、チャボ!愛してまーす!

Trackback ( 0 )




主人がテレビを観ていたら、「鬼嫁運動記者倶楽部 勝ちグセ。」
という企画で、北斗晶がマツダスタジアムに来ていたことがわかった。
放映は23日(土)だそうだ。

私「ほー、デンジャラス・クイーンが広島に!」
夫「ほうよ。カープにゃ、ちーとカツ入れてって欲しいわ」
私「監督に、一丁」
夫「いやもう、オーナーの頭カチ割ってもろて、ええけ」
私「『ふざけんじゃねえ!オラ殺すぞ!』とノーザンで」
夫「そうそう!」
私「なんなら健介も呼んで、監督とオーナーをダブルで」
夫「いっそ殺(ヤ)ってくれてええから、もう」

ルイスが投げてさえ今夜も勝てないカープに、
もはや主人はキレているのであった。

***************

それにつけても、昭和のプロレスは素晴らしかった。
このところ、よくYouTubeで昔の映像を検索してみるのだが、
初代タイガーマスク(佐山聡)は本物の天才だったとつくづく思う。
でも、惜しいことに、彼は、プロレスをやりたくなかったのだ。
あのまま続けていたら、どれほど偉大なレスラーになっただろう。
マスクのまま、新日のエースになれたかどうかは、微妙だけれど・・・。

タイガーマスク vs ダイナマイト・キッド(1982年)(YouTube)

『やりたいことと、やるべきことは、違うんだな』
という植木等氏の言葉は蓋し名言だった。

Trackback ( 0 )




主役をさしおいて、なんでゆうひ(大空祐飛)くんを語っているのか、
我ながらおかしいのだが、もうひとつだけ、ロメロのことを書くと、
決闘の直前に、エリオとエバの出生の秘密が明かされ、
絶望のただ中に突き落とされたエリオを前にして、ロメロもまた、
深い打撃を受けたことが、今回の舞台ではよくわかった。
残念ながら私は正確な台詞を覚えていないのだが、
『どう申し上げたら良いのか』みたいなことを、
ロメロがエリオに向かって言葉少なに言う箇所があって、
この言い方が、ゆうひくんのはとても巧かった。
短い台詞だが、大変に印象に残ったのだ。

ここではもう、話の中心はエリオのほうに移っているし、
ロメロの発言は、言い様によっては蛇足にさえなりそうなのに、
ゆうひくんの声のトーンからは、ロメロの立ち位置がよく伝わって来た。
彼は彼で、エバを愛し、これまでに彼女との間に築いたものがあり、
エリオのことも、エバを通して彼なりに知るようになっていた。
多分、この場でエリオの苦悩の意味が、最もよく理解できたのは、
エリオの母親でもなく友人たちでもなく、
エリオと同じ女性を見つめてきた、このロメロだったと思う。

あとで調べたら、ゆうひくんは92年初舞台なので、
95年初舞台のまとぶん(真飛聖)より、3期ほど実際に上級生だった。
この学年差の御陰で、今回の配役が巧く行った面もあったかもしれない。
ロメロは路線男役にとって大変難しい役だと改めて思った。
それをあそこまでかたちにして見せたゆうひくんは、さすがだった。
広島で彼女を見たのは、『ジャワの踊り子』のハジ・タムロン、
『ダルレークの恋』のペペル、そして今回のロメロと三度目だったが、
どれも彼女ならではの魅力があり、高い完成度だったことがよくわかった。
彼女はこのあと、宙組主演男役に就任することが決定しており、
まさに満を持して、と言える、良い時期に昇格が決まったと思った。

さて、このあとは、記憶が新しいうちにまとぶんのことを書かないと(^_^;)。

(続)

Trackback ( 0 )




そごう広島店の催事場で行われている『リカちゃん展』を見て来た。
昭和42年発売の初代リカちゃんから、現在の四代目リカちゃんまで、
何百体ものリカちゃん人形と、そのお洋服、ハウス、家具類が、
たくさん展示されていて圧巻だった。懐かしいものも随分あった。

私は幼い頃、リカちゃんのテレビCMに心をときめかせ、
たくさん持っている友人のところで遊ばせて貰ったりして、
しかし自分はなかなか思い通りには買って貰えなかった、という、
昭和30~40年代生まれとしては多分、典型的な女の子のひとりだった。
誕生日とか、クリスマスとか、そろばん検定試験の帰りとか(?)に、
親が寛大な気分になったとき、人形やその洋服を買って貰ったものだ。

初代リカちゃんの頃は、人形の体が硬かったのと、
股関節が、立ったときのカタチだけを重視した構造だったので、
椅子に座らせると、リカちゃんもママも大股開きだった。
髪を美しく結い上げた織江ママが、膝を伸ばし両足を90度に近く開き、
柔軟体操のようなポーズでソファに座っていたものだ。
ロングドレスを着せないと、やってられなかった。

そういえば、当時の家の近所に、
リカちゃんと合わせてバービー人形も持っている子がいたが、
少女体型かつ童顔のリカちゃんとは異なり、
アメリカ産のバービー人形は、いわゆるボン!キュ!ボン!で、
背も高く、顔立ちもクッキリしていた。
今、大人の目で見れば、バービーの格好良さもわかる気がするのだが、
子供だった私たちの間では、バービー人形はあまり評判が良くなく、
リカちゃんごっこをするとき、バービーの役は、
「怖い学校の先生」「意地悪な継母」「誘拐犯の女」とかだった
(これは全国的な傾向だったと見えて、同内容の逸話が、
『リカちゃんの少女フシギ学』(増淵宗一・昭和62年)に掲載されている)。

また、今のリカちゃんは、髪型をいろいろとアレンジできるように、
髪質が考えられていて、ヘアセットの道具もついているようなのだが、
私たちの愛した初代や二代目には、そういうことは無理だった。
二代目を買って貰った頃、私の初代リカちゃんはかなりくたびれており、
顔があちこち黒く汚れていて、髪も山あらし状態だったので、
あるとき、思い切って、髪を結い直してやろうと思ったのだが、
もとの髪型に都合の良いような向きに髪が最初から植え込まれていて、
クシでとかしてやっても、うまく行かなかった。
それで、キレた私は、初代リカちゃんをベリーショートにしてやった。
刈り上げて、その名も「カリちゃん」と改めさせたものだった。

私の手に触れていた、あの人形たちは、結局、どうしたのだろう。
引越や、家の改築などの際に、きっと処分されたのだろうが、
私自身は、我が家のリカちゃんの最後を記憶していない。
姑のいる特養で、いつもお人形さんを抱っこしているおばあちゃまが
ひとりいらっしゃるのだけれども、
私がもし、かなり高齢になるまで長生きして、心が童女に戻ったなら、
リカちゃん人形を貰うと嬉しいのではないだろうか、
と展示を見ながら、ふと思った。
それで、家に帰ってから娘にそう言ったら、
「わかったわかった。買ってあげよう」
と娘はいとも簡単に承諾してくれた。
思えば、この娘が、幼稚園の頃から全くリカちゃんなどに興味を示さず、
星獣剣だの獣撃棒ばかりを欲しがるので(@『星獣戦隊ギンガマン』)
『娘にリカちゃんを買ってやる』という代償行為が実現しなかったのだ。

Trackback ( 0 )




・A中高は三学期制なので、今週は中間考査をやっている。
娘は、日頃しない勉強をしたせいか、毎朝眠いと言っている。
日頃、どんだけ脳味噌にラクをさせているのだろう(--#)。
学校では、今後もし近隣で新型インフルエンザの発生が報告されたら、
休校などの措置も検討すると、数日前に話があったそうだが、
娘の期待に反して、中間考査は完全に予定通りに始まってしまった。
ちなみに娘は休校にでもなろうものなら、家で一日中寝るだろう。
カラオケを禁じるどころの話ではない。娘は基本、インドアだ。
日頃から、寝て良いとなったらどれだけでも寝られると豪語しているし、
「家で遊ぶ」のも、漫画やお絵かきを愛する彼女には理想的だ。

・新型インフルエンザでこんなに大騒動になってみると、改めて、
毎年の冬に流行っている、いわゆる季節性インフルエンザが、
ろくに注目されないのは、いくらなんでも差別待遇だろうと思った。
日本だけで、毎年、患者数が何万人、死亡者も多いときは千人以上、
だのに、患者数や死者数が速報ニュースになったりしないし、
患者の発病以後の行動が報道されたりしない。
外国帰りに空港で発熱しても、なぜ流行する真冬なのに海外に行った、
本当に行く必要があったのか、などと世間から叱られたりしない。
学校で一クラス十数名がインフルエンザになり学年閉鎖に追い込まれても、
学校長が、テレビどころか保護者の前でだって、
涙の会見をしたなんてのは見たことがない。
どうして、皆、従来の季節性インフルエンザをここまで軽視できるのか。
「新型」は弱毒性だろうが何だろうが「新しい」だけで滅茶苦茶怖がられ、
患者の出た県には近寄ってもいけないということだ。
これが季節性インフルエンザなら、札幌に何千人・何万人と累計患者がいようと、
観光客の多くは、予防接種もせずに「雪祭り」を見に行くんじゃないのか。
今だって、発熱した人がインフルエンザの簡易検査を受けたとして、
「B型」と判明したら、みんな「ああよかった。新型じゃなかった」
と、それだけで命が助かったみたいに安堵しそうな勢いではないか?
いくらなんでも、それは物事の軽重を測り間違っていると思うのだが。

・豚インフルがヒトの間で蔓延するということは、豚は人間に近いのか。
昔、うちにいた猫のチーコが、ある年の冬に、ひどい風邪をひいて、
鼻を垂らし咳き込み、熱を出してよろよろになっていたことがあって、
人間ならこれは間違いなくインフルエンザという症状だよな、
と思ったことがあったが、私も家族も誰も、
かわるがわる猫を抱いたり触ったりしても、その風邪を貰わなかった。
また、それとは別の年、私自身がインフルで寝込んだとき、
毎日寝ているだけでつまらないので、チーコを布団に連れ込んだが、
猫のほうは別にその後もどこもなんともなかった。
つまり、チーコと我々の間では、感染は成立しなかったわけだ。
可愛いチーコより、アメリカのブーどものほうが
遺伝子レベル?で我々に近かったなんて、全然納得できませんわ~(涙)。

Trackback ( 0 )




ロメロがレット・バトラーほど年齢の高い男だとは思わないが、
明らかに、主役のエリオより年長の男性だということが
ゆうひ(大空祐飛)くんの演技から自然に伝わってきた。
エリオが、情熱的で眩しい、いかにも青年らしい存在であることに較べ、
ロメロは、財力も社会的地位も兼ね備えた、陰のある大人の男性だった。
オペラグラスを持っていなかったので、細かいことはわからなかったが、
ゆうひくんの演じるロメロは、芝居の流れが能動的な場面でも、
冷たく硬い表情を維持していたところが多かったのではないだろうか。
舞台の雰囲気やロメロの風情からは、そのように見えた。

最初にロメロを良いと思ったのは、別邸での夜会の場面の立ち姿で、
私の観たい・私好みの、男役の上着ラインが、実に綺麗に見えた。
「ただまっすぐ立っているとき、どんな男役に見えるか」
というのが、究極的な試金石みたいなものだと私は常々思っていて、
今回のロメロには、その点で「!」と心惹かれるものがあった。
ただ、このときは、ゆうひくんだと全然気づいていなくて、
『誰か知らんが、さすが、花組の男役だなぁ』
とひたすら自分勝手な感慨にふけっただけだったが
(高汐巴の時代以来、私の中では『花組の男役』というのが、
宝塚男役のエッセンスを体現する用語みたいなものだ(殴))。

そのあと、しばらく、ビセントとメリッサの道ならぬ恋のほうに
話の力点が、一旦、移動してしまったような印象があって、
私はこのあたりはビセントが二番手だと勘違いして観ていた。
ビセント(愛音羽麗)には破滅的な美しさがあって、とても良かった。
年齢だけでなく役柄的にも、本来はロメロよりビセントのほうに、
主役に準じる味付けとか場面構成などが与えられているようだし、
もっと濃く演ってもおかしくないのでは、と観ながら思ったが、
後半、ビセントの登場場面がなくなり、軽い扱いになってしまうので、
芝居全体のバランスを考えると、難しいところだったのかもしれない。

メリッサを巡ってビセントと争う司法長官がまた、実に端正で
ロメロほどの年齢は感じなかったが(でも本当はオッサンなのでは?)
誰が演じているのかと思ってあとで調べたら、こっちは眉月凰だった。
エリオ、ロメロ、ビセント、司法長官のセバスチャン伯爵、
それにエリオの師アントン(夏美よう)、と、
どちらを向いても型の見事な二枚目が並んでいて、
こういうものが観られる組はやはり豪華でいいなあと思った。

さて、ビセントとメリッサの後を辿るように、
その後、エリオとエバも危険な恋に身を投じるのだが、
エバを愛人にしていた(「妻」でないところが良い!)ロメロは、
これを看過できず、自身の愛と誇りを賭けて決闘を申し込んでくる。
芝居では、エリオの葛藤がとても丁寧に描かれていて、
まとぶん(真飛聖)は勿論、文句なしの好演だったと思うのだが、
私は、ここでロメロのほうの内心が吐露される場面がほぼ無いというのが、
柴田先生の計算なのか、主役じゃないから仕方ないのか(!)と、
客席で再び悶々としてしまった。
ロメロみたいに誇り高い大人の男が苦悩するところって、
観てみたいではありませんか(殴)!
ゆうひくんが、エリオの前では、感情を露わにするぎりぎり手前で、
ようやく踏みとどまったような演技を見せているので、よけいに!
エバもロメロには逆らえず、一旦、連れて帰られたわけだが、
あのあと、どうなったと思います(殴)!?


(続)

Trackback ( 0 )




(5月17日(日)11時公演 広島ALSOKホール)

『哀しみのコルドバ』と言ったら、峰さを理じゃないか。
なんという古典的名作を今頃掘り起こして来たのだろうかと
最初にこのツアーの演目を知ったとき、とても懐かしく思った。
それで先ほど、遅ればせながら上演記録を調べてみたのだが、
峰さを理による初演は85年、とあった。
そんなもんか。だったら、私の中では、あんまり昔でもなかった(汗)。
初演は70年代かと思っていた。私の記憶は無茶苦茶だ。

再演が安寿ミラ主演(95年)だったことは、よく覚えている。
が、私の中で第一次宝塚ブームを起こした大浦みずきが退団し、
ちょうど、ファンとしてはモラトリアムのような時期だったのと、
松江に住んでいて大劇場が遠かったのとで、観に行かなかった。
テレビでは観たのだが、肝心の舞台のことより、
番組表か何かで、『哀しみのコバルト』という、
オオウケな印刷ミスを発見した記憶のほうが強烈だったりして、
結局、大馬鹿なことに、細部は全然、覚えていないのだった。

ということで、私は、なんとなく『名作』感があっただけで、
その実、かなりあやふやな状態のまま、今回の観劇に出かけた。
キャストも、ろくに把握していなかった。
失礼な!と怒らないで下さい。
私は、歌舞伎でも、席についてから「うそぉ!踊りだったか!」
と初めて演目に気づくような人間
なので。

主役がマタドールのエリオだというのは、観る前からわかっていたが、
私は最初、二番手男役がやるのはビセントだと勘違いしていた。
そう考えてしまった理由は、初演で日向薫がこれを演じたからだと思うのだが、
しかし後で調べてみたら、85年当時のネッシー(日向薫)さんは
単独二番手とは言い難いポジションだったようだし、
更に95年の再演時に二番手だった真矢みきが演じたのは
この役ではなかったことも判明し、
私の記憶が、どんだけいい加減に混乱しているかが、
改めて自覚できただけだった。

で、今回、観劇時にはまだビセントが二番手だと思い込んでいたわけだが、
芝居が進むにつれ、どう観ても私の目には、
オッサンな筈のリカルド・ロメロのほうがイイ男に見えて、困った。
ビセントも勿論、それなりに雰囲気があって、ゾクゾク来るのだが、
ロメロが出て来るたびに、私は「この人をもうちょっと観たい」と思った。
立ち姿が綺麗で、型どおりの台詞でも『何かある』感じがしたからだ。
しかし私はオペラグラスも持っていないうえ、最後列に近かったので、
顔がわからず、誰が何を演じているか定かでなかった。

私が以前から感じているのは、「大人の男性を演じられる男役は少ない」、
ということで、今回のロメロにはそれが出来ていたから凄いと思った。
宝塚の二枚目男役は、少女漫画から抜け出したという例えがあるように、
通常、描線の細い、綺麗で若い青年が多く登場している。
しかし時々、レット・バトラーのように、かなり年齢の高い男性を、
路線の二枚目男役が務めなければならない演目があって、
そういう役は、本来女性である男役スターには、とても難しいように思う。
異性を演じなければならないうえに、年齢まで表現する、というのは、
男役の側にそれなりの力や貫禄がないと、出来ないことだからだ。

終盤、主人公のエリオが、ヒロインのエバを巡ってロメロと決闘する、
という展開になって、私はついに、ロメロを演じているのが誰なのか、
配役を見なくても確信できた。

大空祐飛だった。


(続)

Trackback ( 0 )




やっとパソコンからネットができるようになった。
モデム本体には異常はなく、マンション全体の回線の問題だった。
昨日の夜、調査結果でそれが判明し、今日の午後、修理された。
なおって良かった。

***********

きょうは、ころもん(転夫まーくん)が出張で大阪に行った。
新型インフルエンザの国内感染で話題の大阪だというので、
普段は何かと無頓着な主人も、さすがにマスクを持って出た。
「ウツったら潜伏期は何日あるのだろう。
とりあえず、みー(娘)の中間考査は明日からだから、問題ないな」
と主人は言った。

主人の覚悟はもっともだ。
だって、マスクなど、恐らくほとんど意味がないだろうから(爆)。
マスクは、自分が発病したときや、潜伏期・不顕性感染のとき、
周囲に飛沫(ウィルス入り)を巻き散らさないためには有効だが、
人のウィルスを貰いたくない健康人が使っても、ほぼ無駄だ。

ウィルスに触れても大丈夫なほどのマスクと言ったら、
医療用のN95以上のマスクで、特別に自分によくフィットするものを
複数種類試した上で決定しなくてはならないし、
鼻口だけでなく、目の粘膜も露出したら感染の危険があるので、
それ用のゴーグルで目元も覆わなければならない。
コンビニで適当に買ったようなマスク一枚に、
高度な防御機能を期待するほうが、そもそも間違っているのだ。

私は、こんな騒ぎになるよりずっと以前、もう何年も前から、
秋から春までの寒い間、外出時には欠かさずマスクを着用し、
帰宅したらうがい・手洗いを欠かしていない。
慢性扁桃炎があるので、冷たい外気を吸い込まないことと、
インフルエンザ等のウィルス感染を防ぐことが目的なのだ。
だが、今まで、風邪をひかない冬は一度たりとも無かったし、
マトモにインフルエンザにかかったことも、幾度もあった。
マスク・うがい・手洗いは、しないよりはしたほうが良いが、
いくら励行していようとも、ウィルスは、来るときは来るのだ。
長年実践して来た、この私が見本だ。

だから、主人であれ私であれ、機会さえあれば、
新型インフルエンザを貰う可能性はあると私は思っている。
ウィルスの変異などがまだなさそうな現段階では、
この疾病に対する私の恐怖感や嫌悪感は、
季節性の普通のインフルエンザに対するものと同等だ。
普通の風邪より高熱や上気道炎・胃腸症状などが激しいだろうから、
それなりの苦痛はあるだろうし、回復にも時間がかかるだろう。
できれば罹りたくないが、防ぎようがないのだから仕方がない。
可能であればタミフルやリレンザを服用したいものだ。
私には、悪性疾患や心筋梗塞・くも膜下出血等のほうがずっと恐ろしいので、
今のところ新型インフルエンザに関しては、この程度にしか思っていない。

むしろ、このご時世では、新型インフルエンザに罹ることそのものより、
「ついに○○県でも初の感染者が!国内感染者数○名、世界第○位に!」
などと大仰に報道されたり、御近所では、
「○○さん、豚インフルですってよ!いやだ~!!」
と、社会的な差別をされかねないことのほうが、ずっと気が重い。
現に、ネットサーフィンしていたら、ブログなどで、
「誰が検疫をすり抜けて持ち込みやがったんだ!」
「いよいよ感染列島だ!こんなひどいことになるとは!」
「罹ったヤツは自業自得だが、俺たちは大迷惑だ!」
等々の言葉があった。
まるで新型インフルエンザは黒死病か何かのようだ。
God, have mercy on us!!

そのような現状を考えると、とりあえず、私は、
この新型インフルエンザで寝込むことより、
そうなったとき世間にバレることのほうがイヤかもしれない。

Trackback ( 0 )




今年は気持ちの点でフランス語の方がメインになりつつある。
というのは、今期放送のスペイン語は、文法から攻めるのでなく
毎日ひとつの言い回しやことわざなどを取り上げ
それを練習したらその回は終わりという一回完結方式だからだ。

性格的に、私は《積み上げる》ことが好きなものだから
《スタート随時》という今年のスペイン語講座の組み立てからは
どうも達成感が得にくくて困っている。
表向きは誰でもスペイン語に親しめるよう
テキストなど大変工夫されているとは思うのだが
この講座を本当に活用することが出来るのは
私の言う《積み上げ》などはあらかた終わったような
上級者の人たちなのだろうと思う。

その点、今回のフランス語入門編は私にピッタリだ。
文法項目を初歩から網羅しているうえ、進み方が適度に速いので
学習経験がありながらあちこち穴だらけの私にとって
カユいところに手の届くような補強と復習になっている。
こっちは中級編まで欠かさず聴いているという真面目さだ。
中級編は昨年度の再放送なので、覚えている箇所もあり
それも取り組みやすさの一因となっていると思う。


ついでに、『ラジオ英会話』もちゃんと続いている。
最初は、ごく簡単な会話中心だと思ったが、
やってみると、お洒落な表現が満載で毎回得るところが多い。
だが、『実践ビジネス英語』は挫折した。
内容的にはやり甲斐があり勉強になるので気に入っていたのだが、
私は、やはり夜遅い講座は、起きていられなくて駄目だ。
日曜日の再放送を狙っていたのだが、
実際には家族の都合などで飛んでしまうことが多いし、
ネットのストリーミングは、いつでも聴けるのがアダになり
また今度と思っているうちに、どうも、続かなくなってしまった。

ラジオ講座を愛すると言いつつ、実は、
講座内容が自分の性分に合っていて、
かつ放送時間は自分の眠くない時間じゃないと駄目という
ひどく気難しいワタクシなのだった(苦笑)。

Trackback ( 0 )



« 前ページ 次ページ »