転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



北翔海莉 Dramatic Revue LOVE&DREAM、12時公演を観て来た。

心底、畏れ入りました<(_ _)>。
本日より私は、北翔さんを『ほっくん』ではなく
改めまして『みちこさん』と呼ばせて頂きます<(_ _)>。
もはや彼女は、私が見初めた、2002年のラスティ・チャーリーではない。
堂々たる星組トップの北翔海莉なのだということを思い知りました。

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前半のSings Disneyは、全般的にさほど思い入れがなかったので、
私は概ね、穏やかな気持ちで(3階B席の端から)見下ろしていたのだが、
その中で、ヘラクレスの『Go the distance』は
曲としての魅力が印象に残った。
ふう(妃海 風)ちゃんもトップ娘役の面目躍如で
ディズニーのプリンセスたちを次々に演じ歌い分けて見せてくれた。
抜群に良かったのは、アラジンの『Friend Like Me』で、
本来、女性が歌い手となることは少ない曲ではないかと思うのだが、
巧いだけでなく男役でもあるみちこさんの手にかかると、
めくるめく七変化のように声音が移り変わり、実に見事だった。
表現者としてのみちこさんの鮮やかさには、
文字通り「拍手ぅ~Applause!!」と思った♪

しかしやはり、後半のSings TAKARAZUKAが、大変楽しかったし、
長年のファンとしての感慨も深かった。
ディズニーと違い、知らない曲が無いどころか、歴代の誰がどう演じたか、
一瞬で思い出せるような主題歌・劇中歌が、次々と出て来たからだ。
特に、ギャツビーの主題歌『朝日の昇る前に』のあたりで、
私の中に、大きな第一波が来た。
かつて、旧・東宝で観た、初演カリンチョ(杜けあき)さんのギャツビーと
今目の前にいるみちこさんのギャツビーが重なり、感無量だった。
それから、ベルばら『薔薇のタンゴ』で、更に高い第二波が。
うおおおお~!!これぞ宝塚!!これぞ男役!!
と、このあたりで私の感激度はMAX(笑)。

そして、あまりにも強烈だったのがノバボサ『シナーマン』!!
あれで私は「振り切れた」感があった(^_^;。ヤられた。
この曲は主演男役にとってのカデンツァみたいなもので、
特にソロ部分は、どのようにでも本人の歌い方次第で良いのだが、
みちこさんは声量も迫力も歴代トップクラス。
熱い、熱いSinnermanで、物凄い存在感だった。
ショーとしてのノバボサの最後のナンバーがなぜこの曲なのか、
私は、みちこさんの歌を、否、声を聴いて、初めて理解できた気がする。
みちこさんのソールで『ノバ・ボサ・ノバ』を観たいと思った。
文字通り、大きな太陽としてのソールが観られそうではないか…!
(しかし、残念ながら現実問題としてそれは無いだろう。
星組は、前任トップのれおん(柚希礼音)くん主演で
ノバボサを既に演っているので。)

**********

その他、『雨に唄えば』のリナを再現してくれたのも楽しかった。
水曜日は宝塚大劇場が休演日なので、きょうの客席には、
大劇場公演中の宙組メンバーや、星組バウホールの面々が来ていて、
「きょうは金髪の人が多いわネ」
「現実逃避しに来たの?」
(↑「夢を見に出かける」というショーのコンセプトを
リナとして言い換えるとこうなるわけだ。巧い!笑)
と、リナみっちゃんにイジられていた(笑)。

いや~、硬軟緩急自由自在のみちこさんを堪能した2時間だった。
寒かったが、大阪まで出向いた甲斐があったね(^^)。

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『西日本上空に非常に強い寒気』『稚内と福岡が同じ寒気団に』
『災害レベル』『3日間は外出しないで済むように』
等々と週末からネットで読み、ある意味、私は期待していた。
一体どれほどの厳しい冷え込みが来るのか。
水道管が凍結し停電が起こり、大雪で窓も玄関ドアも凍り付くのだろうか!?

本当にそんなことになったら、困るのは私本人だ。
雪がどれだけ危険なものか、私なりに、知らないわけではない。
しかも、今やトシをとって、冷えるとあちこちが痛いから、
寒い冬は本気で嫌いなのだ。
……にも関わらず(^_^;。
久しぶりにまとまった積雪が見られるのか、という懐かしさが、
心のどこかにあったことも否定できなかった。
何しろ私は、かまくらの作れる寒村で育ったのだ。
物凄い寒気団が来るぞ!!と言われると、覚悟と期待が紙一重。
ある種の、覚えのある、怖いもの見たさが、
私の中に沸き起こって来たことは間違いなかった。

しかし、……結論から言おう、その期待は完全に裏切られた。

確かに、空気の冷たさはそれなりに感じた。
昨夜から、家にいても、床から冷えが上がって来るとは思った。
しかし、窓の外に肝心の雪が無かった。
広島の市街地は、きょう昼前に少し雪が舞った程度で、
結局、積もるどころかその後は何も天から降って来なかったのだ。
今も、外を眺めてみたが何もなかった。ただの普通の夜だった。
これで終わるのか。寒いだけで、これじゃ冷え損じゃないか!
それとも明日起きたら真っ白になっているだろうか。

と、思っていたら、夜、母が電話をしてきた。
そもそも明日、実家の風呂とトイレの清掃のために、
ダ○キンさんが来て下さることになっていて、
私も立ち会う予定だったので、その打ち合わせが用件だった。
そして、その話が終わると母が言った。

「きょうテレビで駅伝観よったら、広島市内は全然雪があらへんかったが、
やっぱりさすがに全国的な行事やから、特殊な薬で溶かしたんかね?」
天皇盃 全国都道府県対抗男子駅伝競走大会

んなワケないだろう(^_^;。もとから全然ないんだよ、雪なんか。
私がそう言うと、母は本気で驚いて、言った。

「ほんなことあんの!そやったら明日は、長靴履いて来んとあかんよ。
こっちは雪があちこちで大きなダンゴんなっとるからね。
こないだの雪はべちゃべちゃして重とうて困ったけど、
今度のは今度ので、粘っこうて全然溶けへん。歩かれへんよ」

『こないだの』って、いつのだ?こっちには、それも無かったぞ(^_^;。
……私はどうやら明日こそ、期待したものが見られそうである(^_^;。

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マエケン、マツダスタジアムで惜別会見 「広島で優勝パレードしたかった」
『ドジャース入り前田、広島で優勝できず「唯一心残り」:広島からポスティングシステム(入札制度)でドジャースに移籍する前田健太投手が11日、マツダスタジアムで記者会見を行った。エースの船出にはテレビカメラ15台以上、報道陣約150人が集まった。右腕は「9年間、お世話になった広島カープには感謝の気持ちでいっぱいです。しっかりと結果を出してカープに恩返しできるようにこれから頑張っていきたいと思います」と感謝と決意を口にした。』

2010年に、エースだったルイスが退めて、2番手の大竹が故障して、
いきなりカープの一枚看板にならざるを得なくなったとき以来、
マエケンはプレッシャーに負けるどころか、目覚ましく大きく成長した。
あれほど、投げて打って走った先発投手は他にいなかった。
無失点の上に自援護、みたいな勝ち方すら一度や二度ではなかった。

ありがとう、マエケン。
素晴らしい試合が、本当にたくさんあった。
これからは、思い切り自分に賭けて、頑張って貰えたらと思う。

広島地元が、今、揃ってマエケンを応援している(^_^)ノ!

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土曜日、会社が終わって夕方6時頃、
「明日のパンを買おう」
と思って本通り商店街のアンデルセン本店に行ったら、
なんだか物凄い人出で、一体何があったのかと戸惑ったのだが、
買い物をしているうちに思い出した。
その翌日の17日(日曜日)が、現店舗での最後の営業日だったのだ。

広島アンデルセン 思い出の店に別れ 被爆外壁残し建て替え/広島(毎日新聞)
『中区の本通商店街にあるパン製造販売の広島アンデルセンは17日、建て替えのため現店舗での最後の営業を終えた。思い出の店舗を記憶にとどめようと多くの人が駆けつけ、記念撮影をするなどして別れを惜しんだ。』『現店舗は広島原爆で被爆した旧帝国銀行広島支店を活用し、1967年にオープン。増改築を重ねてきたが、耐震面や設備の老朽化から現在地で建て替えし、2020年度以降に再オープンする。被爆した外壁部分は可能な限り、残す方針。』

建て替えの件は以前から報道され、私も知っていたのだが、
日にちまでは正確に記憶しておらず、
全くの思いつきから16日に立ち寄ったお蔭で、
期せずして現アンデルセンとのお別れに間に合った。
この日は、レジの場所を臨時にいつもより増やしていたにも関わらず、
どこも長蛇の列が出来ており、店内でも写真撮影する人が大勢いた。
建て替えの後にどういうかたちになるかは、
まだ詳しいことが決定されていない(少なくとも発表されていない)ので
中も外も、どの部分も今回が見納めになる可能性があり、
誰しも、できる限り写真に収めておきたい気持ちだったのだろう。

 

アンデルセンのパンは札幌から福岡まで全国各地で買えるが、
本店は広島市中区の本通り商店街にあって、1階から6階までの
各種フロアから成る建物全体が『広島アンデルセン』である。
1階ではパンやケーキ、焼き菓子、ジャム、コーヒー、ワイン、
等々のほか、生花の販売やブーケ等のデザインも扱っており、
更に、カフェと、サラダ・ハム・総菜・お弁当などのコーナーがある。
2階はフロア全体が、アンデルセンキッチンという名のレストラン、
3階が食器やカトラリー、キッチングッズなどを扱うデザインショップ、
そして4階から6階までがパーティーフロアで、各種宴会場がある。
併せて、ベーキング講座、ワイン講座、フラワーデザイン講座等も
定期的に募集され行われている。

広島市に住んでいれば、アンデルセン本店を知らない者はなく、
地元の人は昔から、ここで買い物のみならず様々な形式の会食をしており、
まとまった催しには、積極的にアンデルセンを利用してきた。
私自身、宴会場でピアノの発表会の打ち上げをやったこともあったし、
大学同窓会広島支部の皆でレストランに集合!という機会もあった。
「どうしてパン屋で結婚するのか!?」
と、いつぞや東京の人に呆れられたことがあるが、
広島アンデルセンは、単なる製パン業者ではなく(^_^;、
宴会場での披露宴だろうがレストラン・ウェディングだろうが、
そりゃもう、以前から思いのままだったのだ。
本店建物には、これまでの日々の小さな思い出に留まらず、
人生の節目となったイベントの記憶を持っていた人も、
決して少なくはなかったことだろう。
かくも多くの人々から熱く惜しまれたことは、道理であったのだ。

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・先週はずっと忙しかったのだが、金曜は主人の松江出張があり、
続いて、昨日の土曜からは二泊三日の東京出張に出発したので、
ずっと晩ご飯が要らず、主婦としては大変助かった。
そして、きょうは寒かったのもあって、私は全く外に出かけず、
一日中、誰と会うこともなく話をせねばならない状況も無く、
静かに、完璧な安息日を過ごすことができた。
家に独りで、「朝寝坊できる」「どこにも出なくていい」「喋らなくていい」、
これが私の、究極の、理想的休息の仕方である(^_^;。
メールによれば、主人は主人で、忙しい合間に温泉に入ったり、
食事を楽しんだりしている様子なので、これまた大変結構なことだった。
私は、自分が何ひとつ手を下さなくても、少し離れたところで、
家族が幸せに過ごしてくれていると、大変嬉しく思う(殴)。

・その主人の話によると、山陰ではIC乗車カードが導入されておらず
自動改札にもなっていないので、駅の改札口では今も、
駅員さんが紙の切符にスタンプを押すやり方が続いているのだが、
このたび行ってみると、なぜかJR松江駅構内にある売店では、
SuicaやICOCAによる支払が可能になっていたそうだ。
そんなものを持ち歩いているのは、日常的に県外出張する地元民か、
たまたま松江に来た旅行客だけだろう(^_^;。
主人がICOCAで支払をしようとすると、レジの人は慣れておらず、
一旦、奥に入って詳しい人と交替したとのことだった。
「ついに売店まではICOCAが来た。あと少しで改札もICになる!」
と主人は言っていた。この読みは当たるだろうか。
ちなみに以前、今治に住んでいた頃から、
「国は、一票の格差より、こういうことをサッサとなんとかせんか(--#)」
というのが主人の変わらぬ要望だ。

・先週忙しかったのは、仕事のない日に、
実家の87歳になる母の眼科受診に付き添ったのも理由だったのだが、
眼科はとにかく大混雑であることが、改めてわかった。
特に、母がかかっているところは、最先端治療を様々に導入していて、
午前中は高齢者中心の、日帰り白内障手術関係、
夕方からは若い人中心の、近視のレーシック手術関係、
の患者さんが、ところ狭しと待合室にひしめいているのだった。
ときに先日、その待合室のソファで待ちくたびれていたとき、
私の目の前にあった受付に、新患のオバちゃんがやって来て、
「すみません、犬の白内障も診て貰えますか」
といきなり尋ねていたのは笑った。
私は噴出しそうになったが、看護師さんは慌てず騒がず、微笑んで、
「申し訳ありませんが、それは獣医さんに行って頂きませんと…」
と断っていた(笑)。
うちの母も、そのわんわんと同じく白内障なのよ~~(^_^;。

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(写真は、日曜日に歌舞伎座ロビーで撮影した繭玉飾り)

早速手配
月曜の夜に東京から帰ってきたばかりだというのに、
水曜日の本日、早速、来月の道楽のための手配をした。
2月21日(日)の『日本舞踊協会公演』昼の部の最後に
あらしちゃんが藤間勘右衞門として出て『うかれ坊主』を踊るので、
ひっそり応援しようかと、三等自由席を一枚買ったのだ。
第59回 日本舞踊協会公演(日本舞踊協会)

それから、同じ日の歌舞伎座夜の三階席も取った。
歌舞伎座二月大歌舞伎『浜松風恋歌』に、
あらしちゃんが尾上松緑として出演するからだ。
ちなみに二月大歌舞伎の昼は『通し狂言 新書太閤記』で
音羽屋の旦那さん(菊五郎)が主演なさるので、
翌22日(月)に観てから帰る、という段取りにするつもりだ。
2月下旬は、娘が春休みで広島に帰ってきているのではないかと思うが、
昨今の私はもう、「娘の様子を見に」東京に行っているのではないので、
今更何が問題ということもない(^_^;。
私は東京に、専ら、松緑や菊之助の様子を観に行っている。
音羽屋の旦那さんの場合は、御尊顔を拝し奉るために。
二月大歌舞伎(歌舞伎美人)


ベートーヴェン:ロンド作品51-1
最近は忙しいのもあってピアノの優先順位が下がっているのだが、
もともと、私は弾くことに対してはさほど愛着を持っていないので、
こういう、つかず離れずの関係が自分にとっては程よいのではないか、
と思っている。
目下、練習しているのはハノンの第51番と、ツェルニー40番の第10番、
それに春の発表会用にベートーヴェンの『ロンド作品51-1』だ。
モーツァルト風に始まり、次にバッハか何かへのオマージュみたいになり、
変奏がどこまで行くのかなと思っていると、突然ベートーヴェンの地金が出る(爆)、
……という展開が面白いと思って、これにした。
勿論、この忙しさの中でしんどいことをする気には到底なれないから、
「この程度の曲なら、さほど苦労しなくてもなんとかなるだろう」
というサボリ根性もあって選んだことは否定しない。
しかし私は自分で想定しているより、本当は更にピアノが下手なので、
いざ弾くとなると実に不格好な演奏にしかならず、毎度のことながら腹立たしい。
Beethoven Rondo in C Major Op. 51 No. 1 performed by Allen Yueh(YouTube)

ちなみに、普段は全音ソナチネに収録されている楽譜を使っているのだが
(段組が良くて自分で譜めくりできるのが理由)、
弾いていて「ワタシの聴きたいロンドと違うね??」
と違和感を覚えた箇所を、ヘンレ版で確認してみると、
どれも全音版にあるような指示は全く書き込まれていないので、
そういう部分については、自分が良いと思う通りの表現で、
ある程度自由に弾かせて頂こうと思っている。
こういう、自分本位に落書きするみたいなやり方で演奏を楽しむのは、
どシロウトのオバちゃんだからこそ、許される喜びだろう(^_^;。

ちなみに、「聴く」ほうのピアノに関しては、
なんとか機会を捉えて演奏会に行きたいと、いつも思っている。
歌舞伎や宝塚のように毎日やっていてくれると、日を選べるのだが(^_^;、
演奏会は大抵一度きり、しかも夜が中心なので、逃すことが多い。
今の私の生活だと、自信を持って動けると言えるのは、
夜だと日曜か水曜、昼は日曜と月曜で、
その他は出勤日なので会社次第、土曜となると昼も夜も駄目だ。
しかし3月11日(金)のミシェル・ダルベルトの広響客演は
発表があったときからかなり楽しみにしていて、チケットも買ってある。
金曜夕方6時45分、……仕事が予定通りに終わり、かつ、
お客様からもマネジャーからも、新たな用事を言いつけられなかったならば、
私はこれを聴けるだろう。
第358回定期演奏会 『祈り、不死鳥の如く』(PDF)(広島交響楽団)

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旗日の歌舞伎座・門松つき。新春公演から大入りで、喜ばしい。

……のだが、私はきょうは観劇予定は無い(-_-;)。
最終日にして初めて家族三人が合流し、
新橋のホテルで昼食を一緒にする予定なので。
いや食事は本当に嬉しいのだがね。

松緑の『茨木』、観たかったよ(T_T)。

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東銀座界隈をうろうろしていると、
やはり築地本願寺には寄りたいと思い、
今朝の時間を使って、来てみた。

いつ来ても、ここは和む~

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国立劇場のあとは、歌舞伎座夜の部。

松緑が数日前に高熱を出したとご本人のブログで読んだが、
夜の部の『猩々』の酒売りに関する限り、舞台姿は危なげなく、
確かに声は多少割れてはいたけれども、
踊りそのものは華やかで覇気があり、良かったと思った。
昼の部の『茨木』がどうだったかは、観ていないだけに、
心配は残ったが、今回の日程では私はどうしようもなかった。

『二条城の清正』は、幸四郎が孫の金太郎と共演しており、
二十年でも三十年でも、いつまでも長生きしてくれと、
清正を慕う秀頼(もはや子役ではない。台詞明晰でお見事!)と、
万感の思いでそれに応える清正とのやりとりは、実に感動的だったが、
それと同時に、高麗屋が、こんな、おじーさんになってしまった、
……ということを私はまざまざと感じてしまい、かなり、こたえた。
あのドン・キホーテの染五郎様が、今や名実ともに本物の「じぃ」に(爆)。

がんじろはんの『廓文章』は、襲名披露に続いて短期間に二度目。
要するに伊左衛門は、普通の人でないところが魅力なのだな、
と観る側としての私に納得感が出来上がってきたのを感じた。
世間並みのところでマトモと見なされる人間とは別世界の、
ぼんぼん育ちならではの感性や振る舞いが、
伊左衛門の一番良いところであり、究極の二枚目ということなのだ、と。
一方、私にとって、玉三郎が演じたものの中で夕霧は屈指の傑作なのだが、
今回も強く、その思いを新たにした。
あの艶やかさと貫禄、圧倒的な存在感、
まさに、伝説の遊女・夕霧太夫ではないか……!
溜息もの。いや~~、美しかった!これに尽きる。

『直侍』、絵になる直次郎で、顔を隠す素振りひとつまで粋だったし、
崩れた男という魅力があり、染五郎は格好良かった。
芝雀の三千歳も、匂い立つような女ぶりで、味わいがあった。
…が、『廓文章』の続きで観ると、なんだか同じような設定??と
私は少々、変な気分になった。
わけあって訪れの途絶えた男と、
それを案じるあまり患ってしまった廓の女、
ようやっと逢瀬が叶い、積もる話は、恨み言から事情説明へと……、
って、うぅむ、その展開って今さっきどっかで……(^_^;。
ちなみに直次郎のお仲間・河内山の話は11月に海老蔵で観たが、
次は『天衣紛上野初花』として通しで楽しみたいものだな、と思った。

ともあれ、そういうわけで、
舞踊あり、新歌舞伎あり、上方の和事に江戸の世話物と、
色とりどりの初春大歌舞伎夜の部、素晴らしい、眼福の一日だった。

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大変楽しゅうございました♪
愉快、痛快、爽快!
新春に相応しい、実に気持ちの良い舞台だった。

こんな心躍るような菊五郎劇団が観劇初めだなんて、
今年もいいことがありそうだわぁ(^^)(^^)。


初春歌舞伎公演「通し狂言 小春穏沖津白浪―小狐礼三―」(国立劇場)

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