転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



ちょっと官舎の片づけに行くついでにと、
紀伊國屋書店に寄ったら、シンコーミュージックの
アーカイヴ・シリーズ『QUEEN 1』『QUEEN 2』を見つけ、
迷わず買った。買ったら、読まない訳には行かない。
作業そっちのけで、読んだ(^_^;。

初来日のとき、列車の中で「つぶつぶオレンジ」を飲んだフレディが、
唇や歯の間に「つぶつぶ」がぎっしりくっついていることに気付かず、
非常に熱心にライブ・アルバムの計画について語り続け、
担当者は死にそうだった、とか、
福岡で畳を買ってしまったブライアン、
「日本の情緒に触れられる」と喜んだのも束の間、
持ち運び不可能と知ってショックを受けた、とか、
私の記憶にある懐かしい「こぼれ話」がたくさんあって、
つい、読みふけってしまった。

官舎での作業では、いつものように
DVDを見なくてはいけないので(いけないのか?)、
きょうも「ワルシャワの覇者」を流していたのだが、
演奏が断片的なので今までろくに見なかった
「表彰式」を初めてまともに見てみたら、
ポゴレリチがデカい態度でガムを噛みながら、
審査員長の前まで歩いていく場面があった。
そしてこの男は、あろうことか、
そこで審査員長に向かって舌まで出して笑っていて、
その映像の彼より二十年近く年長である現在の私は、
この一部始終を見て呆れ、
「『わかもの』と『ばかもの』が音声的に極めて近いのは、偶然ではない」
とのいつもの認識を深めた。

すっかり暗くなってからバスに乗り、
ようやく佐伯区の自宅に帰り着いたら、知人から譲って貰った、
2月10日11時の宝塚花組公演のチケットが届いていた。
ああ、いよいよ、今年になって初めての
生・和央ようかが観られるぞ(^o^)。
PCを立ち上げ、メールボックスを開いたら、
3月の宙組青年館特別公演のチケットに関する相談のメールが、
友達から来ていた。
そうだ、もう、チケットの算段を
具体的にしなくてはならない時期だったのだ。
私は東京は遠すぎるから、大阪DCで観たい希望なのだが、
はてさて、旨く希望日が手に入るだろうか?

私の頭は、ここまでで既に、ごった煮状態だ。
スカっとぶっ飛ばしたいから、
プロレスのビデオでも観て、寝るか~。
最近、プロレスの笑いに飢えているので、
ちょっと面白いインディーズでも開拓したいものだ。
某所で見た「しゃちほこマシーンズ」でも追求してみるか・・・。

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きょうも例の自動翻訳サイトに行った。
お題はイーヴォ・ポゴレリチの
ラフマニノフP協奏曲第二番の演奏会評。
非常に物議を醸したという噂は聞いているのだが、
果たしてどんな演奏だったのだろうか。
シンシナティの英字新聞の記事を、翻訳して貰った。

『ラフマニノフ・ピアノ・コンチェルト2番ではなく
ロマン主義のピアノ・コンチェルト用のポスト・モダンのレクイエム。』
おお、なんだか今日の翻訳はちょっと、いい感じ!?
ポゴレリチが楽曲の一般的なイメージや従来的な位置づけを変えてしまう、
ってことはいかにもありがち。

『これは実際に彼の「解釈」、あるいは、やや有効な解釈の、
可能性中の彼の不信のステートメントであるというつもりでしたか。』
「でしたか」って、あのう、そんな突然に私に振られても(^_^;。

『彼が、それが書かれたとともに
この作品を今は演奏することが有益な努力であると信じないように見えます。それはすべてまさに腰です。』
ええっ、まさに、なんですって(ギョギョ)!??

『しかし、聴衆が「それを得る」ために、彼は、見たところでは、
彼がそうであるように部分に退屈されるように私たちがそうであると考えなければなりません。』
どう考えなければならないのか、さっぱりわからんぞ。

『Pogorelichは、この軍馬が死んでいると明白に言っていました。』
こりゃまた唐突ですな。
そんなこと言ってたんですか!?ピアノ弾きながら?

『しかし、誰がそれを殺しましたか』
さ、さぁ(^^ゞ。私に訊かれても。♪ぱぱんが ぱん

『私たちは、吸血鬼が首を刺した後残ったものが血を排水し、次に、私たちの熟読および恐怖用の膨れた死体を示した、と聞きました。』
どこで何を聞かれたのかよくわかりませんが、
どして急にオカルト入っちゃったかな。

『骨格は動物を呼吸する生活より面白くなりえましたか』
だから私に振らないでって。

『知的方法で恐らく、しかし悲しいかな、このサインは見つかりませんでした。無料の偶像破壊は新しいものは何も明らかにしなかったし、興奮させなかったし、発見しませんでした。残ったものは分離されました、客観的で死ん。』
「死ん。」って何。

あー、面白かった。
どんな演奏会だったのか、結局全然わからなかったけど。

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今朝5時頃、隣で寝ている娘の笑い声で目が覚めた。
見ると彼女は、眠りながらケラケラと笑っていた。
娘が起きてから
「今朝、寝ながら笑ってたね。どんな夢を見ていたの?」
と尋ねたが、娘は
「え~。知らないよ~」
と言った。ふ。子供はお気楽で、いいね。

しかし、私も、人のことは言えない。
実は私は、新婚時代に、明け方いきなり呵々大笑したことがある。
主人はびっくりして跳ね起きたそうで、
「寝てんのに高笑いするヤツなんて、俺知らんかったぞ」
と今でも言っている。

私は、そのとき、夢の中で、
そこそこ大きな陸上競技の開会式の、式典アナウンスをしていた。
結婚する直前には、仕事でときどき、
体育関係の大会を担当していたので、
まんざらあり得ない設定でもなかったのだが、
そのときの場所は広島ビッグアーチ級の、
どこかのスタジアム(←誇大妄想)。
その、夢の中で進行していた開会式のアトラクションのひとつに、
『地元女子高校生による新体操』があって、
これが可笑しかったのだ。

新体操と言っても、リボンひらひらの美しい舞ではなく、
なぜか、ブルーマはいた女子高生が大勢並んで、
ダンスで言う「スプリッツ」、つまり180度開脚を披露していた。
その演しもののタイトルが、私の手元の原稿によると、
なんと「股割(またわり)体操」と書いてあった。
私は下読み段階から既に、ワラワラ状態。
でも本番で笑ってはいけない。どうにか耐えてやっていた。

やがて、私の内心の動揺とは裏腹に、
タイムテーブル通りに「股割体操」が展開し、
いよいよキメのポーズ。
女子高校生たちは柔軟を止めて全員が起立し(←どこが新体操!?)、
放送席に対して体の右側を見せたかたちで並んだ。
そして次の瞬間、彼女らは一斉に、
体操服の上から自らの腹の贅肉を両手でつまみ、

「余ってる!!!」

と結構な声量で唱和したのだ。
放送席にいた私は、死んだ。到底、我慢できなかった。
「わ~はっはっはっはっはっは・・・・・!!」
私の大笑いが、ONになったままのマイクの真正面から入って、
スタンドじゅうに響き渡った。

・・・これが、夢の顛末?だ。
隣にいた主人(しかも新婚)の狼狽ぶりを想像すると、
今になって胸が痛む(T.T)。
う~ん、まさに『狂ったか、大海人!』。

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広島という土地柄なので、私の身近には被爆者の老人が結構多い。
『原爆で人生を変えられてしまった』と今なお語るおじいさんもいれば、
被爆者団体から声がかかり「語り部」にならないかと勧められても、
『あの体験だけは一生口にできない』と断っているおばあさんもいる。

しかし、事実は事実なのでその通りに書くが、
『原爆にあってから、すっかり体の具合が良くなった。
手帳まで貰った。年金もついた。なにもかもピカのお陰じゃ』
と公言していたおじいさんも、私はひとり知っている(爆)。
彼は若い頃からだが弱くて、長くは生きられないと言われていたのに、
被爆以来、急激に全身の不調が改善されて、
見事に元気になったのだそうだ。
癌の治療にさえ使う放射線だから、
適量あびればかえって体には良かったのか?
医学的に、これは説明のつくことなのだろうか??
彼は九十歳近くまで元気で野良仕事して、
大往生で亡くなったのだけれど。

さて、うちの姑も被爆者だ。だが被爆者手帳は持っていない。
ずっと元気だったし、無用な税金を
頂くほどのことはないという舅の考えで、
姑は明らかな被爆者でありながら、なんの申請もしなかったらしい。
確かに今に至るも、原爆症のような疾病は出てきていないのだが、
パーキンソン病が重くなって病院と縁が切れなくなったので、
もし手帳を交付して貰っていれば、医療費が軽減されたのに、
と舅はさすがに最近ちょっと後悔しているようだ。

という話を、夕食のときにしていたら、
「おばーちゃんは、原爆に遭っているの?」
と娘が尋ねるので、主人が、
「市内の工場で作業中に被爆したんだよ」
と説明して聴かせた。
主人は以前、姑から体験談を聞いたことがあったようだ。
「作業してたら、ピカ!と光って、物凄い風が吹いてきて、
おばあちゃんはびっくりして、咄嗟に机の下に隠れたんだと」
「机が近くにあって良かったね」
「ちょうど作業用の机があったんだろ」
すると姑が横合いから、
「ほんま?」
と疑わしそうな目で主人を見た。
主人はうろたえて、
「おかーちゃんが原爆に遭うたんじゃろ。覚えとるか?」
「覚えんでええわいね」
「そうは言うても」
「明後日は、きょう会う人に、もういっぺん会わんといけんのじゃからね」
「………?」
「じゃけ、あんたとは月に1回は、会いましょう!」

姑に強引にまとめられて、この話は終わった。

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最近、立て続けに「自動翻訳サイト」のお世話になった。
初めは、道楽の関係で、クロアチア語の新聞記事を解読したいと思って、
これを翻訳してくれるサイトは無いかと探したのだが、
日本語になおせるところは見つからなかったので、
仕方がないからクロアチア語→英語というサイトを選んだ。
が、英訳されたものは、もとのクロアチア語とあまり変わらないくらい、
私には意味不明だった(T.T)。

私はこの一件で、自分の英語力の無さを、海より深く反省し、
昨日、今度は別件で、英文を日本文になおすサイトの門を叩いた。
自分の英語力は金輪際信用できないことが判明したから、
英文を自力で読むのは止めて、マシーンに和訳して貰おう(T.T)、
というイジケた気持ちだった。
自動翻訳サイトが、本来かなり不完全なものである、ということは、
友人が前に言っていたので、完璧な翻訳が出来るとは思っていなかったが、
それでも一応の期待はあった。が、出てきたものは。

『それは、この写真が治療されたということでありえます。写真の解決はより綿密な検査を不可能にします。少しもなく1つでありません演出。多くは、得られますが、滞在します;また、しかしながら、私たちは今昔に地球と天を移動させたその強さではありません;私たちがそうであるそれ、私たちはそうです...テニソンウリッセース。経歴は訓練と資源を常に表わしました。彼に彼の心の中の愛および彼の魂の中の平和をちょうど祈ります。』

また、昨日、友人が仕事絡みでメールをくれて、
「○○氏の画集」を英語で言うと
『the works of ○○』なのか、それとも『the arts of ○○』なのか、
と尋ねて来たので、面白いからこれも翻訳サイトに訊いてやれ、
と思い、また別の「英語→日本語」サイトを利用してみた。
○○、のところには固有名詞が入るので、便宜上私はこれを「太郎」として、
『the works of Taro』『the arts of Taro』
がそれぞれどういう日本語になって出てくるかを較べてみようと思った。
そうしたら。

『the works of Taro』→「タロイモの工場」
『the arts of Taro』→「タロイモの芸術」

そうか。そうだったのか!ようわかった!
最初の、クロアチア語を英訳したものが全然読めなかったのも、
きっと、英語版タロイモだったからなんだ!!

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ポゴレリチの97年来日公演のプログラムが出てきたので読んでいたら、
来日直前のインタビューが掲載されていて、
『聴衆の方々に捧げものをするのが私の仕事です』
という言葉があり、悪いが私は紅茶を噴きそうになった。
「捧げもの」?「施しもの」の間違いじゃないのか?

また、気分転換の方法について尋ねられると、
水泳が大好きだと答えていて、ほかには、タンゴを踊ることと、
高速モーターボートを飛ばすこと。
まあ、奇遇ですわね。
日本の大浦みずきさんがタンゴ歌手としてご活躍なので、
是非、彼女の歌で一度踊ってみて下さいませ。
そんなステージが実現したら私は死ぬと思いますが。
しかしこれはまた、なんとヲタな妄想なんだろうか。

そういえば、ポゴレリチは若い頃ヨガに凝っていて、
彼独自の精神集中の訓練は、ヨガを通して為された、という話だった。
なにしろ、88年の来日のときだったと思うが、
音楽雑誌の記事に、彼が、私服で演奏会のリハーサルをしたあと、
そのまま、舞台でヨガをやっている、
という写真が掲載されたことがあったくらいだ。

決まった~!ジャーマン・スープレックス・ホールドっ!!

というような物凄い格好だったけど
(かけているのが初代タイガーマスクだったら最高)。

で、ノリやすい私はそれを見て、
一時期、ヨガのスタジオに通っていたことがある。
何ヶ月か通って、それなりに楽しかった。
体に良いことをやっている、という手応えが、たまらなく快かった。
が、このマイ・ブームは、意外なキッカケで終わることになるのだ。
あるとき、なんとかいう首の後ろを刺激するポーズを習っていて、
インストラクターが言ったのだ、
「これは、美人になるツボですよ~」。
でもそのインストラクターは、
どう頑張って見ても、美人ではなかった(爆)。
『そうか、全然効果がないってこと、あるんだ・・・・』
そのとき俄に私は、さーーーっと、
ツキモノが落ちたような気分になったのだ。
熱しやすく冷めやすいのは私の特徴だが、
あれほど明確に冷める瞬間が自覚できたことも珍しかった。
スタジオのアンケートには、本当の退会理由は、さすがに書けなかった。

さて。
ポゴレリチのヨガへの熱もいつしか冷めたようだが、
そうか、だったら今度は、私は、タンゴを習いに行かねばな。
でも、小型船舶の操縦は、ちょっとな(ぽりぽり)。

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今朝、主人が、出かける支度をせねばとバタバタしていたとき、
姑がわざわざ彼を呼び止め、ニコニコして声をかけた。

姑「あんた、よく似合うよ、その服」
夫「え……(^_^;」
姑「ほんまに、よう、似合う。どこで買うたん?」

そのときの主人の格好は、半袖Tシャツにトランクス。

私「似合うんだって?」
夫「褒められても、嬉しくねえよ」
私「きょうは、それで行ったら?」
夫「チャレンジャーだな、あまりにも」
私「外、雪積もってるしねえ」

人畜無害の川俣軍司って感じだな~。

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引っ越しの後かたづけがまだ終わっていないので、きょうも官舎に行った。
今のところDVDプレイヤーは官舎にしかないので、
行ったときしか観られない『ワルシャワの覇者』を流しっぱなしにして作業した。
私は元来「ながら」は出来ないので、ポゴレリチのディスクのときなど、
ついつい何もかもやめて、画面に正対して集中してしまうのだが、
あまり思い入れのないディスクだと、ほど良くBGMにして聴くことが出来た
(中には、音を消して顔だけ見たらいい、という演奏者も、無くはないが・爆)。

このDVD全集、全31巻で、バラ売りは勿論なく、
発売元HPその他の案内に共通して書かれている通り、定価は338,000円である。
私は、イーヴォ・ポゴレリチの関連映像が観たくて、ただそれだけのために、
一介のおばさんの分際でこんな物凄いものを購入した訳だが、
ここだけの話、実を言うと定価では買ってない。
初めに、発売元に資料請求のメールを送ったとき、備考欄に、
私がいかにこのDVDの意義を深く理解しているかということについて、
縷々、大袈裟に、書き込んで送信したら、それが効いたかどうかは定かでないが、
先方から折り返し電話がかかってきて
「モニターにならないか」
と誘われたのだ。
モニターになれば、定価ではなく、特別価格で購入ができる、という。

友人Hは後に、
「私なら、『モニターになる以上、タダですよね』って言うね」
と言ってのけたが(^_^;、そのときの私はそこまで頭がまわらなかったので、
モニター制度というものに他愛なく感謝して、ふたつ返事で申し込んだ。
タダには程遠かったが、とにかく、約○分の1、という値段には、なった。
中身は、期待以上のもので、私は今日まで、もう幾度も幾度もこのDVDを観た。
立派にモトは取れたと思っているし、完全に満足している。
支払も順調に進み、最後の送金が終わって、既に、半年ほど経過した。

だが。
・・・・・・・言ってもいいかな。
あれから、料金の請求以外には全然、発売元は連絡を寄越さない。
電話で感想を求められてもいないし、アンケート用紙が送付された訳でもない。
私は、モニターの仕事を、なにひとつ果たしていない!
一体、どうなっているのだ!!
私は気が小さいから、今の状態は、すげー怖いんですけど!!

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前にも書いたが、我が家は今、
簡単に言うと佐伯区と中区で二重生活をしている。
佐伯区のはもともと舅の持ち家で、
舅姑夫婦が二十年ほど住んでいたのだが、
一昨年、舅姑が同時に病気になり、
徐々に介護が必要な状態になったため、
主人が職場に願い出て、昨年4月に
ほとんど無理矢理に広島転勤を叶えて貰い、
娘と私も皆一緒に、同居というかたちで佐伯区の家にやって来た。

が、それまでずっと転勤先で使っていた家具や荷物を入れる場所が要るし、
主人も仕事上、職場の近くに寝泊まりする場が必要ということで、
中区の官舎も同時に借りた。
実質的には、この中区の官舎のほうは
主人の単身赴任先みたいなもので、
主人は、仕事の都合があるときは官舎に泊まり、
帰れる日は佐伯区の自宅に帰る。
私は昼間、官舎を利用することもあるが、
基本的には佐伯区の家のほうに居る。
娘の学校も佐伯区内にある。

ということで、官舎は今の私にとっては「別宅」だ。
それはまるでプチ・トリアノン。文字通り狭いし天井低いし。
あそこに行けば宮殿(本宅)の厳格な行事(掃除)から解放されて
私は生き生きと呼吸できるのよ(散らかせるのよ)。

しかし官舎には舅こそ居ないが(^_^;、
転勤で出て行くとき恐るべき「退去点検」がある。
これが凄い。営繕課から、マルサの女みたいな人が数人来て、
「壁紙が汚れている」「床のフローリングに傷がついている」
「電灯のスイッチのところに手あかのあとがある」
「風呂の天井にカビと思われるシミが数点ある」
「ふすまの枠の部分に一部、損傷がある」
等々と、小さな失点の端に至るまで目ざとくことごとく指摘し、
立ち会った私にそれらを認めさせ、のちほど我々に対して、
「修繕費・掃除費」という名目で請求書を寄越すのだ。
退去点検の間、場合によってはこちらはまさに
「どうかバレませんように~」
の心境だ。誠実さを装っていくつか
「ここは私が壊しました」
と自己申告しておいて、もっと大物を隠しおおせた、
ということも過去にあった(懺悔)。

今回のプチ・トリアノンは少なくとも表層は新品だ。
これがいけない。
どんな小さな傷も汚点も、やったのは全部我々、
ということになる。
「そんな!来たときには既に壊れてました!!」
と今まで百万回使った言い逃れは、もう通用しない。

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きょうは、広島としてはこの冬いちばんの寒さだった。
が、我が家は官舎のほうの引越が決まっていたので、
朝早く、佐伯区の舅宅を出て、中区の官舎へ向かった。
数えてみたら、これは我が人生で十一回目の転居だ。
私は、流浪の民として生きるように生まれついているのだ(大袈裟)。

荷物はろくに無いので、引越作業そのものは数時間で済んだ。
それより今回は、なんたって、築30年だかの中古とはいえ、
改装なった真新しい部屋に移れたのだから嬉しい。
結婚して六回目の引越にして、初めて、見た目なりと、新品だ!
今まで、コウモリが来る和室とかムカデが出るリビングとか、
排水設備のない洗濯機置き場とか、
しゃがむとタンクに頬ずりしてしまうトイレとか、
実にいろいろとろくでもない特徴を持つ官舎に住んだが、
今回はピカピカだ!!

・・・・と思ったら。
入居してみてまず思ったことは、天井が低い。尋常な低さではない。
多分、身長が180センチ以上の人間は
実質的に住めないのではないかという低さ。
つり下げタイプの電灯が顔の前に下がっているのには笑った。
よけて通らねば。
寝ぼけて歩いたらきっと正面衝突するな。
でも顔面セーフ(意味不明)。
そしてもうひとつは、職場の営繕課から警告されたのだが、
どうもこの新しい棟の近辺は、電話のトラブルが多いらしいのだ。
混線や雑音は当然、工事不良や誤発信まで多発しているのだとか。

改装前にこの棟に住んでいた女性など、
留守中に誤発信で勝手に119番されていて、
近くの消防署から救急車と消防車が駆けつけてきて、
本人が不在なのを彼らは知らないから、
もしや中で瀕死なのか、まさか死んでいるのでは、と慌てて、
窓ガラスを割って侵入した、という事件があったそうだ。
ご本人は他県の実家に帰っていて前日から居なかったので、
役所と消防署の間での一悶着の末、誤発信と判明し、
仕方なく営繕課が窓ガラスを修理して、
更に特殊な技能を使って外から鍵までかけ、
事後処理をしてくれたそうだ。
「外から鍵ってかけられるんだよ。密室殺人は出来るらしい」
と主人が言っていた。おい。結論はそれでいいのか?

また、別の独身男性など、
NTTが工事を完了したと言ったにも関わらず、
実は電話が通じていなかった、ということもあったそうだ。
ただこの人の場合、その「電話が通じてない」という事実に、
実に三年間、気付いていなかったと言うから凄い。

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