転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



ここ二年ほどは東京でホテル滞在しながらの年越しだったが、
今年は娘が帰省したので、広島の自宅で大晦日を迎えている。
きょうは少し雨模様ではあったが、ここ数日さほど冷え込まず、
穏やかな年末となったと思う。

今夜は、主人と娘が天ぷらを食べたいと言うので、
夕方から揚げまくった(爆)。
アスパラ・木綿豆腐・しめじ・まいたけ・エリンギを天ぷらにし、
ウィンナー・鶏・いんげん・かぼちゃの串揚げもつけ、
鮭の香味付けとサラダ2品も並べ、祝い箸を出し、ビールを開けて、
我が家にしては豪華版の年越しディナーになった。
二人が美味い美味いと平らげてくれたので、報われた(涙)。

これで晴れて、今年の主婦の務めも無事に完了した。
家族揃って、『紅白歌合戦』(と時々『ガキ使』←録画中)を
テレビで観ながら、温かい大晦日を過ごすことができ嬉しく思っている。
いろいろあったが、省みて、総じて良い一年だった。
感謝、感謝。

ということで、私はこれより寝正月に突入したい。

************

今年もまた、たくさんの皆様にお世話になりました。
拙日記をお読み下さった方々、お便りを下さいました方々、
そして各地で楽しい時間をご一緒に過ごさせて下さいました方々に
改めまして、篤くお礼を申し上げたいと思います。
本当にありがとうございました。
そして、新しい年もまた、どうぞよろしくお願い致します。

どなた様も、どうか、良いお年を。

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朝から家族三人で舅姑の墓掃除・墓参り。
お正月用にお花も豪華にした(笑)。
娘は友人たちと待ち合わせがあったので、すぐに市街地に戻り、
主人と私は更に足を伸ばして舅宅へ。
まず庭を掃除し、次に手分けして一階と二階に掃除機をかけ、
仏壇と床の間を拭き掃除。
きりの良いところで丁度お昼になったので、
戸締まりして、バスで市街地まで戻り、
お好み焼きのお店でお昼御飯(「広島焼き」に非ず)、
それから帰宅して、今度は自宅マンションのお正月準備を。

実家の母が、29日に支度するのは「二重苦」と言って嫌っており、
また31日にお飾りなどすると「一夜限り」になるので縁起が悪い、
等々と気むずかしいことを(汗)毎年のように言うのだが、
よほど伝統的な商家などであればともかくも、
私はそういうことは普通の家では気にしなくて良いと思っている。
まあ、大晦日になって何も整っておらずバタバタやっているとしたら、
大変立派なことであるとは言えないだろうから、
戒めとして「ものごと早めにやっておけ」というのは理解できるが、
「29日=二重苦」などというのは日本語限定の語呂合わせだろう(^_^;。
カレンダー通りなら、勤め人の多くは28日に御用納めなのだし、
29日にやるなというほうが無理というものだ。
約束事にしばられてイライラしたりするくらいなら、
日にちになど捕らわれず、自分のペースでやれば良いと思う。

……というわけで、我が家の支度が本日30日になったのは、
天気と我々の都合(+怠惰)による、単なる偶然だ。
過去にもっと早く着手した年には、
29日にこういうことをやっていたときもあった。
本日は、まだこれから、家の掃除をもうひと頑張り。

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・お正月用の花を出窓に飾ったので、
家の中の雰囲気が、年末年始の休暇らしくなった。
年賀状の印刷はできているのだが、
どの葉書も、何かしらメッセージを書き入れたいと思っているので、
そのほうがまだ、全部は終わっていない。頑張ろう(笑)。

・昨夜、娘が帰省した。
秋から某図書館でバイトを始めた娘は、若干スレンダーになっていた。
3時間立ちづめの図書整理の仕事を週3回やると、
明らかに減量でき、特にウエストが細くなったとのことだ。
当たり前だが、動く量が食う量を上まわれば、人は痩せるのだ。
冬休みは短いので、一週間ほどの滞在だが、
娘が年末年始に広島に帰って来たのは二年ぶりだし、
家族三人で家の掃除をしたり、買い物に行ったりして、
穏やかな年越しをしたいと思っている。
娘が帰省中に太らないことを祈るのみ(^_^;。
娘は夏に短期のインターンに二社だか?行っていたが、
確か冬にも何社かあると言っていた気がする。…が、私には定かではない。
娘のことを私なりに心配していないわけではないのだが、
地元に居ない者のことは、実質的にどうしてやることもできないので、
「よーわからんので、自分でなんとかなっといて下さい<(_ _)>」
というのが、最近の私の基本的なスタンスだ。
ともあれ、きょうは何の予定もない日で、
私は目覚ましをかけず、朝10時半まで寝坊した。
素晴らしかった(滂沱)。

・『寒くなり、コートを着るようになって以来、
私が気をつけているのは、スカートを履くのを忘れないことだ(爆)。
身支度の手順が何かの拍子に若干狂うと、
下が出来ていないのに先にジャケット感覚でコートを着てしまうことがあって、
こうなると裾が膝あたりまで来ているために
感覚的になんだか「履いた」気がして、スカートを忘れるのだ。
今までそのまま外に出てしまったことはまだ無いのだが、
玄関で「おっっ!!!???」となったことは、ある。
万が一、会社に着いてから気づいたら私はオシマイだ。
……安心して下さい、今は履いてますよ(^_^;。』
――という話を私は先日、自分のfacebookに書いたのだが、
そのときヨーロッパのポゴファン仲間が「like(イイネ)」を付けてくれた。
日本語は読めない筈の人なので、翻訳して読んでくれたのだろうか。
有り難いと思うが、……どんな機械翻訳になったのか想像したくない。

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本日、年内最後の出勤日が終わった。
ありがたや~~~(滂沱)!!

明日から、いよいよ年末年始の休暇が始まる。
年内残りの5日間と、年明けは4日まで休みなので合計9日間。
こんなに長い間、会社に行かなくて良いなんて、
ゴールデンウィーク以来ではないか!?

この9日間、心おきなく時間を無駄にしたいと思う(笑)。
会社では、10分単位で時給に換算されるので時間管理が厳密だし、
不測の事態が起こっても対処できるよう、
できることは何でも、常に先回りしてやっておくようにしているのだが、
これからの何日間かは、そのような感覚から解放される。
出勤時間から逆算して家事の順序を考える必要もない。
何時までに何が出来ていなくても、誰も困らない。

いやもう、夢のようだね(涙)。

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今年も、世界平和記念聖堂でのイブのミサに行った。
高校生のとき初めてこの教会に来て以来、ことあるごとにミサに与り、
文字通り、聖堂の一番外側にある門から出たり入ったりしながら、幾星霜(笑)。
今や、かなり近所に住んでいるという……。
本当に不思議な「縁」を感じる。

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ほっくん(北翔海莉)がトップになり、これからは星組公演が楽しみだなと
私はゆったりと穏やかなファンライフを過ごすつもりでいたのだが、
いきなりこれ↓はヒドいではないか。
一体どうやってチケットを取ったら良いのだ(--#)。

12月22日(火)、2016年宝塚歌劇公演ラインアップにつきまして、
【宝塚バウホール】公演の上演作品が決定いたしましたのでお知らせいたします。

(宝塚歌劇団公式HP)
星組 ■主演……北翔 海莉、妃海 風
◆宝塚バウホール:2016年7月3日(日)~7月12日(火)
一般前売:2016年5月28日(土)
座席料金:全席6,300円
『One Voice』 構成・演出/岡田敬二

私は実は1月の北翔海莉 Dramatic Revue『LOVE & DREAM』に関しては、
もうチケットを持っている。
公演の告知があったときから忘れずにチェックしていて、
仕事が無い(だろうという)日を選んで、首尾良くB席を手に入れたのだ。
しかしこれは約2000席ある梅田芸術劇場メインホールだから取れたのだ。
いくら早くからスタンバイしたところで、
たった500席のバウホールのチケット争奪戦に勝てる気は、私はしない(汗)。

昔はトップさん主演のバウ公演が時々あって、
なーちゃん(大浦みずき)などトップ時代に二度もバウ主演をした。
しかしドラマシティが出来てからは、バウは若手公演か専科公演が大半で、
トップさんのバウ公演は聞かなくなっていたような……?
いや勿論、企画そのものは嬉しいには違いないのだ。
トップコンビをバウで拝めるなどという、豪華な公演が今時あったなんて。
バウは大劇場とは全く違う「濃い」空間だし、
内容的にも、出演者の個性にぴったりと添ったものが期待できる。
しかし、よりによって、ほっくんでバウが来るとは(涙)。

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花組エリザは観たかったのに、当時は時間がなくて叶わず、
紆余曲折あってようやくこのたび、市販の公演DVDを観ることができた。
宝塚歌劇花組 大劇場公演『エリザベート』(宝塚歌劇団公式HP)

観て良かった。
1996年星組公演は別格としても、この2014年花組公演は私の中で、
宝塚エリザベートの決定版と言っても良い出来映えだと思った。
何より、トート(明日海りお)・皇帝フランツ(北翔海莉)・ルキーニ(望海風斗)
の三者がいずれも素晴らしく歌えて芸達者で、奇跡のようなバランスであり、
舞台は出演者のアンサンブルなのだということが、本当によくわかった。

再演のたびに内容が変わる『ベルサイユのばら』と異なり、
『エリザベート』は上演台本が96年の雪組初演からほとんど変わっていないので、
今回、花組の録画を観ながら私は、
ここの演出は○組版に似ているな、このトートの立ち方は誰某と同じだな、
等々と、まるで「こりゃ○代目の型」と歌舞伎を観るような気分になった(笑)。
そのような中で、だいもん(望海)ルキーニはかなり異色で、
私にとっては歴代の誰とも違うルキーニだと思われた。
ルキーニは演り甲斐のある役で、しどころが多いのは事実なのだが、
だいもんの一挙手一投足に、私は新たなルキーニの魅力を様々に感じた。
ワイルドなのに、隠し味のように「品の良さ」のあるルキーニで、
イタリア人テロリストが上品なのかと言われれば、
リアリティという意味からは路線として違う、ということになるが、
舞台は飽くまで宝塚歌劇なので、だいもんルキーニが、
『エリザベート』という高貴な宮廷の物語の一角に存在している者として、
ノーブルな雰囲気をにじませていたことは、私にとっては新鮮で、
かつ、納得の行く演じ方でもあった。

このときの公演で退団した蘭乃はながシシィを演じていたが、
これはこれで、シシィの人格障害的なところを前面に出した演じ方で、
納得感があり、見事だった。
彼女は下瞼のかたちに特徴があって、
ふとした表情が含み笑いのように見えることがあり、
それがまた、シシィの感覚の鋭敏さや異常さに、よく合っていたと思った。
皇太子ルドルフ(公演DVDは芹香斗亜バージョン)が、
『ママは僕の鏡』『(二人とも)この世界で安らげる居どころが無い』
と言う歌詞があるのだが、これほどに生きることが苦痛だったのは、
彼らが「悪かった」のではないにしても、彼らの側に「原因があった」、
ということを、私は蘭乃シシィを観ながら強く感じていた。

主力メンバーの力関係が絶妙で、しかも納得感がある、
という意味でこれほど素晴らしい『エリザベート』を観たのは初めてだった。
このDVDを観ることができて、本当に良かった。
2015年も終わりの今頃になって、本当に今更だったのだが(^_^;、
つくづく、録画とは有り難いものだと思った。

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TOEIC

先週月曜に届いた、第205回TOEICのAbilities measuredを記念に貼っておく。
abilities measured、通称『アビメ』はTOEICの成績評価表であり、
この表から、今回の自分の結果は、
少なくともリスニング1ミス、リーディング1ミスだったらしい、と、
11月TOEIC正解数換算表TOEICオタクのブログ)を参照してわかった。
試験終了後にネットの掲示板を見ていて、
自分ではリーディング3ミスはしたと思ったのだが、
私は自分の解答に関して何か勘違いをしていたのか?
難度が高すぎてノーカウント問題になったものがあったか……??

TOEICはおよそ、リスニングについては3ミスまで満点(495)、
リーディングは難易度により1ミスまたは2ミスまで満点(495)になるが、
猛者たちの間では勿論、ただの990ではなく全問正解による満点が、
最も価値のあるものと位置づけられている。
その場合は、このAbilities measuredが上から下まで100%で埋まるわけだ。
更に猛者の中でも頂点と見なされるのは、その全問正解990点満点を、
一度ならず、…どころか連続で、達成する人々である。
しかし私はそこまで目指す気は無いし、目指すべきでもないと思っている。
実力的にもう厳しい、というのも無論あるが、それに加えて、
前も書いた通りこのまま行くとTOEIC addict(中毒)になりそうで、
一介のオバさんに、それはさすがに良くないと思うので(^_^;。


黒田 最高

広島の黒田、2億円増の6億円で契約更改 現役最高年俸(朝日新聞)
『プロ野球広島の黒田博樹投手(40)が17日、2億円増の6億円と出来高払いで来季の契約を更改した。日本球界の現役選手では最高額の年俸となる。黒田は「想像以上に評価してもらえました。(球団から)成績だけじゃなくて1年間すごくプラスになったと言ってもらえた」と話した。鈴木清明球団本部長は「(黒田の広島への復帰が)社会現象にまでなった」と評価した。』

当然だ。全く高いと思わない。これでも足りないくらいだ。
『社会現象』は今回の契約更改だって同様だった。
黒田続投は即座に、地元テレビに速報ニュースとして流れ、
市街地では華々しく号外も配布されたのだ。
球団は今後一生(?)黒田に感謝しなくては罰が当たる。
本当に良かった。『5億年20円提示』とかでなくて(爆)。
「金子獲得へ、広島5億年20円提示」ひどい誤植が話題に…

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本年のTOEIC挑戦の最終回、第206回公開テストを受けに行って来た。
もはや、「行けばいいんでしょ、行けば(--#)」な心境だった。
この1年、4月の第199回を除き全ての公開テストを受験したのだが、
顧みて、私のように怠惰な主婦にとっては、やはりキツいものがあった。
なにしろ、月に一度は日曜日の昼前~夕方がこれでつぶれるのだ。
端的に言って、やっと巡ってきた日曜日は休みたいワケですよ(^_^;。

しかしTOEICの受験生は大半が社会人なのだから、
皆、忙しい仕事の合間や、貴重な休日を費やして受けに来ているのだ。
私だけではないのだった。
この程度で
「たいぎー(=広島弁。面倒くさい・疲れるetc)」
と思ったなんて、反省せねば……(^_^;。
(しかも私が忙しいのは、東京へ歌舞伎を観に行ったりしているからだし)

きょうの会場は、私にとっては全く初めての郊外の大学だった。
遠いし知らない場所だしで、出かける前は億劫な気分だったが、
いざ行ってみると、バスは直通で便利だしキャンパスは綺麗だしで、
なかなか良い試験環境だった。
リスニング音声の再生はラジカセ使用だったが、音響面の問題も無かった。
今回はメジャーフォームに当たった
(フォームについては、『TOEICのフォーム』(TOEICオタクのブログ))。

リスニングで、選択肢から予想していた通りの展開になったものがあり、
TOEICをやり慣れたことにより、TOEIC的なものに対する私の感覚が
ここまで出来上がってきたということだなと思ったりした。
一方リーディングは、私は未だに、
「リフォーム問題だな」と気づくようなものには出会ったことがなく、
この程度の受験歴ではまだ蓄積が足りないのか、
単に私が忘れっぽいだけなのか定かでないが、
きょうも、どの問題も私には目新しく、難しかった(爆)。
特にPart7の一部が解きづらくて時間を取ってしまい、
最後まで解き終えられないのでは、という危機感が一瞬あった。
実際には10分くらい余ったのだが、
SP(シングル・パッセージ)の終わりのほうは分量があるので、
解答の根拠を探すのに手間取った箇所がいくつかあった。
DP(ダブル・パッセージ)も文章量がいつもより多めだった気がした。

しかし、もう、とにかく終わった。
これで、来年、少なくとも上半期はTOEICは受験しないつもりだ。
少しインターバルを空けたいし、受けるなら5月のマイナーチェンジ後に
新しいTOEICになってからにしようと思っている。
いやはや、1年間、御苦労さん>自分(笑)。
あー、済んだ済んだ♪


**************


<付:1月5日正午Web結果発表>
L495 R470 Total 965

体感として、TOEICはリスニングのほうが点が取りやすいし、
トレーニングの成果も現れやすいと思う。
満点達成者の多くが辿る道というのが、
何度か受験するうちに、まずリスニングで満点が取れるようになり、
それを更に複数回経験していると、
あるときリーディングもよく出来た回があって、990が出る、
……『出る』というと大抽選会みたいだが(^_^;
そのようなものではないかと、私は自分の経験から思っている
(最初から英語力があり余っている人は、除く)。

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実は、実家のトイレが夏前から壊れていた。
壁に取り付けられているリモコンの効きがおかしくなり、
「大」に関するボタンはほぼ問題なく作動するのに、
「小」のボタンは押しても反応せず、水が流れなくなっていたのだ。
もうひとつ、独立してトイレのそばに設置されている手洗器の、
プッシュ式手洗いカランにも不具合があり、
押している間しか水が出なくなっていて、
片手ずつしか洗えない(爆)という困った状態が続いていた。

私は実家に顔を出すたびに、「修理せな」とせっついていたのだが、
実家母は「T○TOに電話したらええねん。わかってんねん」と言いつつ、
いっこうに実行に移そうとしなかった。
つまり、高齢(@86歳)により、決断力・実行力がなくなっているのだった。
しかし、そうこうするうちに、もはや年の瀬。
キレた私は先日ついに、独断でT○TOの修理部門フリーダイヤルに電話し、
私の行ける日に予約を取り付け、業者さんに実家まで来て貰うことにした。

その担当業者さんが、昨日、実家に来た。
私も勿論、時間を合わせて実家に行った。
すると、これまで少しも自分で動こうとしなかった実家母が、
不自由な足でいきなり私より前に出て、業者さんに説明を始めたのだ。
「足が痛くなったら大変だから、あっちで座って待ってれば」
と私が言ったら、母は不服そうに、
「ほんでも、このトイレを18年使うて来たのは、私らやもん」
と言い張った。

業者さんのお見立てによると、
手洗いカランのほうは部品の取り替えでなんとかなるが、
洗浄機付き便座のほうが、モーターが古くなっているし、
基盤のところまで茶色に傷んでいるので、反応が悪くなっている、
とのことだった。
そして、このぶんでは、今は機能している部分も、
遠からず故障する可能性が高い、というのだった。
このトイレは18年前に家をリフォームしたときに設置したもので、
一般的な家電の耐用年数から考えれば、もう十分に役目は果たした、
と言って良く、不具合の主な理由は、つまり経年劣化なのだった。
となると、「小」のボタン以外は今のところなんともないとはいえ、
この機会に温水洗浄便座そのものを交換したほうが良い、
と考えるべきだった。

「それやったら、もう全部を新しくしたほうがええね」
と母は言った。
今つけてあるものは旧式の一体型便器だし、全体に古くなっているので、
機能部だけを最新機種に取り替えるより、
陶器も便座もセットで新規に買い換えたほうがいい、
と母は思いついたのだった。
そして母は、18年前に家をリフォームしたときの話をし始め、
トイレのカタログを見て希望した型のものに在庫がなく、
仕方なしに妥協してこの型の陶器と洗浄便座とにしたが、
やはり不満が多々あった、という歴史を業者さんを相手にひとしきり語った。
なぜ、寒いトイレの前に立ち尽くして、
そのように長い昔話を聞かねばならなかったのか、
私には、――多分、業者さんにも――、ほぼ謎であった(爆)。

さて、それでトイレそのものを新しくするとなると、
その取付作業自体は、今回の修理担当部門の業者さんでも可能ではあった。
しかし、現在使っているトイレは古いので、既に廃番になっており、
新しいものを買うとすれば、多少なりとも型の異なる陶器や便座になり、
その前段階として床や壁の汚れ・使用跡などの清掃・補修からとなると、
工務店を呼んで貰わないといけない、と業者さんは仰った。
その際に、便器はT○TOの型番何番で等と、
工務店さんに指定して貰えると、うちとしては有り難いのです、と。
なるほど、床材や壁紙は内装業者さんの管轄になるわけだ。

……と私が納得していると、突然、母が憤然となって言った。
「T○TOさんなんて、大きな会社じゃありませんか!
天下のT○TOさんが、床の張り替え作業が出来んと言われるの!?」

おっっ、おかーーさまっっ、

業者さんは、誤爆並みのクレームにも慣れていらっしゃるのか、
特にうろたえた様子もなく、
「技術的には、床を剥がして剥がせんことはないんですが、
内装という点で、元通りに綺麗にならんというようなことがあると、
やはり専門の業者さんでないといけませんし、
ぼくらは、そういう仕事を請け負ってはいけないことになっているので…」
母はなおも食い下がった。
「じゃあ、あなたんとこで、どっか、一級建築士さんを紹介して下さる?」

な、なんでうちのトイレでわざわざ一級建築士ご指名!?

驚く私を尻目に、業者さんはツッコミを入れることなく淡々と、
「いえ、私からの、個別のご紹介のようなことは、承っておりませんので…。
当社のショールームにお出かけ下さいましたら、
リフォームやリモデルとしてトータルでご案内はできますが…」
「テレビ観よりゃ、T○TOさんのコマーシャルで、
そりゃもう、何でもできますて言いよるやないの?お風呂でもキッチンでも。
お宅の製品のトイレを買うて取り替えをするのに、
どうしてよその工務店さんを頼まんとできんの!?
しかもそれを手配するのはこっちでせんといかんとは、どういうこと!?」

************

足の痛い母が椅子に座ろうとして黙った隙に、
私は業者さんを物陰に呼んで(爆)、とりあえず手洗いカランのほうの修理を依頼し、
トイレを新規に購入する件は、改めて私まで連絡して下さるようにと頼んだ。
業者さんは、部品の納入日により次回作業日が決まるから電話する、
と仰り、とりあえずカタログを置いて帰って行かれた。

「前に来てくれた業者さんは、もっと若い人やったが、
私たちに納得の行くように説明してくれたよ。きょうの人は駄目や」
と母は怒っていた。
しかし多分、それは違うのだ。
『前に』というのがいつの話のことを指しているのか知らないが、
以前、何かで修理を頼んだときには、母は今ほど老いておらず、
怒りポイントもズレて(殴)いなかったし、
理解力も、もう少しあったということではないだろうか(爆)。

そういえば先日ファックスを新しく買ったときも
二度に渡ってサービスマンの人に来て貰い、
その都度、半日くらいかけて教えて貰ったにも関わらず、
母はその対応が気に食わず、「今時のファックスは駄目や」と言い、
結局、馴染みの魚屋さんに使い方を教わっていたものだったが、
そのように、ことあるごとに不満が多いのは、
来る業者さんが誰も彼もハズレなのではなくて、
むしろ原因は自分のほうにあるのではないかと、
一度は疑ってみるべきではないか。

「まったく、今日は驚いたねえ。天下のT○TOさんともあろうものが、
床の張り替えができんから、トイレの取り付けがひとりでできんとはね!
私ら、どこへも行けんから、テレビを観るしかないんやけど、
コマーシャル観よりゃ、そりゃもう、何でもできますて
いつも言いよるやないの?お風呂でもキッチンでも、洗面所でも。
トイレの取り替えが、よその工務店さんを頼まんとできんとは知らんかった。
そんなことテレビじゃ、一言も言うてへんのに。
それも、うちで手配せにゃならんとは。世の中ぁ、変わったね!!」

母の怒りは、留まるところを知らず、
何度言っても得心しないらしく、同じ話をずっと繰り返していた。
確かに、一昔前は、村の大工さんに電話一本すれば、
各種カタログを揃えてやってきて、
希望を聞いて陶器を取り寄せ、配管やら内装やらすべて手配し、
それぞれの業者さんを指揮して、短時日で完成させてくれたのだろう。
しかし、きょう試みた交渉はそれとは違い、
単に、メーカーのトイレの修理部門の人を呼んだだけなのだ。
床材のことまで責任を持てない・工務店さんを頼んでくれ、
という業者さんの説明は、しごく尤もなのだ。
リフォーム部門に最初から依頼していれば、違っただろうが……。

しかし、ともあれ、今、追求すべきところは、そこぢゃない(^_^;。
世の中が、「俺様ルール」に照らして間違っていようがいまいが、
あのトイレを放置して良いということにはならない。
この際、私が矢面に立つから、トイレの修理を進めてくれまいか。
なんなら、費用も持ってもいい。金額によるが………
必要なら私が工務店を探して来よう。
トイレが駄目になっちゃ、どうにも年が越せないじゃないか。

私の心の中は、いつしか、『文七元結』の娘お久の口調になっていた。
『おっかさん。これからは、まず、おトイレをしっかりなおして。
18年も経っていると、モーターの傷み方が、酷いから、ね?』
『「大」のほうまで、流れなくなると、ね?』(爆)。

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