3日の土曜日の夜から、実家父が入院している。
幸い、ただちに命がどうこうという病状ではなかったのだが、
急だったので土曜から日曜にかけて右往左往してしまった(汗)。
始まりは、土曜の夜8時半だった。
この日、私は会社から帰ったのがいつもの土曜よりも若干遅く、
主人がお好み焼きを買っておいてくれたので、それを有り難く頂き、
デーゲームでカープが勝っていたお蔭もあって、
ふたりですっかり気分を良くして、週末の夜を過ごしていた、
ら、私の携帯が鳴った。出たら、母で、
「お父さんが、ベッドから落ちたのか何かわからへんけど、
ベッドの脇の床にへたり込んで、立てへんねんけど、どないしよう」
どないしよう、ったってそれは医者あるいは救急車を呼べ、だろう(汗)!
と思ったが母の問題解決能力の無さは既に私にわかっていたので、
とりあえず意識はハッキリしていて立てないだけ、というのを確認して、
これからすぐタクシーでそっちに行くから、と言って電話を切った。
主人と一緒に高速経由で駆けつけてみたら、果たして父が、
自室のベッドの脇でヨタっており、どこも痛くもなんともないが、
体に力が入らず、立てないしベッドによじ登ることができない、と言った。
手足は動かせたし、確かに立ち上がれない以外には異常はなさそうだった。
それで、主人とふたりで父を抱え上げてベッドに寝かせ、
……我々夫婦はこれまで、転姑ばーちゃんを抱えた経験しかなかったので、
父はえらいこと重くて、さすがに男性は骨太だと思い知った次第だった。
それから、これほど急激に体の自由がきかなくなっては、
明日も待てないしタクシーでの受診も無理だから、やはり救急車だ、
ということになり、私が119番に電話をした。
救急車はすぐ来てくれたが、音がしたので近所の人らもすぐ出て来て
遠慮無く救急車の中を覗き込もうとしたりして(汗)
「ほんま、田舎って凄いね(^_^;」
と主人に驚かれ・呆れられてしまった。
救急車の中でいろいろ調べて貰ったら、父は体温38度で発熱があり、
血圧は初回が110台と70台だったが、測っているうちに下がってきて、
みるみる80台と50台になってしまい、私は内心、
「もしや敗血症か何か??」
と焦った。
心拍数は120台で多めだが、呼吸がゼイゼイしている様子はなく、
心電図も、たまに不整脈がある以外には問題となるところは無さそうだった。
父本人はしっかりしていて、ここはどこで、どういう状態で、
朝からどう過ごしてきたか、現在の症状はどうか等々、すべて答えられた。
体に力が入らないので動けないが、
ほかには痛む箇所もなく呼吸も楽で、吐き気もないとのことだった。
また、手も足も指まで自由に動かすことができ、
私が足に触れるとすぐに「ん?」とこちらを向いたりしたので、
感覚の異常はなく、少なくとも深刻な脳梗塞などではないようだった。
病院に着いて、結局日付が変わる頃までかかって、
血液検査やCT検査などして貰ったところ、
脳出血や肺炎はなく、腹部臓器にも異常所見は見られなかったが、
白血球が2万台なのとCRPが5なので、やはり感染症が疑われ、
それとともに、血糖値が300超、HbA1cが12台で、
糖尿病のコントロールが大変悪いことが判明した。
お薬手帳を見ると、年明けから半年ほど、通院をサボっていたらしかった。
待合室で人と喋ったり、医師から注意されたりするのが鬱陶しかったのと、
もう運転するなと私が言ったため、往復がタクシー利用になり面倒だった、
というあたりが理由だろうと、私は見当をつけた。
ともあれ、父は、87年の人生で初めて(驚)、入院することになった。
抗生剤で感染症に対処し、血糖はとりあえずインシュリンでコントロールします、
と救急の先生が仰った。
経過良く感染症が制御できたら、本格的に糖尿病治療をしましょう、と。
――ということで、本日が入院4日目だ。
初日の夜と翌日は、熱が37度から39度まで行ったり来たりしたが、
3日目の昨日夕方見舞ったときには、体温も脈拍も落ち着いていた。
主治医の先生も、血液検査の最新版を見るとまだ炎症はあるが、
全体にどの数値も改善してきている、と言って下さった。
ただ、急な入院で部屋が空いていなかったせいもあり、
父は目下、HCU(重症患者病棟)に寝かされている。
部屋が空き次第、大部屋に移って頂きます、
と看護師さんからも先生からも言われているのだが、
本人は、とにかく音がうるさいのでたまらんと文句を言っていた。
何かわからないサイレンのような機械音がしじゅう鳴っているし、
私の見たところでも全体に高齢者が多いので、話し声が大きいし、
看護師さんの指示が理解できずに騒ぐ人もいたりして、
なかなか、落ち着いて休むということができない環境だ。
父本人は、立てないことを除けば、もうどこもなんともないので、
そうそう眠れないし、喧しいのがストレスになるしで、参っていた。
雑誌も読む気がせず、とにかく静かに寝たいのだが、とのことだった。
先生のお話では、父が体に力が入らないのは、
急激な発熱があって弱ったせいなので、
感染症の治療ができたところで、リハビリもしましょう、
とのことだったが、はてさて、どこまで元に戻るだろうか。
更に、あの状況下で、通常生活からはほど遠い精神状態でいるので、
ベッドから動けない父はボケるのではないかというのも心配だ(汗)。
しかし一方で、このところずっと、父の痩せ具合が気になっていたし、
排尿回数も多く年齢的に前立腺肥大が進んでいるのではとか、
寒くなって以来、どうもろくに風呂に入っとらんのではないか等々、
私は解決したいことが多々あったので、
こういう事態になって強制的に医療機関にかかることになったのは、
父のためには大変良かったと思っている。
二言目には「トシじゃけ、しょうがないよ」と言い、
どう説得しても、医療の介入など受け入れずに過ごして来たのだが、
今回、動けなくなって入院したお蔭で、ようやく、
全身的な検査をして貰うことができた。
これで糖尿病の治療も再開できるし、介護申請をしたり、
場合によってはデイサービス等で入浴させて貰ったりも、
今後、可能になって行くのではないかと思う。
本人はどうしても認めたがらなかったが、
必要だったんだよ、そういうことが、もう、とっくに(^_^;。
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