私が何年もテレビをろくに観ない生活をしていた間に、
テレビ番組からはドラマや歌謡曲が激減し、
かわりに、ほとんどがバラエティになっていた。
・・・ということに、今回の療養期間中、初めて気づいた。
バラエティの中でもとりわけ目立つのが、「ものを食べる」番組だ。
どんなオイシイものがあるか、どんな珍しい料理があるか、
各局、様々な番組によって、一日中、紹介されている。
私は元来、食べることに対しての関心が人並み外れて薄く、
そのうえ、常日頃「御飯は5分」というくらい食べるのが早く、
とてもじゃないが食事を楽しんでいるとは言えない人間だから、
食べ物番組の視聴者としては、もともとが落伍していると思う。
だが、それでも、出演者がいとも美味そうに食事をする番組ならば、
見ていて、それなりに楽しさはわかる気がする。
これまで経験のないような、美味しいものに出会うというのは、
ほかでは得られない、幸福な瞬間だろうと思うからだ。
だが、どうにも理解できないのが、度を超した大食いの類いだ。
それも、ギャル曽根ちゃんみたいに、どんな大量の料理でも、
美味しい~!と上機嫌で食べられる人の話なら、まだいいのだが、
伝説をつくるとかどうとかいう企画で、
特定の店のメニューを完食しなくてはならなくなる番組は、
観ていてこっちがツラいだけだ。
あれのどこを楽しんだり面白がったりすればいいのか、
私には全くわからない。
出演者(多くの場合、若い男性芸能人)が、ゆがんだ表情で、
やっとの思いで飲み下している食品なんて、
私には、全く美味しそうに見えず、食べてみたいとも思えず、
ただただ肉体的苦痛とセットの印象しか残らない。
・・・と思って、ちょっと検索してみたのだが、
「大食い」番組はもう、何年も前から普通に放映されている。
今なお依然としてあのような企画が飽きられず、廃れないのは、
視聴者の支持がそれだけ根強いということなのだろう。
世の中の多くの人は、ああいう食事風景を見るのが
つまるところ大変に愉快である、ということのようだ。
Trackback ( 0 )
|