今夜は、友人が誘ってくれたので、
西本智実指揮、ラトビア国立交響楽団を聴きに行った(@広島厚生年金ホール)。
曲目は、オール・チャイコフスキーで、幻想序曲『ロミオとジュリエット』、
ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品35、交響曲第4番ヘ短調作品36だった。
ソリストに予定されていたサーシャ・ロジェストヴェンスキーが
急病とのことで来日せず、代演はパヴェル・シュポルツルだった。
これが、なかなか素晴らしかった。
ボディをグリーン、あご当てを赤に塗った強烈な楽器を持って
どこかの大道芸人(!)みたいな服装で登場したソリストを見て、
私は最初呆れてしまったのだが、第一音が響き渡った途端、
なんて繊細でロマンティックでイイ音なんだと、非常に驚いてしまった。
正統派も正統派、私の愛聴盤のオイストラフに迫る出来映え、
・・・と言ったら、いささか褒めすぎか(汗)。
音だけ聴いたら、こんなナリで弾いているとは絶対に想像しない!
という演奏だった(汗)。
私はシュポルツルを聴くのは初めてで、予備知識も何もなかったが、
少なくとも、こういう、テクニックを前面に出せる曲に対して、
更に叙情性も加味して弾ける強みがこの人にはあると思うので、
この協奏曲は非常に向いているのではないか、という印象だった。
協奏曲のあと、拍手にこたえて弾いた、
パガニーニのカプリース3番も目覚ましかった。
西本智実についても、実は私はほとんど何も知らないのだが、
とりあえず、これまで耳にしたエピソードの範囲では、
チャイコフスキーが彼女のテーマのひとつなのかな、
という印象があった。
ロシアで学び活動の拠点を長らく向こうに置いていたという点で、
彼女は異色の指揮者であると思うし、
チャイコフスキーはそのような彼女にとって、
最も取り組み甲斐のある作曲者のひとりなのではないかと思うのだ。
全体にメリハリのある若々しい構成の音楽だと思った。
熱さにはそこはかとなく大阪人の魂みたいなものも感じた。
アンコールはヴィヴァルディで、これも劇的でなかなか良かったので、
今度は、もう少し小さい編成のオケでも
この人を聴いてみたいなと思ったりした。
会場で貰ったチラシを休憩時に見ていたら、
11月12月には、西本智実の指揮によるラトビア国立交響楽団で、
今度はミッシャ・マイスキーが弾くと書いてあり、
ドヴォルザークをやる予定だということで、俄然、期待が高まった。
西本×マイスキー、私のイメージの中では両者とも、
クラシック界の演歌師、という感じがするので、
この顔合わせはかなり良さそうな気がしている(褒めてます。逃)。
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