転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



宝塚歌劇星組『こうもり』『The Entertainer』、
昨日28日(月)13時公演@宝塚大劇場を観てきた。
(慣れた方なら写真でおわかりの通り、席は2階S席上手側サブセンター(^^)。
S席を張り込むのは久しぶりだったが、みちこさんへのご祝儀ということで。)

『こうもり』は、みちこ(北翔海莉)さんが圧倒的に歌えるので聴き応えがあった。
書き下ろしの主題歌も、シュトラウスの定番曲も、
みちこさんにかかったら自由自在の見事さだった。
この公演では、みちこさんがファルケ博士を演り、
オペレッタだと主役のアイゼンシュタイン侯爵は二番手役として書き改められ、
ベニ子(紅ゆずる)ちゃんがこれを務めていたのだが、
「ダメ夫」が似合うベニ子ちゃんなればこそ、この配役は大成功だったと思う。
特に、序幕の酔っ払い具合はこの二人ならではの巧さ面白さだった(笑)。
ベニ子ちゃんは大変に存在感のある二番手なので、
今の星組は昔のヤン(安寿ミラ)×ミキ(真矢みき)みたいな、
男役1&2がコンビであるかのような愉快さがあり、
それと同時に、歌ではみちこさん&ふうちゃん(妃海風)が
素晴らしく巧いので、本来のトップコンビの相性の良さも堪能できて、
なかなか見どころ・聴きどころの多い組になったなとも思ったりした。
しかも、少し下の学年の男役がイケメン祭り状態(笑)!

芝居としてはオペレッタの筋をだいたい踏襲していたが、
小間使いアデーレがヒロインとして書き換えられていて、
アイゼンシュタイン夫人ロザリンデの逸話が
部分的にアデーレのものになっていたところや、
オペレッタではロザリンデの元カレでオッサンであるアルフレードが、
今回の星組では侯爵家の美男の執事という設定になっていて、
まこっつぁん(礼真琴)が演じていたところなど、
組内ポジションに合わせた変更や調整は随所にあった。

刑務所長フランク(十輝いりす)にも楽しませて貰ったし、
皇太子オルロフスキー(星条海斗)も快演で、
物語だけを見れば冗長になりがちなところを、
良い呼吸で笑いを取っていて、なかなか巧かったと思った。
弁護士先生の七海ひろき氏(笑)は、無論、綺麗で面白かったのだが、
私にとって意外に淡泊な印象しか残らなかったのは、なぜだったのだろう。
役の可笑しさに比して、美し過ぎた…か……(^_^;?
宝塚歌劇なので最後はトップコンビの恋愛に持って行かねばならず、
ファルケ博士とアデーレが相思相愛になるというオマケがついていて、
決着としての納得感はないが蛇足でもなく(爆)、
目の保養、という感じのエンディングで、悪くなかった。

しかし私が何よりシビれ、ときめいたのが、
ファルケ博士の恩師という設定のラート教授(汝鳥 伶)だった。
ソル(磯野千尋)さんが居なくなったらユウさんに走るのか、
と笑いたければ笑いたまえ(^_^;。
台詞も歌も、つややかでなんとも言えない色気があり、私はしみじみと聞き惚れた。
私は結局、今に至るも、昭和の宝塚が一番好きなのかもしれないな、と思った。

************

ショー『The Entertainer』は、製作発表のとき気になった、
全員の「エンターティ[ti]ナー」の発音が綺麗に改められて、
ちゃんと「エンターテイ[tei]ナー」になっていた。
……そうだろうよ(^_^;。最初はどういう譜面だったのだ、一体。

幕開きは豪華絢爛で、みちこさんの声が溜息もののすばらしさだったが、
始まっていきなり大階段が出て来て、
友人某氏がかつて91年月組ベルばらのプロローグを見ながら、
「おいおい、おまいら、もう終わるのかよ(^_^;」
と言ったことを、不意に思い出して私はシにそうになった。
懐かしかった、冒頭からいきなりフィナーレになるショー……(逃)。

また、いろいろな組み合わせのトリオが歌いながら銀橋を渡っていく構成は、
やはり91年の花組『ザ・フラッシュ!』そっくりで、どうも、
「え、そのフォーメーションって、どっかで……」
と既視感のある場面が複数あり、私は困惑した(^_^;。
しかしそれらは大した問題ではなかったと思っている。
ショー全体としてはきらびやかだったしテンポも良くて、実に楽しかった。

みちこさんは、定評のある歌は勿論、芝居も巧いしダンスも綺麗で、
しかも可笑しい場面はテッテー的に可笑しいしで、言うことがなかった。
客席にはこの日、元星組のあやか(白城あやか)ちゃんが来ていて
「こんな美しい人をお嫁さんにしたら、160歳まで長生きできる…」
とジョンソン医師(106歳)の扮装でカクカク言うみちこさんは最高だった。
御主人様のヒデちゃん(中山秀征)も並んでご観劇で、
ご夫妻をネタに、みちこさんとベニ子ちゃんのアドリブが炸裂してしまい、
しまいにベニ子ちゃんが、
「長くなり過ぎて今スタッフさんが焦っているんじゃ……(^_^;」
とまとめて終わりになった。
みちこ×ベニ子コンビが頂上にいる限り、
「ショーの花組」「芝居の月組」等々に対して、ここは「喜劇の星組」だ。
いいのか、それで(笑)。

ほか、マギー・ワンダフル(星条海斗)とイリス・マーベラス(十輝いりす)
のデカい美女コンビも怖くてゴージャスで良かったし、
終盤には掛け値なしの名演みちこさんのグランドピアノ弾き語りもあり、
野口幸作先生渾身の大劇場デビュー作は豪華絢爛だったのだが、
たったひとつ、私がどうにも賛同できなかったのは、
第16場で男役の黒燕尾と娘役の黒燕尾ダルマが勢揃いして踊るロケットダンスだった。
普通ならあれほどの壮観は無いが、この公演は第5場に初舞台生ロケットがあるので、
あんな上級生が勢揃いした迫力満点のロケットが後から出て来たらマズいだろう(^_^;。
演出の意図は、わからないではない。
初舞台生たちの将来の姿が第16場に投影されていると言えるし、
今や上級生の面々にとっても、すべてはあの初々しい門出の日から始まったのだ、
……等々と思いをはせるのは、感慨深いものだろうとは思う。
しかし、そうかと言って、初舞台生が懸命に務めたダンスと同じものを、
居並ぶ諸先輩がたに余裕綽々で「踊り直された」かたちになるのは、いかがなものか。
黒燕尾ロケットダンスは、別の公演にして貰いたかったと思っている。


……それにしても、公演一本を見終わって幕が降りたあと、
私が「もう一度観たい」と思ったのは、
今回に関しては実は、まこっつぁん(礼真琴)だった。
もともと巧いのは知っていたが、
前回の星組公演『ガイズ&ドールズ』でアデレイドを演じて、
娘役の視点を改めて確認したことが大いにプラスになったのか、
今回、まこっつぁんが本来の男役に戻った姿を観たら、
立ち姿は大きく、かつ行き届いたきめ細かな魅力があって、
とてもスケール感のあるスターになったなという気がした。
アルフレードの一挙手一投足や、ショーでのStars11での際立ち方、
ああした鮮やかな舞台に出会えたことは、今回の大きな収穫だった。
近い将来、私が星組を観る楽しみは、まこっつぁんになるかもしれない(^^)。

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(写真は、歌舞伎座地下「木挽町広場」に飾られていたお雛様。2月22日撮影。)

現時点での道楽予定。「保留」案件含む。
我ながらアホだと思うが、書いとかないと忘れる(爆)。
公演日もそうだが、まずチケット取りのほうを失念するのだ。
(*印はチケット確保済み)

5月の團菊祭よりも、6月の博多座のほうがチケット発売が先だ(汗)。
混乱しないようにしなくては。
4月のChaboのライブは、会社の終わる時間次第なので、
現時点でまだ決めかねている。

*宝塚歌劇団星組『こうもり』:3月18日(金)~ 4月25日(月)宝塚大劇場
*明治座 四月花形歌舞伎(菊之助・勘九郎・七之助):4月2日(土)~26日(火)
「旅に出る二人」仲井戸麗市 with 早川岳晴:4月19日(火)19:00 広島Live Juke
*ラ・フォル・ジュルネ金沢「熱狂の日」2016:5月3日(火・祝)~5日(木・祝)
團菊祭 五月大歌舞伎:5月2日(月)~26日(木)歌舞伎座
宝塚歌劇団星組『こうもり』:5月13日(金)~ 6月19日(日)東京宝塚劇場
*三浦文彰&田村響:5月22日(日)13:30 福岡FFGホール
六月博多座大歌舞伎五代目中村雀右衛門襲名披露:6月2日(木)~26日(日)
*ユンディ・リ ピアノリサイタル:6月9日(木)19:00 広島文化学園HBGホール
*T.M.R. LIVE REVOLUTION '16:6月19日(日) 広島・上野学園ホール
*中央コース 松竹大歌舞伎:7月20日(水)昼12:30 夜17:00 さくらぴあ
CHICAGO 宝塚OGバージョン:8月25日(木)~31日(水)梅田芸術劇場メインホール
宝塚歌劇花組広島公演:9月7日(水)昼14:00 夜18:00 広島文化学園HBGホール
イナズマ ロック フェス2016:9月17日(土)18日(日)滋賀県草津市烏丸半島芝生広場
メータ指揮VSO ブッフビンダー:10月6日(木)広島文化学園HBGホール

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3月19日(土)
主人の親戚関係の結婚式があったので、
かろうじてフォーマルか?という濃紺のワンピースの上に、
職場の規定であるジャケットを着用して、午前中の勤務をしてから、
半日の休暇を貰い、会場である某ホテルに走って行った。
会社とホテルが至近距離であったことだけは、運が良かった(汗)。
主人とはホテルのロビーで待ち合わせた。
披露宴でのテーブルは、主人の従兄夫妻と子供たち、それに我々、
という配席で、皆からうちの娘のことを尋ねられ、
「現在21歳で大学3年、横浜在住、就活中」
と答えたら、全員のけぞって驚いていた。
中学生くらいかと思っていた、
10歳ちょっとのへんで記憶が止まったままだった、
等々と口々に言われた。
全く、月日の経つのは早いものだ。特にヨソの子の成長は早い。
この日の新婦にしても、私がヨメに来た頃には保育園に行っていたのだ(笑)。
「じゃあ、次は転娘ちゃんの披露宴でこうやって会うことになるかもね(^^)?」
と従兄たちから言われ、
「ないない(--#)」
と主人がわざと仏頂面で答えていた。
ちなみに娘はこの日、二つの会社説明会に出かけたとのことだった。

3月20日(日・祝)
実家の村の神社で春祭りがあり、昼前から手伝いに行った。
母は何を思ったか、「1時から2時まででええ」などと言っていたが、
私の記憶では絶対にそのように生やさしいものではなく、
行ってみたら案の定、
社殿の掃除→祭典→後片付け→総代会→懇親会・酒盛り
(含:父と叔父の兄弟喧嘩)、というフルコースだった。
うちの村では、男が宴会をするなら台所は女の仕事と決まっているので、
おひらきになってからコップ・ぐい呑み類を洗い終えたのは夕方7時で、
帰り際、宮司さんから御礼を言われたが、私は、
「いえいえ、とんでもございません」
と言いつつ、明らかに口先だけだったと思う(爆)。
この日の我が家の夕食は「ピザの宅配を取る」と以前から決めてあり、
改めて、これは大英断であったと実感した。
私が何時になろうが関係なく、主人は温かいピザを食べることができ、
私もまた帰り着きさえすれば即、ピザで夕食を取ることができたからだ。
加えて、店舗配布の「半額券」を、期限内に活用できたのも良かった(笑)。
ただ私が、懇親会で余ったデカい折詰弁当を貰ったことだけは誤算であった。

3月21日(月・代休)
今度は朝から、主人と二人で舅姑の墓掃除・墓参りに行った。
何しろお彼岸だったのだ。きょう行かないでどうする(^_^;。
幸い晴天に恵まれ、絶好の墓参日和となった。
いつもは人気(ひとけ)の少ない墓所も、きょうは墓参りの人達で賑わい、
あちこちからお線香の良い香りが漂っていた。
諸々終えて、昼食は外でうどん屋に行き、
午後マンションに帰ってきて、私はやっと「休日」の気分になった。
二日半、何やかやと働いた。やっと半日、自由時間が手に入ったのだ。
私はおもむろに布団を出して、昼寝をした。
こんな幸せが滅多にあるものか。日の高い時間に自由に寝られるなんて。
ちなみに、先般、耳鼻科で出された点鼻薬ナゾネックスのお蔭で、
これだけ忙しくても今年の私は花粉症とは無縁であった。
クシャミもなく鼻も気持ち良く通っていたので、
私はこの上なく安らかに、束の間の午睡を満喫した。

かくして、明日からまた新たな一週間が始まる(泣)。

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尾上菊五郎ホッ…検査結果でがん恐れるも「セーフ」(日刊スポーツ)
『胃潰瘍のため歌舞伎座「三月大歌舞伎」を9日間休演した歌舞伎俳優で人間国宝の尾上菊五郎(73)が18日、今月上旬に受けた検査の結果について「今日(病院に)行ってきました。セーフでした。がんとかじゃなかった」と話した。』『当初の見立て通り、胃潰瘍の診断を受けたという。公演には12日から復帰している。』『この日、夜の部の、中村雀右衛門襲名披露の「口上」に出演後、劇場を後にする際、菊五郎は「お酒は晩酌程度にと言われました。胃がびっくりしちゃうからね。宴会はするな、って」と、元気そうな表情で語った。』

内視鏡で生検して、病理検査で胃潰瘍との確定診断に至った、
ということかなと、日数の経過を見て思った。
まずは大事ないようで、本当に良かった。

『晩酌程度』、……いや、そこんとこが心配なんだわ(逃)。
本当にお控えになって下さいまし<(_ _)>。

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(写真は、今朝中央通りを通ったら開花していた白木蓮。
94年のアジア大会のときに植えられた木だと、
以前、タクシーの運転手さんに教えて貰った記憶がある。)

月組次期トップに珠城りょうさん 宝塚歌劇団、9年目の“スピード出世”(産経新聞)
『宝塚歌劇団は15日、月組の次期トップスターに同組2番手スターの珠城(たまき)りょうさんが就任すると発表した。9月4日付で退団する龍真咲(りゅう・まさき)さんの後任。』『新トップとしての初作品は、10月14日から19日まで東京・文京シビックホールで行われる「アーサー王伝説」(潤色・演出、石田昌也)で、相手役は現・月組娘役トップの愛希(まなき)れいかさんが務める。大阪では10月28日~11月9日に、シアター・ドラマシティで上演される。』『珠城さんは愛知県出身。平成20年に月組公演で初舞台を踏み、月組に配属。172センチの長身と恵まれた体形を生かし、大人の男を演じられる男役として活躍。龍さん同様、月組“生え抜き”のトップとなる。』『「男役10年(男役は10年たって一人前)」といわれる宝塚で、珠城さんの入団9年目でのトップ就任はかなりの“スピード出世”。宝塚のトップ制度が固定された昭和55年以降では、平成5年に入団7年目でトップになった元月組トップで現女優の天海祐希さんに次ぐ早さとなる。』

我が家の歌劇団人事評論家ころもん氏もいろんなことを仰ってはいたが
公式発表は、結局、こういうことになった。
研9の、たまきち(珠城りょう)が次の月組トップに!

歌劇団の人事がどうなっているのか、やはり謎が多い(^_^;。
たまきちがトップ候補であることに疑いは全くなかったけれども、
ほかにもトップスターになり得る上級生の男役たちが何人もいる中で、
敢えて、一番若い彼女を真っ先にトップに据えた理由が、
外側から観ているだけでは完全にはわからない。
ころもん氏が、一層、研究に精を出すことであろう。
ちなみに、ころもん氏の次なる研究課題は、
たまきちトップ就任を受けて、月組新体制を強化するにあたり、
路線スター達の異動、特に若手男役たちの組替えがあるのではないか、
……ということだそうだ(笑)。

しかし、何はともあれ、おめでとう、たまきち!
トップは大なり小なり、内外からの期待と怨念を背負わなくてはならないが、
若く新鮮な男役がセンターに立つ、というのは、
それはそれで大変魅力のあるものだと私は思っている。
どうかどうか、良い作品に恵まれますように!

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心の片隅で「なんとかしなくては」と思っているのだが、
3月になって忙しかったのと風邪をひいたのとで
またぞろペースが狂って、学習全般、サボっている(汗)。
フランス語の初級編は、3月はもう完全に復習シリーズで、
これまでに習ったことを使っての、長めの会話が中心だ。
スペイン語も過去時制が出て来て、表現の幅が広がった。
サボり倒していてもフランス語は余裕があり、
途中の課が少々抜けていようが、なんとか自力で会話できるので、
過去の学習歴が完全にシんだワケではないのだなと思ったが、
スペイン語は少し離れただけで、語彙も消え活用形も忘れ、
テキストと首っ引きでも、言葉が出て来なくてアワアワになる。
結局、これまでの預金残高の確認をしているのに等しい、年度末だ。

折しも、来年度のテキスト購読予約が開始されたので、
さきほどNHKテキストのサイトに行き、仕切り直しの決意を込めて、
4月から半年間のフランス語とスペイン語を申し込んで来た。
何度でも、気持ちを新たに出直せる、
というのはラジオ講座の良いところだ(^_^;。
朝、ラジオ講座から一日がスタートする、
というスタイルを私は本来とても気に入っていた。
それを取り戻したいと思っている。

***********

目下、これほどラジオ講座をサボるようになってしまったのは、
ひとつには私が怠惰で、常に自分に対して甘い、
というのが大きな原因ではあるのだが、それとともに、
やはり、以前より遙かに時間がなくなったことも、大きな理由だと思う。
任される仕事が入社当時より格段に増えて、会社での拘束時間が長くなったのと、
両親、特に母の通院介助の用事で、実家に出向く機会が多くなったことが
私の私生活全般を圧迫している。

年度初めに向かって、これをなんとか改善したい。
今考えているのは、ここ何年か続けて来た漢詩の会を休会することと、
仕事柄必要で昨年秋から週1で通っている英会話を、月2回程度に減らすことだ。
それぞれについて、手を引くのは残念ではあるのだが、
毎週、何曜日何時までに、決まった場所に出向いていなくてはならない、
という形式のものを、可能な限り減らしたい気持ちのほうが、今は強い。
もういい加減、私もトシなので、
日々の生活の中で、多少なりとも時間を無駄にしても後でなんとかできる、
という日課にしておかないと、心身の疲れがたまるのだ。
絶えず時計を見上げながら、隙間時間の何分かも惜しんで家事をするような、
ここ最近の過ごし方は、もはや無理があると思う。特に、精神的な面で。

つまるところ、私はもう少し自由に、家にいられるようにしたいと、
今、切に願っているのだ。
仕事のないときまで外に出ているのは、多分、私には向かないことだ。
家の中の用事に時間をかけ、家の周囲に目を向けられるような、
自分本位な時間を、そろそろ意識的に確保するようにしたい。
専業主婦は世間知らずだとか視野が狭いなどという批判がよくあるが、
私自身はむしろ、会社勤めをするようになって、視野も世界も狭くなった。
それは、例えばこの日記の更新が以前よりずっと間遠になり、
内容的に面白みがなくなったことからも、明らかだと思う。

今更だが、人間、何かを手に入れたら何かを失うのだな、とよくわかった。
仕事に出ていると、職場を同心円として広がっているものを
「社会との繋がり」だと思いがちだが、
それは飽くまで部分的な「繋がり」でしかないと私は感じている。
職場には固定された人間関係があり、固有の価値基準があり、
それらは、そのまま拡大していけば「社会」になる、
というほど単純なものではない。
そこに居さえすれば「社会参加している」ことになるとは
私には思われない。

仕事をするようになってからの私は、日々、駆り立てられ、
判で押したような日課の繰り返しを、夢中でこなし続けるだけの人間になった。
会社の方角に、以前は知らなかった「社会」の広がりを得たのは確かだが、
そのぶん、私の周囲にあった「世間」の大半は「断捨離」されてしまった。
今の私は、自分の身辺に起こっている日常の細々とした出来事に関して、
それらを吟味する余裕もなく、書き留める暇もなくなった。


……講釈はともかく、それならやたらと道楽遠征するのをやめれば
家でゆっくりできるではないか、
と常識的な方々からは思われるでしょうが(^_^;、
そこは私の生き甲斐に直結する部分なので、変更することはできない。
むしろ、それゆえにこそ、勤労や家事の時間が生きている、
とさえ言えるのだ(^_^;。
独身時代から、コンサートホールやライブハウスや歌舞伎座や宝塚大劇場で、
「このために生きてるぅ~~!!」
と手応えを感じて、ここまで元気でやって来たワタクシである。
それらを捨てるときは、多分、私自身がほぼ完全に枯渇したときだと思う。


――という話を、きょうは完璧な休息日だったので、ここに書くことができた(笑)。

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3月11日に、ミシェル・ダルベルトを聴きに行った(@広島文化学園HBGホール)。
広島交響楽団との共演で、ベートーヴェンの『ピアノ協奏曲第4番』。
広響 第358回定期演奏会としての公演で、指揮はアンドリス・ポーガ。
震災の3月11日からちょうど5年目にあたる日であり、本プログラムに先立ち、
広響によりバッハ管弦楽組曲第3番 BWV1068 第二楽章『アリア』が
祈りを捧げるという趣旨で演奏された。

そのあと、改めてピアノが中央に出され、
プログラム一曲目のベートーヴェンの演奏になった。
ダルベルトを聴いたのは私は初めてだったのだが、
この人は実に繊細な感性を持った演奏家なのだということを、強く感じた。
私はもともと、第4番の魅力が今ひとつ感じられないことが多く、
特に第2楽章は、聴き手として持てあましてしまうことがよくあったのだが、
ダルベルトの演奏で全楽章を聴いて、私はほぼ初めて、
この曲がどうなっているのかが、わかった。

第1楽章では、穏やかな夢の中をたゆたうように主題が提示され、
第2楽章になると、そこに幾度も小さな揺らぎが起こって、
様々に色合いの異なる哀調が描かれ、
それらが皆、最後には慰めを見いだして、終わる。
そして第3楽章で一転して、初めて迸るような力が前面に押し出され、
高まり満開になり、フィナーレを迎えるのだ。
私の愛する、ベートーヴェンならではの「神様は、いるんだ!」節が、
この曲では第3楽章の壮麗さの中で語られているのだと思った。
曲の開始時は、ダルベルトの音が予想外に細く、スケール感に乏しい気がして、
私は少し違和感を覚えたりもしたのだが、
それは第2楽章、第3楽章と展開して行くために、
非常によく考えられ、選ばれた音色だったのだと、
全体を聞き終えて納得が行った。

拍手は鳴り止まず、カーテンコールで三度、舞台に呼び出され、
ダルベルトは最後にアンコールとしてドビュッシーを弾いた。
これを弾く前にダルベルトは客席に向かって礼を述べ、
今夜が特別の日であるということを考えていた、
最初からアンコールを弾くつもりではなかった(?)
(↑違うか。あまり聞き取れず)、
これから弾く一曲を皆様に楽しんで頂けたらと思う、
等々と英語で語りかけてから、ドビュッシー『映像』第2集より、
『金色の魚』を弾いた。
これが非常にダイナミックな演奏で、
内省的なベートーヴェンとは全く違う躍動感があった。
ドビュッシーの色合いや和音の妙、リズムの楽しさが聴き応え十分で、
終わってしまうのが勿体ない気分にさえなった。

ダルベルトは、私が思っていたよりずっと小柄なピアニストだったが、
素晴らしく懐が深く、感性の豊かな演奏家であることがわかった。
次回は、是非ソロリサイタルを聴いてみたいと思う。
一夜で、ベートーヴェンとドビュッシーと、
全く異なるふたつの顔を見せてくれたダルベルトだったが、
リサイタルとして2時間を構成するなら、
一体どのようなものを聴かせてくれるのだろうか。
ベートーヴェンの後期ソナタや、シューベルトのソナタも聴きたいし、
ドビュッシーだけでなくラヴェルを弾いても面白いだろうなと
様々に想像をさせられた演奏会だった。

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尾上菊五郎、12日昼の部で復帰 夜の部では「口上」に出演(スポーツ報知)
『胃潰瘍のため、東京・歌舞伎座の3月公演「五代目中村雀右衛門襲名披露」(27日まで)を3日から休演していた歌舞伎の人間国宝・尾上菊五郎(73)が、12日昼の部「鎌倉三代記」で復帰した。』『菊五郎は、戦で深手を負いながらも母の身を案じて屋敷に戻る三浦之助義村役で、冒頭に花道から登場。大向こうからは「音羽屋」の掛け声が飛んだ。開幕から10日。ほとんどぶっつけ本番での復帰だったが、体調も回復しており心配はなさそう。』『夜の部は幹部俳優が勢ぞろいしての「口上」に出演。復帰姿に主役の雀右衛門と同じくらい大きな拍手が起きる中、菊五郎は「華のある立派な娘役になられますよう」とあいさつ。めでたい場であることから、自身のことに触れることはなかった。』

尾上菊五郎が復帰、「口上」にも出演し観客から拍手(日刊スポーツ)
『胃潰瘍のため東京・歌舞伎座「三月大歌舞伎」を初日3日から休演していた人間国宝の尾上菊五郎(73)が12日に復帰した。』『関係者によると、1日に入院、6日に退院したという。当初は軟らかい食事を取っていたが、現在は通常通りの食事に戻っているとした。長男尾上菊之助(38)が代役を務めていた昼の部「鎌倉三代記」、夜の部の5代目中村雀右衛門の襲名披露「口上」ともに出演、観客から大きな拍手が起こった。』『今月は襲名披露興行のため、ぎりぎりまで出演を希望していたという。それだけに、口上では、20年前に「鎌倉三代記」で4代目雀右衛門さんと共演した思い出を語り「2代にわたってつとめさせていただけること、この上の喜びはございません」。』

音羽屋の旦那さんが復帰された。めでたい!!
やはり菊五郎は凄い。畏れ入りました!
旦那さんのご出演がこのように早く再び実現し、
私にとりましても、この上の喜びはございません<(_ _)>。
雀右衛門襲名披露が、これでいっそう華やかになったと思う。
しかし、どうかご無理をなさいませんよう。
ジャッキー丈の襲名披露(笑)はこのあとも場を移して続くことだし、
團菊祭での和史ちゃん初お目見得も控えていることなので、
ひーまには、ますますお元気でいて頂かなくては……。
お食事が通常通り、ってのはまことに結構なんですが、
左手のほうも通常通りってんじゃ、困りますよ旦那。


……私は、3月は歌舞伎座に行かない予定にしているのだが、
こんなん見ると、ちょっと、行ってしまおうかなと思うね……
……こういう燃料投下はナシだよなぁ……いやいやいや……(逃)。


追記:聞いた話では、この公演の顔寄せには菊五郎はいたが、
稽古が始まってからは、菊之助が代役を務めていたそうだ。
だから少なくとも、初日当日に急に決まった休演ではなく、
短いとはいえ、一応の準備期間はあったということだ。
むしろ、途中から復帰した菊五郎のほうが、ほぼ稽古ナシの本番になった(汗)。

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・晴れてとても暖かい日になった。
道行く観光客の白人女性など、上半身はタンクトップ一枚という姿だった。
そもそも広島市内を歩く外国人観光客は軽装な人達が多くて、
晩秋でも半袖シャツ程度という人をよく見かけるので、
春先で気温20度ともなれば、夏のような格好になる人がいるのも、
まあ、道理なのだろう(^_^;。
寒がりの私でさえ、きょうはコートが要らないどころか
半袖ニットに長袖カーディガン一枚羽織ればOKだった。

・先週からの風邪はほぼ完治したのだが、鼻づまりが残っていて、
夜寝るときなど息がしづらくて叶わないので、きょうは耳鼻科に行った。
「鼻粘膜がまだ結構腫れてますね~」
と先生は手早く鼻処置をして下さり、
ナゾネックス点鼻液と、アレグラとシングレアを二週間分、出された。
今の鼻閉の直接のきっかけは風邪だが、
このところはもう気温が上がって、花粉も多くなっている筈なので、
どっちへまわっても、私は鼻炎とお友達というわけだ(T_T)。
体質的に、目が痒くならないことだけは、有り難いと思わなくては。

・昨日、半日かけて主人の確定申告書類を完成させ、本日提出しに行った。
最初、私は娘の存在をすっかり失念して扶養家族に入れるのを忘れ、
一回目に計算したとき、異様に(←我が家比)所得税額が高くなって驚愕した。
還付金があると思っていたのに、逆にもっと税金を納めなくてはならなくなり、
なんで!?こんなんだったら計算するんじゃなかった!!(殴)と焦った。
しかしどう考えてもこれはおかしい、納得できない、と、
昨年の書類を出して来て、今年のものと、とくと見比べてみたところ、
そこで初めて、そうか、娘がおったんや!!と気づいたのだった(恥)。
それで計算しなおしたら、ちゃんと還付金のあるハナシになった。
よよよよかった、一件落着(T_T)。
なお、マンションを買って10年になるので、住宅借入金等特別控除は
今回申告分を最後に、次回から該当がなくなることがわかった。
それと、来年は申告時にマイナンバーが要るとかなんとか、
会場整理の男性が言っているのが聞こえた(汗)。
こうやっていろいろ学んだり気がついたりしたのは良かったのだが、
一年後には、このようなことをすっかり忘れていそうで怖い。

(写真は確定申告会場の基町クレドから見下ろした、広島城側の風景)

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いろいろなことが重なる一日だ(^_^;。
旦那さん、おめでとうございます。
今はともあれ、ご静養を第一に……。

NHK放送文化賞に尾上菊五郎、津川雅彦ら6人(スポニチ)
『NHKは3日、放送文化の向上に功績のあった人を表彰する第67回NHK放送文化賞を、歌舞伎俳優で人間国宝の尾上菊五郎(73)、俳優の津川雅彦(76)らに贈ると発表した。』『同賞は放送開始25年事業として創設したもの。受賞者は菊五郎、津川のほか、早稲田大学理工学術院館教授の高畑文雄氏(66)、東京都江戸東京博物館館長の竹内誠氏(82)、NHK交響楽団名誉指揮者のヘルベルト・ブロムシュテット氏(88)、歌手の由紀さおり(67)の6人。贈呈式は18日の「第91回放送記念日記念式典」内に行われる。』『菊五郎は同日、東京・歌舞伎座で出演予定だった「中村芝雀改め五代目中村雀右衛門襲名披露三月大歌舞伎」(27日千秋楽)で、昼の部「鎌倉三代記」、夜の部「口上」を休演することを発表したばかり。18日の授賞式についてNHKは「全員にご出席いただけるよう、お願いしているが、個々の事情もあると思う」としたが、菊五郎側からの出欠に関する回答はまだないという。』

放送文化賞(NHK)

NHK放送文化賞に由紀さおりさんら6人(NHK)
『受賞が決まったのは次の方々です。』『▽歌舞伎界の重鎮として長年にわたって日本の伝統芸能を支え、大河ドラマにも出演するなど幅広く活躍する歌舞伎俳優の尾上菊五郎さん(73)。』『無線伝送技術の研究や携帯電話の国際標準化を長年にわたって先導し、地上デジタル放送の実現を技術面で支えてきた早稲田大学教授の高畑文雄さん(66)。』『▽江戸時代を中心に都市の歴史を研究し、大河ドラマ「元禄繚乱」など数多くの時代劇で時代考証を担当してきた東京都江戸東京博物館館長の竹内誠さん(82)。』『▽大河ドラマ「独眼竜政宗」や「葵 徳川三代」、それに連続テレビ小説の「おはなはん」や「澪つくし」など、半世紀以上にわたり300作を超えるテレビドラマに出演してきた俳優の津川雅彦さん(76)。』『▽30年以上にわたりNHK交響楽団を指揮し、緻密な指導によってオーケストラの芸術性を高めてきたNHK交響楽団名誉指揮者のヘルベルト・ブロムシュテットさん(88)。』『▽「夜明けのスキャット」でデビューして以来、NHK紅白歌合戦に23回出場し、海外でも公演を行うなど歌謡曲の魅力を広く伝えてきたほか、俳優やタレントとしても幅広く活躍する歌手の由紀さおりさん(67)。』『以上の6人の方々が今年度の放送文化賞に選ばれました。贈呈式は今月18日に東京・渋谷のNHKホールで開かれます。』

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