転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



19日に、こんぴら歌舞伎の昼の部を観てきたのだが、
昔ながらの「小屋」の風情がやはり素晴らしく、
そよ風が時折り爽やかに吹き抜ける客席で、
実に快適で心躍る芝居見物のひとときを過ごすことができた。

今回は、一緒に行った友人が居て、
彼女が金丸座が初めてで気合いが入っていたこと(笑)と、
膝の手術後のため椅子席を希望したこととで、特別席の「前舟」を奮発した。
私ひとりだと、安価な自由席である「後舟」(二階最後列の椅子席)を買い、
外で並び開場と同時に駆け上がって端席を確保したりしていたものだったが、
このたびはまことに優雅な観劇になり、格別であった。
金丸座は全体に小さいので、どこに座っても舞台が近く、
歌舞伎座などでは味わえない、役者さんとの一体感が楽しめる。
更に今回は、客席降りや宙乗りもあり、素晴らしい臨場感であった。

昼の部最初は『沼津』。呉服屋十兵衛を幸四郎。
端正な立ち姿、軽妙なところはどこまでもテンポよく、愛らしさもあり、
一方で物語が深まるとともに芝居も重みを増し、見応えがあった。
演目としては私は、2019年の秀山祭で吉右衛門が演ったのを観たのが
未だに記憶に新しいのだが、あの公演のとき途中で吉右衛門が休演して
幸四郎が代役を務めたことがあった。
あの十兵衛が、幸四郎にとっては初役だった筈だ。
今や押しも押されもせぬ、こんぴら歌舞伎大芝居の座頭としての十兵衛!

対する雲助平作が鴈治郎。
『沼津』は大きな演目なのだが、出だしからしばらくは、
周辺の小さな役や些細なエピソードまでひたすら愉快なので、
多くの場合、これほどの顔ぶれでこの古典落語みたいな芝居を(笑)?
等と初めて観るときは不思議な感じがするのではないかと思う。
しかし話が進むにつれ、生き別れの親子の巡り会いと、仇討ちも絡んだ、
実に重い物語になって行く。
楽しい場面も勿論芸達者でなくては務まらない内容で、しどころが多いが、
やはり千本松原の場になると、鴈治郎の存在感あってこそとしみじみ感じた。

そして娘お米が壱太郎だったのだが、あまりにイイ女なので驚いてしまった。
出てきただけで美しくて、十兵衛が惚れるのも無理からぬ、という。
姉さんかぶりで掃除する姿も、手ぬぐいをはらりと外すときの風情も、
「触れなば落ちん」とばかり、しっとりと女性らしいのだが、
同時に、単なる若い娘ではなく、言い交わした夫もある「女」の部分も
最初から雰囲気にちゃんと出ていて、壱太郎イイわ~~!と感じ入った。

昼の部の後半は『羽衣』。
初めに登場する涼やかな漁師の伯竜が染五郎。
染五郎は『沼津』のほうでも荷物持ち安兵衛を務めていて、
今回のこんぴら歌舞伎では大活躍であった。
音に聞く美少年の染五郎なので、伯竜のシュっとした姿も眼福だったが、
細い首筋や長い手足が、ふとした瞬間に「痩せすぎ」に見えることがあり
安兵衛のときはそうでもなかったが、伯竜としては多少残念に感じられ、
そのあたりは今後の課題なのかなと思ったりもした。

しかしそれより何より、凄いのは天女の雀右衛門なのである!
典雅な天女の舞そのものも大変な見どころなのだが、
最後の引っ込みのところで、宙乗りがあるのだ。
休憩時に天井付近のかけすじのところを、黒子さんが這っていって、
何か支度をされているのが下から見えていたのだが、
天女が舞いながら空へと帰って行くところが、
江戸時代からの古典的な仕掛けによる宙乗りになっていたのだ。
金丸座のかけすじ機構と、当代雀右衛門の宙乗りというものを、
私は初めて目の当たりにした。
拍手が鳴り止まず、この日の客席が大いに湧き、
観客の皆が満足したことが、幕が下りてからも感じられた。

  

当日は朝から完璧なお天気で、絶好の観劇日和でもあった。
脚の悪い友人を歩かせてはいけないと考えて、
行くときは琴平駅からタクシーに乗ったのだが、
帰りは下り坂ということもあって、ゆっくり歩いて駅まで戻った。
友人も膝の具合が素晴らしく良いと言い、
「なおったんかね?楽しいことをしていると体にも良いのかもしれん(笑)」
と喜んでいた。

こんぴーくんは相変わらず元気で、サービス精神旺盛であった。
皆に可愛がられ、写真を撮られていた。
金丸座での公演はボランティアの支えが大きく、
舞台裏方から切符もぎりや案内係等、
地元商工会青年部を中心とする方々の御尽力で運営されている。
その至れり尽くせりのホスピタリティには本当に感激した。
我々の観劇・観光・募金等が、琴平や金丸座のために、
少しでも力になることができていれば嬉しいと思う。

JR琴平駅はこんぴら歌舞伎仕様で、特急南風号はアンパンマン列車、
窓の外には、昔話の絵本で見るような△形の山がいくつも見えて、
「四国に渡ったんだな~」と満喫できた一日だった。
あの屹立したような山のかたちは、広島の側では見かけないものだ。
地形とは面白いものだなと、車窓からの景色を眺めながら思った。

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きょうは、こんぴら歌舞伎の昼の部を観てきた。
間でコロナ禍による中断もあったとはいえ、
私自身、離れていたので、7年ぶり!?の金丸座であった。
今回は、贔屓の音羽屋関係は出ていない座組だったが、
とにもかくにも「こんぴら歌舞伎を観る」のが目的で、行った。
お天気に恵まれ、素晴らしい観劇日和で、大満足。
詳しい感想はまた後日書きたいと思っているのだが
今、最も印象に残っているのは、
壱太郎が実にいい女!になっていたことだ。

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三月大歌舞伎@歌舞伎座、を21日22日の一泊二日で観てきた。
昼も夜も、見どころ満載の今月なので、いろいろ感想はあるのだが、
とにもかくにも今回の私の最大のお目当ては、松緑の踊る『喜撰』!

幾度も思ったことだが、松緑、踊るとどうしてあんなに優美なんでしょうか。
これまで、多分二度ばかり菊五郎大旦那さんの喜撰を拝見したときに、
これは立役と女形の中間に位置するような雰囲気だな、
と思ったものだったが、今回の松緑を観て、その思いを新たにした。
かつての、三津五郎の喜撰には、少なくとも上半身に関する限り、
私はあまり女形めいた「なよやかさ」を感じたことはなくて、
音羽屋ならもともと兼ネル役者だという前提があるからわかるとしても、
芝居で女形を務めることはない松緑に、踊りでこういう面を見せられるのは
意外な感じがしたし、実に新鮮であった。

出色だったのは、抜き衣紋の如く襟元から背中にかけて寛がせた感じの着付け。
うなじの線の、品の良い色っぽさと言ったら、なかった。
あらしちゃんには、私は「体の線」に目を奪われることが多く、
以前に富樫を演っていたときも、ピタリピタリと決まるかたちの美しさに
富樫とはこれほど美しい役であったかと感じ入ったのだが、
喜撰もまた、なんと優美な踊りであるかと、あらしちゃんの一挙手一投足に見とれた。
喜撰は、高僧でありながら女性に惹かれ、祇園のお梶(梅枝)を口説くという、
「生臭坊主」の設定なのだが、あらしちゃんのは「生臭」ではないのだ(笑)。
どこまでもまろやか、馥郁(ふくいく)とした、「生きることの春」の愉しみ。
『喜撰』の舞台を彩る満開の桜は、喜撰法師の心模様そのものなのであった。
行った甲斐があった。眼福でした。ありがとうございました<(_ _)>!

所化がまた、小さい息子さんたちからベテランまで勢揃いの贅沢さだった。
亀三郎・眞秀・小川大晴、と子供たちがいずれ劣らぬ丁々発止だったし、
彦三郎・亀蔵の兄弟、萬太郎・種之助・玉太郎・左近と並ぶと目の保養、
権十郎・松江・吉之丞とベテラン勢も豪華で、もうもう言うことなしであった。
そして、踊るとやはり、鷹之資が巧いことがよくわかった。

時蔵襲名目前の梅枝は、
襲名が公表されて覚悟が決まった、みたいなことがあるのだろうか、
『喜撰』も『寺子屋』も『御浜御殿綱豊卿』もとにかく良かった。
もともと別格の巧さの女形だというのはわかっていたが、
今回はもう、ゼロ番に立つスターオーラが出ている感じだった。
それも、物凄くきめ細やかな、極上のシルクの輝きの如きオーラが。
当代時蔵は、菊五郎大旦那さんに長らく寄り添ってくださっているのだが、
さて、梅枝、いや、次代の時蔵は、これから誰と、どうなるだろう(笑)。
松緑や菊之助との並びにも大いに期待しているのではあるが、
え~、できましたら、この先ますます左近ちゃんを導いて、
いいオトコにしてやってくださいましね、梅枝姐さん(笑)!
いつぞやどこかのSNSでどなたかが、
「左近の辰之助襲名には『名月八幡祭』を、梅枝の美代吉で!」
とリクエストしていて、私は鼻血が出そうになった。それは通い倒すワ。


  

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12月22日の夕方に東京に着いて、この日の観劇は第三部のみ。
『猩々』、酒を愛する松緑なので、この踊りはお似合いの設定だった。
先に舞台に出ていた勘九郎の猩々に呼ばれて、揚げ幕から登場した姿は、
前も書いた通りあまりにも可愛らしい、完全に御人形さんのよう。
松緑にはこういう面もあるのだと、特に舞踊になると思い知らされる。
以前の『男女道成寺』の白拍子桜子のときも痛感したが、
本当に掛け値無しに美しいのである!あの、あらしちゃんが!!
ほころぶように微笑む口元の、無邪気で愛らしいことと言ったら!
踊りは限りなく優美に、かつ、格があり……。御家元の面目躍如。
対する勘九郎の猩々は生き生きとして鮮やかで、見事な対照となっており、
これまた巧いのなんの。指先まで綺麗。
それに加えて、この人の踊りは楽しい!
ふたりとも甲乙つけ難いほどに足さばきも冴え渡り、
引く手 差す手の息もぴったりで、まさに名手同士の競演であった。
酒売りが種之助。パキパキの良い声で、実に気持ちの良い舞台姿、
……ではあったが、酒売りって出番これだけだったっけ??
なんだかもう少し仕事がある筈だったような、……私の記憶違い??
全体に短く、え~~?もう終わり!?と思った『猩々』の一幕であった。
それだけ見所が多くて充実していたとも言えるのだけれど。

『天守物語』には、私は「坂東玉三郎」その人を強く強く感じた。
玉三郎の美意識に貫かれた、このうえなく耽美的で奇矯な世界があった。
七之助は、美貌のうえに、というか美貌ゆえに怖い顔をしているので、
富姫は見事なはまり役だったと思うのだが、初役だっただろうか?
玉三郎のお手本を、丁寧に真摯に踏襲したという印象だった。
きっと今後、再演を重ねることになれば、七之助の色が、
年月をかけて濃く強く出て来るようになるのではと思われた。
亀姫役で玉三郎本人が出て来ると、時空を超越した美しさで、
舞台の「華」が二倍三倍に増幅された感じがした。
若い七之助が、玉三郎の亀姫を前にして、きちんと「お姉さま」に見えるのは、
七之助の成長もあるし、玉三郎の駆け引きが巧みだからでもあり……。
図書之助の虎之介が、思った以上に好演で、口跡も綺麗だったし、
位取りの面でもなんら違和感なく富姫と似合っていて、とても良かった。
勘九郎の舌長姥がまた、なかなかの快演・怪演だった。
勘九郎は、真ん中に立つ存在感や光を持っていると同時に、
周囲の空気や圧を感じ取って、うまくバランスが取れる人だなと、
「出る」「引く」の呼吸にも感じ入った。

翌日12月23日は第二部のみ。
『爪王』、これは全然知らない演目だった。
戸川幸夫の脚本、平岩弓枝の脚色、
猿若流宗家の舞踊、波乃久里子の御披露目演目だった、
とイヤホンガイドで言っていた。
すみません、不勉強で(大汗)。
真っ白い鷹「ふぶき」の七之助が、神々しかった。
勘九郎の狐、敵対してはいるのだが悪役とは違う存在感があって、
体のキレも素晴らしく、修練のたまものと感じ入った。
この二体の命懸けの果たし合いが、舞踊ゆえの壮絶な美しさ。
彦三郎の鷹匠、美声が期待どおりなのは勿論だったが
「鷹」「狐」の世界と私達を繋ぐ役どころなのが絶妙だった。
彦兄、見る度に立派になられて(←何様)。
ふぶき、と呼びかける声音が耳に残った。

そして第二部の後半が、今回の私の目当てである『俵星玄蕃』。
松緑が講談から歌舞伎演目への翻案を試みた第二作目、
前作『荒川十太夫』ほど書き込まれた物語ではないので、
特に前半は「余白の多い」展開という感じがした。
そこを埋めるのが役者のその日の感性であり、
おそらく、観る日によって細部の印象は異なっただろうと思った。
俵星玄蕃(松緑)と蕎麦屋の十助(亀蔵)の、男の友情物語。
これまた、あらしちゃんが飲んだくれの役(笑)。
一見、酒飲みでダメそうな人なのに、実はめちゃめちゃ格好良いという。
途中、台詞劇になり、聴き手としても登場人物の内心について思いを巡らせ、
最後、すべてがひとつの流れになって、大立ち廻りで一気に昇華する。
その立ち廻り、番小屋含めて見所満載で、殺陣師の咲十郎の腕も冴え渡り。
門弟役(←名前を失念!)青虎が行き届いたいい芝居をしていて、
物語を大きく動かす役ではないのだが、鮮明に心に残った。
左近の大石主税は、台詞は綺麗だったが、声が割れていて、
風邪でもひいていたのか、声変わり以来まだ不安定さがあるのか……。
途中、ツケだけでなくハリセンみたいな効果音があって、
ああ、これは講談なんだなとイメージが繋がった感じがした。
三味線方の柏要二郎の妙技も満喫!

……というのが、資料も何も見ず、私の記憶だけで一気に書いた、
まさに、お前は何サマだ的内容の、今回の感想である。
チラシや筋書きなどを読んでから書けば、もっと正確に記録できたと思うが、
逆に言えば、上記の事柄だけはまず、私の心に残ったものであった訳で、
今回の観劇について、最も印象的な箇所であったということだ。
いろいろ多忙だったが、観に行って本当に良かった。
やはり舞台は、いい!
これで年末年始、頑張れます(笑)。

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松緑が講談からの翻案を手がけた2作目、
『俵星玄蕃』を見逃したくないと思い、
また、行く以上は舞踊の『猩々』も観なければと、
22日23日の一泊二日で歌舞伎座に行って来た。
観た順は、22日が第三部の『猩々』『天守物語』、
23日(本日)が第二部の『爪王』『俵星玄蕃』。

猩々の松緑はあまりにも愛らしく(!)、
俵星玄蕃は打って変わって「格好いい!」が炸裂していて、
実に見応えのある二日間であった。行って良かった!!
勘九郎・七之助の中村屋兄弟の充実ぶりも素晴らしかった。
勘三郎亡きあと、苦労していることは傍目にも感じていたが、
なかなかどうして、二人ともそれぞれに華もあり存在感もあり、
一回りも二回りも大きくなった舞台姿に、感じ入った。

今回、『俵星玄蕃』は余すところなく観尽くしたいと思い、
2等席を奮発したのだが、快適さを最優先し、
一計を案じて「1階最後尾のヘリ」を取った。
これが大正解であった。
周囲に人がまばらで隣もおらず、私の目の前を遮る観客も居なくて、
ストレスフリーの観劇をすることができた。
舞台を観るのに、欠けたところのない視界ってイイもんですね(^_^;。
私はとにかく上背がないので、真ん前に人が居るだけで、
見える舞台が半分になりかねず、いつも苦労して来たのだ。
歌舞伎座1階の2等席は、17列のカド番が取れなければ
22列の端っこ一択だなと、今回学んだ(^_^;。
もし私が東京在住で、同じ演目の二度目があったら、
次は幕見のお立ち台に上がりたいもんだが。

感想は改めて書きたいが、いよいよ年末で忙しいので、どうなるか。
今回旅行中、お天気は申し分なく、どこへ行っても人が多くて行列で、
クリスマスの東京は、何かと桁が違った(^_^;。
感染防止対策としてのマスク着用は任意、という世の中になって以来、
私は新幹線に乗るときはFFP3マスクをがっつり着用している。
歌舞伎座内は『マスク推奨』で、全体的に着用率が高いのでKF94にしている。
それでも、どこで何のウイルスを拾うかわからないという意識は常にあり、
東京遠征は毎回、ちょっとした賭けの気分である(汗)。

  

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行ってきた!
16日(木)昼夜、17日(金)昼と、歌舞伎座を観てきた。

今度こそ、『マハーバーラタ戦記』を、全身全霊をあげて!堪能した。
初演時は「超絶面白かった!!!!!」のみで強制終了させられた感
(同じ日の夜がポゴレリチのリサイタルだったので)だったが、
今回は、『マハーバーラタ』のみを、心身ともに正対して、隅々まで観た。
やはり、物凄い傑作だとの思いを新たにした。
新作歌舞伎の試みは様々にあるが、この作品が芸術祭十月大歌舞伎で初演され、
6年後の今、また歌舞伎座の、しかも吉例顔見世大歌舞伎で再演されたのは、
まことに相応しいことであり、未来に繋がる出来事になったと、嬉しく思った。
また、観れば観るほど、哲学的にも深いテーマの作品だった。
戦争と平和を繰り返す人間の姿と、シヴァ神が踊ればこの世が滅ぶという件は、
世界中が戦争を始めた今であるからこそ、いっそう胸に迫るものがあった。

それにつけても、
ほれご覧、芝のぶは素晴らしいと、私の言った通りであろう!?
と誰にか分からないが一人で勝ち誇りたい気分になった(笑)。
そして、小さい丑之助が、あまりにも神々しかった。
神であった。文字通り。
それこそ、最強のシャクティを授けられて生まれた子なのでは(大汗)。

*****************

幕間になるたびに、神社用スマホに4~5件、着歴や留守録が入っているのには閉口した。
その意味では、今回は観劇時以外は全く解放されず、
せっかく良い舞台を観に来たのにとムカつき、しまいにスマホを叩き割りたくなった。
「○○建設です。ファックス送信しましたのでご確認ください」
「株式会社○○です。新年安全祈願の件で」
「○○神社総代です。祭の授与品の清算について、また電話します」
「○○町の○○です。七五三の予約をお願いします」
「○日に参拝します。御朱印いただけますか」
「○○社えびす祭について、確認です。よろしくお願いします」
「○○(=総代長)です。お疲れ様です。社務所の裏に熊が出たそうです」

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国立劇場が閉鎖されている間、菊五郎劇団の新春初芝居はどうなるのか、
と心の片隅で気にはしていたのだが、忙しくて検索できていなかった。
今朝、改めて調べたところ、新国立劇場中劇場で公演があるとわかった。

令和6年初春歌舞伎公演(日本芸術文化振興会)
2024年1月5日(金)~2024年1月27日(土)新国立劇場中劇場
午後1時開演(午後4時50分終演予定)
一、梶原平三誉石切 一幕  鶴ヶ岡八幡社頭の場
二、芦屋道満大内鑑 一幕三場 -葛の葉-
三、勢獅子門出初台 常磐津連中

一方、通常なら菊五郎劇団二番手格の松緑は、今回は上記の公演に出ない。
歌舞伎座で『荒川十太夫』の再演があるのだ。
壽 初春大歌舞伎(歌舞伎美人)
2024年1月2日(火)~27日(土)歌舞伎座
昼の部:一、當辰歳歌舞伎賑 二、荒川十太夫 三、狐狸狐狸ばなし
夜の部:一、鶴亀 二、寿曽我対面 三、息子 四、京鹿子娘道成寺

歌舞伎のことだけ考えていれば良いのなら、
神社の正月奉仕がほぼ終わる1月15日以降のどこかで行けば
一泊二日で両方観られるのだが、
今年の1月後半には、某P氏が来日しているのである(汗)。
まず、20日(土)21日(日)で、私は大阪と豊田を聴くことが決まっている。
そして、このかたの東京公演が1月27日(土)にある。
イーヴォ・ポゴレリッチ ピアノ・リサイタル2024
2024年1月27日(土)19:00 開演 東京/サントリーホール

短期間で何往復もしたくないとなると、最短ですべてを満たすには、
1月26日(金)の始発で行って歌舞伎座昼夜を観て、
翌27日(土)に新国立の千秋楽を観て、その夜にP氏のリサイタル。
夜公演では、おそらく夜行のサンライズ出雲・瀬戸には間に合わないから、
27日も泊まって、28日(日)のなるべく早い新幹線で広島に帰る。
28日に、仮に厄祓いその場の予定が全くなければ、
多少は東京でゆっくりしても良いのではあるが、
そもそも歌舞伎がどちらも27日千秋楽なので、28日に東京に居ても、
食にも観光にも関心のない私には、たいして意味がないのである。

こういうのは首都圏に住んでいればどうにでもなるのにと思い、残念である。
せっかくの良い公演を、短い滞在期間に無理に詰め込んで、
どれもこれも消化不良に終わるようなことは、本意ではないのだが、
時間も予算も体力も限度がある中で回しているので、選択の余地がない。

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11月に再演される『マハーバーラタ戦記』だが
前に出ていなかった鶴妖朶王女の配役が、中村芝のぶ(しのぶ)、と発表された。

歌舞伎座新開場十周年 吉例顔見世大歌舞伎
(2023年11月2日(木)~25日(土))
(歌舞伎美人)

私としては嬉しいことだ。
私は以前から芝のぶに心惹かれている。
これまで、幹部級の役がつかなかっただけで、実にいい役者なのだよ!
今回の配役実現には、菊之助の熱意もあったのではないかと想像している。
今の菊之助の立場になれば、こうして、実力のある役者さんに
積極的に大きな役をつけて行くことも大切な務めだろう。
これでまた、今回のマハーバーラタ再演がいっそう楽しみになった。

私が最初に芝のぶを発見し、真ん中で使うべきだと感じたのは
2005年の春だった。あれから18年!!

観た!(2005年04月04日)

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11月歌舞伎座顔見世の昼の部は、『マハーバーラタ戦記』の再演!
2023年11月2日(木)~25日(土)歌舞伎座新開場十周年 吉例顔見世大歌舞伎(歌舞伎美人)

2017年の初演を私は観ているのだが、あのときは、
昼に『マハーバーラタ戦記』 、夜にポゴレリチのリサイタルで、
あまりにも素晴らしいというかヒド過ぎる組み合わせであった。
超重量級の公演を二度、たった1日で観る(聴く)しかなかったために、
私のキャパを大幅に超え、取り返しのつかない、勿体ないことになった。
ゆえに、私は印度伝の再演を待ち侘びていた。
再演があるなどと誰も言っていないが、あれほどの作品、
しかも新橋や浅草でなく歌舞伎座で初演した以上は、
一度きりのイベントではなく、きっとまた歌舞伎座に帰って来る筈、
と信じていた。

その願いは、5年を経て、ここに叶えられることになった。
しかも今度こそ、ポゴレリチは、居ない。
彼は来年1月に来ることが決まっている。11月歌舞伎座は無傷だ。
私は、すべてを忘れて印度伝のみに没入し、
思うさま、気力体力時間を費やして、味わい尽くせる。
実際には一泊二日しかできないとは思うが、
かなうことなら1日目に昼の部・夜の部、2日目に再度昼の部、
という具合に、印度伝は二度、観たいものですね。

しかし、配役を見比べてみると、今回のは、前回の重要人物が何名か、居ない。
これから発表されるのか、演出そのものが変更になるのか。
特に、初演で七之助の演じた鶴妖朶王女が、現時点で出ていない。
彼女がいなければこの物語は成り立たない筈で、一体どうしたことか。
私はこれを梅枝で観たいのだが、梅枝は夜の部のほうで、
初役で時姫を演らなければならないので、印度伝は出られないのだろう。
持ち味は全然違うがゆえに、いっそ米吉ではどうか?
などとも思ったが汲手姫になっているし。

(初演) 2017年10月1日(日)~25日(水)芸術祭十月大歌舞伎(歌舞伎美人)

菊五郎は、10月の国立劇場の大役があるから、11月の顔見世はお休みか。
仙人久理修那は錦之助が演るが、那羅延天が見当たらず……。
居並ぶ神々の真ん中に那羅延天が居ないと、光が激減するよ(汗)。
とはいえ、菊五郎は脊柱管狭窄症で無理のできない状態なのだろうし、
私はそれが頭にあるので10月も観に行きたいのはヤマヤマなのだが、
というかそもそも今月の国立も松緑の大判事清澄があるので
本来、ファンとしては外せないのに、
もうクビが回らない忙しさで、どうにもこうにも。

令和5年9月歌舞伎公演『妹背山婦女庭訓』<第一部>(国立劇場)
令和5年10月歌舞伎公演『妹背山婦女庭訓』<第二部>(国立劇場)

松緑は11月歌舞伎座顔見世の夜の部『松浦の太鼓』では大高源吾。
ほかに、夜の部は前述の梅枝の時姫@『鎌倉三代記』もあるし、
『娘七種』では左近が静御前を踊るうえ、
みっくん(巳之助)と尾上右近で『三社祭』もあり、
これはこれで楽しすぎる配役で、やはり11月歌舞伎座は何としても観なくてはと。

うおぉぉぉ、「どこでもドア」が要る!!!

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市川猿之助に関する先日のNEWSポストセブンの記事に
昨今ないほど楽しい箇所があった(リンクは貼らない)。

『誰に叱られることもなく自由に振る舞ってきた“裸の大将”だった猿之助さんは』

は、裸の大将!!??
それは、山下 清!!

いや、案外イイのかも?
「裸の王様」&「お山の大将」のハイブリッド爆誕……www

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