転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



清志郎さんの遺作、6・17に発売決定(デイリースポーツ)
『2日にがん性リンパ管症のため、58歳で亡くなったロック歌手、忌野清志郎さんの遺作「Oh!Radio」が6月17日にシングルリリースされることが14日、分かった。清志郎さんが大阪のFM802の春季キャンペーン用に作詞作曲したもの。自身で歌ったデモテープが残っており、これをCD化する。』『2005年12月の「仕草」以来、13作目となるソロ名義でのシングルは、作詞作曲だけでなく、ギター、ベース、ドラム、ハープまでをも担当した渾身の作品。ファン葬で4万3000人が涙したロック界の“GOD”のラストソングだけに、大きな注目を呼びそうだ。』

清志郎が、FM802の春のキャンペーン・ソングを書く、
という話は、今年の春先、清志郎の療養中に既に聞いていて、
実際にラジオで流れるようになると、「とてもイイ!」という感想が
ネットにも出てきていたので、是非、私も聴きたいと思っていた。
ただ、放送になったのは、Radio Soul 20全員で歌いつぐもので
(阿部真央・新里英之・岸田繁・スガシカオ・仲宗根泉・
BONNIE PINK・山森大輔・和田唱)、
当初は、清志郎の歌うバージョンは公開されていなかった。
それが、このたび清志郎本人によるデモテープの音源から
CD化され、発売されることになったのだ。

Oh!Radio / Radio Soul 20(YouTube)

清志郎は、詞や曲が書けて、歌えるというだけでなく、
あらゆる楽器がひとりで出来る人でもあった。
自作の曲に限らず、2004年秋に出た『YOSUI TRIBUTE』でも、
『少年時代』を清志郎自ら編曲し全ての楽器を自分で演奏している
忌野清志郎/少年時代(井上陽水のカヴァー)(YouTube))。
今回の『Oh!Radio』はデモテープとして録音されたために、
はからずも清志郎による手作りそのものの制作になったのだが、
そのことがかえって、ファンにとっては、
清志郎の「遺作」としての価値を高めることになったような気がする。

私の記憶では、最初の療養生活から武道館復活までの間には、
確か、清志郎は全く新しい曲を書かなかったと言っていたと思う。
それが、再発治療のためにライブ活動を再度休止してからは、
間寛平ちゃんの応援ソング『RUN寛平RUN』『走れ何処までも』や、
この『Oh!Radio』などを作詞作曲し、こうして録音もしていたのだ。
その間の心境の変化があったかなかったか、詳しい事情は、
私程度のファンの立場では知りようもないことだが、
何であれ、亡くなる直前の時期まで清志郎の声が記録されていたことを、
私は、とても嬉しく、有り難いことだったと思っている。

こんな、『トランジスタ・ラジオ』への圧巻のオマージュのような、
しかも細部まで自作自演の音源が、最後に残ったのかと思うと、
清志郎が、出発にあたり、自分できちんと決着をつけて行った、
みたいな、そんな印象すら、ある。

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