転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



午後、大阪のヒ○トンで、ひとり、ディナーを楽しんだ主人と、
南座観劇を楽しんだ娘と私とで河原町で待ち合わせ、
夕方前の短い時間だったが京都見物をすることにした。

まずは、どんなに高い舞台なのか見たいと娘が言うので清水寺へ。
つまり音羽屋の舞台を観たあと、音羽の滝へ向かったワケだ。
最初、仁王門の金剛力士像のところで、
「ほら、フウガとライガだよ
と教えたら娘が信じそうになって焦った(爆)。
そのあと、娘は念願かなって、清水の舞台から下を見下ろし、
ここから飛ぶことを想像して、しばし、ひぇぇ~となっていた。

また、清水寺には「今年の漢字」ということで
」の現物が展示されており、自由に写真を撮ることが出来た。
「愛」をバックに娘を立たせて携帯で撮影してみたが、
なにしろ寒くて小雪がちらついているような日だったので、
いざ撮るという瞬間になって目を掻いたり、くしゃみが出たりして、
ろくなもんが撮れなかった(--#)。

このあとは、平安神宮に寄り、神社の前にあるスフレの店で一服し、
夜8時の新幹線で帰途についた。
折からの雪のためにダイヤが乱れていたが、
結果的にはあまり混雑せず、9分遅れでの広島到着だった。

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本日も南座。

昼の部のラインナップは、女車引・夕霧名残の正月・
義経腰越状・文屋・京人形・曽根崎心中。
朝10時半に始まって夕方16時過ぎまで続く豪華版だ。

しかし今日は、家族での京都見物の予定があり、
私はそれに合わせて合間に観劇するという具合だったので、
夕霧の最後のほうで入って、京人形が終わったところで出た。
肝心の藤十郎のお披露目演目を観てないヒドい日程(--#)。
仕切直したいが、完売の南座ではもうチャンスはなさそうだ。
音羽屋(菊五郎)を堪能できたのだからヨシとすべきか。

『夕霧名残の正月』では雀右衛門が扇屋夕霧を務めていて、
上方歌舞伎の大名跡・藤十郎の襲名披露には最高の顔合わせだったが、
私は実は、夕霧に関しては、直接関係ないが忘れられない思い出がある。
多分、九十年代の前半だったと思うのだが、歌舞伎座で、
『十六夜清心』を観たときに、菊五郎が清心・雀右衛門が十六夜、
白蓮が三津五郎(先代)というキャストだったのだけれど、この日、
入水した十六夜を助けて船の上に引き揚げて、白蓮が言ったのだ、
『これは、扇屋の夕霧だ!』

十六夜が身投げして、夕霧になって上がってきたなんて、
もし、大和屋の旦那、それではオカルトです(爆)。
扇屋の遊女には違いないし、京屋は稀代の夕霧役者でもありましょうが、
こんなところで呼ばれるとは、こっちの心の準備が無さ過ぎた。
私は後にも先にも、あんな派手な御人違いは経験したことがない。
あんまり仰天したので、私のほうがしばらく立ち直れなかったものだ。

さて、『義経腰越状』からようやく腰を落ち着けて観ることが出来た。
亀井六郎役の人が物凄く声が良いなあと思ったら、松緑だった。
お父上の先代辰之助も、それはそれは口跡の綺麗な役者だったが、
松緑も本当に立派だな~(*^_^*)と惚れ惚れした。
五斗兵衛は吉右衛門。同じ大酒飲みでも、魚屋宗五郎などと違い、
五斗兵衛は、人畜無害の、愉快にラリったお酒だ。
吉右衛門のひょうひょうとした可笑しさ、舞台の大きさが良く出ていて、
とても楽しく観ることが出来た。

『文屋』と『京人形』はふたつ続けての上演。
私は、『六歌仙容彩』は数回、観ているつもりだったのだが、
やはり日本舞踊は根本的に理解できていないようで、
『文屋』がその中の文屋康秀の踊りだということに、
途中まで全然、気が付かなかった。
そのうえ、仁左衛門が初役だということも知らなかった。
居るだけで可笑しかったので、『バカ殿?』と思っていた(殴)。
しかし、仁左衛門はぎりぎりのところで、バカ殿ではなかった。
この踏みとどまり方がさすがだった。
笑いが込み上げて来るのだが、素晴らしく品格があって、
やはり仁左衛門は巧いな~とつくづく思った。

『京人形』も久々だが数回目だった。
音羽屋ファンとしては、勿論、菊五郎の甚五郎を観に来た訳だが、
それにもまして、今回は菊之助にビックリした。
私がかつて観た中で、抜群に美しい京人形の精だった。
丑之助の終わり頃、背だけにょきにょき伸びて手足が長く、
このスタイルはイマドキの若い子だなー(^_^;)と思ったものだったが、
いつの間にあれほど綺麗に動けるようになったのだろう。
今の菊之助を観ていたら、体を持て余しているふうでは全くなく、
溜息の出るような優雅な人形振りで、感嘆させられた。

ちなみに音羽屋の旦那には、もう、申し上げることはございません。
はるばる南座まで参った甲斐がございました。
旦那さんにも満足、息子さんにも感銘を受けまして、
音羽屋ファンとして、このうえない幸せでございました<(_ _)>。

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