転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



サイトBBSのほうに来て下さっている仮装ぴあにすと様が、
本日、ピアノの練習会をなさるということで
御案内を頂き、有り難く見学(鑑賞)させて頂くことが出来た。
玄人はだしの高度な曲目ばかりで、実に素晴らしい会だったが、
演奏をなさった方々は、どなたも純然たる趣味のピアノだそうで、
とても驚かされるとともに、その熱意に打たれるものがあった。
何より、ひたすらに好きで、弾きたいから弾くピアノというのは
聴く者が芯から幸せになれるような、心楽しい響きを持っていて、
これは決して、プロには出せない音だなということを強く感じた。

『音楽が大好きだったら、仕事にしちゃ、だめ』
と仰っていたのは、指揮者の小松一彦氏だったと思うのだが、
私はきょう、あの言葉は本当だった、ということを
改めて、しみじみと感じた。
プロは、『好き』なだけでは通用しないからこそ、
彼らの演奏は『苦しさ』と表裏一体となり、聴き手を圧迫する。
アマチュアの演奏には、それが全く無い。
ピアノ演奏が好きだからこそ、損なうことなく大切に温めて、
そのことで自分を豊かにし続けて来られたのが、
きょうの演奏者の方々だった。

プロとは全然関係ない世界での演奏、
という意味では、子供達の発表会も同じだとは思うが、
彼らは、ママに叱られるとか先生に注意されるという恐れから、
「自分」というものは二の次になっているケースが多く、
微笑ましくはあっても、楽しい演奏には、なりにくいように思う。
勿論、低年齢の間は、素直に習った通りに弾く、
というかたちでのインプットも大変重要だと(私は)思うので、
子供達は、あれはあれでいい、とはわかっているのだけれど。

やはり、大人で、ある程度以上の技術を持っていて、
なおかつ、実生活では全然必要ないピアノを、ただ好きだから弾く、
という段階に到達してこそ、
聴き手をも楽しくさせるほどの演奏ができるのではないだろうか。

お会いした皆様はどなたもとても気さくで暖かい方々だった。
突然に加わった(しかも遅刻した・殴)闖入者の私に、
いろいろとお気遣い下さって、
本当に申し訳なく、有り難く思った。

この場をお借りしまして御礼申し上げます。
次の機会があれば、是非、聴かせて頂けたらと思っています。
お誘い下さいました仮装ぴあにすと様、ありがとうございました。

Trackback ( 0 )