【面倒をみてくれた嫁や娘婿がいる場合】
マスオは実の息子ではなく、また、波平と養子縁組もされていないので
いわゆる「義理の息子」でしかありません。
一般的には、「息子の嫁」が同様に“義理の関係”であって
法律上はどちらも財産を相続することはできないのです。
ところが、現実的には長年に渡って身の回りの世話をしたり
介護してくれたりするケースは少なくありません。
遺言によって、世話になった義理の息子や嫁に
財産を与えることができます。
【相続させたくない相続人がいる場合】
親不孝や面倒をみてくれない子供がいて財産を一切
与えたくないと思っても、遺言を残さない限りは
法定相続分に従って相続されていまします。
また、その人の相続分をにする遺言を書いても
遺留分減殺請求権が行使されると遺留分は取り返されます。
全く皆無にするには、廃除制度を利用して
遺言によってその権利をなくす方法があります。
廃除は生前にもできますが、どちらも家庭裁判所の決定が必要です。
遺言書の場合、その意思と理由を書き
遺言執行者(詳細は次回)を指定し、相続開始後
その人が家庭裁判所に対して廃除の申立てを行います。
ただし、これまでの判例では、これが認められるケースは多くありませんので
遺言書には、これを想定して認められた場合と認められない場合の
両方を明記した方が良いようです。
【相続人がいない場合】
相続人がいなく、特別縁故者(*))さえもいない場合
遺産は国庫に帰属することになります。
遺言によって、お世話になった友人や学校、公共団体
また宗教法人などへ寄付することが可能です。
(遺言執行者も併せて指定する必要があります)
(*)特別縁故者…生計を同じくしていた人や介護に勤めていた人で
お世話になった老人ホームや菩提寺などの法人が認められる場合もあります。
特別縁故者は、官報に公示される期間内に家庭裁判所に対して申し立て
裁判所が縁故の度合いや献身の度合い、生活状況などを調査したのち認められます。
しかし裁判所の判断によりますので、必ず認められるとは限りませんし
一部しか認められない場合もあります。
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