死者20万人超か
ハイチ地震 国民3分の1被災
【ワシントン=西村央】
カリブ海のハイチで12日に起きた大地震で、ビアンエメ内相は15日、死者が20万人を超える可能性があると述べました。収容した遺体の数は5万人に達したといいます。
国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は15日、国連専門家の推計値で全国の建物の約半分が損壊し、国民約900万人の3分の1が被災したとみられると指摘しました。
潘氏は「予想していた以上に困難な状況だが、可能なかぎり早くすべての救援物資を供給するよう力を入れている」と語り、早期に被災地入りすることを明らかにしました。
最も大きな被害を受けた首都ポルトープランスの港には15日夜、地震発生後初めて、バナナと燃料を積んだ貨物船が入港しました。しかし同市の被災者の多くに水や食料、テント、電気などが届いていない状態です。
世界食糧計画(WFP)をはじめとした国連機関も被災地で支援活動を始め、WFPは15日に1万3000人に緊急食料を配布しました。
国連人道問題調整事務所(OCHA)は、今後6カ月間の緊急支援として、5億6200万ドル(約510億円)の拠出を国際社会に要請しました。
現地で国連平和維持活動(PKO)にあたっている国連ハイチ安定化派遣団(MINUSTAH)も被災。国連報道官の発表によると、軍民合わせて36人の国連関係者がビルの倒壊などで死亡し、300人以上が行方不明となっています。