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携帯電話を片手に街を歩く平壌市民の姿は韓国とあまり変わらない。北朝鮮の情報技術と使用環境はどんなレベルだろうか。

2018-07-31 | 世界を知る

北朝鮮携帯電話500万台推定…活用度高いがインターネット・SNSできず

登録:2018-07-26 06:08 修正:2018-07-28 07:22
 
北朝鮮の情報技術の利用環境 
 
端末機、労働者月給の3倍にもかかわらず 
商業活動の必須道具として羨望の対象に

2018年4月17日、平壌中区駅平壌大劇場で開かれた「第31回4月の春親善芸術祝典・在日朝鮮人総聯合会芸術団公演」の観覧を終えた観客が劇場を出ている。多くの人が手に携帯を持っている=統一TVジン・チョンギュ代表提供//ハンギョレ新聞社

 4月27日の南北首脳会談、6月12日の朝米首脳会談以降、南北関係改善に対する期待と共に、北朝鮮住民の生活に対する関心も高まっている。在米ジャーナリストのジン・チョンギュさんは、北朝鮮核危機が高まっていた昨年10月に平壌を訪問し、最近、訪朝取材記『平壌の時間はソウルの時間と共に流れる』を出版した。同書には平壌市民の日常が鮮やかな写真と文章で紹介されているが、携帯電話を片手に街を歩く平壌市民の姿は韓国とあまり変わらない。北朝鮮の情報技術と使用環境はどんなレベルだろうか。

■北朝鮮の情報技術の現状

 閉鎖国家北朝鮮の情報技術能力が国際社会の注目を集めた契機は、2014年11月のソニー・ピクチャーズのハッキング事件だ。まだハッカー集団の正体は明らかになっていないが、ソニー・ピクチャーズが北朝鮮の指導者の暗殺を素材にしたコメディー映画『インタビュー』を製作配給するのに、北朝鮮が激しく反発しており、米連邦捜査局(FBI)が北朝鮮をハッキングの黒幕とした捜査を進めたことで、北朝鮮のハッキングの実力に対する関心も高まった。

 北朝鮮は、金正日(キム・ジョンイル)時代からソフトウェアの重要性を強調し、積極的にコンピューター技術を開発してきた。オープンソースとリナックスを基盤に、独自のコンピューター運営体制(OS)の「赤い星」を開発してアップグレードしてきた。また朝鮮コンピューターセンターや平壌情報センター、朝鮮鴨緑江技術開発会社などの組織を基盤に、人工知能研究及び様々なソフトウェア開発に乗り出している。

 統一部の北朝鮮情報ポータルによると、北朝鮮は1998年に中学4年生からコンピューター教育を義務化し、金日成大学や金策工科大学、平壌科学技術大学、咸興コンピューター技術大学などの教育機関から年間1万人ほどの情報技術人材を輩出している。

 北朝鮮では、外交使節と研究人材など当局が許可した特殊集団以外には一般人がインターネットにアクセスできない。一般国民は1997年に開通した国内のイントラネット「光明網」に接続し、北朝鮮政府が管理する各種コンテンツを利用することができる。韓国でインターネットが普及していなかった時期のPC通信サービスと似ている。

■移動体通信とインターネット環境

 北朝鮮にも移動通信とスマートフォンが急速に広がっており、一般人の利用が増えている。北朝鮮では2008年、エジプトの移動体通信会社オラスコムが北朝鮮の会社と共に高麗リンクを設立し、移動体通信サービスを始めた。2012年には第2移動体通信会社「強盛ネット」が、2015年には第3移動体通信会社の「星」が設立されて、移動体通信3社体制が整っており、第3世代(3G)網を使用する。

 国際電気通信連合の2016年統計によると、北朝鮮の携帯電話加入者は361万人だ。昨年「北朝鮮の有・無線通信サービスの現状および示唆点」報告書を発表した情報通信政策研究院のキム・ボンシク副研究委員は「最近の北朝鮮の移動体通信加入者は500万人と推定される」とし、「北朝鮮では個人間の商業活動が活発で、スマートフォンは商売の必須道具として脚光を浴びている」と話した。2500万人の北朝鮮人口のうち約20%が携帯電話とスマートフォンを使用しており、1、2世帯当たり1台の割合だ。

デンマークの開発者が2018年初めに訪朝後に公開したスマートフォン「アリラン」のメイン画面のアプリ=クリステンセンのツイッター提供//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮核問題により国際社会の制裁が加えられているが、北朝鮮はスマートフォンやタブレットを独自生産して普及している。北朝鮮はアリランやチンダルレ、平壌など、様々なブランドのスマートフォンを生産し、普及している。今年初めに販売されたアリラン171は、アンドロイド7.1.1を運営体制にしており、RAM4ギガ、ROM32ギガに、デカ(10)コア2.6ギガヘルツのプロセッサを搭載している。画面は5.5インチ、カメラは13メガピクセルの解像度で、ハードウェアにおいては世界レベルとあまり変わらない。スマートフォンの端末価格は北朝鮮の一般労働者賃金の3カ月分の給料に該当し、北朝鮮では富の象徴とされている。

 スマートフォンであるにも関わらず、インターネットには接続できず、カカオトークのようなソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)も使えないというのが特徴だ。独自開発した各種ゲームや辞書、カーナビなどのアプリがあり、写真撮影や動画視聴、音楽感想、ゲームなどの用途で主に活用される。デンマーク開発者クリスチャン・ブデ・クリステンセン氏が今年1月に北朝鮮を訪問した際、「アリラン」のアプリを紹介し、北朝鮮のスマートフォンの利用実態が知られた。

 
          北朝鮮が2018年初めに開発して公開したスマートフォンの最新機種「アリラン171」の性能=「朝鮮の今日」からキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 SNSはないが、利用者たちは「通知文」(ショートメール)を通じて活発な疎通をする。北朝鮮のスマートフォンではインターネットを使用できないが、中国との国境地帯では、中国で開通したスマートフォンでインターネットを利用する場合も珍しくない。

 北朝鮮関連メディアのある脱北者記者は「北朝鮮のスマートフォンではインターネットにはアクセスできないが、搭載されたアプリを通じて「労働新聞」など日刊紙や各種図書、作物栽培法など多様な資料を利用できるため、一般住民たちの常識レベルを上げるのに役立っており、北朝鮮指導部のこのような方針が住民から支持を受けている」と話した。

 国会立法調査処のキム・ユヒャン科学放送通信チーム長は「北朝鮮ではスマートフォンで利用可能な情報が、体制の広報に関わる情報などに限られているが、政治社会的変化のきっかけがあった場合、かなりの影響を及ぼす可能性のあるネットワークが存在するということが重要だ」とし、これに注目すべきだと話した。

ク・ボングォン「人とデジタル」研究所長(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長もトランプ大統領と同じく会談二日前の10日、シンガポールに到着するという報道・・・

2018-06-09 | 世界を知る

[ニュース分析]トランプ大統領「非核化後、北朝鮮と国交正常化」目指す

登録:2018-06-09 06:03 修正:2018-06-09 07:00

G7首脳会議後、シンガポールへ 
両首脳とも10日に到着する見込み 
トランプ大統領「終戦宣言署名することもあり得る」 
ポンペオ「朝鮮半島CVID」強調

 
ドナルド・トランプ米大統領と安倍晋三日本首相が今月7日、ホワイトハウス首脳会談後の記者会見を開いている=ワシントン/UPI聯合ニュース

 ドナルド・トランプ米大統領が8日午前(現地時間)、ホワイトハウスを出発し、主要7カ国(G7)首脳会議が開かれるカナダを経由し、“歴史的”朝米首脳会談が行われるシンガポールに向かう道程を開始した。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長もトランプ大統領と同じく会談二日前の10日、シンガポールに到着するという報道も出た。今年3月8日、韓国の特使団が伝えた金正恩国務委員長の首脳会談の提案を電撃的に受け入れて始まった3カ月間のドラマが、“ハッピーエンド”に繋がるかに世界の注目がが集まっている。

 トランプ大統領は7日、日本の安倍晋三首相との首脳会談後の共同記者会見で、初めて北朝鮮と「国交正常化」もあり得ると言及し、朝米会談に臨む交渉方針を明らかにした。それから約1時間後、マイク・ポンペオ国務長官も、朝米首脳会談の事前ブリーフィングを行った。彼らの発言を総合すると、トランプ政権が構想する「非核化と見返り」の輪郭が浮かび上がってくる。

 彼らは、米国が要求する非核化の最終目標が「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」(CVID)ということを再確認した。ポンペオ長官は「我々は過去にどれほど多くの不適切な合意が妥結されたのか見てきた」としたうえで、「朝鮮半島のCVIDが、我々が受け入れられる唯一の結果」だと述べた。さらに、「金委員長が非核化する準備ができているという意向を(私に)直接示唆した」とし、「彼の国(北朝鮮)のためにCVIDの決断を下すことを期待する」とし、北朝鮮の決断を再び促した。この発言は、首脳会談の結果にCVIDをいかに盛り込むかについて朝米間の意見がまだ最終調整されていないことを示唆するものだ。核心争点であるCVIDは、実務交渉で合意が行われるのが困難なだけに、両首脳の会談を通じて決定される公算が大きい。

6月12日の米朝首脳会談の三角動線//ハンギョレ新聞社

 トランプ大統領は、非核化に対する相応措置の両軸である「体制保証」と「経済開発」の問題についても、改めて見解を明らかにした。

 トランプ大統領は最近、主要関心事として浮上した朝鮮戦争の終戦宣言について、「我々は(朝米首脳会談で朝鮮戦争の終戦に対する)合意に署名できるだろう」とし、「それは第一歩になるだろう」と述べた。非核化に向けた「行動対行動」に入る前に、「言葉対言葉」の側面で彼が朝米首脳会談を規定する言葉として用いてきた「プロセスの始まり」を示唆したものと解釈される。トランプ大統領はまた、朝米間で国交正常化を意味する「関係正常化」も可能かという質問に「関係正常化は私が期待するものだ。すべてが完結された時、実現されることを期待する。確実にそうなることを望んでいる」と明らかにした。トランプ大統領はこれまで、非核化を行えば「北朝鮮が幸せになれる」という抽象的表現を使っただけで、「国交正常化」という具体的表現を使わなかった。結局、対話の入り口に「終戦宣言」、非核化が実現された後は「国交正常化」と平和協定が可能という青写真を示したわけだ。しかし、国交正常化を非核化が終わってから提供できる見返りとして示しており、北朝鮮にとって“大きなアメ”になり得ないという分析もある。

 見返りのもう一つの軸である経済開発と関連しては、投資環境づくりのための制裁緩和・解除と韓中日などの支援が再び言及された。トランプ大統領は「合意が行われるまでそれ(制裁)を維持することにした」と、これまでの方針を再確認しながらも、「合意をする可能性があると、実際あると思っている。そのような(合意があった)条件のもとで、(制裁が)続くのはよくないと思う」と付け加えた。満足できる交渉結果が出た場合、予想より早く制裁の緩和・解除を行うことを示したものと言える。

 トランプ大統領は、今回の会談について「一度の会合で偉大な成功はありえない」と述べた。これから数回の朝米首脳会談が必要だとして、段階的アプローチを示唆し、信頼構築の重要性も強調した。彼は「会談がうまくいけば、金正恩委員長を米国に招待するか」というは質問に「協議がうまくいけば、(招待が)受け入れられると思う。彼(金正恩)は非常に好意的に受け止めるだろう」と述べた。彼は2回目の会談場所と関連し、「たぶん我々はホワイトハウスでまず(会談を)始めるだろう」とし、「どう思うのか」と問い返した。北朝鮮がトランプ大統領の平壌(ピョンヤン)訪問を提案する可能性もあり、平壌とワシントン訪問の順序やその時期が主要関心事として浮上している。

 一方、ロイター通信は8日、朝米首脳会談の準備と関連した消息筋を引用し、金委員長が10日、シンガポールのチャンギ国際空港に到着する予定だと報じた。トランプ大統領も9日、カナダを出発して10日午後シンガポールに到着する予定であり、公式会談開始日の12日以前に両首脳が会う可能性も排除できない。

ワシントン/イ・ヨンイン特派員、キル・ユンヒョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

経済建設を強調する一方で住民の動員や社会統制の強化を通じ「最大限の忍耐の努力をする」と見通した。

2017-12-26 | 世界を知る

北朝鮮 来年は対米交渉・南北関係改善を模索か=韓国政府

2017/12/26 11:44

【ソウル聯合ニュース】韓国統一部は26日、北朝鮮の今年の情勢と来年の展望を分析した資料を公表し、北朝鮮が来年に事実上の核保有国としての地位を認めさせるため、対米交渉の可能性を探るとの見方を示した。

統一部(資料写真)=(聯合ニュース)
統一部(資料写真)=(聯合ニュース)

 また、状況の推移を見極めながら南北関係の改善を模索する可能性もあると指摘。1月1日に発表する金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の新年の辞で対韓政策の方向性が示されるか注目されるとした。

 来年は国際社会の北朝鮮制裁による影響が顕著に表れ、貿易規模や外貨流入の減少、供給不足、生産萎縮などが本格化するとして、経済建設を強調する一方で住民の動員や社会統制の強化を通じ「最大限の忍耐の努力をする」と見通した。

 北朝鮮では国際社会の厳しい制裁により輸出・貿易額の減少、海外派遣労働者の縮小、国際社会の人道支援減少など経済的影響が出始めている。今年の対中輸出額は11月末時点で16億ドル(約1800億円)と前年に比べ31.7%減少した。

 今年は党を中心に金正恩氏の権力基盤の強化を図った。10月の党中央委員会総会で世代交代や側近の登用を行い、9月の6回目の核実験実施を決定する際は党政治局常務委員会を開き、党の意思決定手続きを順守する姿勢を示した。10月の党政治局に対する検閲などで権力機関の引き締めを行い、12月に党末端組織幹部らが参加する「党細胞委員長大会」を開催して党内の結束と役割の強化を図った。

 韓国との交流については、文化交流や人道支援のための民間団体との接触に一部は応じたものの、事業の具体化や訪朝交流行事には消極的な対応を取った。対米関係を優先し、南北の当局間対話や民間交流は全て保留する姿勢を続けていると分析した。

ikasumi@yna.co.kr


北朝鮮は「核強国」であり「平和愛好国家」という点を強調し、今後の朝米交渉の議題を非核化ではなく核軍縮とするという意も明らかにした。

2017-11-30 | 世界を知る

[ニュース分析]ミサイル発射は金正恩の局面転換突破口探し

登録 : 2017.11.29 23:55 修正 : 2017.11.30 07:09

 

「核武力完成」宣言の意図 
 
制裁で北朝鮮の経済状況が悪化して 
情勢安定のためにも完成宣言 
 
米国と対話局面に転換すれば 
非核化でなく核軍縮を主張する見込み

4月、北朝鮮軍創建85周年を迎え江原道元山で行われた軍合同打撃デモで査閲する金正恩労働党委員長//ハンギョレ新聞社

 新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星-15」型の試験発射に成功した北朝鮮が、政府声明を通じて「国家核武力完成」を宣言した。北朝鮮は「核強国」であり「平和愛好国家」という点を強調し、今後の朝米交渉の議題を非核化ではなく核軍縮とするという意も明らかにした。

 北朝鮮は29日昼に発表した「共和国政府」声明で、火星-15型について「私たちが目標としたロケット武器体系開発の完結段階に到達した最も威力ある大陸間弾道ロケット」と明らかにした。また、金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長の話を引用して「今日初めて国家核武力完成の歴史的大業、ロケット強国偉業が実現された」と伝えた。技術的側面に対する評価とは別に、核弾頭と運搬手段を共に備えた完ぺきな核武装国であることを政治的に宣言したわけだ。

 金委員長は今年の新年の辞で「大陸間弾道ロケット試験発射準備事業が最終段階に達した」と明らかにしたことがある。実際、北朝鮮は今年7月に二度にかけてICBM級「火星-14」型の試験発射に成功した。引き続き9月3日には6回目の核実験を実施し、「国家核武力完成の完結段階」に達したと主張した。多くの専門家たちが、今年末か来年初めに北朝鮮が「国家核武力完成」を宣言するだろうと予想したのもこのためだ。

 北朝鮮が核武力完成の主張を予想より早く出したのは、国内的需要と情勢的な必要が同時に作用したと見られる。北朝鮮は1月25日、党中央委の報道文を通じて年末までに「万里馬先駆者大会」を開くと明らかにし、自力更正と経済成長のための「万里馬運動」を一年中督励してきた。「先駆者大会」を通じた経済的成果を前面に出す前に、核武力完成を宣言したことは、金委員長が強調してきた「核-経済並進路線」が成功したことを対内外に誇示するためと見ることができる。

 徐々に効果を発揮している対北朝鮮制裁が、北朝鮮を急がせたという指摘もある。北韓大学院大のク・ガブ教授は「長期間安定的だった北朝鮮の穀物価格が下半期に入り急騰するなど、対北朝鮮制裁の効果が直接的に現れている」として「局面を長期的に引っ張っていくことは否定的影響が大きく、核武装完成宣言時期を操り上げる必要があったのだろう」と指摘した。

 北朝鮮は政府声明で「責任ある核強国であり平和愛好国家として、世界の平和と安定を守護するという崇高な目的の実現のために自らのすべての努力を尽くす」と強調した。今後対話局面が作られれば、非核化ではなく核軍縮を交渉の議題にするという意だが、北朝鮮を核保有国として認定しろという話なので、米国が受け入れることは難しい。

 交渉局面に入り込まなければ、北朝鮮は「核武力の質・量的強化」を名分に、追加で挑発を続ける可能性が高い。北朝鮮としては、火星-15型の追加発射をはじめ、使用できる「カード」は依然として多い。キム・ヨンチョル仁済大学教授は「核武装完成宣言以後、北朝鮮が平和攻勢に切り替えても、国際社会が呼応しなければ対話局面に進むことはできないだろう」とし「対話のための努力が出てこない限り、情勢は変わらない」と指摘した。

チョン・インファン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )


「中国の1限の追加要求も明らかに事実ではない」と言い切った。また、カン長官は「THAADと関連して、中国が追加要求したものがあるか」という質疑にも、「そのようなものを要求されたことはない」と答弁した。

2017-11-28 | 世界を知る

外交部長官「中国のTHAAD制限要求説は事実ではない」

登録 : 2017.11.28 05:26 修正 : 2017.11.28 06:59

 

「THAAD運営は韓米同盟レベルの決定」  
「北朝鮮の平昌五輪への参加に向けあらゆる措置を講じる」

カン・ギョンファ外交部長官(右)とチョ・ミョンギュン統一部長官が今月27日、国会で開かれた外交統一委員会全体会議で資料を見ている/聯合ニュース

 カン・ギョンファ外交部長官は27日、中国がTHAAD(高高度防衛ミサイル)の運用制限を要求したという主張について、「政府としてはTHAADシステムの運営を制限するという考えは持っていない」と述べた。また、中国側がTHAADの運用制限を要求したという主張も「事実ではない」と再確認した。

 カン長官は、国会外交統一委員会全体会議で、「中国の懸念を理由にTHAAD使用を制限することを検討しているか」という自由韓国党のユン・サンヒョン議員の質疑に対し、「THAADシステンの運営問題は韓米同盟レベルで下した決定」だとして、このように答弁した。

 これに先立ち、先月末、THAAD配備による韓中間の対立を解決するため、政府が明らかにした「3NO」(THAADを追加配備せず、米国主導のミサイル防御システムに参加せず、韓米日3角軍事同盟に参加しない)に加え、最近、一部で中国側が朝鮮半島に配備されたTHAADの運用を制限すべきといういわゆる「1限」を要求したと主張し、議論を呼んだ。

 カン長官は「3NOは韓国が中国に同意した事案ではなく、既存の(韓国政府)立場を繰り返し確認しただけ」だとし、「中国の1限の追加要求も明らかに事実ではない」と言い切った。また、カン長官は「THAADと関連して、中国が追加要求したものがあるか」という質疑にも、「そのようなものを要求されたことはない」と答弁した。

 一方、チョ・ミョンギュン統一部長官は北朝鮮の平昌(ピョンチャン)冬季五輪への参加を要請するために、「対北朝鮮特使」を派遣する問題について、「趣旨には共感するが、特使にはさまざまな意味や象徴性があり、北朝鮮の立場も考慮しなければならない」としたうえで、「北朝鮮の参加に向け、あらゆる方法を動員する方針ではあるが、具体的に答えるのは適切ではない」と述べた。カン長官も「国際機関および北朝鮮と対話できる国などを通じて、引き続きメッセージを送っている。敏感な部分があるので、(詳しく)明らかにはできないが、あらゆる措置を講じている」と明らかにした。

チョン・イナン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)


宋部長が金正恩労働党委員長に会い、朝中関係の改善と北朝鮮核解決の糸口が用意されるかが注目される。

2017-11-20 | 世界を知る

中国、「特使訪朝」に負担感じてか…過度な期待を警戒

登録 : 2017.11.19 21:42 修正 : 2017.11.20 06:23

 

宋濤特使の動静、北朝鮮メディアの報道と中国共産党の発表のみ 
専門家たち「両国の信頼弱化、中国の影響は限定的」

中国共産党の習近平総書記の特使の資格で北朝鮮を訪問した宋濤・中国共産党対外連絡部長(左から2人目)が17日、平壌の万寿台議事堂で北朝鮮労働党のチェ・リョンヘ中央委副委員長(左から3人目)に会った。中国共産党対外連絡部ホームページよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 中国共産党の習近平総書記の特使の資格で、宋濤対外連絡部長が北朝鮮を訪問中だが、中国メディアは控えめな報道をするなど静かな雰囲気だ。

 

 宋部長は17日昼、北朝鮮に到着し万寿台議事堂でチェ・リョンヘ労働党副委員長に会い、先月開かれた第19回中国共産党党大会(全国代表大会)に関し「具体的に通知した」と北朝鮮の朝鮮中央通信が報道した。通信は別途の報道で、宋部長が金正恩(キム・ジョンウン)委員長に贈るプレゼントをチェ副委員長に渡したとも伝えた。続けて宋部長は18日、リ・スヨン労働党副委員長にも会った。通信は二人が朝鮮半島および地域の情勢、両者の関係など共同関心事案について意見を交換したと伝えた。

 

 中国官営メディアもたまに宋部長の関連動静を伝えてはいるが、中国共産党対外連絡部の発表資料をそのまま転載する形だ。これに先立って、今月初めに宋部長が特使資格でベトナムとラオスを訪問した時も、宋部長が党最高指導者に会うまでは同じ形の報道のみが出ていた。しかし、宋部長の訪朝関連報道は一層制限された範囲でのみ出されていると見られる。中国メディアが北朝鮮と関連することを報道する時は、当局の立場が整理された新華社通信の記事から抜け出してはならないという内規があるとも伝えられている。

 

宋濤・中国共産党対外連絡部長が18日、平壌でリ・スヨン北朝鮮労働党中央委副委員長に会った=中国共産党対外連絡部ホームページよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 宋部長の訪朝は、北朝鮮の相次いだ核・ミサイル試験と国際社会の制裁で朝中関係が冷えこんだ状態でなされただけに関心を集めている。これまで中国の特使が北朝鮮を訪問する場合、最高指導者に会ってきた前例に照らしてみる時、宋部長が金正恩労働党委員長に会い、朝中関係の改善と北朝鮮核解決の糸口が用意されるかが注目される。中国内部でも期待感が出ている。

 

 人民大学の時殷弘教授は「聯合早報」に「中朝両側は、相互に久しぶりと感じることを願わない。宋部長の訪問は、過去1年余り続いた凍り付いた状態が溶けることを象徴する」として「朝鮮半島における戦争勃発の危険はすでに過去にはなかった水準で、中国も情勢緩和の必要性を感じている」と話した。8~10日の米中首脳会談などのために中国に立ち寄ったドナルド・トランプ米大統領は、宋部長の訪朝を「重要な動き」(Big Move)とまで称した。

 

 過度な期待に対する警戒も少なくない。中国としてはそれさえもありがたくないという雰囲気だ。環球時報は18日付け社説で「宋濤は魔術師ではない。(朝鮮)半島の情勢が緩和されるか否かの鍵は、米朝の手中にある」として「中国は朝鮮核問題解決の重要な一員ではあるが、決定的一員ではない」と主張した。

 

 朝中関係の専門家である中国華東師範大学の沈志華教授は、サウスチャイナ・モーニングポストに「中国の影響力は限定的」だとし「政治的同盟の基礎は瓦解したし、両者の強い信頼はもはや存在しない」と話した。宋部長の訪朝も伝統的慣例に従ったのみで特別な意味はないという意味だ。

 

北京/キム・ウェヒョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )


朝鮮半島の非核化目標実現に尽力することを再確認。双方が朝鮮半島核問題の対話と交渉を通じた最終的解決において目標を共有しており、朝鮮半島の平和・安定維持に尽力することを強調した。

2017-11-10 | 世界を知る

習近平国家主席とトランプ米大統領が会談

人民網日本語版 2017年11月10日09:35
 
習近平国家主席とトランプ米大統領が会談
 

習近平国家主席は9日、米国のトランプ大統領と人民大会堂で会談した。両国首脳は中米関係及び関心を共有する重要な国際・地域問題について、広範で踏み込んだ意見交換をした。

双方は▽今年に入り中米関係は重要な進展を遂げた▽中米関係は両国民の幸福に関わり、世界の平和・安定・繁栄にも関わる▽中米両国にとって唯一の正しい選択は協力であり、ウィンウィンであって初めてより良い未来へつながる――との認識を示した。

また、引き続き▽両国関係に対する首脳外交の戦略先導の役割を発揮する▽両国上層部及び各レベルの交流を強化する▽4つのハイレベル対話制度の役割を十分に発揮する▽経済・貿易、両軍、法執行、人・文化分野の交流・協力を拡大する▽重大な国際・地域問題で意思疎通と調整を強化する▽中米関係の一層の発展を推し進める――ことで合意した。

習主席は「4つのハイレベル対話制度の設置は、「マール・ア・ラーゴ」での中米首脳会談での戦略決定であり、両国関係の発展を支える重要な役割を持つ。4つのハイレベル対話が大局的、戦略的影響のある重大な問題に焦点を合わせるとともに、着実に各協力事業を仕上げ、共通利益を拡大し、妨害要素を速やかかつ適切に排除し、中米関係の安定した長期的発展を確保することを希望する」と述べた。

両国首脳は会談で中米二国間、地域、世界レベルの協力の強化について重要な成果と共通認識にいたった。また▽経済・貿易、投資、エネルギー分野の協力を拡大し、中米経済協力のパイを大きくして、両国の経済関係の急速な発展の過程において生じる問題や矛盾を解決する▽サイバーセキュリティー、逃亡犯逮捕・不法取得資産没収、不法移民送還、麻薬撲滅分野の協力を引き続き強化する▽中米双方向の留学の促進、教育・科学技術・文化・衛生分野の協力の推進に努力する――ことで合意した。

双方は、アジア太平洋地域の平和・安定・繁栄の促進、国際的な核不拡散体制の維持、朝鮮半島の非核化目標実現に尽力することを再確認。双方が朝鮮半島核問題の対話と交渉を通じた最終的解決において目標を共有しており、朝鮮半島の平和・安定維持に尽力することを強調した。(編集NA)

「人民網日本語版」2017年11月10日

 

習近平国家主席とトランプ米大統領が会談 (2)

人民網日本語版 2017年11月10日09:35
 
習近平国家主席とトランプ米大統領が会談
 


 

 


開会式でバイニマラマ首相が、「気温上昇1・5度」の目標への団結を呼びかけるなど、地球温暖化防止への世界の取り組みを求める強い決意を示しました。

2017-11-08 | 世界を知る

「気温上昇1.5度」で団結を

開会式で議長呼びかけ

COP23 in ボン

 

写真

(写真)フィジーパビリオンの開場に立ち会うバイニマラマ・フィジー首相(右奥)=6日、ドイツ・ボン(岡本あゆ撮影)

 【ボン(ドイツ西部)=伊藤寿庸】国連気候変動枠組み条約第23回締約国会議(COP23)が6日開幕し、本格的な討議に入りました。パリ協定の第1回締約国会議第2会期など数多くの重層的な会議が開かれています。

 太平洋の島国として初めてフィジーが議長国となって開かれる会議。開会式でバイニマラマ首相が、「気温上昇1・5度」の目標への団結を呼びかけるなど、地球温暖化防止への世界の取り組みを求める強い決意を示しました。

 パリ協定は、産業革命前と比べて「気温上昇を2度より十分低く抑え、1・5度に抑える努力をする」ことを目指すとしていますが、「1・5度」への言及も島しょ国の主張で入ったものです。

 国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)のパトリシア・エスピノーサ事務局長は6日の記者会見で、「今回の会議を次のステージへの跳躍台とする」ことを強調。パリ協定に基づく国別目標では、気温上昇抑制に届かないため「緩和(気温上昇を抑える措置)、適応(気候変動の被害を減らす措置)のすべてで高いレベルの合意を目指す」と述べました。

 NGOの「気候行動ネットワーク」のハルジート・シン氏(アクションエイド)はこの日の記者会見で、「気候変動に対して責任のない人々が命と生活、財産を奪われている。今回の会議では、被災者にとって目に見える進歩がなければならない」と強調しました。

 また「地球の友インターナショナル」のディピ・バトナガル氏は「国別目標は、実行手段としての資金と技術が絶対に必要だ。危機をつくり出した先進国がそれを提供するべきだ」と指摘しました。


朝米間の疎通の不在が誤解の可能性を高め緊張を高揚させかねない」として「政府官僚も外交の不在が軍事行動の危険を増加させていると憂慮している」と伝えた。

2017-10-27 | 世界を知る

「ジョセフ・ユン、朝米対話再開へ“死闘”…“ティラーソン派遣”など議会説得」

登録 : 2017.10.26 22:56 修正 : 2017.10.27 07:03

 

NBC「ティラーソン長官も対話の重要性をますます信じ」 
対北朝鮮特使派遣などホワイトハウスの反対に議会説得へ

ジョセフ・ユン米国務省対北朝鮮政策特別代表=資料写真//ハンギョレ新聞社

 ドナルド・トランプ米大統領の韓中日歴訪を控えた状況で、ジョセフ・ユン米国務省対北朝鮮政策特別代表がレックス・ティラーソン国務長官や高位級対北朝鮮特使の派遣など朝米間の対話再開を議会に説得するため死力を尽くしていると、米国の放送が伝えた。

 

 NBC放送は25日(現地時間)、ユン特別代表と話を交わしたある議会補佐官の話を引用してこのように報道した。この放送は「ティラーソン長官も初期には外交的解決法に懐疑的だったが、北朝鮮が大陸間弾道ミサイル試験に成功し、核兵器プログラムに進展を見せてから対話の重要性をますます信じることになった」と明らかにした。

 

 ユン代表は、議会関係者たちと会った席で朝米間の対話が瓦解していると警告し、両側をますます衝突に追い込む過熱したレトリック攻防をやめ、外交的解決法を優先視するよう行政府を説得してほしいと応援を求めたという。

 

 NBCは「トランプ大統領が(北朝鮮に対して)先制攻撃命令を下すと考える人はほとんどいないが、朝米間の疎通の不在が誤解の可能性を高め緊張を高揚させかねない」として「政府官僚も外交の不在が軍事行動の危険を増加させていると憂慮している」と伝えた。

 

 米当局者は、ユン代表がホワイトハウスに対して外交努力の必要性が切迫していることを伝えられず挫折していると伝えた。ユン代表は、議会補佐官および政府関係者に「ホワイトハウスが外交を難しくさせている」という趣旨の吐露もしたと伝えられた。ユン代表は、昨年北朝鮮に抑留された米国人大学生オットー・ワームビア氏の送還を主導した。

 

 この報道が事実ならば、国務省を中心に平壌(ピョンヤン)または第三国でティラーソン長官と北朝鮮側要人の高位級会談まで検討され、こうした方案がホワイトハウスの反対で壁に当たると、議会という“迂迴路”を通じてホワイトハウスを説得している状況と見ることができる。匿名を要求した消息筋は「こうした動きがある事は知っている」と話した。

 

 一方、ジェームズ・マティス米国防長官は25日、フィリピンで開かれた「アセアン拡大国防長官会議」に参加した後、タイに移動する飛行機内で「私たちや同盟国が(北朝鮮から)攻撃を受ければ、防御的次元での軍事オプションを保有しているかって?当然だ」としつつも「しかし、すべての人が平和的解決法を追求している」と明らかにした。これは、北朝鮮の先制攻撃に備えた作戦計画は自衛権次元で準備しているものの、米国が先制的に軍事行動をすることはないという意味と見られる。

 

ワシントン/イ・ヨンイン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )


北朝鮮は米国が先制攻撃をすれば、韓国や日本はもちろん、グアムまで報復攻撃を行うと公言しているが。

2017-10-22 | 世界を知る

[インタビュー]

ガルーチ「トランプ・金正恩、外交・安保をよく知らず不安定」

登録 : 2017.10.20 06:32 修正 : 2017.10.22 09:37

 

米朝ジュネーブ基本合意の主役、ロバート・ガルーチ

1994年にはなかった核、10~20発保有 
第1次北朝鮮核危機の時よりはるかに厳重 
 
状況は日増しに悪化…ここで止めるべき 
条件をつけずに会い、相手の意中確認が必要 
 
米朝交渉の目的は北朝鮮の核廃棄 
関係正常化がなされれば核武装の理由ない 
北朝鮮核問題の解決は長く時間のかかるプロセス

 

1994年の米朝ジュネーブ基本合意締結の主役であるロバート・ガルーチ元米国北核特使が19日午後、ソウル中区のあるホテルでハンギョレとのインタビューを行っている=キム・ギョンホ先任記者//ハンギョレ新聞社

 

 「米国と北朝鮮は、相互の関心事項に対する進展がなされることによって両国関係を大使級にまで格上げさせていく」

 

 1993年3月、北朝鮮の一方的な核拡散禁止条約(NPT)脱退に触発された第1次北朝鮮核危機を解決した1994年の米朝ジュネーブ基本合意第2条3項には、このように書かれている。21日で基本合意締結から23周年を迎えるが、北朝鮮の核危機は現在進行形だ。第1次北朝鮮核危機当時に出た「対北朝鮮先制攻撃論」が再登場している危険な状況だ。ジュネーブ基本合意締結の主役であるロバート・ガルーチ元米国務省北朝鮮核特使は19日午後、ソウル中区(チュング)のあるホテルでハンギョレと会い、「1994年の第1次北朝鮮核危機の時よりも、現情勢ははるかに厳重だ」とし、「米朝双方は荒々しい言辞を止めて、緊張を下げなければならない。お互いの意中を把握するためにも対話が急がれる」と強調した。以下は彼と交わした一問一答。

 

-北朝鮮と米国、双方の荒々しい言辞が続く中で、最近、朝鮮半島情勢が尋常ではない。

 

 「実際、非常に厳重だ。明日にでも北朝鮮がICBM(大陸間弾道ミサイル)を最大射程距離で実験発射し、米国が巡航ミサイル攻撃をして、北朝鮮がこれに対して再び対応する状況がきたら、どうするつもりか。この10カ月間、そのような事態に対する警告が続いた。非常に深刻な状況だ」

 

-第1次北朝鮮核危機の時と比較すると?

 

 「1994年には北朝鮮には核兵器がなかった。今は10~20発の核兵器を保有していると評価している。弾道ミサイル能力もはるかに高度化した状態だ。北朝鮮の指導者も米国の指導者も、外交・安保をよく知らず、大変不安定に見える。1994年には北東アジアの安保において韓米同盟が不可欠という点を米国がよく知っていた。しかし、ドナルド・トランプ大統領もそう思っているかは分からない。これらのすべてが状況をさらに不安にさせている」

 

-北朝鮮が米本土に到達できる大陸間弾道ミサイルの開発を完了したら全ての状況が変わる、いわゆる「ゲームチェンジャー」になるだろうか。

 

 「昨年8月、マレーシアのクアラルンプールで北朝鮮側と会ったとき、それを聞いた。北朝鮮側では『当然だ』という反応を見せた。私の考えは違う。『ICBMを完成するのは北朝鮮をさらに危うくさせるだけ』と言ってやった。北朝鮮が米本土はもちろん同盟国を攻撃する手段を確保したことを米国は受け入れないだろうし、したがって北朝鮮を軍事攻撃の目標とするからだ」

 

-北朝鮮は米国が先制攻撃をすれば、韓国や日本はもちろん、グアムまで報復攻撃を行うと公言しているが。

 

 「そう主張しているが、実行に移すことはできないだろう。1950年代、ソ連のニキータ・フルシチョフ共産党書記長が国連総会場で、靴を脱いで(その靴で)テーブルをバンバン叩いたことがある。その時多くの人が『核兵器が狂人の手にある』と懸念した。フルシチョフはわざと『狂人』のように振る舞ったのだ。金正恩委員長も同じだ。いつ、どこで、何をしでかすか分からないというイメージをつくろうとしているだけだ」

 

-北朝鮮が挑発を継続する状況で、対話をしてはならないという主張もある。

 

 「強硬論者たちは、北朝鮮が『悪い行動』をした直後に交渉を提案するのは『弱い姿』を見せることだと主張する。一面、妥当な主張でもある。それでクアラルンプールで北と会ったとき、『米国に新政府ができるやいなや挑発をすれば、少なくとも6カ月は交渉ができなくなる』と話した。すると、北では『新政府が韓米連合軍事訓練を実施すれば、交渉はないだろうと伝えてくれ』と言った。実際そのとおりになり、状況はますます悪化している。ここでいったん止めなければならない。潜在的な軍事的衝突状況から脱しなければならない。条件をつけずに会わなければならない。交渉を継続するために相手がどの程度まで『自制』できるのか、その範囲を確認しなければならない。例えば、北朝鮮が核・ミサイル試験を中止したり、大規模な韓米連合軍事訓練を実施しないなどの、対話を継続するための条件をお互いに確認する『対話に向けた対話』が必要だ」

 

-中国が提案した「双中断」と同じ話に聞こえる。

 

 「中国の提案は『等価交換』だが、同意し難い。北朝鮮の核・ミサイル試験は国連が違法だと規定したものである反面、韓米連合訓練は合法的だ。状況に対する認識は重要だということだ。例えば、米朝対話に向けて米国が一方的に軍事演習の中断を宣言することができる。北朝鮮も交渉に向けて一方的に核・ミサイル試験の中止を宣言することができる。そうなれば、合意による『等価交換』ではないことになる。実際、基本合意の交渉に先立ち、1993年にカン・ソクチュ北朝鮮外務次官とニューヨークで初めて会った時、同じ方式を活用した。交渉のための条件を盛り込んだ共同声明に合意したが、記者会見は別にする方式だった。今いるところから別のところに行くための方式と条件を見つけること、それがまさに交渉だ」

 

-北朝鮮は核兵器を放棄しないという主張もある。

 

 「米朝交渉の目的は北朝鮮の核廃棄だ。北朝鮮は核武装を防衛用だと言う。米朝関係が正常化すれば、核武装をする理由がなくなる。ひとまず北朝鮮の核能力を凍結させ、核兵器を一つずつ除去していかなければならない。その過程で、北朝鮮が嘘をつく可能性もあり、検証が不可能なこともあるだろう。しかし、その程度は甘受しなければならない。米朝関係正常化のためには北朝鮮の人権問題も取り上げられるだろう。北朝鮮の政権交代を推進しない限り、北朝鮮の核問題解決のためには長く時間のかかる漸進的なプロセスを踏んでいくしかない」

 

チョン・インファン、ノ・ジウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )


キッシンジャー元長官は「トランプ大統領がアジア歴訪に出る予定だが、平和と繁栄、発展に大きく寄与するだろう」と期待を示した。

2017-10-12 | 世界を知る

トランプ米大統領、キッシンジャーらと面会し「アジア歴訪」を準備

登録 : 2017.10.12 04:24 修正 : 2017.10.12 07:52

トランプ大統領「めちゃくちゃな外交状態を受け継いだ」 
キッシンジャー「平和、繁栄、発展に寄与するだろう」 
パウエル元国務長官などとも接触したと見られ歴訪準備に拍車

ドナルド・トランプ米大統領が今月10日、ホワイトハウスでヘンリー・キッシンジャー元国務長官と面会している=ワシントン/EPA聯合ニュース

 ドナルド・トランプ米大統領が来月初めの韓中日などアジア歴訪を控え、ヘンリー・キッシンジャー元国務長官など外交界関係者らに相次いで会っている。このような一連の過程で、トランプ政権の対北朝鮮政策など外交政策が修正および変形されるかに注目が集まっている。

 

 トランプ大統領は10日(現地時間)午前にキッシンジャー元長官と面会し、「イスラム国(IS)と関連し、中東で多くの進展があり、別の地域でも進展があった」としたうえで、「しかし、私がたびたび述べたように、めちゃくちゃな状態を受け継いだ。今それを直している」と明らかにした。

 

 これに対し、キッシンジャー元長官は「今は建設的かつ平和な世界秩序を構築する機会がとても大きな時期」だとし、「トランプ大統領がアジア歴訪に出る予定だが、平和と繁栄、発展に大きく寄与するだろう」と期待を示した。トランプ大統領とキッシンジャー元長官は昨年5月の選挙過程や当選直後にも公開的に会ったことがある。

 

 2人の面会は、ニューヨーク・タイムズ紙が今年7月、キッシンジャー元長官がレックス・ティラーソン国務長官などに、中国による金正恩(キム・ジョンウン)政権崩壊の推進と米国の在韓米軍撤退カードを「ビッグディール」するよう助言したという報道が出た後で行われたため、さらに注目を集めた。

 

 二人の面会内容は公開されていないが、いわゆる米中「ビッグディール」の可能性は、中国の米国に対する戦略的な不信が深まっており、トランプ政権にもそれを推進するだけの力量がなく、少なくとも短期的には実現の可能性が高いとは言えない。ただし、キッシンジャー元長官は、米国の覇権の衰落をできるだけ遅らせると共にロシアを牽制するためには、米中間で協力地点を最大限に広げるよう助言したものと予想される。

 

 一方、インターネットメディア「アクシオス」は同日、キッシンジャー元長官以外にも、ブッシュ政権当時それぞれ国務長官と国連大使を務めたコリン・パウエル氏とジョン・ボルトン氏もホワイトハウスで目撃されたと報じた。トランプ大統領がアジア歴訪を控えて多様な人物に接触し、準備していることが窺える。トランプ大統領は同日、ジェームス・マティス国防長官およびレックス・ティラーソン長官とも昼食を共にした。

 

ワシントン/イ・ヨンイン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)


パク名誉教授は著名な北朝鮮問題専門家で、50回余り北朝鮮を訪問し、1994年と2010年にカーター元大統領の訪朝を斡旋するなど朝米対話でも主要な役割を果たしてきた。

2017-10-10 | 世界を知る

「カーター、北朝鮮側に訪朝意志を伝達…金正恩と対話希望」

登録 : 2017.10.09 21:38 修正 : 2017.10.10 07:52

ジョージア大学パク・ハンシク名誉教授 
「北朝鮮に訪北意志伝達」 
「トランプ否定的…許可希望」

カーター元米大統領がThe Eldersのメンバーたちと訪朝日程を終えて訪韓し、2011年4月28日ソウル市鍾路区臥龍洞の南北会談本部で、ヒョン・インテク統一部長官と訪朝結果に関して歓談を交わしている=写真共同取材団//ハンギョレ新聞社

 ジミー・カーター元米大統領が、北朝鮮核問題などをめぐり緊張がきわめて高まった朝米間の仲裁のために、北朝鮮を訪問して金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮労働党中央委員長との面談を推進中だと米ジョージア大のパク・ハンシク名誉教授が明らかにした。

 

 パク・ハンシク名誉教授は8日「先月28日、ジョージア州のカーター元大統領の自宅を訪ね半日かけて話した後、私たちができることを模索することにした」として「北朝鮮側にカーター元大統領の訪朝意思を伝達した」と明らかにした。パク名誉教授は著名な北朝鮮問題専門家で、50回余り北朝鮮を訪問し、1994年と2010年にカーター元大統領の訪朝を斡旋するなど朝米対話でも主要な役割を果たしてきた。

 

 これと関連してカーター元大統領は3日付のワシントンポストへの寄稿を通じて、朝鮮半島内での“第2の戦争”の可能性を警告し「軍事的攻撃やさらに強力な経済制裁などは、危機を終わらせる効果的な道にはならない」として、平和交渉のための対北朝鮮高位級代表団の派遣を米国政府に公開提案したことがある。

 

 パク名誉教授は、北朝鮮からの招請状が発行されるかどうかに関して「カーター元大統領が金正恩委員長と対座して会話できる時間が約束されなければ、私たちが行くことはできない」として「北朝鮮も会議をして決定をするのに時間がかかるだろう」と見通した。

 

 パク名誉教授は「カーター元大統領が最近ドナルド・トランプ米大統領にもこうした意思を明らかにしたが、トランプ大統領は『過去の大統領は口を出すな』と言ったという」として「トランプ大統領が“OK”(許可)することを希望している」と伝えた。

 

 パク名誉教授は、カーター元大統領の訪朝以外にも「専門家会議(トラック2)や半官半民対話(1.5トラック)など南北と米国、中国が参加する4者会議も推進する予定」と付け加えた。

 

 カーター元大統領は、1994年の第1次北朝鮮核危機の時に北朝鮮を訪問し、金日成(キム・イルソン)当時主席から核プログラムの凍結を引き出した。

 

ワシントン/イ・ヨンイン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )


何よりもその根幹をなす米国と北朝鮮との関係が改善されなければならないだろう。それは、北朝鮮核問題の解決プロセスとも一致する。

2017-10-09 | 世界を知る

[寄稿]北朝鮮核問題の地経学的解決策

登録 : 2017.10.09 03:17 修正 : 2017.10.09 06:37

 

北朝鮮の朝鮮中央通信は7月28日夜、金正恩労働党委員長が参観した中で大陸間弾道ミサイル級「火星-14」型ミサイルの2回目の試験発射を実施したと29日報道した//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮の核をめぐる昨今のゲームは「クジラの喧嘩でエビの背が裂ける」(強い者同士の争いに弱い者が巻き込まれて被害を受ける)と言われていた朝鮮半島に起きた異変だ。東西古今で類を見ない弱小国と超大国の対決だ。何がこの“不可能”を現実のものにしたのだろうか。

 

 北朝鮮の核を生み出したのは、朝鮮半島の地政学的対立だ。そのルーツは冷戦時代に遡る。冷戦が終結する時、ブレジンスキーは、ソ連の崩壊がブラックホールを形成し、将来新しい政治的な危険の源になると予見した。実際、米ソ間の対決と均衡の二元構図が崩れ、ユーラシア大陸の「心臓地帯」は地政学的真空状態に陥った。東欧社会主義圏が崩壊し、至る所で戦乱が起きた。

 

 ソ連の解体は、北東アジアの朝鮮半島にも例外なく地殻変動をもたらした。過去の東西冷戦が理念が支配した地政学的同盟の時代だったならば、北東アジアはその遺産をそのまま受け継ぎ、朝鮮半島にバランスの崩れた冷戦構図を定着させた。シカゴ大学のニコラス・スパイクマンは、大陸勢力と海洋勢力が衝突する舞台、つまり「リムランド」(rimland)を制する者が世界を制するとした。北東アジアのリムランド、朝鮮半島を制するために、米国には朝鮮半島の冷戦構図が必要だった。

 

 米国の地政学的戦略に対応し、北朝鮮は核開発を選んだ。北朝鮮が核開発にすべてを賭けられたのは、まさに「地政学的地位」のためだった。米国は、地政学的戦略のために北朝鮮の核を30年近く“放置”しており、北朝鮮の地政学的位置のために北朝鮮の核を軍事力で解決できなかった。北朝鮮はこの地政学的な要素を存分に活用した。結局、この地政学的要素が北朝鮮の核開発に30年近い時空間を許した。

 

 北朝鮮核問題の解決策は依然として地政学的に進められている。米国も北朝鮮も、依然として力の論理に基づいて対決を追求している。米国は北朝鮮を完全に封鎖すれば、北朝鮮がついには屈服すると考えており、北朝鮮は大陸間弾道ミサイル(ICBM)で核弾頭を米国本土に飛ばせられれば、米国が両手を上げると思っている。互いに最後まで突き進めば、衝突するしかないだろう。戦争説が流れているのも、そのためだ。

 

 北朝鮮の核が地政学的軋轢の産物ならば、その解決策は地政学的要素を弱めることにあるのではないか。その中心には米国という要素がある。東アジアに対する米国の地政学的戦略が朝鮮半島に留まる限り、朝鮮半島の地政学的要素の弱体化は期待できない。米国による地政学的要素が浮き彫りになるほど、韓国は小さくなり、北朝鮮は大きくならざるを得ない。韓米同盟が「絶対的価値」と言えども、だからこそ韓国は身動きが取れなくなる可能性もある。結局、朝鮮半島で対決の地政学的要素が弱体化されるには、何よりもその根幹をなす米国と北朝鮮との関係が改善されなければならないだろう。それは、北朝鮮核問題の解決プロセスとも一致する。

 

 北朝鮮は米国を百年の宿敵といっているが、誰よりも米国との関係改善を望んでいる。経済発展を図り、国際社会の一員になることを願っている。金正恩(キム・ジョンウン)政権は中央に集中していた権力を地方や企業、開発区、農村へと分散させる事実上の改革を断行し、北朝鮮経済を上向きにしてきた。それに“市場経済”の要素も全国に広がっている。地経学(geo-economics)的アプローチが可能な要素である。地政学的観点から核とミサイルだけを見るのではなく、これからは地経学的観点から北朝鮮のこのような変化の可能性も見るべきではなかろうか。

 

 

金景一・北京大学教授//ハンギョレ新聞社

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は大統領選挙の公約として、朝鮮半島を3つのベルトにして開発し、これを北方経済と連携して、北東アジア経済協力のハブとして跳躍するという「朝鮮半島新経済地図」を掲げた。一見すると、地経学の創始者であるルトワックが「経済文法」(Grammar of Commerce)で描いた、北朝鮮の核問題の地経学的解決策ともいえる。このような地経学的要素を浮き彫りにさせるには、地政学的要素の核心である米国を説得せねばならない。韓米軍事演習の中断や対北朝鮮制裁の解除で核・ミサイルの凍結を交換すると共に、地経学的環境を造成していくべきだ。朝鮮半島に地経学的要素があふれれば、北朝鮮が核を放棄することも不可能ではなくなるかもしれない。

 

金景一・北京大学教授(お問い合わせ japan@hani.co.kr)


米国政府からも「軍事的対応」など、北朝鮮に対する強硬発言が出ている中、国務省側が外交的解決策の重要性を強調した。

2017-09-07 | 世界を知る

米国務省「北朝鮮に対する外交的解決策を諦めず引き続き進める」

登録 : 2017.09.06 03:53 修正 : 2017.09.06 07:10

 

ナウアート報道官「フォックス・ニュース」で明らかに 
「外交が常に優先的アプローチ」…今のところは制裁に重点

ヘザー・ナウアート国務省報道官//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮の6回目の核実験に対し、米国政府からも「軍事的対応」など、北朝鮮に対する強硬発言が飛び出している中、国務省側が外交的解決策の重要性を強調した。

 

 国務省のヘザー・ナウアート報道官は4日(現地時間)、「フォックス・ニュース」の「フォックスと友だち」に出演し、「外交的構想を引き続き進める」とし、「われわれはそれを諦めることができないため」と明らかにした。ナウアート報道官は「北朝鮮が(対話の)テーブルにつくようにする外交が、常に優先的なアプローチ」だとしたうえで、「われわれはそのアプローチを進めてきた」と述べた。

 

 ナウアート報道官は「外交的アプローチ」と関連し、「北朝鮮の違法な核や弾道ミサイルプログラムにかかる金を除去するため、努力してきた」と明らかにした。これは北朝鮮に対する制裁の強化を意味するもので、いまのところは「外交的解決策」の一軸で北朝鮮との対話や交渉を念頭に置いているわけではないことを示唆した。

 

 ナウアート報道官はレックス・ティラーソン国務長官と共に、(北朝鮮の核や弾道ミサイルプログラムを手助けしたとされる)関係国の当局者らとの会議に多く同席したとして、ティラーソン長官は関係国の当局者らに北朝鮮労働者の海外送出禁止と北朝鮮大使館の縮小などを要求したと伝えた。彼女は「そのようなことをしなければ、金正恩(キム・ジョンウン)政権を維持する資金を遮断できない」とし、「金正恩はその資金で非常に高価な(兵器の開発)計画を続けている。われわれはこれを阻止する計画を引き続き推進していく」と述べた。

 

 ナウアート報道官のこの日の発言は、ジェームズ・マティス国防長官が前日の国家安保会議(NSC)の後に「(北朝鮮の)いかなる脅威も、莫大な軍事的対応に直面するだろう」や、「北朝鮮の完全なる全滅を望まない」などという激しい表現を含めた声明を発表したのとは対照を成している。これは米政府内で「平和的方式による核問題の解決」を最優先順位に置いていることを示している。米政府は制裁と交渉を軍事的行動とは異なる平和的方式の外交的解決策と見なしている。

 

ワシントン/イ・ヨンイン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)


新興5カ国(BRICS)首脳会議:習近平国家主席が基調演説を行ったが、北朝鮮の核実験については言及しなかった。

2017-09-04 | 世界を知る

何故BRICS首脳会議開幕日に…中国「北朝鮮核実験を強力糾弾」

登録 : 2017.09.03 23:04 修正 : 2017.09.04 08:36

 

習近平の開幕演説4時間前に核実験 
400キロ離れた丹東でも振動感じる 
米国の対北朝鮮圧迫要求高まる可能性

中国の習近平国家主席が3日、福建省厦門でブリックス首脳会議の開幕基調演説をしている=厦門/AP聯合ニュース

 中国が今年の主要外交行事として精魂込めて準備してきた新興5カ国(BRICS)首脳会議が開幕した3日に伝えられた北朝鮮の6回目の核実験のニュースに、中国は当惑を隠せなかった。

 

 北朝鮮の核実験による人工地震発生後、中国中央テレビ(CCTV)は吉林省延吉、白頭山(ペクトゥサン)天池付近、長春などで8秒間ほど振動が感知されたと伝えた。咸鏡北道豊渓里(プンゲリ)実験場から200キロメートル内外に位置した所で、北朝鮮の核実験のたびに議論される場所だ。ただし今回の地震は400キロメートル離れたところでも感知され、その強度を実感させた。遼寧省丹東(タンドン)の韓人会関係者は「これまでの北朝鮮の核実験とは異なり、今回は振動が感じられるほどだった」と伝えた。

 

 この日の実験は、上半期の「一帯一路首脳会議」と並んで中国の今年の二大外交イベントと言われるBRICS首脳会議の開幕日と日が重なった。中国のメディアは最大限北朝鮮の核実験の意味を縮小しようとする姿を見せた。官営の中国中央テレビは核実験のニュースを最小化し、終日福建省厦門で開幕したBRICS首脳会議関連特集を放送した。

 

北朝鮮との境界地域の遼寧省丹東の対北朝鮮送油施設。北朝鮮への原油供給の大部分がこの送油管を通じてなされる。北朝鮮の相次ぐ弾道ミサイル発射と核実験以後、中国が北朝鮮に対する原油供給を中断すべきという主張が米国や日本で強まっている=丹東/キム・ウェヒョン特派員//ハンギョレ新聞社

 BRICS首脳会議がビジネスフォーラムを皮切りに日程を始めた中で、午後3時30分から習近平国家主席が基調演説を行ったが、北朝鮮の核実験については言及しなかった。だが、中国が主催する国際行事の開幕日に北朝鮮が核実験をしたことは、中国としては不快にならざるをえない。厦門の現場で取材していたある中国のジャーナリストは「重要なことがあるたびに北朝鮮が飛び出してきて、ヘッドラインを奪っていく」と話した。

 

 北朝鮮は5月14日、29カ国の首脳が参加した一帯一路首脳会議の開幕当日に弾道ミサイルを発射した。その1カ月前の、ドナルド・トランプ米大統領と習近平主席との初の首脳会談直前の4月6日にも弾道ミサイルを発射した。昨年の杭州主要20カ国(G20)首脳会議の最終日である9月5日には弾道ミサイル発射を行い、4日後の9日には5回目の核実験を実施した。同年4月には北京で中国主導のアジア交流および信頼構築会議(CICA)外交長官会議が開かれる直前にもミサイルを発射した。

 

 中国外交部は、核実験の事実が確認されるとすぐに「国際社会の普遍的反対にもかかわらず、北朝鮮が再び核実験を実施したことに対して、中国政府は決然として反対し強く糾弾する」という立場を明らかにした。中国は北朝鮮核問題と関連して「双中断」(北朝鮮の核・ミサイル開発、および韓米大規模軍事演習の中断)と「双軌並行」(非核化および平和体制への転換並行)を提案している。北朝鮮に対する圧迫強化については「国際社会の同意」を前面に掲げ、国連の議論を強調し、北朝鮮と米国を「問題当事国」と称して対話を促している。

 

 特に一部から出ている北朝鮮に対する原油供給の中断については、一貫して否定的な立場を明らかにしてきた。原油は民生物資であることに加え、パラフィンが含まれた原油の供給を中断すれば送油管が深刻に損傷するなどの理由からだ。かつて「修理」を理由に送油管を閉めたことがあるという話もあるが確認されてはいない。だが「中国が責任を持て」という米国の要求は強まると見られ、中国の苦悩は深まる見通しだ。

 

北京/キム・ウェヒョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )