日朝協会「京都府連合会」です。韓国・朝鮮との友好を進める、日本人の団体です。1カ月¥500 841-4316福谷気付

 世界の出来事から日本・韓国・朝鮮の未来を見る。
 皆さんの声を生かして活動を進めます。

関係諸国のさらなる努力を!

2007-12-29 | 投稿・投書・私の意見

 

  北朝鮮 非核化前進の一年

 

 無能力化・申告は越年へ

 

                          しんぶん赤旗より


 北朝鮮が六カ国協議で合意した核施設の無能力化と核計画の申告の期限が、三十一日に迫りました。原子炉からの使用済み燃料棒の抜き取りと核計画の申告は期限に間に合わず、来年に持ち越されることが確実視されていますが、十一月から始まった無能力化作業は今も続いています。二月の「初期段階の措置」での合意から、「第二段階」の核無能力化へと進んだ一年を振り返ります。(中村圭吾)


 「この一年間、北朝鮮核問題では相当な進展があった。合意にそって、無能力化の作業が進んでいる」

 韓国の宋旻淳(ソン・ミンスン)外交通商相は二十七日、ソウルでの記者会見で、北朝鮮核問題での一年間の成果をこう評価しました。

 米朝の対立でこう着状態に陥っていた六カ国協議が動きだす起点となったのは、今年一月の米朝協議でした。六カ国協議の再開に向けて、ヒル米国務次官補と北朝鮮の金桂冠(キム・ゲグァン)外務次官が、ベルリンで会談。米朝の首席代表が直談判で、事態の好転を図ったのです。

 米朝協議での合意に基づき、二月には六カ国協議が再開。北朝鮮の核放棄に向けた「初期段階の措置」のロードマップ(行程表)の作成に成功しました。

枠組みに復帰

 「初期段階の措置」は、北朝鮮が寧辺の核施設を稼働停止するのにあわせ、重油五万トン相当のエネルギー支援を提供するというもの。核放棄という目標から見れば、小さな前進ですが、北朝鮮の核問題が、二〇〇五年九月の六カ国協議の共同声明の枠組みに再び復帰するという大きな意味を持つものでした。

 共同声明は核放棄後の北東アジアについて、米朝・日朝の国交正常化、朝鮮半島平和体制の構築、北東アジアの集団的安全保障体制などのビジョンを示しています。

 北朝鮮が強く求めていた、マカオの銀行バンコ・デルタ・アジア(BDA)の北朝鮮口座の凍結解除についても、三月に米朝間で合意が成立。六月に凍結されていた口座から送金が実施されたことを受け、北朝鮮は七月、寧辺の核施設五カ所の稼働を停止し、合意どおり「初期段階の措置」を履行しました。

「第二段階」へ

 「次の段階」が問題となった十月の六カ国協議では、北朝鮮が五千キロワット黒鉛減速炉、再処理施設(放射科学研究所)、核燃料棒製造施設の「無能力化」、核計画の「完全かつ正確な申告」を実施することで合意。米ロ中韓の四カ国が「見返り」として、重油四十五万トンと、重油五十万トン相当のエネルギー施設用資材を提供することになりました。

 七年ぶりに南北首脳会談が開かれるなど、南北対話・協力のムードも高まるなか、十一月には米国の専門家チームが北朝鮮入りし、無能力化作業を開始しました。

 米朝関係の改善も進み、来年二月には、米名門オーケストラのニューヨーク・フィルハーモニックの平壌初公演も予定されています。

 一方で、無能力化作業と核計画の申告が期限内に完了しないことを憂慮する声も上がっています。「第二段階措置」が履行されれば、初の六カ国外相会談が行われる予定です。



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私のコメント

2007-12-26 | 投稿・投書・私の意見
今朝の朝日新聞の3面に「NHK次期会長に福地氏」の記事中に
私のコメントが掲載されています。短い記事ですがお読みください。
 
昨夜、朝日新聞東京本社社会部の記者から電話があり、約20分ほど
話をしました。話した内容の一部が記事になりましたが、ほぼ私の
言いたいことを伝えてくれたと思います。
 
世論形成の主要な情報源は、テレビといわれていますが、そのテレビは
放送法に基づき「不偏不党」「政治的公平」「意見が対立している問題
については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにする」「健全な
民主主義の発達に資する」などと義務付けられています。なかでも
NHKについては、受信料に支えられた視聴者・市民主権の公共放送
である筈です。その公共放送が、古森NHK経営委員長ら靖国派・
「四季の会」メンバー、財界人に牛耳られることは、絶対にあっては
なかないことだと思います。
今の日本は「メディア・コントロール」されていると言われていますが、
私たちがしっかりメディア・ウオッティングしないと、メディアによって
視聴者市民が誤った判断・行動をおこしかねない事態を招くことに
なるのではと危惧しています。
 
★★★★★ 長谷川長昭 ★★★★★
長岡京市柴の里1-97  〒617-0818
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決議案を賛成54、反対なし、棄権3で採択

2007-12-15 | 投稿・投書・私の意見

 

     欧州も「慰安婦」決議

 

  日本政府に公式謝罪要求


 欧州連合(EU)の欧州議会(仏ストラスブール)は十三日の本会議で、アジア太平洋戦争中の旧日本軍の「従軍慰安婦」について、日本政府の公式謝罪や歴史事実の国民教育を求める決議案を賛成五四、反対なし、棄権三で採択しました。同様の決議は、米下院(七月)、オランダ、カナダ両国下院(十一月)で採択されており、四例目です。


 決議は、「従軍慰安婦」制度は「日本政府が、女性を性奴隷にするという目的だけで若い女性の獲得を公式に指令した」ものだと指摘。「慰安婦」制度は、犠牲者を死や自殺へと追い込んだ「二十世紀で最も重大な人身売買の一つ」だったと批判しました。

 そのうえで決議は、日本政府が「明確な形で歴史的、法的責任を正式に認め、謝罪し受け入れること」を要求。生存するすべての犠牲者、遺族に対して補償する「効果的な行政」を求めました。また、「『従軍慰安婦』という服従や奴隷化は決してなかったといういかなる主張に対しても、日本政府が公然と反論することを求める」としています。

 決議は「日本国民と日本政府が自国の歴史への全面的な認識をさらに進めること」を促し、日本政府が「慰安婦」問題を含む一九三〇年代から四〇年代にかけての日本の行為を、「現在と将来の世代に教育すること」を求めました。

 韓国、フィリピン、オランダの元「慰安婦」三人は、十一月に欧州議会を訪れ、日本に謝罪を求める決議を採択するよう訴えていました。



韓国と北朝鮮を結ぶ鉄道、京義線

2007-12-12 | 投稿・投書・私の意見

 

      南北連結鉄道

 

    56年ぶり定期運行

 

韓国統一相 「平和の礎を期待」


 韓国と北朝鮮を結ぶ鉄道、京義線が十一日、休戦ラインを越える貨物列車の定期運行を始めました。土日を除き、韓国企業が進出している北朝鮮の開城工業団地と韓国側を毎日往復します。定期運行は朝鮮戦争(一九五〇―五三年)中に中断して以来、五十六年ぶりです。


地図

 定期列車は、ソウル北方の汶山駅と南北経済協力の中心地である開城工業団地近くの板門駅(鳳東)を一日に一往復します。韓国から原材料や資材を運び、工業団地からは製品の靴、衣料品を搬送します。

 南北連結鉄道は二〇〇〇年の第一回南北首脳会談で合意され、今年五月に一日限りの試験運行を実施。十月の第二回南北首脳会談で貨物列車の定期運行に合意しました。

 韓国の李在禎(イ・ジェジョン)統一相は十一日、韓国メディアに「断絶した鉄道は分断と戦争、不信と対決の象徴だった。今日から京義線は協力と統合、平和と繁栄の礎になるよう期待する」と語りました。

 開城工業団地には現在、五十八の韓国企業が操業中。十月の南北首脳会談で大規模な拡大に合意しており、定期運行開始を活用して南北経済協力事業を拡大する計画です。輸送コストは従来のトラック輸送の七割程度に抑えることができるといいます。

 南北は十一日から開城―平壌間の高速道路補修のための共同調査を開始。十二日からは開城―新義州間の鉄道補修に向けた共同調査に入ります。

 韓国政府は、将来的にはシベリア鉄道などと接続して中国・ロシアから欧州までの鉄道輸送を見込み、朝鮮半島をユーラシア大陸東端の物流基地にするとの構想を持っています。



アメリカ人はどこまで判っているのか?

2007-12-10 | 投稿・投書・私の意見

 

   「イラク戦争価値無し」

 

   米兵家族の6割にも


 【ワシントン=山崎伸治】米紙ロサンゼルス・タイムズとブルームバーグ社が行った共同世論調査で、ブッシュ大統領への支持が高いとされてきた兵士の家族の間でも、イラク戦争反対の声が強まっていることがわかりました。「イラクで戦争をやる価値があったか、なかったか」との問いに対し、家族にイラク派遣兵・帰還兵のいる人たちでは60%が「なかった」と答えており、全体の60%と同じでした。

 七日付の同紙は「強力な軍関係者の支持が戦争五年目で縮小していることの現れ」と分析しています。調査は十一月三十日から十二月三日にかけて行われました。

 米軍のイラク撤退について、「今すぐ」「来年中」「戦争に勝つまで」のいずれかを尋ねたところ、「今すぐ」と答えたのは家族にイラク派遣兵・帰還兵のいる人たちでは27%で、全体の23%を上回りました。最も多かったのは「来年中」で、それぞれ42%、41%でした。

 同紙は、兵員不足で入隊年限が三十五歳から四十二歳に引き上げられた結果、「戦闘部隊は数千人の配偶者と子どもを残すことになっている」と指摘。派兵期間が長引き、回数も増えていることが兵士を疲弊させ、「ブッシュ氏とその戦争戦略への反発を強めている」と分析しています。


アメリカの人はどこまで判っているのかと疑問を持つ、歴史の浅い国だから

(2007.12.5 民団新聞)より転載

2007-12-05 | 投稿・投書・私の意見
掲示物数 : 32/33

開設2周年の歴史資料館 

来館者と心通わせ

2007-12-05
 開設2周年を迎えた在日韓人歴史資料館には、来館者から様々な声が寄せられる。それらの言葉は資料館の存在意義を映し出す。同胞にとって自分史再発見の場であるだけでなく、日本人にとっても在日の存在と韓日関係史を知り、歴史の教訓から共生社会実現の必要性を学ぶ貴重な施設になっている。

自分史再発見/日本の過去直視/共生社会へ決意

 準備不足を時が補い展示資料が充実してきた。同胞たちの記憶を刺激し、資料の寄贈意欲を掻き立てるのだ。都内の同胞主婦は「すっかり忘れた子どもの頃の生活用品が懐かしい。とくに炊事場周辺の物や洗濯道具。自分も家で探して見る」とのこと。「これからの人たちに在日が歩んできた大変な時代をぜひ、深く広く見て欲しいし、在日初の歴史・生活資料館として大きくなって欲しいから」と付け加えた。

 三鷹市の姜朋子さん(主婦・55)は「生活史はある程度両親から聞いていたが、《もの》を見、写真を見て、このような中で私たちを育て教育してくれたのかと、涙が流れた」と語り、「お役に立てることがあれば、声をかけてください」とも。札幌市の趙善子さん(主婦・56)は、「母が調布に住んでいたので、多摩川べりの砂利採取の模様が興味深く、展示物の中に母がいるように思えた。話には聞いていたが、実際に写真などで見ると迫ってくるものがある。まさに私たちの歴史だ。上京のたびに訪ねるつもり」と言う。

 年配の同胞たちにとって資料館はまさに、自分史の記憶を引き出す打ち出の小槌、歴史認識を鍛える道場なのであろう。歴史を整理し、認識を深める‐しかしそれは、日本人にも言えることだ。

 夫婦でじっくり見て回ったという都内の小幡詩子さん(翻訳家)は、「日本人は今、自信を失いつつある。負の遺産に直面しなかったし、しようとしていないからだと思う。日本全体の来し方を見つめ直し、行く末を眺めたい」と話す。ホームページを見て立ち寄った金沢市の公務員・赤堀康子さん(54)は、「祖父・父が朝鮮で働いていたことがあり、解放以前の資料に関心があった。日本と日本人がした事実を直視するため来た」と述べる。

 母から日本軍がアジア諸国に酷いことをしたこと、戦後も在日を差別してきたことを教えられた調布市の和田京子さん(主婦・38)は、「大人になった今、もっと深く在日の歴史を知りたいと思った。娘が学校の宿題で差別を取り上げるので、娘にぜひ伝えたい」と語ってくれた。

 研究・研修のための来館者もタイプは様々だ。指紋押捺撤廃運動に関心が深い佐賀里有加さん(大学院生・23)は、「卒業研究で福岡市の3・1文化祭を調べている。その文化祭が行われるようになった背景に、指紋押捺問題があったので」とのこと。「ゼミで各班に分かれて在日を調査している。まったくゼロの状態から始めたので、展示すべてが興味深かった」という大学生も。研修目的の松館寛さん(団体職員・53)は、「強制連行の実態がとても有意義だった。日本と在日が相互信頼関係をつくるには、強制連行を正しく知ることが重要だ。若い人たちにもっともっと足を運んでもらいたい」と強調する。

 教育現場に生かそうと来館する教師も目立つ。「差別される側のことを考えさせられる。子どもを教える立場の人はとくに知っておくべき展示と解説だ」(都内の教員・宮田京子さん)。「厳しい生活のなかでも、民族の誇りを忘れず、祖先への行事を行っていたことに驚いた」(都内の小学校教諭・亀ヶ谷眞百合さん)。

 日本人は在日史や韓日関係史への興味を触発されずにはおかないようだ。「戦中の同化強要から戦後は一変して排除する経過があったことに驚いた」と語る春日部市の島本彩加さん(大学生・20)も、「土曜セミナーや文化的な交流会にも参加する」という一人。「3・1独立運動の前に東京で2・8運動があったことを知らなかった。展示すべてが充実していて、いくら時間があっても足りない。わが国の一員となり、根を下ろしている在日の歴史と現状をもっと知らなければ」と三宅島三宅村の松浦賢治さん(公務員・34)。

 再度来館したいという人、周囲に来館を勧めるという人が予想以上に多い。「前を通りかかって」という坂田佳奈子さん(ヴァイオリニスト・28)は、「全部が印象深かった。日本人として言葉も出てこない。在日の友人から話は聞いてきたが、もっと勉強したい。また、ゆっくりと見るつもり」。

 親に教えられて来たという日本人は、「新聞で在日についての記事を読んでも、関係ないと思ってしまう人は多い。資料館のことを友達に話す。多くの人に知ってもらいたい」。前述の小幡詩子さんも、「私たちにできることは少ないが、同年代の夫婦やその子どもたちに、資料館の存在を知らせて行きたい」と言った。

 相互理解の深化と共生社会実現への決意も、自ずと導き出される。家族写真が強く印象に残った会社員・具志潤子さん(54)は「家族の姿も笑顔も同じなのに、溝をつくる勢力があることが悲しい。従軍慰安婦問題も、自分の妻や娘を考えたらただ頭を下げ、謝ることしかできない。お互いが理解し合い、違いを尊重できる日が実現することを望んでいる」。

 ある日本人大学生は、「歴史は風化する。このような形で残さなければ、いつしか日本のなかで在日の歴史は忘れ去られてしまう。それは日本人にとっても、とても悲しいことだ。日本社会をマイノリティーが住みやすい国にするために、資料館のさらなる発展を願う」と結んだ。

(2007.12.5 民団新聞)

核兵器開発をしているとした報告を修正

2007-12-05 | 投稿・投書・私の意見

 

         イラン核開発

 

     「03年秋以来、中止」

 

米情報機関 ブッシュ政権と異なる分析


 【ワシントン=山崎伸治】米政府は三日、イランの核開発に関する米情報十六機関の見解をまとめた「国家情報評価」(NIE)報告の非機密部分を公表しました。そのなかで同国は二〇〇三年秋以来、核兵器開発を中止していると指摘。断固として核兵器開発を決意しているとした〇五年五月の報告を修正する分析を示しました。


 報告は「国際的な監視と圧力」がイラン政府の決断を導いたと指摘。ホワイトハウスのハドリー国家安全保障担当大統領補佐官は声明で、「イランが核兵器を保有する危険は引き続き非常に深刻な問題だ」と指摘。報告については「この問題が外交的に、武力行使なしに解決できるという期待に根拠を与えている」と強調しました。

 報告はイランが秘密工場を使って兵器用の高濃縮ウランを生産していたと指摘。「こうした活動は、おそらく二〇〇三年秋の計画中止にともなって中断し、少なくとも〇七年半ばまで再開していない」と分析しています。

 「現在核兵器を開発するつもりかどうかは分からない」との見方を示すとともに、核兵器の製造を決断すれば、それを可能とする「科学的、技術的、工業的能力」はあると評価。しかし「兵器用の高濃縮ウランを十分に生産できるようになるのは二〇一〇年から一五年の間」と推測するなど、核兵器の保有にはまだ時間がかかるとの見通しを示しました。

 ブッシュ政権はこの間もイランが核兵器開発を行っていると批判を強めていましたが、今回の報告はそれとは異なる分析を示しています。

 国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長も、イランについて「具体的な核兵器開発計画が進行中であるという、いかなる情報も私は持っていない」(十月二十八日、米CNNテレビとのインタビュー)と述べていただけに、今後のブッシュ政権の対応が注視されます。



真の放送法の改正が 本来は必要

2007-12-05 | 投稿・投書・私の意見
みなさまへ

本日、衆議院総務委員会で「放送法改正案」の審議がされました。
引き続き審議され6日には採決に入る予定といわれています。

 NHK問題京都連絡会事務局は、今回、自民・民主両党が通常国会から
継続審議となっていた「放送法改正案」の修正合意に達したとの報道を受
けて、その内容を検討した結果、下記の「アピール」を全国の7団体と相
談して、12月3日関係各位に FAX送付いたしました。


===================================
                           2007年12月2日
■■原案修正でも放送へ行政が介入する仕組みはなくなっていません■■
   ――私たちはあくまでも放送法「改正」法案の廃案を要求します――

                                    
 NHK問題京都連絡会
 NHK問題を考える大阪の市民の会
 NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ
 東北NHK問題ネット
 日本ジャーナリスト会議
 放送を語る会
 メディアの危機を訴える市民ネットワーク事務局

1.先の通常国会で継続審議となった「放送法等の一部改正」法案が11月
29日から衆議院で審議入りしました。審議開始にあたっては、①民放に対
する行政処分条項を削除する、②NHKのガバナンス強化に関しては、経営委
員会による番組編集への関与を禁止する文言を追加する、③命令放送を「要
請放送」とする点は変更せず、実施にあたって付帯条件を付ける、④認定放
送持株会社への出資上限を原案の「2分の1以下」から、「3分の1未満」に引
き下げる、といった原案修正をすることが前提になっていると伝えられてい
ます。

2.原案と対比すると、上記の修正が改善といえることは確かです。特に、
①によって民放の番組のすべての分野(報道番組やドラマも含む)について、
放送内容が「事実かどうか」、「国民生活に悪影響を及ぼす(おそれがある)
かどうか」を行政が判定するという途方もない行政検閲体制を敷く条項を残
さず削除といいますが、そもそも現行法には存在しないものであり、当然の
ことです。

3.しかし、私たちは上記のような修正が施されたとしても、それを以て今
回の「改正」法案の成立を評価できるものではありません。それは、②や③
のような文言の追加・修正だけでは放送の自主自立を守るのに十分な実効性
があるとは考えられないことに加え、②の修正だけでは私たちが原案につい
て指摘してきた危惧――NHK経営委員会の権限強化の名の下に行政がNHKの業
務運営に間接介入する仕組み――を排除することにならないと考えるからで
す。

 なぜなら、「改正」法案はNHK経営委員の一部を常勤化することに加え、同
委員会の中に新設される監査委員会に、いつでも役職員の職務の執行に関する
事項の報告を求めることができる等の強い権限を与えています。さらに、最
近の経営委員会はこうした法「改正」を先取りするかのように、委員会の本
来の職務であるNHKの重要事項の議決機能、監督機能を手掛けるにとどまらず
、経営計画に関する企画、立案、発議の機能にまで権限を拡大しようとして
います。こうした状況を見るとき、オールマイティに近い権限を一部の経営
委員に与える法「改正」はNHKのガバナンスの強化どころか、責任と権限の混
同によるガバナンスの混乱、弱体化を生む恐れが強いといえます。

 しかも、「改正」法案は監査委員会あるいは経営委員会の職務執行に関わ
る事項を、国会審議を経ないで制定できる総務省令で定めるものとする条項
を随所に盛り込んでいます。これでは、NHKのガバナンスの強化と称して実際
は、一部経営委員への権限の集中と、これら経営委員を通じて行政(総務省)
がNHKへ際限なく介入できる仕組みを導入するものにほかなりません。

4.次に民放に関わる④の修正ですが、これまでの放送行政は放送局への出
資規制である「マスメデイア集中排除原則」を掲げ、言論の多様性、多元性、
地域性の確保をめざしてきました。放送持株会社を解禁するということはこ
の原則を踏みにじり、メデイアの寡占化を促す重大問題なのであって出資比
率云々の問題ではありません。

結び
私たちは、民放かNHKかを問わず、放送制度の整備と放送内容の検証は権力の
意思を介さず、制作現場の自主性を尊重しながら視聴者主権の立場に立って、
政府から独立した行政委員会が担うものとする真の放送法の改正が本来は必
要と考えています。その点で、放送法の民主的改革と逆行する今回の「改正」
法案にはあくまでも反対し、廃案とするよう、関係各位に強く訴えます。
                   
                                                             以上
===================================

NHK問題京都連絡会 事務局 長谷川長昭