日朝協会「京都府連合会」です。韓国・朝鮮との友好を進める、日本人の団体です。1カ月¥500 841-4316福谷気付

 世界の出来事から日本・韓国・朝鮮の未来を見る。
 皆さんの声を生かして活動を進めます。

今後南側の政府が変わっても、南北関係の発展と平和定着、そして朝鮮半島の非核化意志を盛り込んだ南北首脳間の合意が持続できるよう、法的、制度的装置を用意しようとする意味と思われる。

2018-09-11 | 板門店宣言を次々実行

大統領府、11日に板門店宣言批准案を国会に提出

登録:2018-09-07 21:58 修正:2018-09-08 09:42

 
                                 大統領府全景=資料写真//ハンギョレ新聞社

 大統領府は7日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長が4・27板門店(パンムンジョム)南北首脳会談で合意した板門店宣言の国会批准のため、11日に国会に批准同意案を提出する予定と明らかにした。

 キム・ウィギョム大統領府報道官はこの日午後、ブリーフィングで「来週火曜日(11日)の閣僚会議で批准同意案を議決した後、国会に提出する予定」としながら「板門店宣言の履行に必要な費用の補正予算も共に提出することになる」と話した。キム報道官は「韓国政府は批准同意案をできるだけ早く処理し、国民的同意の中で(3回目の)南北首脳会談を推進する意志を当初から持っていた。国会批准同意は、早ければ早いほど良い」と付け加えた。18~20日に平壌で開かれる3回目の首脳会談を控えて、今後南側の政府が変わっても、南北関係の発展と平和定着、そして朝鮮半島の非核化意志を盛り込んだ南北首脳間の合意が持続できるよう、法的、制度的装置を用意しようとする意味と思われる。

 だが、与党の共に民主党が、批准同意案の可決に必要な在籍議員の過半数の議席を確保していないため、大統領府の願い通りに板門店宣言の批准同意案が早く処理される可能性は高くない。自由韓国党など保守野党が、北朝鮮の非核化意志は信じられないという理由で、平壌首脳会談以前の批准同意案処理に反対しているためだ。

 イ・ヤンス自由韓国党院内代弁人はこの日論評で「板門店宣言が国会批准されれば、板門店宣言は国内法的効力を持つことになり、大韓民国と国民に今後対北朝鮮支援にかかる途方もない経済的負担を負わせることになる」とし、「北の核廃棄にともなう韓国の対北朝鮮支援が、再び高度化された大陸間核弾頭ミサイルや核兵器搭載潜水艦になって戻ってくることを防ぐための確実な担保が必要だ」と話した。イ院内代弁人は、ここで言う“担保”とは、文大統領が平壌南北首脳会談で受け取らなければならない北の核リストと徹底した検証プログラムだと明らかにし、事実上平壌会談以前の批准同意案処理に反対した。一方、与党の共に民主党は、自由韓国党の決断だけが残ったとし、立場の切り替えるよう圧迫した。民主党は「朝鮮半島の平和の歩みの出発点であり、国民の72%が圧倒的に支持している『4・27板門店宣言』に対して、今こそ国会も批准同意で国民の意思に応えなければならない時」だと明らかにした。カン・ビョンウォン院内代弁人はこの日ブリーフィングを通じて「民主党、民主平和党、正義党などはすでに志を同じくしており、昨日正しい未来党のキム・グァニョン院内代表も板門店宣言国会批准の必要性を力説した」として、「後は自由韓国党の決断だけが残った」と話した。

 一方、大統領府はこの日、11日後に迫った平壌南北首脳会談の標語と公式名称を確定した。キム・ウィギョム報道官は「標語は“平和、新しい未来”であり、公式名称は“2018南北首脳会談・平壌”」とし「2007年以降11年ぶりに平壌で開かれる南北首脳会談であり、文大統領が秋に平壌訪問の約束を履行するという意味を持つ」と話した。さらに「朝鮮半島の歴史的転換が起きている重要な時期に、南と北が共に新しい未来を開こうという国民の念願をスローガンに込めた」と説明した。

キム・ボヒョプ、キム・ギュナム記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

経済協力の予算(2680億→4290億)は、無償(3093億ウォン)と融資(1197億ウォン)で構成されているが、・・・

2018-08-30 | 板門店宣言を次々実行

統一部、板門店宣言履行のための経済協力・民生協力の予算を大幅に増額

登録:2018-08-29 06:14 修正:2018-08-29 07:17

 
今月8日、南北の山林関係者らが山林病害虫の共同防除に先立ち、金剛山三日浦地区で、松の木の害虫被害を現場調査し、意見を交わしている=統一部提供//ハンギョレ新聞社

 政府が4・27板門店(パンムンジョム)宣言の合意事項の履行に向けた経済協力基盤造成と民生協力支援のための来年度予算を、今年(4990億ウォン)より1.76倍の8803億ウォン(約882億円)に増額編成した。離散家族交流支援予算は今年の120億ウォン(約12億円)より2.8倍増加した336億ウォン(約33億7千万円)、社会文化交流支援は、今年の129億ウォン(約12億9千万円)から1.59倍の205億ウォン(約20億5千万円)を編成した。

 統一部当局者は28日「南北協力基金が今年9624億ウォン(約964億4千円)から1380億ウォン増額され、(3年ぶりに)1兆ウォン台を回復した」として、このように述べた。

 政府が同日公開した統一部の2019年の予算案は1兆3188億ウォン(一般会計2184億ウォン、南北協力基金1兆1004億ウォン)だが、全体の83%が南北協力基金だ。協力基金は、今年に比べて14.3%増額された。表向きの“平凡な”増加幅より内容の変化が注目に値する。

 経済協力の予算(2680億→4290億)は、無償(3093億ウォン)と融資(1197億ウォン)で構成されているが、その中のかなりの部分が板門店宣言に明記された経済協力事業の南北鉄道・道路連結・現代化初期事業に使われる。「経済協力の基盤づくりのための予算」という表現が示唆するように、本格的な事業というよりは設計や監理、資材・装備の購入など「呼び水の性格」(統一部当局者)の予算編成だ。板門店宣言の履行の意志を示しながらも、国連・米国の対北朝鮮制裁の状況も念頭に置いた「折衷的な予算編成」と言える。

 「民生協力支援」予算(2310億→4513億)は、かつての「人道支援」予算に近い。肥料支援予算(20万トン、1323億ウォン)や山林協力、保健医療協力事業予算などがこれに当たる。政府は対北朝鮮の食糧支援予算規模を例年の30万トンから10万トンに大幅に減らした。食糧支援予算が長く執行されていない現実を考慮し、北朝鮮に自然災害が発生した時に備えた緊急救護用の10万トンだけを残した。

 政府は北朝鮮人権財団の運営予算を今年の108億ウォンから(約10億8千万円)8億ウォン(約8千万円)に大幅に減額した。今年6月、財団事務室を閉鎖した事情を反映した調整だ。統一部当局者は「国会で理事会の構成に合意できず、財団の発足が遅れている現実を考慮した」とし、「財団発足の準備のための最小限の予算だけを反映した」と説明した。

イ・ジェフン先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

南北単一チーム、トラゴンボート女子500メートルで金  南北から5人ずつ約20日間にわたり地獄の特訓  北朝鮮選手、最初はドラゴンボートの形も知らず 

2018-08-27 | 板門店宣言を次々実行

ドラゴンボート南北単一チームが金メダル…授賞式場に鳴り響いたアリラン

登録:2018-08-27 06:25 修正:2018-08-27 08:03

[2018アジア競技大会] 
南北単一チーム、トラゴンボート女子500メートルで金 
南北から5人ずつ約20日間にわたり地獄の特訓 
北朝鮮選手、最初はドラゴンボートの形も知らず 
1日10時間練習しすぐに’適応 
国際総合大会で単一チームが初の入賞 
 
東京オリンピックのカヌー単一チーム関連質問に 
北朝鮮選手「私たちはいつでも準備ができている」

南北単一チームの選手らが今月26日(現地時間)、インドネシア・パレンバンのジャカバリン・スポーツシティの漕艇競技場で開かれたカヌーのドラゴンボート女子500メートルの授賞式で、統一旗の掲揚と共に演奏された「アリラン」を歌っている=パレンバン/ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞

 16歳の舵取りリ・ヒャンは「ドラゴンボートがどんなものかも知らなかった」と語った。しかし、共に訓練を初めてから20日にもならない南北単一チームは、16歳の舵取りのリードに従って、最初に決勝ラインを通過した。約20日間の短い訓練で勝ち取った国際総合スポーツ大会史上初の金メダルは、団結すれば強くなる南北選手らの底力を見せてくれた。

 南北カヌー単一チームは26日、インドネシア・パレンバンのジャカバリン・スポーツシティの漕艇・カヌーレガッタコースで開かれた2018アジア競技大会(ジャカルタ・パレンバン)のドラゴンボート女子500メートルで、中国の追撃を振り切って金メダルを獲得した。単一チームは同日、予選と準決勝いずれも全体1位の記録で決勝に進出し、早くも金メダル獲得の期待感を高めた。単一チームは決勝250メートル地点で、中国をわずか0.16秒上回るなど追い込まれたが、最後まで先頭を守りきり、2分24秒788の記録で優勝した。決勝ラインを通過した後、選手たちが一斉に手を上げ、歓声を上げた。第2位の中国とはわずか0.304秒差だった。第3位はタイ(2分26秒904)だった。

 今回のアジア大会で初めて授賞式で「アリラン」が鳴り響き、統一旗が国旗掲揚台の一番高い位置に揚がった。選手たちはアリランを歌いながら、一緒に笑って泣いた。北側のト・ミョンスクは記者会見で、アリランについて「わが民族にとっては別れ歌で、生き別れて暮らせざるを得ないことに胸が痛みます」と話した。

 単一チームは金メダルの秘訣として厳しい訓練を挙げた。ピョン・ウンジョン(20・九里市庁)は「誰でも私たちみたいに訓練したなら、金メダルを獲得できただろう」と堂々と話した。南側のカン・グニョン監督は「私たちが一緒に練習したのは20日ぐらいなのに、本当に歯を食いしばって1日を10日間のように過ごした」とし、「厳しい訓練を耐えてくれた選手たちを誇りに思う」と述べた。代表チームは早朝4時から夕方8時半までウェイトトレーニングと水上訓練など、厳しい訓練を行ってきた。カン・グニョン監督は「最初、どのように訓練すればいいのか話し合ったが、(北朝鮮の)キム・グァンチョル監督が一任してくれた」と感謝の意を示した。

 北側のキム・グァンチョル監督は「当初はメダルを取れるだろうかと心配していたが、韓国に行って、38度、40度を超える猛暑の中でも、北南(選手たち)の士気が非常に高かった」とし、「力はもちろん、志と心を一つにしてオールを漕いでいく力を感じたとき、民族の団結した力を得られるという確信ができた」と明らかにした。キム・グァンチョル監督は金メダル授賞式の後、一緒に団体写真を撮ったり、記者会見場に北の選手たち全員を連れて出席するなど、かなり積極的な姿だった。

南北単一チーム(上)が今月26日(現地時間)、インドネシア・パレンバンのジャカバリン・スポーツシティの漕艇競技場で開かれたドラゴンボート女子500メートル決勝で、1位でゴールした後、歓呼している=パレンバン/ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 単一チームが若いリ・ヒャンに舵取りを任せたのは勝負手だった。舵取りの場合、通常、経験豊富なベテランが務めるが、単一チームは男女の体重差を意識し、リ・ヒャンを選択した。カン・グニョン監督は「若くて、ここでうまく適応できるだろうかと心配していたが、動揺せずよくやってくれた」と話した。リ・ヒャンは「私はドラゴンボートがどんなものか、見たこともなかった」とし、「単一チームが構成されて南に行った時は何とも言えない複雑な心境だった」と語った。彼女は南側の舵取りヒョン・ジェチャン(34・蔚山市庁)が親切に教えてくれたかという質問に「本当に熱く教えてくれた」と答え、爆笑を誘った。

 同日の記者会見は、大会組織委員会はもちろん、海外メディアからの関心も高かった。ある日本人記者の「ドラゴンボートは正式な五輪種目ではないが、2020年東京五輪のカヌーにも単一チームとして出場する意向があるのか」という質問に、南側のヒョン・ジェチャンは「言うまでもなくイエス」と答えており、北側のホ・スチョンも「私たちはいつでも用意ができている」と堂々と答えた。

パレンバン/イ・チャニョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

「元気でね、また会いましょう。お気をつけて、また会いましょう。声が枯れるまで叫びます。元気な姿でまた会いましょう…」。同日午後1時、金剛山ホテル2階宴会場。「再会が全て終わりました」。

2018-08-23 | 板門店宣言を次々実行

「車で40分なのに、死ぬ前に一緒にご飯食べよう」「長生きしてまた会いましょう」

登録:2018-08-23 03:20 修正:2018-08-23 08:19

 
 
92歳の兄は70歳の妹に 
「死ぬ前に私の家でご飯も食べて…」 
三日間ずっと口数少なかった娘の慟哭  
「お母さん、お母さん!どうかお元気で!」

第21回南北離散家族再会1回目の行事最終日の22日午後、金剛山ホテルで北朝鮮の家族が南に離れた家族と別れの挨拶をしながら涙を流している=金剛山/写真共同取材団//ハンギョレ新聞社

 「私が乗って行くバスは8番、8番、8番バスだよ」。兄のシン・ジェチョンさん(92)は「お母さんにそっくり」の北側の妹、クムスンさん(70)に自分が乗るバスの番号を繰り返し伝えた。家族で唯一南側に避難し、生涯寂しく暮らしたシンさんは、妹のクムスンさんへの思いが胸にしみ、毎晩一人で「頑張れクムスン」を歌った。こうやって妹に会い「嬉しくて胸のつかえが取れたのに」、再びお別れだ。

 「互いに往き来できれば、私の家に連れて行って、たくさん食べさせてあげるのに。死ぬ前に私の家に来て、一緒にご飯を食べようよ。車だと(金浦から開城まで)40分で行ける。往来できれば、いっぱい食べさせたいのに…」

 20~22日の2泊3日間、金剛山(クムガンサン)で開かれた第21回南北離散家族再会の1回目の行事が幕を閉じた。南北の離散家族らは22日午前10時から午後1時まで、金剛山ホテルで別れの挨拶をした。

 「元気でね、また会いましょう。お気をつけて、また会いましょう。声が枯れるまで叫びます。元気な姿でまた会いましょう…」。同日午後1時、金剛山ホテル2階宴会場。「再会が全て終わりました」。永遠に来てほしくなかった時間はついに来た。別れの行事3時間がすべて終わったことを知らせる案内放送と共に、南北が皆知っている歌「また会いましょう」が流れた。南と北に離れて暮らす5万6千人の離散家族が会う日は来るだろうか、今回の1回目の行事で会った南北の89家族がまた会える日は訪れるだろうか。

■口数少なかった長女が号泣した

 「お母さん!お母さん!」。3日間ずっと口数が少なくおとなしかった長女が、生き別れた南側の母、ハン・シンジャさん(99)が乗ったバスを激しく手でたたいた。バスの窓が娘の身長より高く、母親の顔が見え隠れしていた。娘は声が枯れるまで叫び、号泣した。「お母さん!どうかお元気で!」。ハンさんと長女キム・キョンシルさん(72)・キョンヨンさん(71)姉妹はバス窓を隔てて「アイゴ―、アイゴー」と叫び続けた。

 南側のチェ・ドンギュさん(84)の北側の姪、パク・チュンファさん(58)は、バスのそばで地団太を踏んでいた。「こんな風に別れなければならないのか!こんなにあきれたことなんてないよ。統一したらこんなことはないじゃないか。なんてことだ!」。南側のコ・ホジュンさん(77)はバスの外で泣いている北側の兄嫁と甥を見かねて、バスから降りてしまった。「アイゴー、どうやって一人で帰れといんだ。お前を残して行かなければならないなんて、後ろ髪を引かれる思いだ」と言いながら、甥を抱きしめて号泣した。「叔父さん、泣かないでください。統一したら、元気な姿でまた会いましょう」。泣かないでと言っていた甥の顔にも涙が流れていた。

 イ・グァンジュさん(93)の北の甥、リ・グァンピルさん(61)は、叔父が乗った5号車の外で、子どものように泣きじゃくっていた。リさんは叔父に手を伸ばして見せた。手のひらにはボールペンで書いた「長生きしてください」と書かれていた。叔父は充血した目を隠そうとサングラスをかけた。南側の89家族197人を乗せた束草(ソクチョ)行きのバスは、午後1時30分に金剛山を後にした。

今月22日午後、高城の金剛山ホテルで開かれたお別れ行事で、キム・ビョンオさん(88)と北側から来た妹のキム・スノクさん(81)が別れを惜しんで涙を流している=金剛山/写真共同取材団//ハンギョレ新聞社

■連絡先交換し「家系図」描いてポケットの中に

 同日、お別れ行事にはほとんどの家族が住所と電話番号を交換した。いつか南北を自由に行き来する日が来たら、電話をかけて訪ねるためだ。私が死んだら子どもでも…家系図と親戚の名前を書いて渡す家族も多かった。南側から父親のトッコ・ランさん(91)と一緒に来た息子のトッコ・ソクさん(55)は北側の従兄妹とともに家系図を描いた。もし、高齢の父親が亡くなったら、息子がこの日描いた家系図を見て北側の家族を訪れるだろう。

 別れの時間が近づいてくると、込み上げる思いのためか、最後の機会なのに互いの顔をまともに見られない家族が少なくなかった。南側の兄キム・ビョンオさん(88)は、北側の妹が再会場に入ってきてテーブルにつくやいなや、天井を見つめた。横に座っていた妹から顔を背け、すすり泣いた。「お兄さん、泣かないで。泣いたらだめよ」。妹が兄の手を取りながら言ったが、兄はそれを聞いていなかった。妹の目も赤くなり、唇がかすかに震えた。兄妹は10分以上も沈黙を守った。「アイゴー…」。ため息だけがその場を包んでいた。

第21回南北離散家族再会の最終日の22日、金剛山ホテルで南側のキム・チュンシクさん(87・右)が北側の妹キム・チュンシルさん(77)と顔を突き合わせたまま別れを惜しんでいる=金剛山/写真共同取材団//ハンギョレ新聞社

 南側の長兄キム・チュンシクさん(80)はチュンシル(77)・チュンニョ(71)姉妹の隣に座って、涙を流していた。戦乱の時も、妹たちを残して南側に避難したが、また兄は一人で南側に帰らなければならない。その兄を見ている姉妹もハンカチで顔を覆った。申し訳ない気持ちで胸がいっぱいになった兄がやっとのことで口を開いた。「また会うためにも、長生きするんだよ」。

金剛山/共同取材団、ノ・ジウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

手をつないで2時間ずっと語り合う  北に置いてきた二人の娘に会った母親は  老病でも娘たちの顔すぐに分かる 

2018-08-21 | 板門店宣言を次々実行

「サンチョル!」生き別れから67年ぶりに母は息子を抱きしめた

登録:2018-08-21 06:09 修正:2018-08-21 07:34

南北離散家族再会の初日 
すでに亡くなった夫の写真に涙 
手をつないで2時間ずっと語り合う 
北に置いてきた二人の娘に会った母親は 
老病でも娘たちの顔すぐに分かる 
「アイゴ」頬ずりしながら嗚咽

20日、金剛山ホテルで開かれた第21回南北離散家族再会行事で、南側のイ・グムソムさん(92)が避難途中で別れた当時4歳だった北側の息子、リ・サンチョルさん(71)と67年ぶりに会って抱きしめている=金剛山/写真共同取材団//ハンギョレ新聞社

 母親は67年前に避難の途中ではぐれた息子をぐっと抱き寄せた。「サンチョル!」数十年間忘れられなかったその名前を、何回も呼んだ。

 20日、金剛山で開かれた第21回離散家族再会事業でイ・グムソムさん(92)は、北側から来た息子のリ・サンチョルさん(71)の顔を撫でながら嗚咽した。彼女は朝鮮戦闘当時、避難途中で夫や4歳の息子とはぐれた。「お父さんです、お母さん」。サンチョルさんが生前の父親の写真を見せながら、こう言った。息子は、南北のように分断された両親の人生を無念に思ったか、涙を堪えられなかった。「子どもは何人いるの?」90代の老母は、これまで胸に納めてきた疑問を速射砲のように次々と吐き出した。2人は手を握り締めて積もる話をしていた。無情な時間が光のように流れた。

 催し初日のこの日、韓国側訪問団89家族197人が金剛山を訪れた。百寿を目前に控えたハン・シンジャさん(99)は、北に残してきた二人の娘、キム・キョンシルさん(72)とキョンヨンさん(71)に会った。北朝鮮から来た二人の姉妹は母が近づいてくると、腰を90度曲げて挨拶してから、涙をこぼした。言葉を詰まらせたハンさんが「アイゴ…」とうめき声を漏らした。戦争当時、ハンさんは生まれたばかりの末娘だけを負ぶって避難した。当時15歳と14歳だった姉妹はそれぞれ叔母の家と実家に預けた。2、3カ月で帰って来られると思っていた。子供たちを孤児にしたという自責の念に、数えきれないほどの眠れない日々を過ごした。老病で耳がよく聞こえなくなってから10年が過ぎており、白内障のせいで目もかすむ。それでも二人の娘の声と顔はすぐに分かった。

第21回離散家族再会行事1回目の初日の20日午後、高城の金剛山面会所で開かれた団体再会で、南側のハム・ソンチャンさん(99)が北朝鮮側から来た弟のハム・ドンチャンさん(79)と抱き合って喜んでいる=金剛山/写真共同取材団//ハンギョレ新聞社

 キム・ヘジャさん(76)は北側から来た弟のキム・ウンハさん(75)と話を始めてから5分後にようやく涙をこぼし始めた。「私の弟に間違いない!」。解放後、キムさんは父親と南に、母親は弟と母方の実家に行っていたが、戦争が起きて生き別れた。弟のウンハさんが亡くなった母親の写真を取り出して見せた。「お母さんに違いない、アイゴー、お父さん!」。キム・ヘジャさんは1983年にKBS(韓国放送)の離散家族捜索生放送をした時も、立て札を持って家族を探そうとしたことがある。「73年ぶりだよ、解放の時に別れたから。ああ、本当に嬉しい。もしかしたら違うかもしれないと心配していたけど、間違いない!」

 「ふろしき包みを背負って学校に通うときに」別れた南側のキム・ビョンオさん(88)と北側の妹キム・スノクさん(81)は、元教師と医師となって再会した。「再会が決まった日からほとんど眠れなかった」と兄は言った。「兄さん、これは私が医大在学当時の写真だよ。私、平壌医大を卒業した女医だよ。平壌で本当に尊敬されて暮らしている。ガスも毎月もらっているし」。妹のスノクさんは65年以上の歳月に追いつこうとするかのように、語り続けた。「妹がこんなに立派になって、本当に光栄に思う。私は30年間高校の先生をして、校長として定年退職してからもう10年だ」。兄妹は互いに顔を見合わせながら笑った。「血筋は隠せない。兄さん、本当に私にそっくり。兄さん、統一したら、どんなにいいか。統一したら、たった1分でもいいから、一緒に住んでから死のう、兄さん」

 兄のチョ・ジョンイルさん(87)は、北側の末弟、チョ・ジョンファンさん(68)を見た途端、涙をこぼした。「越南した家族が再会を申し込んだら、被害が及ぶかもしれないと思って」再会の申請すらとまどっていた彼は、「生死が確認できただけでも嬉しい」と話した。ジョンイルさんが直接名前を付けてあげた、戦争が起こった年に生まれた末弟は、家族写真を取り出した。色あせないようにきっちりコーティングした写真だった。「私と似てるでしょう。私は父にそっくりだよ」。チョさんは写真に見入っていた。

第21回離散家族再会行事1回目の初日の20日午後、高城の金剛山面会所で開かれた団体再会で、南側のチョ・ヒェドさん(86)が北側から来た姉のチョ・スンドさん(89)を見て嗚咽している=金剛山/写真共同取材団//ハンギョレ新聞社

 同日、南北の離散家族らは、写真を見ながら歳月をさかのぼり、年老いた顔から互いに幼い頃の面影を見つけようとしていた。キム・ダリンさん(92)が北側の妹キム・ユドクさん(85)に「年取ったね」と言うと、妹のユドクさんは「兄さんに会いたくてこんなに長く生きてきた」と言いながら涙を浮かべた。「どうしてこんなに年を取ってしまったの。子どもの頃の面影が薄くなった。目が大きかったのに。本当にお母さんによく似ているよ」。ムン・ヒョンスクさん(91)は北側の二人の妹から母親の面影を見た。北側の姉チョ・スンドさんに再会したチョ・ヒェドさん(86)は「美人のお姉さんがこんなに年を取ってしまうなんて。それでもすぐにわかったよ。私にそっくり」と言いながら笑った。「夢か現実が分からない」「嬉しすぎて、足が震える」「娘の結婚式を延期してきた」という家族もいた。

 南側の離散家族たちは同日、朝8時35分にバス20台に分乗して東海線陸路を経て、金剛山に到着した。その後、団体再会と北側主催の歓迎晩餐会に出席した。晩餐会で南側の老いた母親が震える手で箸を付けようとすると、北側の娘が素早く“唐揚げ”を母親の口に入れてあげる場面もあった。兄弟たちは大同江ビールで乾杯していた。21日には「個別再会」が午前10時から午後1時まで、外金剛ホテルで開かれる。

金剛山/共同取材団、ノ・ジウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

決勝で中国を破り、2個目の金メダルを獲得。「お家芸」で実力を発揮した。 男子団体で金メダルを獲得した3人=19日、ジャカルタ(聯合ニュース)

2018-08-20 | 板門店宣言を次々実行

韓国 テコンドーで初の金メダル=ジャカルタ・アジア大会

2018/08/19 19:22

【ジャカルタ聯合ニュース】インドネシアで開かれているジャカルタ・アジア大会は第2日の19日、韓国がテコンドーで今大会初の金メダルを獲得した。カン・ミンソンが今大会から正式種目になったプムセ(型)の男子個人の決勝でイランの選手を8.810―8.730で下し、頂点に立った。

今大会、韓国勢初の金メダルに輝いたカン・ミンソン=19日、ジャカルタ(聯合ニュース)
今大会、韓国勢初の金メダルに輝いたカン・ミンソン=19日、ジャカルタ(聯合ニュース)

 韓国はその後、3人で競うプムセの団体でも男子(ハン・ヨンフン、キム・ソンホ、カン・ワンジン)が決勝で中国を破り、2個目の金メダルを獲得。「お家芸」で実力を発揮した。

 男子団体で金メダルを獲得した3人=19日、ジャカルタ(聯合ニュース)
男子団体で金メダルを獲得した3人=19日、ジャカルタ(聯合ニュース)

sarangni@yna.co.kr


国防部はまず、監視哨を試験的に撤収した後、歴史遺跡や生態調査などと連携し、今後これらを完全撤収する計画だ。

2018-07-26 | 板門店宣言を次々実行

韓国軍、「板門店宣言」履行の一環として非武装地帯の一部兵力を試験的に撤収

登録:2018-07-25 05:44 修正:2018-07-25 08:58

国防部「哨所の兵力・装備の撤収を推進」 
非武装地帯での南北米の遺骨発掘計画も

 
ソン・ヨンム国防長官が今月24日、国会で開かれた国防委員会全体会議で質疑に答えている//ハンギョレ新聞社

 国防部が「4・27板門店(パンムンジョム)宣言」で、南北首脳が合意した内容を忠実に履行するため、非武装地帯(DMZ)内の監視哨の兵力と装備を試験的に撤収する案を推進する。

 国防部は24日、国会で開かれた国防委員会の懸案報告で、「『非武装地帯の平和地帯化』の実質的措置として、非武装地帯内部のGP(監視哨)の兵力と装備を試験的に撤収し、段階的に拡大推進する」内容が盛り込まれた「南北軍事当局会談の今後の推進案」を公開した。南北首脳は、4・27板門店宣言で、「非武装地帯を実質的な平和地帯にしていく」ことで合意した。

 国防部はまず、監視哨を試験的に撤収した後、歴史遺跡や生態調査などと連携し、今後これらを完全撤収する計画だ。国防部は板門店共同警備区域(JSA)の非武装化も推進することにした。国防部は「停戦協定の精神に基づき、警備人員を縮小して、火器調整、自由往来などを復元する方針」だと明らかにした。現在、非武装地帯の南北の監視哨には機関銃などの重火器が持ち込まれているという。

 国防部は、板門店宣言とシンガポール朝米首脳会談の共同声明を同時に履行するため、非武装地帯で南北米共同遺骨捜索を推進するという計画も発表した。必要に応じて、北側地域で行われる朝米間の遺骨発掘に南側が参加する案も検討することにした。朝米首脳は共同声明で、朝鮮戦争当時の戦争捕虜と行方不明者の遺骨発掘およびすでに発掘された遺骨の送還に合意し、今月15~16日の後続会談で、北朝鮮地域で遺体発掘事業を再開することにした。

 国防部はまた、板門店宣言に基づき、西海(黄海)における南北の相互敵対行為を中断し、西海北方限界線(NLL)を基準に平和水域を設定する案を段階的に推進する方針も明らかにした。今後南北漁民たちの利益創出に向け、共同漁労区域を設定する案も推進する計画だ。

ノ・ジウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

朝鮮半島西側の京義線鉄道の南北連結区間(ムン山―開城)と、東部沿岸の東海線鉄道の連結区間(猪津―金剛山)を7月中旬から共同点検することで合意した。

2018-07-19 | 板門店宣言を次々実行

南北鉄道連結 

共同点検の日程「協議中」=韓国統一部

2018/07/18 14:20

【ソウル聯合ニュース】韓国統一部の白泰鉉(ペク・テヒョン)報道官は18日の定例会見で、北朝鮮と今月中旬に進めることで合意した京義線鉄道の南北連結区間の共同点検や病虫害防除地域の現場訪問の具体的な日程に関し、「板門店の連絡チャンネルを利用して南北間で協議中」だと明らかにした。

韓国のムン山と北朝鮮の開城を結ぶ京義線鉄道の線路(資料写真)=(聯合ニュース)
韓国のムン山と北朝鮮の開城を結ぶ京義線鉄道の線路(資料写真)=(聯合ニュース)

 白報道官はこれらの日程が予定通り7月中旬に行われるかとの質問に対し、「(南北首脳会談の)板門店宣言を受けた後続措置が支障なく履行されるように努力するという立場だ」と答え、北朝鮮も同様の認識だとの見解を示した。

 南北は先月26日に行われた鉄道協力に関する分科会議で、朝鮮半島西側の京義線鉄道の南北連結区間(ムン山―開城)と、東部沿岸の東海線鉄道の連結区間(猪津―金剛山)を7月中旬から共同点検することで合意した。また、24日からは京義線の北朝鮮側区間(開城―新義州)について現地共同調査を進めることを決めた。

 また、南北は4日に開かれた山林協力に関する分科会議で、南北境界地域について病害虫の共同防除を進めることを決め、現場訪問を7月中旬に行うことにした。

 ただ、北朝鮮は韓国や米国との事業を進める過程で人手不足に直面していると伝えられ、このような合意日程が多少遅延する可能性もあるとされる。

 白報道官はこのほか、開城工業団地に進出した韓国企業関係者の訪朝申請について、「11日に受け付けた。(承認可否を)関係機関との協議などを通じて検討中だ」と述べた。

 政府内部では、北朝鮮非核化に関して大きな進展がない中、開城工業団地の企業関係者が訪朝するのは時期尚早とする雰囲気だと伝えられた。

 白報道官は、国連安全保障理事会(安保理)が採択した北朝鮮制裁決議で禁輸品目に指定されている北朝鮮産の石炭が昨年韓国に搬入されたことについては、「政府は国連安保理の対北制裁決議が忠実に履行されるよう、国際社会と緊密に協力して必要な外交的努力を傾けてきた」とし、「北の石炭の国内搬入や流通に関しても、国際社会との緊密な協力を通じて関係当局が先に認知し、調査中だと承知している」と述べた。

ynhrm@yna.co.kr


「世界はおそらく重大な変化を目撃することになるだろう」

2018-06-16 | 板門店宣言を次々実行

世紀を超えた朝米対決の清算

「世界は重大な変化を目撃することになる」

シンガポールのセント-サ島で行われた史上初の朝米首脳会談は「ディール(取引)」の場ではなく、長きにわたる朝米対決を清算するための対面となった。

金正恩委員長とトランプ大統領が共同声明に署名した。(朝鮮中央通信)

会談の後に発表された共同声明の核心は、朝米敵対関係の清算と新たな両国関係の樹立を首脳同士で合意したことにある。今後、米国が対決時代の偏見と慣行から抜け出し、関係改善のための信頼構築措置を講じれば、朝鮮も相応した措置をとることになる。

朝米首脳会談で議論された朝鮮半島非核化も同様だ。米国が懸念する朝鮮の核武力は朝米敵対関係の産物であり、米国が朝鮮敵視政策を放棄し核による脅威を終わらせることが、双方の安全を保障し朝鮮半島の非核化を推進するための先決条件となる。

新たな朝米関係樹立を目指す共同声明にトランプ大統領が署名したことは、金正恩委員長に対して第二次世界大戦後、米国の歴代政権下で続いてきた朝鮮への敵視と恐喝、圧殺策動に終止符を打つことを確約したことを意味する。

1945年8月、2発の原爆投下で日本の降伏を早めた米国は、朝鮮半島に残る日本軍の武装解除を口実に38度線を引いた。解放された朝鮮民族は、北と南に引き裂かれた。米国は48年に建国した朝鮮民主主義人民共和国を敵視し、50年に戦争が勃発。その悲劇によって分断が固定化された。米国は、北南の軍事的対立を煽り、親米独裁政権を通じて南を支配した。そして2010年代に入り、核をめぐる朝米対決が激化。第2次朝鮮戦争勃発の危機が高まった。

力の対決で自らが優位にあると考えている限り、米国が侵略と覇権の野望を捨てることはない。朝鮮が米国全土を射程内に収める大陸間弾道ロケットの試射に成功し、国家核武力完成を宣言(17年11月29日)してから半年余りが過ぎた時点で、初の朝米首脳会談が実現した。そして新たな朝米関係の樹立と朝鮮半島の平和体制構築に関する合意がなされた。

全世界に中継された朝米首脳会談には、70余年にわたる朝鮮人民の血のにじむ闘争の歴史がつながっている。世界最大の核保有国である米国と対峙しながら、朝鮮は自主・自立・自衛の路線を貫いてきた。過酷な制裁の中で人民は指導者を信じ、固く結束してあらゆる試練を乗り越えてきた。金正恩委員長は、金日成主席と金正日総書記の偉業を継承し、一心団結した人民に依拠して国家核武力を完成させた。

核戦争の危機をはらんだ朝米対決の終結と両国の新たな関係樹立を宣言したセント-サ会談は、第二次世界大戦後、外交的な波及効果が最も大きい首脳会談として記録されるだろう。ヤルタ会談(1945年ソ連、米国、英国)で議論された戦後の国際秩序は冷戦構造となり、マルタ会談(1989年ソ連、米国)でその終結が宣言されたというが、冷戦後も朝鮮半島の分断対決構造は続いた。国際舞台では「唯一の超大国」を自任する米国の横暴な振る舞いによって、多くの国々が自主権と生存権、発展権を踏みにじられてきた。

金正恩委員長とトランプ大統領が共同声明に署名し握手を交わしたことで、米国の朝鮮半島介入による東北アジアでの軍事的プレゼンスとそれに基づく世界支配戦略は瓦解し、新たな潮流が胎動した。分断と戦争の元凶が絶たれたことで、板門店宣言を発表した北南朝鮮は統一に向けさらに前進し、大国の利害関係が交差する東北アジアに新たな秩序が生まれるだろう。70余年にわたる激戦の末、米国の覇権秩序を崩し、米国の核戦争威嚇の完全除去を実現する朝鮮半島非核化の里程標を打ちたてた朝鮮は「核なき世界」、「世界の自主化」を掲げ、積極果敢な全方位外交を展開していくと予想される。

「世界はおそらく重大な変化を目撃することになるだろう」

共同声明に署名した金正恩委員長は自信に満ちた声で述べた。最高指導者の決意と覚悟が込められた言葉であった。

(金志永)


6時間にわたる調整後に合意文を発表  北側、韓米合同演習の中止問題も取り上げ

2018-06-15 | 板門店宣言を次々実行

南北、東海・西海地区の軍通信線の復旧などに合意

登録:2018-06-15 05:36 修正:2018-06-15 07:12

第8回南北将官級会談 
「平和水域の設定や板門店の非武装化など 
緊張緩和と戦争危険の解消について真剣に協議」 
冒頭は和気あいあいだったが、いくつかの争点めぐり難航 
6時間にわたる調整後に合意文を発表 
北側、韓米合同演習の中止問題も取り上げ

アン・イクサン北側首席代表が今月14日午前、京畿道坡州市の板門店北側地域にある統一閣で開かれた南北将官級会談で、2007年に盧武鉉元大統領が植えた松の木の写真を南側代表団に見せている=板門店/ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 南北軍当局は14日、板門店(パンムンジョム)で第8回南北将官級会談を開き、東海・西海地区の軍通信線の復旧などに合意した。しかし、南北は、次回の協議日程も決めることができなかった。いくつかの争点をめぐる隔たりを埋められなかったという。

 南北会談代表団は同日午前、板門店の北側地域の統一閣で会談を終えた後、共同報道文を発表し、「双方は西海(黄海)海上での衝突防止のため行った2004年6月4日の南北将官級軍事会談の合意を徹底的に履行し、東海・西海地区の軍通信線を完全に復旧する問題について相互合意した」と明らかにした。

 「2004年6月4日の合意」とは、第2回南北将官級会談で合意された「西海海上での偶発的衝突の防止および軍事境界線地域での宣伝活動の中止、宣伝手段の除去に関する合意書」(6・4合意)を指す。6・4合意には西海上の衝突防止に向けた取組みとして、船舶共通通信システム(国際VHF)を利用した南北艦艇間通信の実施や旗旒信号・発光信号の規定制定と活用、西海通信連絡事務所の設置などが盛り込まれている。また、第3国の違法操業船舶に対する情報交換も規定し、西海北方限界線(NLL)付近での中国漁船の操業を取り締まるための協力の根拠も設けている。西海海上での偶発衝突の防止のために既存合意を再確認したわけだ。しかし、当初4・27板門店宣言で合意した「西海北方限界線一帯の平和水域化」には及ばなかった。

 現在稼動されていない軍通信線の復旧も偶発衝突の防止および信頼構築の措置と評価されている。坡州市(パジュシ)の都羅山(トラサン)南北出入事務所(CIQ)に設置された西海地区軍通信線は、当初銅線3回線で運用され、2010年1月に光通信の3回線が増設されたが、現在は銅通信線1回線だけがまともに作動していることが確認された。東海地区の軍通信線も江原道高城(コソン)南北出入事務所に3回線が設置されたが、2010年11月の大型山火事で焼失した状態だ。軍当局者は「東・西海地区の軍通信線を復旧するためには、線を新たに設置する案を検討しなければならないだろう」と話した。

 しかし、他の争点については合意に達しなかった。南北は共同報道文で「双方は、朝鮮半島で軍事的緊張状態を緩和し、戦争の危険を実質的に解消するのに必要な事項を真剣に協議した」とし、「一切の敵対行為を中止する問題や西海北方限界線一帯を平和水域にする問題、南北交流協力や往来、接触について軍事的保障対策を樹立する問題、板門店共同警備区域を試験的に非武装化する問題などについて、十分な意見を交換した」と明らかにした。しかし、追加合意事項を共同報道文に盛り込むことはできなかった。文在寅(ムン・ジェイン)大統領が最近取り上げた共同遺骨発掘問題と南北国防長官会談の開催問題も、合意に至らなかった。南側首席代表のキム・ドギュン国防部対北朝鮮政策官(陸軍少将)はこれについて、「まず将官級会談を通じて、板門店宣言で合意した軍事分野を優先することにした。その合意が調整された後に、国防長官会談を行う方が良いと思う」と述べた。さらに、南北は次の将官級会談の日程も決めることができなかった。キム政策官は同日の会談終結発言で「6~7月中に将官級会談、または軍事実務会談を再び開き、より深化した結果を持って成果を導き出すことを期待する」として、残念な気持ちを滲ませた。

 同日の会談では、北側代表団が韓米合同演習の中止問題も取り上げたという。軍当局者は「北側代表団が『板門店宣言の履行として、韓米合同演習を中止すべき』と要求し、これに対して南側は『相互信頼の構築を通じてそのような懸念を解消できる韓米間の協議が進められている』と答弁した」と話した。

 今回の将官級会談は、最近二回の南北首脳会談の合意によるものだ。南北間の軍事問題を議論するために構成された南北将官級会談が開かれたのは、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代の2007年12月以来10年6カ月ぶりだ。今回の会談に参加した南側代表団は、キム政策官を含め、チョ・ヨングン国防部北朝鮮政策課長(陸軍大佐)、アン・サンミン合同参謀本部海上作戦課長(海軍大佐)、ファン・ジョンジュ統一部会談1課長、パク・スンギ大統領府安保室行政官など5人だ。北側代表団は、首席代表のアン・イクサン陸軍中将を始め、オム・チャンナム陸軍大佐、キム・ドンイル陸軍大佐、オ・ミョンチョル海軍大佐、キム・グァンヒョプ陸軍中佐の5人だ。

板門店/共同取材団、パク・ビョンス先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

 13日午後、韓国に到着したポンペオ長官は、6・12会談がもたらした新たな米朝関係の樹立に向けた歴史的機会を強調し、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長に対する“信頼”を示した。

2018-06-15 | 板門店宣言を次々実行

[ニュース分析]米国、金委員長への信頼示し「非核化のタイムテーブル」を提示

登録:2018-06-15 07:45 修正:2018-06-15 08:13

ポンペオ米国務長官の1泊2日間の目まぐるしい訪韓・訪中日程 
 
非核化を圧迫するだけの従来の態度とは180度変わり  
トランプ大統領の最初の任期内の終了を示唆  
「朝米関係の歴史的転換点」との意味付けも  
午後には、習主席を表敬訪問し後続措置を協議  
訪日見送り日本の外相が訪韓

 
マイク・ポンペオ米国務長官(右から)、カン・ギョンファ外交部長官、河野太郎日本外相が14日午前、ソウル鍾路区の外交部庁舎で韓米日外相共同記者会見を行っている=イ・ジョングン記者//ハンギョレ新聞社

 「6・12シンガポール朝米首脳会談」(6・12会談)の結果を共有し、朝米合意の履行に必要な関連国協力案を協議するため、北東アジアを訪れたマイク・ポンペオ米国務長官は14日一日中、慌ただく動きを見せた。6・12会談以降の米国の戦略と行動は、ドナルド・トランプ大統領の「最側近」と呼ばれるポンペオ長官の“言葉”だけでなく、”動線”を合わせてチェックすることで、はっきりと浮かび上がってくる。

 13日午後、韓国に到着したポンペオ長官は、6・12会談がもたらした新たな米朝関係の樹立に向けた歴史的機会を強調し、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長に対する“信頼”を示した。さらに、米国が、設定した「非核化の期限」を提示した。朝米関係の再設定に向けた意志を明らかにすると共に、北朝鮮への信頼の強調し、迅速な非核化を求めているわけだ。非核化だけに圧迫していた以前とは180度変わった態度だ。6・12会談がもたらした新しい対北朝鮮戦略だ。

 例えば、ポンペオ長官は14日、韓米日外相会談後の記者会見で、6・12会談が「両国関係を根本的に再設定した巨大なチャンス」であり、「歴史的に朝米関係における大きな転換点」だと大きな意味を付与した。彼はこれに先立ち、「(北朝鮮と交渉した)全てのことが最終文書(共同声明)に盛り込まれているわけではない」とし、「2年半以内に“重大な非核化”が達成されることを望んでいる。そのことが実現されることを楽観視している」(13日午後、ソウルヒルトンホテルでの米国記者懇談会)とし、2020年までのトランプ大統領の第一期任期が終了する前に、北朝鮮の非核化を事実上終了することを目指しており、北側とまだ公開していない多くの話をしたという意味だ。

 さらに、14日午前に行われた韓米日外相共同会見で「金正恩委員長が非核化を期限が迫っていることを認識しており、非核化を速やかに履行すべきということを理解していると、我々は信じている」と強調した。ただし、一方的要求ではない。彼は「我々は完全に国際社会の一人となった北朝鮮の姿を描いており、金委員長はシンガポールで、このようなビジョンを共有することを示唆した」としたうえで、「金委員長がこれを実現するため、次の段階(非核化)措置を取ることを期待する」と述べた。さらに、「米国は歴史の新たなペ―ジを開く準備ができている」と強調した。「6・12シンガポールの共同声明」に明示された「相互信頼の構築が後押しする非核化」という文言の精神に充実しのた言及だ。

 ポンペオ長官は13日の懇談会で、トランプ大統領が言及した「韓米合同軍事演習の中止」と関連し、「大統領の意図は、北朝鮮の非核化と関連し、生産的な対話をする機会を得ること」だと説明した。北朝鮮の非核化を促進する米国側の“信頼構築の措置”ということだ。しかし、彼は14日、韓米日外相会見ではこの問題に触れなかった。韓国の保守勢力を刺激しないやり方で「朝米交渉中の韓米合同軍事演習の中止」方針を既成事実化し、文在寅(ムン・ジェイン)政権を後押しするための行動と見られる。

 ポンペイ五長官の動線も重要な分析対象だ。彼は、シンガポールから韓国に直行した。13~14日の二日間にわたり文在寅大統領を表敬訪問し、韓米外交長官会談と韓米日外相会談を相次いで行った。14日午後には北京に到着し、習近平国家主席を表敬訪問したのに続き、楊潔チ外事工作委員会弁公室主任兼政治局員と王毅外交部長と面会した。

 しかし、自ら「鉄のごとく強固な同盟関係」と描写した日本には立ち寄らなかった。日本は“枝葉”だ。河野太郎日本外相がポンペオ長官に会うため韓国を訪れた。詳しい外交消息筋は「3カ国外相会談は日本側の執拗な要請によって実現されたもの」だとし、「同会議の隠された目的は、日本の反発を抑制することにある」と指摘した。

 実際、河野外相は会見で「北朝鮮が非核化の約束を履行するのが重要だ」とし、「米国がまだ体制保証措置を行っていない点に注目」しており、「日米安保公約と在日米軍には変化がないだろう」として、韓米外相とは温度差が感じられる発言を行った。今年に入り、対決と軋轢から和解と平和に向けて急速に進んでいる朝鮮半島情勢とはかけ離れた日本のこのような時代錯誤的な行動は、朝鮮半島における冷戦構造の解体過程でもう一つの悩みの種となっている。

イ・ジェフン先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

金委員長との会談後、トランプ大統領は「われわれはまた会う。何回も会うことになると思う」と述べ、金委員長との会談を複数回行うことを示唆した。

2018-06-14 | 板門店宣言を次々実行

正恩氏をホワイトハウスに招待へ 「何回も会う」=トランプ氏

2018/06/12 15:47

【シンガポール聯合ニュース】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)とトランプ米大統領は12日、シンガポール南部セントーサ島のカペラホテルで初の首脳会談を行い、合意文書に署名した。トランプ大統領は署名式後、金委員長をホワイトハウスに招待するか記者団に問われ、「間違いなくそうする」と答えた。

昼食会後、ホテルで散歩する金委員長(右)とトランプ大統領=12日、シンガポール(AFP=聯合ニュース)
昼食会後、ホテルで散歩する金委員長(右)とトランプ大統領=12日、シンガポール(AFP=聯合ニュース)

 トランプ大統領は7日(米東部時間)、ホワイトハウスで安倍晋三首相との会談後に開いた会見で、朝米(米朝)首脳会談が成功する場合、金委員長を米国に招待する考えを示していた。

 金委員長との会談後、トランプ大統領は「われわれはまた会う。何回も会うことになると思う」と述べ、金委員長との会談を複数回行うことを示唆した。

kimchiboxs@yna.co.kr


議席の大幅増により昨年5月に誕生した政権の国政運営がスムーズになることが見込まれる。格差解消や若者の失業問題などの課題や融和的な対北朝鮮政策を進める上で追い風になりそうだ。

2018-06-14 | 板門店宣言を次々実行

韓国統一地方選・国会議員補選で与党圧勝 文政権に追い風

2018/06/14 01:43

【ソウル聯合ニュース】韓国の統一地方選と国会議員の再・補欠選が13日実施され、与党「共に民主党」が圧勝した。今回は文在寅(ムン・ジェイン)政権下で初めての全国規模となる選挙。南北融和などを進める政権が国民の信任を受けたことになり、文大統領にとって政局運営などで追い風となるとみられる。

広域自治体首長選の候補者に「当選」の札をつける「共に民主党」の秋美愛代表=13日、ソウル(聯合ニュース)
広域自治体首長選の候補者に「当選」の札をつける「共に民主党」の秋美愛代表=13日、ソウル(聯合ニュース)

 即日開票された選挙は14日午前0時半現在、共に民主党が広域自治体17カ所の首長選のうち、ソウル市や隣接する京畿道など14か所で当選を確実としたか当選が有力視される。再・補欠選でも12選挙区のうち、与党が10議席以上を占める勢い。与党は今回の選挙後も国会で単独過半数に達しない見通しだが、議席の大幅増により昨年5月に誕生した政権の国政運営がスムーズになることが見込まれる。格差解消や若者の失業問題などの課題や融和的な対北朝鮮政策を進める上で追い風になりそうだ。

 同党の秋美愛(チュ・ミエ)代表は勝利宣言で「今日の勝利は国民みなさんの勝利。政権与党として、しっかりと課題に取り組む」と語った。

 一方、朴槿恵(パク・クネ)前政権の与党だった保守系最大野党「自由韓国党」の洪準杓(ホン・ジュンピョ)代表は大敗の責任を取って14日にも辞任する。洪氏の関係者が聯合ニュースに伝えた。今年の2度の南北首脳会談や選挙前日の朝米(米朝)首脳会談を受けての南北融和ムードの高まりが北朝鮮に厳しい姿勢の同党にとって逆風になった。

sarangni@yna.co.kr


朝鮮半島の隣国及び重要な関係国として、中国側は関係各国と共に、朝鮮半島の非核化及び長期安定・平和の実現推進に引き続き尽力したい。各国は朝鮮半島情勢の前向きな勢いを大切にすべきだ。(編集NA)

2018-06-13 | 板門店宣言を次々実行

朝鮮半島の前向きな勢いを大切に

人民網日本語版 2018年06月13日10:47
 

米国のトランプ大統領と朝鮮の金正恩国務委員会委員長が12日にシンガポールで会談し、共同声明を発表した。共同声明で米朝双方は新たな関係の構築、朝鮮半島における恒久的で安定した平和メカニズムの構築を約束。米側は「朝鮮に安全の保証を与えること」を約束し、朝鮮側は「朝鮮半島の完全非核化への確固として揺るぎのない約束」を再確認した。双方は共同声明を速やかに実行に移すことでも合意した。トランプ大統領は記者会見で、米韓合同軍事演習の停止を検討すると表明した。今回の会談で得られた前向きな成果は、朝鮮半島の非核化及び平和・安定にとっても具体的メリットがある。(文:賈秀東・中国国際問題研究院特別招聘研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)

今回の共同声明における、二国間関係、平和メカニズム、非核化に関する文言は、2005年9月19日の第4回6カ国協議共同声明の範疇を超えるものではない。6カ国協議共同声明で各国は、平和的方法による朝鮮半島の検証可能な非核化の実現を再確認した。朝鮮側は全ての核兵器及び核計画の放棄を約束した。米側は、朝鮮半島において核兵器を有しないこと、朝鮮に対して核兵器または通常兵器による攻撃または侵略を行う意図を有しないこと等々を確認した。

両者を比較すると感慨に堪えない。朝鮮半島において歴史は10年余りの曲折を経て再び原点に戻ったようだ。1994年の米朝枠組み合意も振り返ってみると、その後20年余りの朝鮮半島問題における様々な波瀾は決して人々が望んだものではなかったが、確かに発生しまったものだ。これには少なくとも4つの啓示がある。

(1)朝鮮半島問題は流れに逆らって舟を進めるようなもので、進まなければ押し戻されてしまう。10数年間、朝鮮は核実験とミサイル実験を立て続けに実施し、米韓は大規模な合同軍事演習を絶えず実施し、緊張は交互にエスカレートし、悪循環が起き、事実上共に安全上の窮地に陥り、本来自らをより安全にしようとしたものが、かえってより安全でなくしてしまった。

(2)米朝はこれまで互いに信頼しておらず、共通認識も合意も基礎が脆弱で、わずかな異変が生じただけで頓挫する可能性があった。どちらか一方の合意履行が不完全で、断固たるものでなかったり、想定外の問題が生じれば、各国の長年の努力が水泡に帰す可能性があった。米側の政権交代、各政治勢力の駆引きや妨害も、往々にして合意の実施にトラブルをもたらした。朝鮮半島問題の解決には、信頼醸成措置と揺るぎない政治意志が必要不可欠であることは明らかだ。

(3)6カ国協議声明の確立した原則、理念、道筋は時代遅れではなく、今なお現実的指導意義を持つ。例えば、対話と協議を通じた各国の懸念の均衡ある解決の堅持、同時的かつ対等で、足並みを揃えた、段階的な合意の実行の堅持、約束対約束、行動対行動の原則の堅持などだ。これは各国の受け入れやすさに配慮するうえで助けになる。今もなお、米朝などの安全上の懸念を同時的、段階的に解決することが最も実行可能な策だ。

(4)中国側の「相互停止」提案と「デュアル・トラック」アプローチは確実で実行可能なものだ。現在の情勢の推移はまさに「デュアル・トラック」アプローチに沿って前進している。国連安保理の対朝制裁については、制裁の停止または解除を含め、必要に応じた調整が完全に可能だ。制裁自体が目的ではなく、安保理の行動は現在の外交対話及び朝鮮半島非核化の努力を支持し、これに歩調を合わせ、政治的解決プロセスを後押しするものであるべきだからだ。

今回の朝米首脳会談及びその成果は、朝鮮半島の非核化及び平和プロセスを推進する正しく重要な一歩だ。朝鮮半島の隣国及び重要な関係国として、中国側は関係各国と共に、朝鮮半島の非核化及び長期安定・平和の実現推進に引き続き尽力したい。各国は朝鮮半島情勢の前向きな勢いを大切にすべきだ。(編集NA)

「人民網日本語版」2018年6月13日


各種世論調査の結果では一部地域で浮動票が40%以上に達しており、政界ではこの浮動票の行方が投票率と選挙結果を左右するとみている。

2018-06-13 | 板門店宣言を次々実行

韓国統一地方選きょう投開票 午後10時半ごろ大勢判明

2018/06/13 05:00

【ソウル聯合ニュース】韓国の統一地方選と国会議員の再・補欠選の投票が13日午前6時から全国1万4134カ所の投票所で一斉に行われる。投票時間は午前6時から午後6時まで。

世宗市の投票所=(聯合ニュース)
世宗市の投票所=(聯合ニュース)

 投票締め切り後に即日開票し、早ければ午後10時半ごろに大勢が判明する見通し。ただ、一部の接戦区では当選者の確定が14日未明までずれ込みそうだ。

 今回の統一地方選ではソウル市長など広域自治体首長17人、教育監(教育委員会に相当する教育庁のトップ)17人、区長など基礎自治体首長226人、市・道議会議員の広域議員824人、区議会議員など基礎議員2927人、教育議員(済州道)5人の計4016人が選出される。国会議員の再・補欠選はソウル(2選挙区)や釜山、全羅南道などの12選挙区で行われる。

 統一地方選の投票率は1995年の第1回選挙(68.4%)以降、60%を超えたことがないが、今回の期日前投票では、全国規模の選挙では過去2番目に高い20.14%の投票率を記録していることから、最終投票率が60%を超えるかに関心が集まっている。

 各種世論調査の結果では一部地域で浮動票が40%以上に達しており、政界ではこの浮動票の行方が投票率と選挙結果を左右するとみている。

 4年に1度の統一地方選は昨年5月の文在寅(ムン・ジェイン)政権発足後、初めて実施される全国規模の選挙で、文政権の信任を問うものでもある。与党「共に民主党」は世論調査などを根拠に圧倒的な勝利を確信しており、最大野党「自由韓国党」は保守層の結集を背景に「終盤の逆転」に自信をみせている。 

yugiri@yna.co.kr