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文在寅政権は関係国の利害関係に巻き込まれ不本意な選択を迫られる前に、北南関係改善の起点をつくらなければならない。

2017-05-31 | 文 在寅 韓国大統領情報

キャンドル大統領の課題/激動する世界で(中)

情勢変化を見据えた北南関係の転換/首脳合意、忠実な継承と大胆な実践

南で新大統領が就任した日、開城工業地区に入居する企業の団体が声明を発表した。工業地区の閉鎖によって財産権を失った企業の関係者たちは、新大統領が「朝鮮半島の平和経済の出発点」となる工業地区再開のための措置をとるよう求めた。

経済協力事業の再開

北南首脳合意を否定した李明博、朴槿恵政権が同族対決の論理で中断した金剛山観光、開城工業地区などの対北事業が文在寅政権下で再開されるという期待感が高い。民族共同の利益を図る協力事業の推進は、破局に瀕した北南関係を修復し、関係改善の流れをつくる糸口になり得る。

米国発の「4月危機」説とそれに対する日本、中国、ロシアの反応が示すように、大国は朝鮮半島をめぐる本格的なパワーゲームに突入している。熾烈な角逐戦が繰り広げられる外交舞台で南が自己主張を貫くためのポジションを確保する上で重要な基盤となるのが、北南関係の改善だ。

文在寅政権は関係国の利害関係に巻き込まれ不本意な選択を迫られる前に、北南関係改善の起点をつくらなければならない。

北南合意にもとづく協力事業を他国の許可を受けて推進しなければならない理由はない。トランプ大統領は対朝鮮圧迫の必要性を強調し、北南対話は、「適切な状況下」で行われるべきだと釘をさしているが、反論の余地はいくらでもある。制裁や封鎖だけでは核、ミサイル問題を解決できないことが現実によって証明されている。例えばロシアは、国連安保理制裁に賛同しながらも、朝鮮と共同で国際観光船「万景峰」号を運営するなど、軍事的懸案と経済協力の分離アプローチの実例を示している。

どんな外圧にも揺らぎことなく、民族共同事業を推進していく志と勇気の源は、北南合意の精神への信念だ。文在寅政権は、何よりも自主統一と平和繁栄のパートナーである北の意志を正しく理解し、現実的な北南共助の方法を確立する必要がある。

朝鮮労働党第7回大会(2016年5月)は、金日成主席、金正日総書記が示した主体的な統一路線を堅持する立場を表明し、∇民族自主∇民族大団結∇平和保障∇連邦制の実現を統一の道を開くための方策として提示した。 金正恩時代の朝鮮が7.4共同声明と6.15共同宣言、10.4宣言に明記された北南合意事項の意義を朝米対決の総決算を見据える新たな時代の文脈の中で再定義したといえる。

朝鮮半島情勢の激変が予想される中、文在寅政権が外勢の不当な圧力と干渉を排し、北との共同歩調で古い対決構図を解消していこうとするのなら、パートナーが先に表明した「4つの方策」が、政策の立案と推進において必要不可欠な指針となる。

民族共同行事の実現

金大中、盧武鉉政権時代の北南合意が保守勢力の執権によって覆された経験を繰り返してはならない。それが腐敗した政権を退陣させキャンドル民心の要求だ。

南の統一運動団体は民族共同行事の開催に向けた準備を進めている。(写真は2005年、平壌で行われた民族統一大祝典)

文在寅政権の課題は、任期中に後戻りしない北南関係発展の礎を築くことだ。そのためには北南合意履行を保証する法制度を整備し、これに反する悪法と慣習をなくしていかなければならない。

大胆な改革の断行は、絶大なる世論の支持を前提とする。政権交代以降も保守勢力の逆襲が予想されるだけに、文在寅政権が北南関係改善を目指すなら、南の各階層が北南合意の精神に賛同し、協力交流と統一運動の主人公になれるような環境づくりが重要になる。

文在寅政権は対北政策に対する社会的コンセンサスを広げていくことを主張し、「国民とともに進める民生統一」を提唱している。民衆の力を信じ、民衆の総意に従うならば、北南当局間の対話が行われる前でも、「北南合意実践の大衆化」を実現できる。

民族レベルでは、すでに北、南、海外の政党、団体、個人が参加する「全民族的な統一大会合」の構想がある。昨年、北側は、政府当局関係者を含めた南の各階層に、「会合」実現を訴える手紙を送っている。

民間統一運動では、今年の6月15日から10月4日までを北南宣言発表記念期間と定め、民族共同の記念日である6月15日、7月4日、8月15日、10月4日に平壌、ソウルをはじめとする北側、南側の地域で民族共同行事を開催するための準備が進められている。

文在寅大統領は、盧武鉉政権当時、青瓦台秘書室長として第2回北南首脳会談の準備を統括した経験を持つ。彼が6.15共同宣言と10.4宣言の「正統な継承者」を自任するなら、すべての民族構成員を祖国統一の主人公とすることに、誰よりも積極的であるべきだ。当面は、保守政権下で中断された民族共同行事を再開しようとする動きに対するサポートの度合いが「継承者」の意志を測る試金石となる。

分断積弊の清算

北南首脳合意の「産児」として、保守政権下でも統一運動の命脈をつないできた6.15共同宣言実践南側委員会は、「積弊清算の中で最も重要なのが分断積弊」と主張し、キャンドル革命によって生まれた大統領が、反統一勢力の執権下で蓄積した悪弊を一掃することを訴えている。

国家保安法の撤廃など長年の課題以外にも、キャンドル大統領が早急に着手すべき課題がある。李明博、朴槿恵政権の9年間だけを見ても、米国と共謀して「北の仕業」と断定した「天安」号沈没事件、中国の朝鮮レストランで働いていた女性従業員の集団誘引拉致事件など権力維持のための反北謀略劇、反人倫的蛮行があった。

キャンドル大統領は自主統一に向けた着実な歩みを続ける一方、反北扇動に利用された事件の真相を究明することで、祖国分断を統治基盤とした腐敗権力の正体を暴いていくべきだ。分断積弊の清算によって、同族対決を排し、北南和解を目指す幅広い世論が形成されれば、文在寅政権は、大胆かつ果敢な対北政策を進める大きな原動力を得ることができる。

(金志永)


6月18日に行われる「女性同盟結成70周年記念ドッジボール大会&焼肉交流会」

2017-05-30 | 朝鮮総聯京都のみなさん

「子どもはオモニの背中を見て育つ」/京都で民族教育セミナー

108人が参加したセミナーの様子

女性同盟京都府本部と朝鮮学校オモニ会京都府連絡会が共催する「ウリオモニ民族教育セミナー」が5月13日、京都初級多目的室と京都朝鮮会館で午前と午後にかけて行われ、108人が参加した。

セミナーに先立ち、今年が教育援助費と奨学金が祖国から送られてきてから60年の節目の年であるのと関連し、改めて教育援助費と奨学金の意義を知り民族教育発展のために共に頑張ろうという気持ちを込めて、京都朝鮮歌舞団の歌唱指導の下、参加者らは「祖国の愛は温かい(조국의 사랑은 따사로워라)」を歌った。

つづいて「ウリハッキョっていいね! ウリハッキョ教育システムの生命力」と題して、朝鮮大学校経営学部の康明逸助教が講演を行った。講師は、朝鮮学校の歴史、朝鮮学校の秘める可能性、朝鮮学校卒業生たちの活躍、そして女性同盟結成70周年の意義について話した。

参加者たちは、「とてもわかりやすく話がすっと入ってきた。90分が短く感じた」「教育援助費と奨学金が在日朝鮮人の生命線である民族教育、ウリハッキョの生命水であることを深く、多角的に学べた。主席とウリナラの確固たる決意、そして同胞の子どもたちに対する深い愛によって、今日の輝かしい姿があると思うと、胸が熱くなる」「自分たちがたたかえば社会が変わる、変えられる、こういう体験や実感を子どもたちにさせてあげたいと感じた。そして、『オモニたちの掲げる正義』を子どもたちは見て育つと講師が指摘したが、本当にそうだと思った」「活躍しているウリハッキョの多くの卒業生を紹介してくれて、勇気、励みになった」「当たり前に思っていた教育援助費と奨学金が日本にいる私たちが人間らしく生きていくための土台になっていたと、認識することができた」「男女平等権法令の内容がすばらしい」「なぜ女性同盟の名称に民主が入っているかわかった」などと感想を述べた。

女性同盟京都府本部は今後「100日運動」において、6月18日に行われる「女性同盟結成70周年記念ドッジボール大会&焼肉交流会」、6月24日の「ウリ分会・ウリ未来サラン運動―女盟分会長・役員会議」を機に女性同盟分会をさらに活性化させる決意に満ちている。

【女性同盟京都】


「韓国の成果は全世界に普遍性を持つ」  「文在寅政権の南北対話への意志は希望的」  「本当によかった。一筋の希望の光」

2017-05-29 | 韓国の政局

[インタビュー]「12・28合意」そのまま進めるのは、韓日両国に逆効果

登録 : 2017.05.27 05:26 修正 : 2017.05.28 18:22

徐京植東京経済大教授

徐京植東京経済大教授は「韓国は大国を代弁する列強の亜流にもなれるが、植民地支配などに蹂躙された東西の中間地帯をはじめとするアジア・アフリカ・ラテンアメリカ(第3世界)の代弁者にもなれる力も持っている」と強調した=東京/ハン・スンドン先任記者//ハンギョレ新聞社

中国の台頭や周辺国の成長に伴う不安感 
過去の歴史に対する忘却と「反日」への被害意識として表出 
韓国憲法裁の決定を「社会が未成熟であるため」と見なす 
「日本社会がここまで堕落したのは初めて」 
 
2020年までに改憲完了を公言した安倍政権 
「順調ではないかもしれないが不可能でもない」 
「韓国の成果は全世界に普遍性を持つ」 
「文在寅政権の南北対話への意志は希望的」 
「本当によかった。一筋の希望の光」

 

 文在寅(ムン・ジェイン)候補の圧勝に終わった韓国の大統領選挙の結果を、徐京植(ソ・ギョンシク)東京経済大教授(66)は歓迎した。大統領選から2日後の今月11日、金浦(キムポ)発東京行きの全日空(ANA)航空機内のNHKニュースは、韓国大統領選挙の関連情報をトップ記事で伝えながら、文在寅政権に「反日」政権という風変わりな字幕を付けた。 徐教授は、右派の安倍晋三政権が高い支持率を維持している日本、自分が「災い」だと言っていたドナルド・トランプ政権の登場、そして彼らと軋轢のある習近平の中国、THAAD(高高度防衛ミサイル)の強行配備でさらにギクシャクしている韓中、南北関係の中で、「韓国の保守右派が再執権したら、どれほど恐ろしい状況が起きただろう」とし、「本当に良かった」と話した。

 

 徐教授も、在外同胞資格で今回の大統領選挙で一票を投じた。「私が投票したのは2012年の韓国大統領選挙の時だった。生まれて初めてだった。韓国の民主化のおかげだ。私たち(在日同胞・在日)はこの60年以上の間、政治的権利を剥奪されたまま生きてきた。韓国では近年定住外国人にも地方選挙の参政権を与えているが、日本はいまだ変わっていない。1990年代末の小渕恵三政権の時に在日に参政権を与える方向で金大中(キム・デジュン)政権とも協議しており、鳩山由紀夫と菅直人の民主党政権時代にも議論はあったが、安倍政権以降はそのような話自体が消えてしまった」

 

■東京の神田書店街を占領した「嫌韓論」

 

 長野県茅野市近くの休養地。2000年から東京経済大学で「人権とマイノリティー」の講義を担当してきた徐教授は、最近は東京から車で3時間ぐらいのこの場所で週末を過ごしている。毎週火・木・土の3日間、一コマ90分の講義5つに加え3年前から芸術論の講義も任されており、執筆などにも追われてきた彼は最近、過労による肩の痛みに悩まされている。

 

 「民主化以降、韓国が在日に小さいながらも門戸を開いていたのが、李明博(イ・ミョンバク)・朴槿恵(パク・クネ)政権がそれをまた閉じてしまった。文在寅政権が再び開いてほしい」。徐教授自身は韓国国籍を取得したが、多数の在日朝鮮籍同胞たちは今、事実上韓国への出入りを拒否されている。朝鮮籍は北朝鮮国籍ではない。

 

 「文在寅政府が南北の緊張を緩和し、金大中・盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の政策を継承してほしい。そうしてこそ、私の後輩世代の在日が道を見いだすことができる。韓国が変わると、在日朝鮮人社会も直接的な影響を受ける。私たちの暮らしは韓国がどの方向に向いていくのかに大きく左右される。金大中・盧武鉉政権が過去の歴史清算や女性の地位向上、環境政策、弱者への配慮、国家保安法廃止(改訂)などを推進したが、李明博・朴槿恵政権の登場とともに未完に終わった」。徐教授は「国定教科書を廃止したのも本当によかった」と喜んだ。

 

 「安倍政権やその政策に対する批判は日本の国家や国民に対する批判とは明らかに異なるのに、なぜそれが反日なのか?」。徐教授は、巨大中国の台頭と周辺国の成長などで日本の従来の存在感が揺らいだことで、不安感が高まり、過去の歴史を忘れて弱者・被害者感情に駆られていることが、「反日」という言葉の流行と密接な関連があると語った。徐教授はまた、今の日本の右派政権が自民党長期政権体制を一時崩した1990年代序盤よりもさらに腐敗したという指摘が多いとし、森友学園をめぐる不正のように、過去には内閣総辞職につながったはずの「国政壟断の不正」があるにもかかわらず、真面に批判するどころか、成果が疑わしいアベノミクスと安倍政権の人気がむしろ高まっている日本の現実について、「不可思議だ」と話した。「反日という言葉一つで批判者たちを黙らせると共に、問題の原因を外部のせいにして内部の団結を図っている。穏健な批判すら『私は反日主義者ではないです』と前置きをしなければならないほど、全体主義的機運が蔓延している。世界が全体主義・ファシズムに立ち向かい勝利してから70年が過ぎたのに、その思想的遺産はどこに消えてしまったのか」

 

 5月13日付の朝日新聞朝刊1面下段の広告欄には「話題沸騰、重版大発刊!『本当は怖い韓国の歴史』」と書かれた本の広告が掲載された。1面の下5段広告欄を本の広告で満たす長い伝統を守ってきた日本の知的・文化的自負心の指標だった朝日新聞さえも「日本人は理解できない、嫉妬と不満に満ちた韓国人の精神性、相次ぐ大統領と巨大財閥の不正のその原因は韓国が歩んできた歴史の中にある」という、人種主義的偏見で武装した刺激的なフレーズをそのまま掲載した。5月14日付の朝日新聞朝刊3面下段の『儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇』(講談社)という5段広告はさらに露骨だ。「公害大国を生んだ中国人の発想、韓国人はなぜノーベル賞を受賞できないのか、世界が非難し始めた中国と韓国」などの偏見と「親日国家を作った日本人の勤勉さ、日本人の道徳規範は武士道」などの幼稚な優越意識を対比させ、「米国人は中国を取引の相手だと思います。しかし、日本人は友人です」という低級なフレーズまで付け加えた。本の著者はケント・ギルバートという米国人。このおかしな本が「11週連続重版、28万部を突破、紀伊國屋書店のベストセラー、日本国内部門1位、書籍組合新書部門ランキング1位」を記録しているという。

 

 「東京の神田書店街で最も大きく権威のある書店である三省堂ビルに、お茶の水方向に向けられた大型広告板があるが、日本の本広告の象徴であるだけでなく、文化的象徴でもあった。数年前からその広告板に嫌韓論本が登場し始め、南京大虐殺を否定する本の広告も掲げられた。今、陳列台に平積みに並べる、最も良く売れる本の多くがそのような部類の本だ。歴史的産物である韓国の特性や固有性を人種的特性と戯画化・固定化し、蔑視・侮辱する低級な本だが、北朝鮮に関する本はもとより韓国に関する本の多くがその類の本だ。あんな本がよく売れるということだ。日本で生まれ、60年以上暮らしてきた私も、日本社会がこれほどまでに低落したのは初めて見る。日本出版界内部でも嘆くほどだ」

 

2000年から東京経済大学で「人権とマイノリティー」科目を講義してきた徐京植教授は、最近は東京から車で3時間ぐらいの長野県茅野市近くの休養地居所で週末を過ごしている=東京/ハン・スンドン先任記者。//ハンギョレ新聞社

■「安倍体制は過去回帰欲望の産物」

 

 日本最大部数を誇る保守系日刊紙の読売新聞は、韓国憲法裁判所の大統領罷免の判決を民主主義の勝利ではなく、ポピュリズム的迎合主義、社会の未成熟のためと分析した。百田尚樹という保守系の作家は、北朝鮮のミサイル発射実験直後、家族が犠牲になった場合、日本国内の敵を殲滅すると公言しており、その書き込みには「いいね」が殺到した。戦争と神風特攻隊を美化したとして議論の中でも500万部近く売れ、漫画・映画としても製作された小説『永遠のゼロ』を書いた百田氏は安倍首相の側近で、文在寅政権を「反日」と規定したNHKの運営委員を歴任した。南京大虐殺は歴史的に根拠のないものと主張する百田氏を名門一橋大学学生会が招待して発言権を与えながら、言論・表現の自由を云々したと、徐教授は嘆いた。「朝鮮人を殺せ」、「朝鮮人女は強姦してもよい」と公言していた右翼在特会(在日特権を許さない市民の会)の規制法が昨年、国会を通過したが、処罰の規定がなく、彼らの横暴は減っていないという。

 

 テロなど重大犯罪を事前に計画するだけでも処罰するテロ対策法案(組織犯罪処罰法改正案、共謀罪法案)も、衆議院を通過した。日帝強制占領期(日本の植民地時代)に独立運動家たちを弾圧する道具だった治安維持法を彷彿とさせる法が施行されれば、カメラを持って観光地を通るだけで逮捕される可能性もあるという。2020年の東京オリンピックまでに改憲作業を完了すると公言した安倍政権の目標達成が「すんなり行かないかもしれないが、不可能でもない」と、今年定年を迎える徐教授は見通した。

 

 徐教授は、慰安婦問題を最終的・不可逆的に解決したという2015年の12・28合意をそのまま進めるのは「長期的に両国共に逆効果をもたらすだろう」と評価した。「被害当事者たちの話を聞かずに行った“合意”は、当事者たちが満足するかどうかにかかわらず、何が正しいか正しくないか、過去日本が犯した過ちの真相をきちんと究明して後世のための教訓にしない限り、最終的解決にはなりえない。完璧ではなくても、ドイツのように基本法を作ってナチズムとの断絶を宣言し、戦犯者らを自発的に処罰すると共に、被害者に謝罪して補償する処置を取らなければならない。それが周辺国と被害者たちに対する最小限の礼儀であり、基本姿勢だ」。ドイツはハーケンクロイツをなくし、イタリアも国旗を変えた。それにもかかわらず、日本は国旗(日の丸)と国歌(君が代)、天皇制をそのまま維持しており、最近は若者たちが日本海軍機の旭日旗をスポーツ競技場に持ってきて、応援の道具として使う退行が続いている。右翼は、日本の戦後高度成長がすべて旧体制の優秀性のおかげだと信じているようで、過去への回帰を追求している。「安倍体制はそのような欲望の産物」だと、徐教授は指摘した。

 

 「20世紀にポーランド、リトアニア、ウクライナなどロシアとドイツの間の中間地帯だけで1500万人の民間人が殺戮された。 伝統と多民族が調和した平和共存を掲げた社会主義的理想はナチスとスターリン体制の暴圧のためにあまりにも簡単に崩壊した。冷戦崩壊後、新自由主義の強風の中で基礎年金体制が破綻し、オリガーキーなど政商の輩が横暴を働く中、自殺率が跳ね上がって多数の大衆の生活は凄惨になった。チェルノブイリ原発事故はそんな希望もないまっ暗闇の時代の象徴だ」。昨年、徐教授が会ったベラルーシのノーベル賞受賞作家のスヴェトラーナ・アレクサンドロヴナ・アレクシエーヴィッチは、その血まみれの日々を直視し、特に女性などマイノリティたちの苦難を如実に描いた。

 

 「それは東アジアに生きる我々の歴史でもあった。19世紀末から経験してきた韓国の歴史がこうだった。欧州の中間地帯のように朝鮮半島を含む東アジア地域も無数の民衆が殺戮されて追放された大陸と海洋勢力の間の中間地帯だ」

 

日本の極右団体会員らが2013年3月、東京のコリアンタウン通りで嫌韓デモを行う姿=資料写真//ハンギョレ新聞社

■「韓国人は激しく闘い素晴らしいものを成し遂げた」

 徐教授は、安倍政権の不吉な右派寄りの行動と米国トランプ右派政権の登場、中国との軋轢、南北対決の拡大などを目撃し、その悲劇が再び繰り返されるかもしれないという予感を持つようになったようだ。「辺見庸の『1937(イクミナ)』からも分かるように、その悲劇の加害者だった日本は今、過去の罪業を知りながらも知らないふりしている。悪意的故意ではないかもしれないが、すべてのことを流れに任せる日本的風土の中で、『戦争ができる日本』に突き進んでいる現実に何の抵抗もない。敗戦を経験しても日本は変わっていない」。安倍政権とも密接にかかわっている日本の右翼の総本山というべき『日本会議』が過去への回帰の先頭に立っている。そうした風土に警鐘を鳴らした少数の知識人さえも1960年代を最後にほとんど姿を消したという。「今そんな事を言うと、頭のおかしい人にされてしまう。日本は、明治時代以来、今まで一度も根本的に国家路線を修正しことがない。いつでも政権交代が起こり得る社会とはまったく異なる世界だ。支配勢力の入れ替えが不可能な社会で変化を嫌う強固な官僚体制と肥大化した既得権層に抵抗することは至難の業だ」

 

 「文在寅の共に民主党が政権を取った韓国が一筋の希望の光である理由がそこにある。韓国人たちは、世の中が驚くほど激しく闘っており、素晴らしいものを自ら成し遂げた。その成果は全世界レベルの普遍性を持っていることを自覚すべきだ。朝鮮民族の歴史的位置も独特だ。 韓国は大国を代弁する列強の亜流にも、植民地支配などに蹂躙された東西の中間地帯をはじめとするアジア・アフリカ・ラテンアメリカ(第3世界)の代弁者にもなれる。それだけの力も持っている」

 

 徐教授は韓国が東アジアで最も開かれた国になることを願った。「世界で様々な人と物資が集まり、それを土台に世界に新しいメッセージを発信する国になってほしい。朝鮮半島安保のためにもそれが有利だ。まず、南北関係を改善しなければならない。文在寅政権の南北対話への意志から希望を見いだした。統一も必ず一つの理念と体制に統合して大国を作る道だけではない。マイノリティーと多様性を殺してしまう反人権的、非人間的な状況を解消することが重要だ。そうしなければいつでも動員され、利用されるはめになる。私たちはもっと賢くなければならない。このディアスポラ的状況を越えるために」

 

 徐教授は26~28日、仁川(インチョン)で開かれるディアスポラ映画祭に出席する。

 

東京/ハン・スンドン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)


今後の韓日関係の見通しは?  軋轢を維持しながら、他に必要な部分の外交を展開する形になると思う。

2017-05-28 | 韓国の政局

[インタビュー]

「韓日間の軋轢は正常な姿…韓国はミドルパワーを発揮すべき」

登録 : 2017.05.26 03:04 修正 : 2017.05.26 08:43

 

李鍾元(イ・ジョンウォン)早稲田大学教授  

「軋轢があるのは正常なことだが、管理が重要 
慰安婦合意、日本は獲得した成果だと思っている 
北朝鮮のミサイルに対する日本政府の過敏反応で社会がパニック同然に 
安倍改憲論は社会に共鳴起こせない 
韓国は地域の安保の枠組み作りに取り組むべき」

李鍾元早稲田大学教授=チョ・ギウォン特派員//ハンギョレ新聞社

 文在寅(ムン・ジェイン)政府発足とともに、韓日関係にも変化の兆しが見える。文大統領の日本特使である共に民主党のムン・ヒサン議員は今月17日、3泊4日の日程で日本を訪問し、安倍晋三首相と面談した。この場でムン特使は、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代のシャトル外交の復活を提案し、安倍首相も共感を示したと明らかにした。しかし、慰安婦問題など、韓日間には様々な難題がある。今月23日、35年間にわたり日本社会を内部から見てきた李鍾元(イ・ジョンウォン)早稲田大学教授(64)に、文在寅政権発足後の韓日関係の見通しについて訊いた。

 

 -文在寅政府発足後、日本にも特使が訪れるなど、関係改善に向けた努力があった。今後の韓日関係の見通しは?

 

 「外交関係は回復するだろうが、摩擦は続くだろう。韓国もツートラック基調だ。シャトル外交も韓国が先に回復を提案したからには、通常の外交は早いうちに回復すると思う。しかし今、逆に、日本の方が強硬だ。以前は日本がツートラックを主に掲げていた。今や日本は慰安婦合意を入り口に置いている。(慰安婦問題と)報復処置を始め、少女像と通貨スワップも関連付けている。ただし、日本も韓国の外交的提案そのものを拒否することは難しい。韓国が先制的に公式訪問するのが困難なら、シャトルも良いアイディアだと思う。必ず東京に来る必要もなく、安倍晋三首相の本拠地である山口県に行ってもいい。軋轢を維持しながら、他に必要な部分の外交を展開する形になると思うが、私はそれが正常な姿だと見ている。

 

 韓日関係には冷戦時代における錯視現象があった。多くの軋轢があったにもかかわらず、一種の友好関係を維持してきた。しかし、今は冷戦時代のような固定的な構造がない。韓日間の理解が重なる部分もあるが、構造的な軋轢は更に増幅するだろう。例えば、中国に対する関係において、韓日(の利害)は一致しない。要は、いかに軋轢を管理するかだ。歴史問題についても以前は目を瞑ったが、今はそういうわけにはいかなくなった。他の国との関係でもそうだ。米国との関係も以前のようにすべてのことが当たり前で、100%一致するようなものではない。違いをどう管理するかの問題だ」

 

 -慰安婦合意の解決策と関連してムン・ヒサン特使は、個人の意見だと前提したうえで、第3の道を掲げた。これを日本に一種の補充的な処置を要求するものと解釈する見方もある。

 

 「韓国が提起しようとするのは、合意そのものに手をつけるというよりも、プラスアルファを言っているようだ。大きな枠組みの中でプラスアルファがあり、そこで追加措置、追加協議など、外交的に様々な言葉を作ることができる。現在(のもの)だけでは足りないという観点から、外交的に形を作っていくものだと思われるが、様々なアイデアがあり得る。慰安婦合意そのものを守るか否かよりは、韓日間の新たな関係に向けて大きな枠組みを考えることもできるだろう。たとえば、1998年(金大中<キム・デジュン>・小渕恵三)の韓日パートナーシップ宣言があったが、その続きがない。しかし、今すぐには、安倍首相や日本の社会世論の動向からして、容易ではないだろう。日本は慰安婦合意を“獲得した成果”だと思っており、これを守るために圧力を加えるのが主流になっている。長期執権を目指す安倍首相は右派に力を入れている。改憲を急に掲げたのも、自分が引き続きやっていけるアジェンダを掲げたのだ。そのような面からしても、外交でも強い姿勢を取れる対象が韓国であり、韓国には譲れない政治的動機が多い。逆にいうと、日本が譲歩をしなければならない政治的・外交的な動機が現在はない。ところで、韓国外交は八方塞がりだ。外交が閉塞した状況では対日外交も力を発揮できない。ただし、北朝鮮の核問題を機に米国との関係を再構築し、中国と協力しながら、朝鮮半島状況も安定させることができれば、日本を外交的に圧迫できる構造を作れるかもしれない。韓国が時間をかけて進めるしかない」

 

 -北朝鮮のミサイル発射に対して日本では過敏反応が多いようだ。

 

 「政権が過敏に反応するから、社会もパニック同然になっている。交換留学生として韓国に行った日本の大学生たちが、保護者たちの懸念のために4月16日に一時帰国したという話を聞いたことがある。日本政府が過敏に反応する理由は、大きく分けて三つだ。第一に、日本全域を射程圏内に収める北朝鮮のミサイルが、以前はノドンミサイルだけだったが、今は北朝鮮の中距離ミサイルが多様化し、軍事的脅威が高まったのは事実だ。第二に、米国の関与が相対的に弱化し、中国が台頭している点だ。これに対応するため、日本が安保態勢をソフトとハード両面で強化すべきという議論がある。ソフトは憲法改正などの問題、ハードは敵基地攻撃能力保有論のような軍事能力だ。北朝鮮問題が日本が現在保有していない地対地ミサイル航空母艦などを持たなければならないという必要性を示す重要な材料になる。このため、最大限の脅威を実体以上に誇張している。『普通の国』化を推進するための材料として、利用している面も否めない。北朝鮮の核の脅威について話しながら、敵基地攻撃能力の保有、日本人拉致被害者の救出など、自分たちに必要な話をしている。韓国が有事の際、在韓日本人の救出のために韓国に(自衛隊の)飛行機を送ればどうかなど、これまで韓国の反対でできなかったことをしようと、圧力を加えている。第三に、より小さなことだが、北朝鮮核問題について、初めは日米が密接に協議するように見えたが、今は米中協議を中心に動いている。日本が米中協力体制から疎外される感がある。韓国もそのような面では注視する必要ある。米国は自国の利益のために、自国に必要な部分でいつでも妥協できる。米国が自国の利益のために北朝鮮と電撃的に妥協する状況を懸念し、釘を打ち込むためにも、日本は強硬な態度を示して存在感を誇示しようとしているのだ。世界で北朝鮮ニュースに社会がもっとも過敏反応するところが日本だ」

 

 -韓日関係が非常に悪化したという評価が多い。このように悪化した背景は?

 

 「国交正常化以後、最悪だと言った方が正確だろう。1980年代以後、日本で韓国のイメージはよくなったが、今はかなり悪くなった。差別的かつ侮蔑的、排他的な雰囲気が以前にはインターネットの一部の話だったが、今は日常生活にも浸透している。安倍首相の外交にも問題があるが、日本の社会構造的問題がある。安倍首相がいなくても、このような現象が続く可能性がある。日本では日本が以前のようにアジアで優越的な立場ではないということや、日中関係が逆転され、韓国ともほぼ対等になったように見える力の変化に対する感情的反発がかなり大きい。2011年の東日本大震災のような大きな打撃もあった。社会全般的には強い日本に対するヒステリックな執着が多く見られる。スポーツなど強い日本を前面に掲げることが多い。私が日本にはじめて来た約30年前には、日本はこんなにスポーツに熱狂しなかった。しかし、韓日社会が同質化され、融合されている部分も多い。韓国文化は、サブカルチャーように依然として日本に根を下ろしている。同じ人にも二つの側面が共存する。単純ではない」

 

 -安倍首相が改憲を推進しようとしている。日本の武装強化を懸念する見方も多い。

 

 「安倍首相が提案した2020年改憲目標の(実現可能性は)50対50と見ている。(平和憲法の核心である)9条に手をつけることについては、世論の半数近くが慎重な態度を示している。保守層も、経済や雇用、少子高齢化など、他にも解決する問題が多いのに、憲法改正で(エネルギーを)消耗する必要があるのかという意見が多い。安倍首相は自分のスケジュールに合わせて逆算して憲法改正を掲げているが、日本社会で共鳴を得られていないようだ。

 

 しかし、改憲は外国で問題提起できるような事案ではない。ただ、日本が北東アジアの平和にいかに貢献するかの枠組みを作ることは重要である。国際政治的な発想では、日本の軍事的な方向を制御できる枠組みを考えて見ることができる。欧州諸国がドイツに対して脅威を感じないのは、北大西洋条約機構(NATO)という枠組みがあるからだ。大きな枠組みでドイツが乱暴にならないようにする制度ができているため、心配する必要がない。日本の場合は、日米同盟が現実的抑制要因になっている。ただちに改憲をしたとしても、日本独自で行動するのは難しい。しかし、米国が中国と敵対的な日本を望む可能性などが影響を与えるかもしれない。このような面では韓国が地域の安全保障に向けて努力しなければならない。私は韓国が中国とロシアとも安全保障について戦略的に協議しながら、どの国も単独行動に出られない枠組みを作るのが、ミドルパワーの知恵だと考えている。文在寅大統領の公約を見ても、そういう方向性が見える。多国間でも、地域的グローバルな多国間協議を模索するというのは望ましい方向性だ」

 

東京/チョ・ギウォン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)


朝鮮新報より

2017-05-27 | 文 在寅 韓国大統領情報

追悼の手紙を聞き目頭を熱くした文大統領

光州事件37周年式典で

ハンギョレ新聞電子版(18日付)は5.18民主化運動記念式典37周年に出席した文在寅大統領と5.18当日に生まれた遺族とのふれあいを次のように伝えた。

眼鏡を外し、ハンカチを取り出して涙を拭った。文在寅大統領は18日、光州国立5.18民主墓地で行われた民主化運動記念式典で、5.18当日に生まれたキム・ソヒョンさん(37)が朗読した追悼の手紙を聞きながら、目頭を熱くした。文大統領は手紙の朗読を終えて帰るキムさんを20mほど追いかけて、温かく抱きしめながら慰めた。

キムさんは同日、「お父さんに送る手紙」を切々と読み上げた。キムさんの父親、故キム・ジェピョンさんは1980年5月18日に生まれた娘に会うため、全羅南道莞島から光州に来て、戒厳軍の銃弾に倒れた。「5.18は私がこの世に生まれた嬉しい日でもあるが、父を奪われた悲しい日でもあります。もしあの時私が生まれなければ、父と母は今も本当に幸せに生きていただろうに…」。キムさんはまた「一度もあなたに会ったことのない娘が、あなたよりも年を取ってから初めてあなたをこう呼べるようになりました…愛しています、お父さん」と声を震わせた。

文大統領は記念式の後、故キム・ジェピョンさんの墓地を遺族と共に訪れて献花し、参拝した。キムさんは記者団に「まるで父が来たように、父が抱きしめてくれたように温かかった。(文大統領の)肩が広く感じられた。その肩に寄りかかって声をあげて泣きたかった」と心境を振り返った

その姿を見守った5月の母親たちも涙を流した。5月の母の家のロ・ヨンスク館長は「ソヒョンさんを慰めるのを見て、わたしたちも涙がこみ上げました。でも気持ちが晴れ晴れしますね」としながら「待ち望んでいた(5.18真相究明などに対する)大統領の言葉に、母親たちも皆喜んでいます」と話した。

同日の出席者1万人は、9年ぶりに「あなたのための行進曲」を斉唱した。文大統領は「あなたのための行進曲を歌うことは犠牲者の名誉を守り、民主主義の歴史を記憶すること」だと強調した。文大統領は同日、「あなたのための行進曲」を、出席者らと手を取り合って力強く歌った。

文大統領がヘリコプター射撃と発砲命令者の確認など、5.18真相究明を約束すると、これを聞いた5.18民主有功者のイ・セヨンさん(55)は車椅子に座ったまま「これがまさに真の記念式だよ」と話した。80年5月21日錦南路で、空輸部隊に対抗してデモをしていた彼は、集団発砲で重傷を負い、その後遺症で障害を抱えて生きている。この9年間、5.18記念式にはほとんど出席しなかったという彼は、「彼らの記念式だったじゃないですか、私たちの記念式ではなく…。彼らが好き勝手にプログラムを作って…」と話した。

李明博・朴槿恵政権時代とは異なり、5.18民主化運動記念式場には空席が見当たらなかった。記念式は柔軟な警護を適用して、市民の参加を増やした。記念式が終わった後も、市民たちは記念式場を離れることなく、文大統領を待っていた。墓地を回って参拝した文大統領が遺影奉安所側に出ると、市民たちから「ワァー」という歓声があがった。

(朝鮮新報)


日朝協会京都府連合会は、大歓迎!日本人と韓国・朝鮮人が協力してアジアの平和のためにがんばりましょう!

2017-05-26 | 朝鮮総聯京都のみなさん

在日朝鮮総聯が「総聯、民団5.17共同声明」発表11周年に際して          

 すべての在日同胞に送るアピール


17日、総聯が「総聯、民団5.17共同声明」発表11周年に際してすべての在日同胞に送るアピールを発表した。全文は以下の通り。

 在日同胞のみなさん!
本日、われわれは、激動の新時代、重大な歴史的時期に「総聯、民団5.17共同声明」発表11周年を迎えました。

2006年5月17日、総聯と民団の代表は在日本朝鮮人総聯合会中央本部において、平壌における北南首脳会談で調印された歴史的6.15共同宣言の「わが民族同士」の理念にもとづき、民族大団結と統一に向けた民族史の新しい流れと在日同胞の念願にそって、両団体の反目と対立を終わらせ、和解し団結するとともに、祖国の統一と繁栄、同胞社会の結束に貢献する共通意志を盛り込んだ5.17共同声明を発表しました。

共同声明は在日同胞に大きな喜びと希望を与え、海外同胞はもちろん、全民族の熱烈な支持と歓迎を受けました。

5.17共同声明は、植民地・亡国奴の悲惨な運命と民族分裂の苦痛、日本当局による様々な民族差別の中で、世代と世紀を越えて生きてきたすべての在日同胞が固く団結し力と知恵を一つにして、21世紀の統一祖国とともに仲睦まじく豊かな在日同胞社会を築き上げて行くための共同の里程標です。

国内外において、祖国の平和と自主統一に向けた各界各層の熱意と意志が日増しに高まっている今こそ、すべての在日同胞が今一度5.17共同声明の基本精神を心に深く刻み、同胞社会の団結と民族の宿願である祖国統一のために立ち上がるべき時です。

敬愛する金正恩委員長は今年の新年の辞で、北と南、海外の全同胞は民族の団結した力で全民族的な統一大進軍を加速させ、今年を自主統一の新局面を開く非常に意義深い年にするため、何かをすべきだと熱く訴えました。

祖国と民族を愛する各界各層の同胞たちは、7.4共同宣言45周年、10.4宣言10周年の今年、民族共同の統一綱領を高く掲げ、6.15時代を切り開いた意志をいま一度噴出させ、祖国統一をはやめるための全民族的運動に立ち上がっています。

北南共同宣言を否定し、北南関係を破綻させた南の反統一・保守政権が倒れ、南の民衆は新たな政治と社会、平和と統一に向かって力強く進んでいます。

全民族とともに在日同胞は、わが民族を抹殺しようとする米国の核恫喝策動や民族の和解と統一を妨げるあらゆる挑戦を打ち破り、自主統一の大道を切り開いていく使命を担っています。

われわれは、外勢よりも民族を大事にし同胞の運命を気遣う人なら誰もが、団体所属の違いより民族の大義を重んじ、統一偉業に立ち上がるべきとの時代的使命感を胸に、すべての在日同胞に熱烈に訴えます。

在日同胞のみなさん!
自主統一の大道、第2の6.15時代を切り開くための全民族的な闘いに立ち上がりましょう!

今年中に、北南当局を含む各政党、団体と国内外の各界各層の同胞が参加する「祖国の平和と統一、北南関係の発展のための全民族大会」を平壌で開催することは、民族の熱望であり、一時たりとも遅らせることのできない現実的要求です。

6.15共同宣言17周年となる6月15日から10.4宣言10周年の10月4日までの北南宣言記念期間に「全民族大会支持実現!統一旗・連署運動」を力強く展開し、北海道から沖縄まで、同胞が住むいたる所で団結と統一の雰囲気を盛り上げて全民族大会成功に貢献しましょう。

愛する祖国の地を一触即発の超緊張状態に追い込んでいる米国とその追従勢力の核戦争挑発策動と軍事的圧迫騒動を糾弾し、朝鮮半島の平和と民族の安寧のために積極的に闘っていきましょう。

祖国が解放されて72年の歳月が経った今日においても、民族的迫害と差別がさらに強まっている現実を直視し、思想と政見、団体所属の違いを越え、すべての在日同胞の団結した力で、民族性と同胞の生活と権利を守り、日本が「日本軍性奴隷」をはじめとする過去の罪を謝罪し清算するよう声をさらに高めていきましょう。

われわれは、この機会に、6.15共同宣言と10.4宣言に反対し、統一を求める民族の志向に逆行してきた民団中央の現執行部が反統一、反同胞的言動を撤回し、5.17共同声明の基本精神に立ち返ることを求めます。

われわれは、民団同胞をはじめとするすべての在日同胞が民族史の流れと同胞の要求に呼応して、全民族的統一運動の全盛期を切り開くため総決起することを今一度熱烈に訴えます。
          在日本朝鮮人総聯合会     2017年5月17日        


この犬は朝鮮時代の絵画にも登場している。ブチサプサル犬は日帝強占期以降、ほぼ絶滅したと言われている。

2017-05-26 | 韓国・朝鮮の旅

【写真】朝鮮時代の絵画の中のブチサプサル犬、複製に成功=韓国

2017年05月25日08時40分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]

 

                                                              24日、大田O!Worldで複製に成功したブチサプサル犬が一般に公開された。左は研究チームを主導した忠南大動物資源学部のキム・ミンギュ教授。

 
24日、大田O!Worldで複製に成功したブチサプサル犬が一般に公開された。左は研究チームを主導した忠南大動物資源学部のキム・ミンギュ教授。
 
  複製に成功したブチサプサル犬が一般に公開された。ブチサプサル犬には黒い模様が入っており、一般のサプサル犬とは違って短毛だ。

  この犬は朝鮮時代の絵画にも登場している。宮中画家の金斗リャン(キム・ドゥリャン)はブチサプサル犬を描いて朝鮮21代国王の英祖に献上した。ブチサプサル犬は日帝強占期以降、ほぼ絶滅したと言われている。

  忠南(チュンナム)大動物資源学部のキム・ミンギュ教授チームは複製したオスのブチサプサル犬2頭を24日、大田(テジョン)O!World(オーワールド)に寄贈した。キム教授チームは14年前に生まれた無精子症のオスのブチサプサル犬の体細胞を利用して複製に成功した。キム教授は「短毛のサプサル犬は全体の3%に過ぎず、中でもブチサプサル犬は特に珍しい」と説明した。

原水爆禁止日本協議会(日本原水協)は24日、核兵器禁止条約草案を心から歓迎する.

2017-05-25 | 原水爆禁止世界大会

核兵器禁止条約草案に歓迎の声

「被爆者の運動実った」

 

 

 核兵器禁止条約について交渉する国連会議のエレン・ホワイト議長が、同条約の草案を公表したことに対し、被爆者や被爆地自治体首長、市民社会から歓迎の声があがっています。


広島市長

 広島市の松井一実市長は24日までに、「現行の核拡散防止条約(NPT)体制も生かした包括的な内容で、今までの議論を十分そしゃくした提言だ」と評価し、「実効性のある条約締結に向け、これからの議論が進めばと期待している」と強調しました。

 草案の前文で明記された「核兵器の犠牲者(ヒバクシャ)や核実験被害者の苦痛に留意する」との文言に関しては、「英訳すればサバイバーとなる言葉を、ヒバクシャと記述された」と評価。「単に『生き延びた人』と英訳して書く以上の意味を、この一語に込めてもらった」と話しました。

日本原水協

 原水爆禁止日本協議会(日本原水協)は24日、核兵器禁止条約草案を心から歓迎するとする安井正和事務局長の談話を発表しました。

 談話では草案が、核兵器が三たび使われてはならないとの決意を明確にし、人道と相いれない戦闘手段・兵器の使用を禁止するという明確な立脚点を確認している、と指摘。

 また、「ヒバクシャ」「市民社会の役割」を高く評価しているとのべ、「被爆者を先頭とする運動の努力が実ったことを被爆者とともに心から喜びたい」と表明しています。

 6月15日から始まる核兵器禁止条約の国連交渉会議(第2会期)の成功のために、「ヒバクシャ国際署名」を通じて内外の世論の発展に全力をあげる決意をのべています。


盧元大統領の8周忌追悼式を訪れた文大統領は、久しぶりにリラックスした笑顔で挨拶をはじめた。

2017-05-24 | あらゆる差別は赦さない

文大統領、盧元大統領追悼式で「必ず成功した大統領になって、再び伺う」

登録 : 2017.05.23 23:11 修正 : 2017.05.24 06:41

「任期内では今日が最後の追悼式出席」 
「もうあなたを全国民にお返しする」 
陣営超えて強力な国民統合への意志を表現

故盧武鉉元大統領8周忌追悼式が開かれた23日午後、慶尚南道金海市進永邑烽下村で、文在寅大統領と盧元大統領の息子のコンホ氏などが式場に向かうと市民が携帯電話を頭の上に持ち上げて撮影している=金海/シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

  烽火山のミミズク岩が見下ろす中、黄色い蝶々1004羽が空へ舞い上がった。「盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領がこれからは心安らかに休み、自由に飛んで行かれるよう」という意味を込めて、盧武鉉財団で準備した行事だった。顔を上げて蝶が飛んで行くところをしばらく眺めていた文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、ハンカチを取り出し濡れた目頭をおさえた。盧武鉉元大統領の逝去後、毎年5月23日になると烽下(ポンハ)村を訪れた彼だが、今年は状況が変わった。以前は「盧武鉉の友人」であり、参与政府(盧武鉉政権)の最後の秘書室長、また悲劇的な死を見届けた「喪主」だったが、今は大韓民国19代大統領となって帰ってきた。

 

 「盧武鉉大統領も今日だけは、ここのどこかで私たちの中に隠れて、皆さんに感謝しながら『やあ、いい気分だ!』とおっしゃっていそうです」。9年ぶりに成し遂げた政権交代のニュースをたずさえて盧元大統領の8周忌追悼式を訪れた文大統領は、久しぶりにリラックスした笑顔で挨拶をはじめた。「政治的報復による他殺」という支持者たちの怒りの中で、一部の政治家たちにやじと悪口が集中し、水が浴びせられた過去の追悼式とは異なり、この日の追悼式は涙と笑いが交差した。

 

 

文在寅大統領が23日午後、慶尚南道金海市進永邑烽下村で開かれた故盧武鉉元大統領8周忌追悼式に参席し発言している=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 「皆一緒に国らしい国を作ろう」という文大統領のこの日の追悼式の挨拶は、“積弊清算”という言葉に象徴される“改革”と、これを基盤に“統合”を成し遂げ新しい時代へ進むという誓いだった。盧元大統領の“挫折”以後忘れられた「反則と特権のない世の中」、「常識と原則が通じる世の中」という“未完の夢”を、今度は文大統領自身が必ず実現するということだ。4月3日、共に民主党の大統領選候補に確定した直後、盧元大統領の墓地を参拝し「盧武鉉大統領が夢見た“人が生きる世の中”は、改革と統合という二つの課題を一緒に達成する時にこそ可能だ」と述べたのと同じ延長線にある言葉だ。

 

 ここには、盧元大統領が「民主主義と人権と福祉が正常に作動する国、地域主義と理念の葛藤、差別の非正常がない国」を夢見たが、参与政府が「理想は高く、力は不足」し「現実の壁を越えられなかった」という反省が基盤となっている。

 

 彼は、文在寅政府の誕生には盧元大統領が世の中を変える動力として強調した「目覚めた市民の力」が位置していると見ている。昨年冬から今年春まで全国を明るく照らしたろうそくの民心が平和な政権交代を導き出したことに対して、文大統領は「盧武鉉の夢が目覚めた市民の力で復活した」と意味づけた。

 

 彼は新しい時代への覚悟を固め、同時に「盧武鉉時代」との美しい別れを告げた。残った任期中に大統領の身分でこれ以上盧元大統領の追悼式には出席せず、彼を胸に大切に抱えるという考えを明らかにし、「もうあなたを完全に国民にお返しする。必ず成功した大統領になって任務を果たした後、再び伺いたい」と約束した。特定“陣営”に閉じ込められ、「彼らだけの大統領」にとどまらず、「国民の大統領」として国政運営を成功裏に率いていくという熱い誓いだった。

 

イ・ジョンエ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )


日本の天台宗の聖地となっている開城の霊通寺で日朝の僧侶らが朝鮮半島と世界の平和を祈願して法要を行った.

2017-05-23 | 朝鮮総聯京都のみなさん

友情の力を原動力に

京都で金日成主席生誕105周年記念日朝友好促進・交流の集い

臨済宗相国寺派の有馬頼底管長が「私の見た朝鮮」と題して講演を行った。


日朝芸術公演「友好の舞台」では踊りの輪が広がった

「金日成主席生誕105周年記念日朝友好促進・交流の集い」(主催=同実行委・総聯京都府本部)が20日、京都市内のホテルで行われた。元・京都府議会議長の石田たかし実行委員長、総聯本部の金尚一委員長、京都府議・市議をはじめとした日本人士、同胞ら172人が参加した。

京都では昨年11月に「金日成主席生誕105周年」記念事業の第1回実行委員会を行い、朝・日有志たちの密な連携のもとで同事業を推進。その一環として4月には日本人士7人で構成される太陽節祝賀訪朝団を派遣した。

集いではまず、「第2回開城霊通寺巡礼日本代表団・平和の祈り」の名誉団長として昨年10月に訪朝した臨済宗相国寺派の有馬頼底管長が「私の見た朝鮮」と題して講演を行った。

有馬管長は、朝鮮天台宗の開祖・義天(諡号=大覚国師)のゆかりがあり、日本の天台宗の聖地となっている開城の霊通寺で日朝の僧侶らが朝鮮半島と世界の平和を祈願して法要を行ったことについて触れながら、日本の室町時代、四代将軍の足利義持が朝鮮に提供を求めた高麗版の一切経(釈迦の教説と関わる経・律・論の三蔵、その他注釈書を含む経典の総称=大蔵経)が京都の東福寺、建仁寺、相国寺に保管されているとし、約600年前からの仏教を通じた日朝交流の歴史を今後も継承していかなければならないと強調。憲法改正へと動き、「戦争ができる国」を作り上げようとしている安倍政権を非難すると同時に、偏向情報を垂れ流す日本のメディアのあり方に警鐘を鳴らしながら、平和を願う仏教徒として人々の往来を促進する民間レベルでの外交に力を注ぎ、日朝の関係改善、国交正常化を実現させたいと語った。

日朝芸術公演「友好の舞台」

日朝芸術公演「友好の舞台」では、京都朝鮮歌舞団と和太鼓・横笛・津軽三味線を演奏する山本朗生さんらがコラボ演目を披露。京都初級の児童、文芸同京都支部コーラス部、朝青専従活動家も歌や踊りで会場を盛り上げた。最後は出演者と会場の人々が朝・日友好の思いを「アリラン」の合唱に込めた。

2部の宴会「友好の宴」で、主催者を代表してあいさつに立った「文化・学術・市民交流を促進する日朝友好京都ネット」の副会長は、日本をはじめ世界中で蔓延している差別や排外主義など、いかなる力も日朝の交流促進と国交正常化を望む私たちの歩みと友情を遮ることはできないとしながら、民衆の友情の力を原動力にしてより良い社会を築いていきたいと語った。

総聯本部の金尚一委員長は、朝鮮半島の緊張が高まっている状況下でも対話を重ねることこそが朝・日関係を改善させる道筋であると述べ、金日成主席が残した朝・日善隣友好の遺訓を実現させるために手を取り合って困難を乗り越えていこうと呼びかけた。

つづいて4月の訪朝団で団長を務めた「日朝友好京都ネット地方議員の会」の安井勉代表(京都市議)が報告を行った。

安井団長は、金正恩委員長の指導のもと万里馬速度で発展する朝鮮の街並みや、近年新たに建設された施設で朝鮮の人々が楽しく過ごしている姿が印象的だったと回想。金日成主席生誕105周年慶祝閲兵式及び平壌市民パレードで金正恩委員長の姿を拝見できたことで訪朝団の意義が深まった一方、錦繍山太陽宮殿に生前の姿で安置されている金日成主席と金正日総書記への弔問は「訪問団のメンバーの胸に今でも焼きついている」と述べ、今後も交流の輪を広げていきたいと語った。

2部の宴会「友好の宴」

豊福誠二弁護士の祝杯の音頭で始まった宴会では、朝鮮対外文化連絡協会、前原誠司・衆院議員、安田守・向日市長から寄せられた祝電が紹介された後、参加者たちがマイクを握りながら思いの丈を語った。

日朝親善の発展に寄与したことが評価されて1968年に朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議常任委員会から勲章とメダルを授与されたという日朝協会京都の大橋満代表理事は、56年間の友好促進活動を振り返った。

また自身が民族教育を守る運動に取り組んできたのは、民族教育に対する安倍政権の不当な政策が許せないだけでなく、朝鮮が困難に直面していた1946年に金日成主席が平壌の日本人学校に対して温かい援助を差し伸べてくれたことを知っているからだと述べ、草の根運動に力を注いでいきたいと語った。

集いに参加した日本人は、訪朝報告で映し出された写真について「変わりゆく平壌の姿が印象的で興味を引かれた」と述べ、「しばらく訪朝していないが次回はぜひ訪朝団に参加したい」と語った。

女性同盟本部の金君子顧問(72)は在日同胞の一人として、講演を行った有馬管長に謝意を表しながら、日本政府の圧力やマスコミの報道に屈することなく愛族愛国運動に力を注ぎ、朝・日友好の輪が広がるよう努めたいと語った。

(李永徳)

 


何よりも戦争が起きてはいけない。平和を守ることが重要な課題だと認識して、平和運動にまい進するようになりました。

2017-05-23 | 韓国の政局

[インタビュー]

「朝鮮籍の在日韓国人帰国できるように…文政権への期待が大きい」

登録 : 2017.05.23 05:09 修正 : 2017.05.23 05:57

 

在日朝鮮人人権・平和運動家の徐勝教授

済州大学在日済州人センターに訪問学者として来ている徐勝・日本立命館大学特任教授=ホ・ホジュン記者//ハンギョレ新聞社

 「19年間の獄中生活の末に釈放されてから、私の関心事は刑務所内の政治犯の釈放問題と拷問の撤廃でした。日本はもちろん、米国やカナダ、ヨーロッパ、南米などを回りながら多くの話をしました。ところで、世界を歩き回りながら北東アジアの状況を見ているうちに、人権運動や統一運動もいいが、何よりも戦争が起きてはいけないと思いました。平和を守ることが重要な課題だと認識して、平和運動にまい進するようになりました」

 

 昨年11月東アジア地域の国家暴力と人権侵害の現場踏査をもとに歴史・人文の紀行文である『東アジアのウフカジ』(原題:『徐勝の東アジア平和紀行―韓国、台湾、沖縄をめぐって』)を出版した人権・平和運動家の徐勝(ソ・スン)立命館大学特任教授(72)は、平和運動に集中してきた理由をこう語った。「ウフカジ」とは大きな風を意味する沖縄言葉で、沖縄の知人らが情熱的に平和・人権運動に取り組む彼に付けてくれたニックネームだ。この3月から済州(チェジュ)大学在日済州人センターの訪問学者として(済州に)滞在している彼に、21日に会った。

 

済州大学在日済州人センター訪問学者に  
韓日中の踏査した歴史・人文の紀行文を出版  
『東アジアのウフカジ』済州で出版記念会  
ニックネーム「ウフカジ」沖縄の言葉で「大きな風」 
 
海軍基地反対の講演・ろうそく集会にも参加  
「統一も民主化も“戦争なくしてこそ”可能」

 

 徐教授は1971年4月、朴正煕(パク・チョンヒ)維新独裁政権がねつ造し「在日同胞学園浸透スパイ団事件」で逮捕され、19年間苦労を経て、1990年2月に釈放された後、平和・人権運動に献身してきた。

 

 彼は今月12日、済州市のブックカフェ「カク」でささやかな出版記念会を開いた。済州道(チェジュド)との特別な縁のためだ。日本で大学に通っていた時代、彼は済州出身の同胞から「4・3抗争」の話を聞き、1998年には「東アジアの冷戦と国家テロリズム」をテーマにした「第2回国際シンポジウム」を済州開催を企画した。ここ数年間は、済州西帰浦(ソグィポ)海軍基地建設反対闘争の現場を訪れては講演もした。

 

 彼は「6年前、大学を定年退職し、特任教授という名で現役から退いた後、私が経験したことを伝えなければならないという一種の使命感に駆られた」と話した。これまで彼は韓国や日本、中国など多くの国の人たちと一緒に旅行団を作って東アジアを踏査した。沖縄をはじめとする日本や台湾、済州、中国の南京と東北部地方など、歴史の現場を歩き回りながら話し合い、現地活動家たちにも会った。

 

 このような過程を経て出た本が『東アジアのウフカジ』(1・2)だ。第 1巻には韓国や台湾、中国などで講演した「国家暴力と人権」、「東アジア平和」などの講義内容と、東北アジア平和安全保障に関するコラム、文化芸術活動に関する内容をまとめた。

 

 彼は「統一や民主化も“平和”という土台の上で議論されなければならない。言葉だけの平和ではなく、現実的・歴史的な脈絡で平和を認識し、行動しなければならないが、このような認識があまり根付いていない」と指摘した。

 

 長い間市民社会領域で平和・人権運動を行ってきた彼は、東アジアに平和を定着させるためには、市民社会の連帯と努力が必要だと強調している。彼は「韓国の真実和解委員会のように、各国の市民らが中心となった東アジア真実和解委員会を作る必要がある。これを通じて共同研究して共同認識を作っていく過程が必要である。簡単ではないかもしれないが、地道に努力していけばいい」と話した。彼は「平和達成のためには偏見のない交流が前提条件となる。平和構築は相互交流であり、相互理解」だとしたうえで、「何より重要なのは信頼だ。信頼を構築して武装しなくても安心できる関係を作らねばならない」と指摘した。彼の平和認識は「朝鮮籍」を持った在日同胞の問題につながった。

 

 彼は「朝鮮籍の在日同胞たちは故郷に行きたくてもいけない。朝鮮籍であるため、韓国に入ることもできず、済州の故郷に墓参りもできない人が多い。このような非人間的な仕打ちがどこにあるのか。信頼を築くためには、このような障壁を撤廃しなければならない」とし、「文在寅(ムン・ジェイン)政権にかける期待が大きい」と話した。

 

 最近数年間、開発ブームが起きている済州道の状況について、徐教授は「済州島が2005年1月『平和の島』に指定されたが、内部には開発主義が蔓延しているようだ。済州海軍基地も平和を掲げている。総論は平和を叫ぶが、各論に入ると、開発至上主義、環境破壊、軍事主義に走っている」と指摘した。

 

 済州で開かれたろうそく集会に参加したこともある徐教授は「私たちがろうそく集会で認識したのは、『私たちが主人であり、決定権者だ』という意識」とし、国民主権意識をまともに認識できるようになったのは、ろうそく集会の最大の成果であり、民主主義の基礎だと評価した。

 

済州/ホ・ホジュン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)


「青春クラブ」とは、青春時代を回顧して楽しむクラブではなく、引き続きよき人生のため「今を青春する」クラブです

2017-05-22 | 日朝協会京都府連の行事

京都日朝「青春クラブ」3弾に15人参加

五月晴れ快晴のもとで楽しく交流!


5月19日、朝10時「千本北大路」に元気に集合。大橋満代表よりの挨拶を受け、成瀬特別ガイドより、今日のコースと特徴についての話を聞いて、いざスタートとなりました。

まずは、船岡公園を気持ちよく散策、

山頂より京都洛街を眺望し、

 

平安京街づくりの基礎知識を学び、次に、北野天満宮・紙屋川界隈をはじめ、豊臣秀吉の築いた「御土居」の歴史を、

平野神社に向けて歩きながら勉強。このへんから少しずつ疲れが見え足元がゆるりゆるりとなり、「まもなくゴールの平野神社ですよ」の声に「よかったー」の一言。

平野神社では、メイン学習の「渡来人のあゆみ」の仕上げとなり、休憩も兼ねて、しっかりと歴史を学びました。平野神社は、建築物としても非常に珍しく「比翼春日造」といわれ社殿が2つの棟に分かれいるのを一つにつなげています。

また、境内には、樹齢四百年以上の楠の大樹があり、幹に手を触れて目を閉じると霊気が移るような気がします。春は桜祭でたいへん有名です。

昼ランチ「スケロク」店は貸切り扱いで、気兼ねなく生ビールとステーキで楽しく懇談しました。今回も、新旧の仲間が15人、顔を見せてていただきたいへんよかったです。お疲れ様でした。

次回は、11月末ごろに「二条城と朱雀大路周辺巡り」が提案されています。なお、「青春クラブ」とは、青春時代を回顧して楽しむクラブではなく、引き続きよき人生のため「今を青春する」クラブですから、これからもよろしく。/以上。                 田村真理


編集に携わっているのは総聯本部と支部、商工会、朝青、女性同盟、留学同、金剛保険の活動家9人

2017-05-22 | 朝鮮総聯京都のみなさん

総聯京都府本部「同胞生活相談総合センター:同胞のために

「京都同胞生活ニュース」が大きな話題となっている。総聯京都府本部「同胞生活相談総合センター」運営委員会が定期的(現在は月1回)に発行する情報紙だ。総聯による同胞の権利擁護と生活向上のための多彩な活動が紹介されている

春夏秋冬▼編集に携わっているのは総聯本部と支部、商工会、朝青、女性同盟、留学同、金剛保険の活動家9人。記事を集計してレイアウトもこなす担当者は「総聯の活動をたくさんの同胞に知らせたかった」と、情報紙へのホットな思いを披歴した。以前にも同じような内容の情報紙の編集に携わったことのある同担当者は「鳴り物入りでデビューして頓挫したら申し訳ない。定期的、継続的に発行することを肝に銘じている」そうだ

▼気になっていたのは情報紙に掲載する記事をどのようにして作っているかだった。この点について聞くと活動家たちが得意分野別に分担してオリジナルの記事を作っているほか、総聯で発行する各種情報誌の内容を転載したものもある。同じ内容の記事を反復して読むことでいっそう理解を深められるからという転載の理由に筆者も思わず同感した

▼昨年11月の発行以来、記事の内容についての問い合わせが増えていて相談件数も伸びている。センター運営委では「無料相談の日」も開催し、同胞生活シンポジウムのようなイベントの開催も企画する

▼「同胞のために」。編集に携わる9人の熱い志に新聞製作に携わる身として学ぶ点が多い。(東)


大統領府政策室長が新政府の経済改革のコントロールタワーなら、経済副首相は改革を具体的に施行する総責任者だ。

2017-05-22 | 韓国の政局

改革性向の“コントロールタワー”と“実務型”が経済改革のツートップに

登録 : 2017.05.22 04:06 修正 : 2017.05.22 07:35

 [政策室長・経済副首相の人選] 
文大統領、チャン・ハソンカード持ち出し 
「大企業中心の経済パラダイムから脱却し 
人・中小企業中心に導く適任者」 
 
経済官僚出身のキム・ドンヨン亜洲大学総長 
強い推進力・危機管理能力に定評

左からキム・ドンヨン新任経済副首相兼企画財政部長官候補者、チャン・ハソン新任大統領府政策室長、キム・グァンドゥ新任国民経済諮問会議副議長=ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が21日、新政府の“経済改革のコントロールタワー”の役割を果たす大統領府政策室長に改革性向のチャン・ハソン高麗大学教授を任命し、政策室長とともに“経済のツートップ”を担当する経済副首相には実務に強い経済官僚出身のキム・ドンヨン亜洲大学総長を内定したのは、経済改革の意志を示したものと評価されている。

 

 チャン取引政策室長は1990年代半ば、参与連帯で財閥改革と経済民主化運動を始め、一時期「財閥狙撃手」と呼ばれていた代表的進歩派経済学者だ。また、20年以上にわたり経済改革運動をしながら、関心分野を韓国社会の不平等構造などに拡大し、幅広い研究を行ってきた。文大統領は「過去の財閥・大手企業中心の経済パラダイムから脱却し、人中心、中小企業を中心に経済・社会政策を変化させ、経済民主化と所得主導の成長を主導する適任者」だと評価した。チャン政策室長も「ここ20年間、韓国経済は、国は成長したものの家計所得は増えず、GDPの中で消費が占める割合が経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で最低水準」だったとしたうえで、「雇用を創出して所得を増やし、これを通じて、需要拡大、投資活性化が行われる好循環構造を作ることが不平等解消の最も根本的な解決策」だと強調した。文大統領はチャン教授を適任者と見て、早くから迎え入れに力を入れてきたが、難色を示す彼を粘り強く説得した末、最近になってようやく承諾を受けた。第18代大統領選当時、安哲秀(アン・チョルス)候補陣営で国民政策本部長を務めたチャン政策室長は「今回の大統領選挙では一切政治に参加していないが、新政府の人事に感動を受け、決心した」と打ち明けた。

 

チャン・ハソン政策室長が21日、大統領府の春秋館の大ブリーフィング室で人選発表後、感想を述べている/聯合ニュース

 文大統領はこれに先立ち、公正取引委員長に「財閥改革の伝道師」と呼ばれてきたキム・サンジョ漢城大学教授を指名した。結局、経済改革のコントロールタワーと主務省庁にいずれも改革性向の人物で布陣を組んだのだ。文大統領は、大統領選挙期間中にキャンプ内部で「盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の経済改革が失敗したのは、経済に自信を持てず、官僚と財閥に頼ったため」と分析し、新政府はその二の舞を踏まないと強調したが、これを実践した。

 

 改革陣営でも新政府で経済改革が成功するためには、改革性向の人が共にチームワークを高めていかなければならないという点を強調してきた。それは過去に盧武鉉政権でも様々な改革性向の経済学者らが参加したが、一つの勢力になれず、個人に断片化され、改革の失敗を防げなかったという反省に基づいたものだった。チャン・ハソン政策室長とキム・サンジョ公正取引委員長候補者は20年間、市民団体で経済改革運動を共にしてきた緊密な関係だ。新政府の経済改革のための土台が金大中(キム・デジュン)政権、盧武鉉政権時代より一層確固たるものになるという見通しが示されているのも、そのためだ。キム公正取引委員長候補者も「チャン政策室長は経済だけでなく、労働、福祉、社会全般を総合的に研究してきた学者であり、ただ研究室に座っているだけではなく、仕事を企画して執行した経験とリーダーシップがある方」だとし、「心強い」と話した。チャン政策室長とキム公正取引委員長候補者は、国民経済諮問会議副議長に任命されたキム・グァンドゥ西江大学特任教授(国家未来研究院院長)と2015年から保守・進歩合同討論会を共同で主管し、韓国社会の改革課題を一緒に論議した縁もあり、今後“3角協力”も期待されている。

 

 大統領府政策室長が新政府の経済改革のコントロールタワーなら、経済副首相は改革を具体的に施行する総責任者だ。もともと経済官僚出身であるキム・ドンヨン亜洲大学総長を経済副首相に内定したのは、経済改革のためには強い推進力と安定的管理能力がともに必要だという判断によるものと見られる。文大統領は「キム総長の危機管理能力と推進力が優れている」と強調した。過去、キム候補者と働いたことがある元次官も「キム候補者は代表的な努力家で、上司にも最善を尽くすことで有名だ。 自分の色を強く出すよりは、大統領が定めた政策を強力に推進することに重点を置くだろう」と話した。新政府は、大統領府より内閣を中心に運営する方針だ。しかし、キム候補者が改革性向の大統領府政策室長と真っ向から反対したり、対立する可能性は高くないと見られている。

 

クァク・ジョンス先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)


「日朝友好交流の集い・金日成生誕105周年記念」in京都平安ホテル:5月20日5時半より

2017-05-21 | 朝鮮総聯京都のみなさん

京都平安ホテル(御所の西側)で

「日朝友好交流の集い・金日成生誕105周年記念」

主催:集い実行委員会・日朝友好京都ネット

 

第一部 講演:有馬頼底 臨済宗相国寺派管長

日朝芸術講演「友好の舞台」

第2部 友好交流の宴

 

京都日朝協会から、大橋満、馬原郁、大橋美津子が参加しました。

①、有馬頼底講演(会場で頂いたパンフに本日の講演によく似た「新春講演」が載っておりましたのでそれを掲載させていただきます)

                      

                                                            

②、友好の舞台プログラム

                     

                                                                    

③、日朝協会を代表して挨拶:大橋満 私と日朝

 

私は日朝協会 (東京本部) 代表理事の大橋満です。

  本日の日朝友好促進・交流の集いと金日成主席生誕105周年記念にあたり、心からお祝い申し上げます。本日は、妻の大橋美津子と馬原郁さんと一緒に参加させていただいております。

 「私と日朝友好」に関連して、一言ご挨拶申しあげます。

私は1961年から56年間、微力ながら日朝韓友好促進のために努力してきました。始めたきっかけは、中学時代に、机を並べて勉強した朝鮮の友人がいたからです。

 私は1968年9月18日、28歳のときに朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議常任委員会から、日朝両国親善の発展に尽くしたと「共和国勲章とメダル」をいただきました。  当時金日成主席は56歳でした。

その当時、京都朝鮮青年同盟の委員長は呉鳴夢さんでした。呉鳴夢さんは、今でも一番大切な友人です。

 私は「民族教育を守る」運動に微力ながら協力してきました。  

それには2つの理由があります。一つは、安倍政権が国連憲章や  日本国憲法を守らない不法な政治を行い、大切な「民族教育」を破壊していることが 許せないからです。

2つ目は、1946年、金日成将軍が、平壌の日本人「民族学校」に多大な援助をしていただいたことを知っているからです。

 共和国の龍山墓地、墓参団の団長だった佐藤知也さんが 「平壌で暮らした12年の日々」という本を出版されましたが、その中の、1946年12月26日の日記に、戦後すぐに帰国せず平壌に残った日本人が「平壌日本人人民学校」を開校しました。そのとき朝鮮当局は、机・椅子・黒板・オルガン・文房具類を十分そろえてくれました。当時金日成将軍は34歳、月給が4000円でした。さらに産業局から230万円。財政局から200万円いただきました。半年後の6月2日には、中学校も開校しました。と書かれています。

 1946年といえば朝鮮民主主義人民共和国が建国前の大変困難な時期だったのに、日本人の民族教育に暖かい援助をしていただいたのです。                        

 私たち京都の日朝協会は、日朝友好を深く理解するために有馬先生のお話にもありましたが「京都と朝鮮の歴史」を勉強しています。

 現天皇は、日韓ワールドカップが開かれた年の記者会見で「日本と韓国の人々の間には、古くから深い交流がありました。韓国から様々な文化や技術が伝えられました。桓武天皇の生母が百済の武寧王の子孫であることに、韓国とのゆかりを感じています」と述べています。

 私は、朝鮮を侵略した、豊臣秀吉や明治や昭和天皇は大嫌いですが、京都に都を造った桓武天皇と朝鮮から来られた秦氏一族は大変立派な方だったと思っています。

 だから京都に住んでいる私達が、秦氏一族の功績をたたえ、日朝友好を進めることは歴史にかなった生き方だと思うのです。

 5月9日、韓国で革新的な大統領が選出され、新しい歴史が始まりました。朝鮮半島を平和な地域にするために、関係諸国がもっと積極的に、話し合いの場をつくり、停戦協定を「平和協定」に変え、日朝国交正常化を実現させなければなりません。

日朝協会は、草の根から平和な朝鮮半島と平和な日本をつくるために頑張っていく決意です。

 5月17日、総聯が「総聯、民団5・17共同声明」発表11周年に際して すべての在日同胞に送るアピールを発表されましたが、私たちも大歓迎です。

 これからも日朝友好のためにがんばっていく決意を申し上げご挨拶といたします。  カムサハムニダ

                                                                                                                                           2017年5月20日

                                                                                                                                          日朝協会(東京本部)代表理事 大橋満