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京都朝鮮中高級学校創立65周年記念 金剛山歌劇団2018舞踊ミュージカル「春香伝」が7月28日、ロームシアター京都・メインホールで行われ・・・

2018-08-22 | 朝鮮文化の紹介

立場越えた1千人を圧倒

金剛山歌劇団2018京都公演の記録

金剛山歌劇団2018京都公演が行われた。

京都朝鮮中高級学校創立65周年記念 金剛山歌劇団2018舞踊ミュージカル「春香伝」が7月28日、ロームシアター京都・メインホールで行われ、総聯京都府本部の金尚一委員長、「文化・学術・市民交流を促進する日朝友好京都ネット」(以下、日朝友好京都ネット)の役員らをはじめとする同胞、学生、日本人士ら約1千人が鑑賞した。

本番を控えた団員たちが口を揃えて話したのは「こんなすばらしい劇場で公演をできるなんて」というもの。「文化芸術都市」を誇る京都において、文化芸術の創造・発信拠点として名を馳せている会場は「団員たちがやりやすいように」(実行委・全将行総聯南支部委員長)と準備されたものだ。

舞踊ミュージカル「春香伝」のワンシーン

7月24日に京都府庁で記者会見を開き「日朝国交正常化のための提言」を発表した日朝友好京都ネットの会員たちも、本公演の特別協賛として一役買って出た。幹事会のメンバーそれぞれがチケットを数枚ずつ持ち歩き宣伝にあたった。幹事会の一員で大谷大学助教の森類臣さんは「忙しい中でも、親善交流の一環として出来る範囲で知り合いに声をかけた。もちろん『日本で生まれた朝鮮の方々からなる、朝鮮の劇団です』と紹介は堂々と。歌劇団を知らない人もたくさん関心をもってくれた」と話す。

今年創立65周年をむかえる京都中高民族器楽部、声楽部、吹奏楽部の生徒たちによる記念公演が披露された後、舞踊ミュージカル「春香伝」の幕が上がった。

春香と夢龍の出会いから別れまでを終始、固唾を呑んで見守った観客たちは2人の再会シーンになると大きな拍手で祝福した。婚礼衣装を身にまとい、虹のように広げられた「五福スゴン」をくぐり抜けた2人をスポットライトが明るく照らすと、拍手の音はさらに増し、その音量はエピローグで流れた北南両首脳の映像で頂点に達した。

舞踊ミュージカル「春香伝」のワンシーン

金秀子さん(54)は「6年前に上演された『春香伝』も見たが、そのときとはメンバーも変わっている。若い団員たちがあのような役をするには難しいはずなのに、役にしっかりはまっていてとても良かった。『卞学道』役の柳展鉉さんの演技にも、ものすごく感動した」とし「変貌を遂げる情勢ももちろんだが、団員たちがそれこそ『一つ』になって作品を完成させたと思うと、さらに感動した」と話した。

公演には、民団京都府地方本部元団長の王清一さんも訪れた。「南北のスポーツ、文化、多方面の交流を望んでいる。南北・米朝首脳会談には日本はもちろん世界中がびっくりした。南北を結ぶ鉄道も道路も連結、現代化される。統一は、南も北も在日もみんなが望んでいることだ。数年前に行った民団と総聯との合同行事を復活させてほしい。在日も思想と理念と立場を越えて、この公演ような文化交流を重ねていくことが重要だと思っている」と感想を寄せた。

観客にむけて手を振る団員たち

生徒らの特別公演

開場を控えたロビーでは、団員らではなく、京都中高の民族器楽部・声楽部・吹奏楽部の生徒たちの音合わせが行われていた。「(京都中高)創立65周年という節目の年の公演で、母校の後輩たちと一緒に舞台に立てることをとても嬉しく思っている」――そう話すのは京都出身の舞踊手・金沙都さん。この日、歌劇団の公演に先立ち、今年創立65周年をむかえる京都中高生徒たちによる特別公演の時間が設けられた。吹奏楽部顧問の李相大教員は「歌劇団の舞台というプレッシャーもあるが、生徒たちの可能性を存分に発揮する良い機会にしたい」と話す。「今の時代、朝鮮学校に通う生徒たちには、日本における差別に立ち向かうため団結するだけでなく、北南朝鮮はもちろん、米国や中国など世界をつなぐ役割、価値があると思う」(李教員)。

吹奏楽合奏「斐伊川に流るるクシナダ姫の涙」

声楽部の指導にあたっている劉福香さん(47)は「子どもたちがしっかりと『この歌』の歌詞を伝えられたら」と話す。この日声楽部によって披露された歌「オンマ、あのね」は、分断時代に生まれた在日の子どもたちの素朴な思いを詩にしたものだ。

合唱「オンマ、あのね」

生徒たちはそれぞれ前記の合唱、民族器楽合奏「春の訪れ」、吹奏楽合奏「斐伊川に流るるクシナダ姫の涙」を披露。観客らは生徒たちをあたたかく見守り、時には目頭をぬぐいながら喝采の拍手を送った。

吹奏楽部に所属していたという同校卒業生の李佳奈さん(21)は「高校2年生のときに創立60周年を迎えた。いろんな懐かしさが込み上げてきたし、後輩たちがあのように舞台で演奏している姿を見ると感慨深い」と話した。

和楽器奏者の山本朗生さんは「どれもが高レベルでの演奏で、学校の高い水準での音楽教育を感じた。このレベルの演奏は、普通の公立の学校などではまずお目にかかれないと思う。また舞台に立つ所作なども落ち着いていて、とても素晴らしい演奏だった。どんな学校教育からこんな充実した演奏が生まれるのだろうと思った」と感想を寄せた。

民族器楽合奏「春の訪れ」

出演前、「ウリハッキョにしかない民族器楽部の演奏を通して、65年の歴史を刻んだ京都中高のすばらしさをアピールしたい」と話した民族器楽部主将の趙唯純さん(高3)。演奏が終わると清々しい表情で「すごく楽しかった」とし、「2階席に座って歌劇団のオケピを見るんだ」と楽しそうに目を輝かせた。

「根強いファン」

ガラス張りの会場ロビー、通路までぎっしりと埋めた長蛇の列を「何事か」と言わんばかりに下から見上げる人びとが目に付いた。会場で働く女性職員は「この劇場を利用される一般のコーラス団体や劇団と比べても、今日の公演には多くのお客様がいらした。普通は1階席で閉めてしまうところ、2階、3階席にもみなさんがお座りに。『根強いファン』がいらっしゃるんだろうと思った」と話す。

観客らは長蛇の列を成した。

開場の3時間前、1番最初に入り口に並んだのは64歳の日本人男性。公演の知らせを聞いたときから、この日を楽しみにしていたという。「昔、舞鶴港によく万景峰号が来て、朝鮮の物産をたくさん持ってきてくれた。蟹がすごく美味しかったんだ。在日の皆さんとはそのときから仲良くさせてもらっている」。他の予定がないかぎり、歌劇団の公演は何度も見に来ているという。

公演後、出演者らとのささやかなふれあいも。

福知山公立大学学長・井口和起さん(78)も「総聯とは長い付き合いだ」とし、「朝鮮の舞踊はとてもしなやかでびっくりする。見るたびに新しい感動を得る。日本と朝鮮半島の近代歴史を研究しているが『春香伝』についてもストーリーは少し知っていて楽しく見た」と顔をほころばせた。「そして今年は特に特別な感情がある」と井口さん。「朝鮮半島情勢の大きな曲がり角に差し掛かった今、世界全体が関わる新しい歴史の一歩を踏み出すときにこの公演ができた。すごく嬉しく思っている」。

長年にわたり築き上げられた朝・日友好の歴史は日本人士らの中にも歌劇団の「根強いファン」を生んだ。そして友好の希望は、若者たちの心にも。朝鮮学校と民族教育の発展をめざす会・京滋「こっぽんおり」事務局の三嶋あゆみさん(37)は「エピローグで朝鮮半島の統一をテーマにした歌や映像が流れた瞬間、在日のみなさんの拍手と熱気に圧倒された。作品に込められた意味と同時に、みなさんの思いをしっかり感じ取ることができた」という。木村理恵さん(39)は「時にはシリアスで時にはコミカルなシーン、伝統的なものから現代的な踊りまでさまざまなものを見れてとても楽しかった」としながら「朝鮮の歴史を詳しく知っているわけではないが、統一に熱い思いを馳せるみなさんの中に一緒にいられたことをとても嬉しく思った」と心境を述べた。

(李鳳仁)


平壌での美術教育に携わっているため、平壌という土地柄はもともと朝鮮近代美術において非常に大きな意味をもっているのである。

2018-03-18 | 朝鮮文化の紹介

高句麗の美意識息づく平壌の街並み/喜多恵美子

中間色多様、造形の繊細さや優美さと共鳴

ビル群も外装には中間色が好んで用いられていた(筆者撮影)

2017年8月に訪朝した際、観覧の機会に恵まれた朝鮮美術博物館は、金日成広場に面した石造のたいへん重厚で広大な建造物である。その中には1号室から24号室までの展示室を備え、所蔵作品も高句麗時代から解放後の近現代美術まで網羅しており、膨大である。

筆者は、朝鮮民主主義人民共和国(以下、朝鮮)発行の「朝鮮美術史」や美術博物館の図録を通してある程度、朝鮮の美術史観を学ぶ努力をしてきたものの、やはり作品の実見はすべてを凌駕する。今回の観覧に際しては、実作がどのように展示され、どのように区分され、どのような作品が重視されているかをこの目で確認できたことがなによりもありがたかった。

 

朝鮮美術博物館の外観(盧琴順撮影)

印象的な壁画の実寸模写

今回の観覧で印象に残ったのは、やはり高句麗の古墳壁画の実寸模写である。高句麗古墳壁画の模写としては、日本では植民地時代に東京美術学校教授である小場恒吉が江西大墓の四神図を描いたものがよく知られている。この模写は東京大学付属博物館ならびに大韓民国の国立中央博物館に分散して所蔵されている。以前、東京の朝鮮大学校附属の歴史博物館を訪問した際、江西大墓以外の著名な古墳壁画の模写がいくつもあることに感銘を受けたが、平壌の美術博物館では当然ながらこの朝鮮大学校附属歴史博物館を凌駕する量の壁画の模写を見ることができた。これらの模写が朝鮮近代美術において重要画家である鄭玄雄らの手によるものであったことも作品を見るうえでもうひとつの大きなポイントとなった。

安堅、鄭敾、金弘道といった朝鮮時代を代表する画家の作品中、共和国所蔵になる貴重な遺物を実見できたことも大変よかった。作品保護の目的だと思うが、実作ではなく模写が展示されていることが結構あったので、その点、注意しながら観覧した。

歓送会の会場風景

筆者の専門は近現代であるため、開港期以降の作品に対して大いに期待していたが、意外にも開港期から解放前後の作品は展示されておらず、展示室の後半部分においては1960年以降の作品が主流となっていた。美術分野においては、金瑢俊、吉鎮燮、金周経をはじめとする、実力派の画家が越北したことで知られているし、そもそも東京美術学校への初期留学生である金観鎬や金瓚永らは平壌出身であり、帰国後、平壌での美術教育に携わっているため、平壌という土地柄はもともと朝鮮近代美術において非常に大きな意味をもっているのである。

とはいうものの、1960年代以降の作品は、これはこれで素晴らしいものであり、図録ではなじみ深いものであった作品を朝鮮美術博物館という重厚な空間で見ることができたのは本当に喜ばしいことであった。1960年代以降に描かれた朝鮮絵画には金日成主席の指導が入っており、明るい大画面の「朝鮮画」に重点が置かれている。これはいわゆる朝鮮時代の文人画や彩色画とも、韓国の「韓国画」ともまったく異なる、朝鮮独自の絵画様式となっている。輪郭線を描かない没骨法と陰影法により、一見油彩画のようにも見える作品は、油彩画にはない透明感と軽快な色彩が特徴的であり、巨大な画面に群像が配されることが多い。政治的内容を扱った絵画は「プロパガンダ美術」として、日本では「正統な美術品」としては扱わないのが一般的であるが、これは西洋近代的な意味での美術史学の限界を意味してもいる。朝鮮民族の国である韓国の美術史では、これがまた日本と異なり政治と美術との関係性については肯定的に解釈されることが少なくないので興味深い。80年代の民主化闘争の折に盛んに制作された民衆美術がそのよい例である。民衆美術は韓国の現代美術史で重要な位置を占めている。

高句麗古墳から出土した金銅製装飾。平壌の建物の流麗な線のイメージを思わせる

筆者は韓国に五年ほど留学していたため、朝鮮民族の造形感覚や色彩感覚にたいしてある程度、これといった認識をもっていたつもりであった。しかしながら、朝鮮はそうした感覚と重なる部分があるものの、まったく異なる点も少なくなかった。まず、ビルの建て方や外装においてはソウルでよくみた建物に近いものがあり、緑色に塗られたビルについては懐かしいとすら思ってしまうほどであった。

かと思えば、建物の建材の造作や装飾の繊細で流麗な様子は、韓国のものとはまったく違い、例えるとフランスの意匠を思い起こさせるところがあった。それは、突き詰めると高句麗の金銅製冠飾などに見られる繊細でのびやかな線の造形にいきつく。これは韓国の造形感覚がときに無骨なまでに素朴なのとはきわめて対照的である。筆者は大学の朝鮮美術史の授業のなかで三国時代の金冠を比較してみせることがあるが、まさに高句麗の繊細で優美な造形と高句麗の美意識を引き継いだ百済のやや素朴で愛らしいデザイン、さらには新羅の勇壮で男性的な造形を並置したときに見られる埋めがたいギャップが平壌とソウルの造形物の間に見出すことができるのである。

開城の名物料理飯床器

温かな感情いきかう

また、色彩も朝鮮民族は原色を好むとされるが、朝鮮ではむしろ中間色が多用されており、それが造型の繊細さや優美さとうまく共鳴しているのである。朝鮮は明らかに高句麗の末裔なのだと再認識した次第である。

バスでの移動中、たまに裏通りを通る時があったが、素朴なアパートの窓々にゼラニウムのような植木鉢がちまちまと並べられているのを見た。植物というのは手をかけてやらないとすぐに枯れてしまうものだ。そうした窓辺がいくつも開け放たれており、そのひとつからのんびりと外を眺めるおじいさんがいて、その下には遊びはしゃぐ子どもたちの姿があった。こまやかな感情のいきかう温かな空間がここにはあるのだなと感じることができた瞬間であった。

(きだえみこ、大谷大学教員)


道は116億ウォンを投じ、大規模駐車場などに充電施設を設置するなどインフラ整備なども進める方針

2017-12-31 | 朝鮮文化の紹介

韓国・済州島のEV普及進む 来年1万5千台超

2017/12/31 09:00

【済州聯合ニュース】韓国南部、済州島を行政区域に持つ済州特別自治道は31日、来年道内で、電気自動車(EV)3597台とEVバス38台を普及させると発表した。

今年6月、済州市で開かれたEV試乗会に参加した東方神起のユンホさん(左)と少女時代のユナさん(資料写真)=(聯合ニュース)</p><p>
今年6月、済州市で開かれたEV試乗会に参加した東方神起のユンホさん(左)と少女時代のユナさん(資料写真)=(聯合ニュース)

 同道は二酸化炭素を発生させないようにするプロジェクトを実施している。EV購入1台当たりの国からの補助金は来年から段階的に減額されるが、道は今年と同額の補助金を支援する。

 またガソリン車からEVへの転換を進めるため、ガソリン車などを廃車または輸出し、登録抹消してEVを購入した場合、1台当たり150万ウォン(約16万円)を支給するなどの支援も行う。

 済州道に初めてEVが登録された2011年から今年11月までに登録されたEVは計8836台。昨年は5106台が搬入され、2770台が登録された。

 来年上半期に、残りの2336台が全て登録されればEVは計1万1520台になり、来年分が全て登録されれば1万5000台に達する見通しだ。

 道は116億ウォンを投じ、大規模駐車場などに充電施設を設置するなどインフラ整備なども進める方針だ。

yugiri@yna.co.kr


朴さんは「胸を熱くさせてくれる公演に感動し、『ウリ祖国』『ウリ組織』『ウリ民族教育』を守り抜くことへの思いを新たにした」と語った。

2017-12-24 | 朝鮮文化の紹介

 

金剛山歌劇団年末特別公演「信念の歌」、800余人が観覧

“信念を抱き歩み続けよう”

フィナーレでは朝鮮女子サッカーの優勝シーンがスクリーンに映し出され、会場からは拍手が起こった

金剛山歌劇団年末特別公演「信念の歌」(歌劇団主催)が20日、東京・中野のなかのZEROホールで行われ、総聯中央の許宗萬議長が副議長、各地方本部委員長、中央団体、事業体の責任者、同胞、学生ら800余人とともに観覧した。

女性同盟結成70周年からはじまり、高校無償化裁判(大阪)での歴史的な勝訴や今年のラストを輝かしく飾ったE-1選手権での朝鮮女子サッカー代表の優勝まで、同胞たちが涙し歓喜に沸いた2017年。

カヤグムと高音チョッテ「突破せよ最先端を」

 

祖国と共に歩んだ今年の一年を「信念」をテーマに表現した今公演では、男声独唱「繁栄する祖国」、男声3重唱「我らは万里馬騎手」など発展する祖国を描いた演目から、対照的な音色で絶妙なサウンドを披露したカヤグムと高音チョッテ「突破せよ最先端を」、女性同盟70年の歴史と女性たちの決意を映像とともに朗読した詩「愛の9月」、金剛山歌劇団の洪嶺月さん(金日成賞桂冠人、人民俳優)による女声独唱「私たちが進む道」など、計14演目が舞台にあがり会場は熱気と拍手に包まれた。

混声2重唱「鉄嶺の下のリンゴの海」

また巡回公演で好評を博した群舞「チェンガンの舞」やチャンセナプ独奏「輝く星」、舞踊手全員によるサンモの舞「青山里の豊年」など、1年をとおし完成度を増した歌劇団による作品の数々に、客席からはアンコールの声が続いた。

群舞「チェンガンの舞」

学校建設、権利獲得運動、同胞宅への訪問やサークル活動まで、どの時代にも力強い同胞たちの姿があったこと、そして力強さの裏には、血と涙で組織を守り抜いた歴史があることを痛感したと涙を流すのは、女性同盟東京・中杉支部朴恩陽さん(63)。

朴さんは「朝鮮や総聯組織を圧殺しようとする昨今の政治状況に嫌気がさす」としながら「胸を熱くさせてくれる公演に感動し、『ウリ祖国』『ウリ組織』『ウリ民族教育』を守り抜くことへの思いを新たにした」と語った。

チャンセナプ独奏「輝く星」

朝鮮女子サッカー応援団の先導役となり、当時ひときわ大きな声で同胞たちに応援を呼びかけていた朝青中央宣伝文化部指導員の趙智香さん(27)。

趙さんは「今年は闘い、試練の年だったというが、朝鮮サッカー代表団を前に歓喜に沸く同胞たちを間近でみながら同胞社会の力の原動力は祖国とつながっていることなんだと改めて実感した」という。

「今日の公演では洪嶺月さんの独唱が胸に響いた。朝青をはじめ次世代たちがこの世代の熱意に負けず代を継いで同胞社会を守っていかなければと改めて思った」

会場は800余人の観客で賑わった

女性同盟栃木県本部顧問で金剛山歌劇団全国後援会副会長の権英淑さんは、「今年は本当に激動の年だった」としながら「朝・日の関係が悪化している状況下で、女子サッカーの優勝をはじめ、祖国と同胞が心を通わすことのできる空間があったし、希望を見る瞬間が多かった。困難な中でも国を守り抜いている祖国に学び、私たちも今踏ん張らなきゃいけない」と話した。

今年の金剛山歌劇団2017アンサンブル公演「黄金の遺産」は、6月の大阪公演を皮切りに延べ26回、約19,000人の観客が足を運んだ。

(文・韓賢珠、写真・盧琴順)


昨年北朝鮮の人口は2490万人で、韓国5125万人の半分の水準だった。出生率は1.94人と推定され、初めて2人未満に下がった。

2017-12-17 | 朝鮮文化の紹介

北朝鮮住民、100人に14人が携帯電話…昨年成長率、南を上回る

登録:2017-12-15 22:49 修正:2017-12-16 07:17

統計庁「2017年北朝鮮の主要統計指標」 
昨年、北朝鮮の1人当り総所得は年15万円 
経済成長率は3.9%、韓国(2.8%)を上回る

                                           
                                            平壌の花屋で商人が母の日の花を準備している=平壌/AFP聯合ニュース

 昨年、北朝鮮の経済成長率が8年ぶりに韓国の成長率を上回ったことが分かった。だが、今年は北朝鮮が最悪の干ばつを体験したうえに、国際的な経済制裁により成長が振るわないだろうと見られる。

 統計庁が15日に発刊した「2017年北朝鮮の主要統計指標」によれば、昨年北朝鮮の人口は2490万人で、韓国5125万人の半分の水準だった。国民総所得は、北朝鮮が36兆3730億ウォンで、韓国(1639兆665億ウォン)の45分の1の水準だ。1人当り国民総所得も146万ウォン(約15万円)で、韓国の3198万ウォン(329万円)に比べ22分の1の水準だった。昨年北朝鮮の成長率は3.9%で、2.8%の成長に終わった韓国を抜いた。北朝鮮の成長率が韓国より高くなったのは、3.1%(韓国は2.8%)を記録した2008年以来初めてだ。北朝鮮の昨年の高い成長率は、前年の2015年に干ばつで食糧と電力生産が大幅に減り、マイナス成長をしたことに伴う基底効果のためと分析される。ただし今年は、北朝鮮の経済展望は明るくない。韓国開発研究院(KDI)のキム・ギュチョル北朝鮮経済研究部研究委員は「今年、北朝鮮は16年ぶりと言われる最悪の干ばつを体験したことに加え、国際的な対北朝鮮経済制裁により朝中貿易も減少するなどの要因が作用して、昨年のような高い成長率を記録することは難しいという展望が優勢だ」と明らかにした。

 北朝鮮の携帯電話加入人口は360万6千人で、100人に14人が携帯電話を利用していることが明らかになった。また、道路の総延長は2万6176キロメートルで、韓国(10万8780キロメートル)の4分の1水準だが、鉄道の総延長は5226キロメートルで、3918キロメートルの韓国より1.3倍長かった。2015~2020年の北朝鮮の合計特殊出生率は1.94人と推定され、初めて2人未満に下がった。ただし同じ期間の韓国の1.33人よりは高い。

ホ・スン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

昨年の11~12月、奈良県にある大和文華館の展示「朝鮮の絵画と工芸」に出品され韓国にも知らされた。

2017-12-04 | 朝鮮文化の紹介

500年ぶりに帰ってきた名品「山水図」、描いたのは誰?

登録 : 2017.12.03 21:38 修正 : 2017.12.04 06:46

 

国立中央博物館、16世紀作を日本から還収 
既存所蔵の「山水図」と双子のよう 
梁彭孫の作品かを巡り学界論議

最近、国立中央博物館が日本から還収した16世紀の作品「山水図」。昨年日本の大和文華館の展示に出品され韓国に知らされた貴重名品で、中央博物館が所蔵する16世紀「山水図」と共に屏風として一対になった作品だと推定される=ヤマト文華館提供//ハンギョレ新聞社
国立中央博物館に所蔵されている16世紀作の「山水図」。1916年、朝鮮総督だった寺内が寄贈した作品で、今回日本から還収した「山水図」と方向が違うだけで風景の構図はほとんど同じであり、一つの屏風に並べられた作品と見られる=国立中央博物館提供//ハンギョレ新聞社

 500年ぶりに離散家族を見つけた。

 国立中央博物館が最近、日本の収蔵家と交渉を行い、16世紀作の名品である「山水図」を還収してきたことが確認された。この作品は、縦横88.7×56.7センチの紙に、遠くの山と川を背景にして、絵の右側に奇怪な岩峯と松林の丘の風景を淡く描いた水墨画だ。絵画の上方には流麗な文字で四言詩が書かれ、赤い印も捺されている。昨年の11~12月、奈良県にある大和文華館の展示「朝鮮の絵画と工芸」に出品され韓国にも知らされた。その後、還収世論が起きて、博物館が今春現地の収蔵家から億ウォン台の巨額で買い取った。

 この絵に関心が集中するのは、韓国国内で珍しい朝鮮初期の名品山水画であることに加え、博物館に双子のように似ている同時代の「山水図」が伝えられているためだ。博物館所蔵の「山水図」は、1916年に李王家美術館(国立博物館の前身)に寺内正毅総督が寄贈した作品で、岩峯と岩の方向が絵の左側にある点が違うだけで、素材、画法、字体、印章も酷似している。博物館側が二つの作品を科学的に分析した結果、紙の質も同じであることが明らかになった。事実上、一つの屏風に一対になった同一作家の絵であることが判明したわけだ。博物館側は12月8日に再開館する書画室展示に二枚の「山水図」を並べて比較展示する予定だ。

 二枚の絵を描いた作家が誰なのかは論議が絶えない。これまで二枚の「山水図」は、15~16世紀の士林派の巨頭だった趙光祖(チョ・グァンジョ、1482~1519)の知人だった文人、学圃 梁彭孫(ヤン・ペンソン、1488~1545)が描いたものと言われてきた。学圃は1519年、己卯士禍に関わり、18年間全羅道和順(ファスン)に隠遁し、趙光祖が毒薬で死んだ後に遺骸を弔った人物だ。書に長けていたが、画家として活動したという当代の記録はない。彼の絵に関する記録は、19世紀の「東国文献録」に出てくるものが唯一だ。

 還収された「山水図」は、日本の展示図録に梁彭孫の作品となっており、博物館所蔵品には梁彭孫が描いたと伝わっているという意味の“伝承作”と表記されている。「山水図」が梁彭孫の作であるという認識が固まったのは、日帝が「朝鮮古蹟圖譜」に作品を載せ「梁彭孫作」と表記したのが、解放後にも慣行につながったためだ。「韓國繪画大觀」(1969)は梁彭孫作と断定し、国立博物館の「韓国美術五千年展」(1975)などでもこうした認識に従ったが、1996年の湖巌美術館の「朝鮮前期国宝展」でイ・ウォンボク当時国立博物館学芸官が異見を提起し論議が表面化した。

 現在、韓国の学界では、概して梁彭孫の作品ではないという意見が多い。還収品と博物館所蔵品の双方に捺された印章は、梁彭孫が所蔵したという意の「梁彭孫蔵」と判読されるが、同じ印章が現在も澗松(カンソン)美術館に所蔵されている尹斗緒(ユン・ドゥソ)の大作「深山芝鹿圖」など18世紀の画家の作品にもみられる。梁彭孫の印章であれば、200年後の人である尹斗緒の作品に捺されるわけがない。絵幅に書かれた詩句の字体も、朝鮮後代のものと推定される。美術史家のホン・ソンピョ梨花女子大教授は「このように優れた山水図を残すほどならば、画家として活動した記録が残っている筈だが見つからない」として「朝鮮初期の士大夫たちが高度な技法を要求する画員風の図を忌避した慣行を勘案すれば、学圃の作品ではありえない」と言い切った。

ノ・ヒョンソク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )


ソウル西大門区(ソデムング)の梨花(イファ)女子高歴史サークル“握斧”のキム・ノグォン会長(18)の顔から微笑がこぼれた。

2017-06-22 | 朝鮮文化の紹介

100個の“小さな少女像”の後には彼女たちがいる

登録 : 2017.06.20 22:28 修正 : 2017.06.21 06:46

梨花女子高歴史サークル「握斧」の部員たち 
2015年韓日「慰安婦」合意以後 
「自分の学校に小さな少女像建設運動」開始 
19日、目標の100校が確定し成功

梨花女子高歴史サークル“握斧”の「自分の学校に小さな少女像建設運動」//ハンギョレ新聞社

 初めはまさかできるとは思わなかった。「100個にならなかったらどうする?」おじけづいた友達は、お互いを慰め始めた。「100という数字はただの象徴的なものじゃない?成し遂げられなかったからといって失敗したということじゃない」。そんな風にして始めた「自分の学校に小さな少女像建設運動」は、少しずつうわさが広がり、19日に100番目の学校が参加して目標を達成した。「1年の時、サークルの先輩と計画を初めて構想した時は、夢のような話だったが、“100”を満たすことができてびっくりしました」。ソウル西大門区(ソデムング)の梨花(イファ)女子高歴史サークル“握斧”のキム・ノグォン会長(18)の顔から微笑がこぼれた。

 

 「少女像世代」の女子高生たちがやり遂げた。歴史サークル「握斧」の「自分の学校に小さな少女像建設運動」がプロジェクト開始から1年あまりで成功裏に終えられた。全国の高校96校と中学3校、小学校1校が「小さな少女像」を校内に設置することにした。すでに61校に少女像が設置され、39校は像の製作を待っている。

 

 

退溪院高等学校に建てられた「小さな少女像」の姿=梨花女子高歴史サークル“握斧”提供//ハンギョレ新聞社

 2015年末に行われた日本軍「慰安婦」被害者問題関連韓日合意が、すべてのことの始まりだった。「何かしなくては」と意気投合した握斧の会員たちは、学校に「日本軍『慰安婦』問題を考えられるように『小さな少女像』を建てよう」と提案した。昨年5月にはまずソウルと京畿道の高校900校に直接手紙を送って参加を訴えた。「“自分の学校に少女像”を建設する高等学校になってください。小さな少女像はハルモニ(おばあさん)と手を握る私たちの確約です」。そこから全国の100の学校に、少女像100個を建てようという目標を立てた。

 

 フェイスブックに「大韓民国高校生少女像」のページを作り、広報活動も始めた。やがて全国各地から参加の便りが聞こえてきた。生徒たちが募金した少女像製作費50万ウォン(約5万円)を送れば、握斧が“平和の少女像”の製作者であるキム・ソギョン、キム・ウンソン夫妻に届け、作家が縦横30センチ大の小さな少女像を学校に送った。学校がお金を加えて大きな少女像を設置した所もあった。中には募金に成功しても“政治的”だという理由で許可しない学校もなくはなかった。

 

 

18日、第81号「小さな少女像」建設運動完了のニュースが伝えられた金海慶原高校の歴史サークル“易地思之”の生徒たちが学校で小さな少女像建設に向け募金活動を行っている= 梨花女子高歴史サークル“握斧”提供//ハンギョレ新聞社

 握斧は、小さな少女像建設運動を知らせるために、2月から2カ月間ストーリーファンディング(ポータルサイト ダウム)も進めた。目標金額の300万ウォン(約30万円)の5倍を超える1500万ウォンが集まった。このうちの一部で募金が難しかった慶尚北道鬱陵郡(ウルルングン)の鬱陵高校と唯一の小学校である京畿道龍仁市(ヨンインシ)の杜倉小学校を支援した。ソ・カヨン副会長(18)は「日本軍『慰安婦』として連れていかれたハルモニが、私たちと同じような年齢で苦難に遭ったので、一層関心が強いようだ」として「今でも希望する学校が多く、今後も建設運動を続けるだろう」と話した。梨花女子高の歴史教師ソン・ファンチョル氏は「少女像建設という一つの目標のために、全国の生徒たちが学校の塀を越えて連帯する難しい仕事をやり遂げた」と話した。1999年に作られた“握斧”は、人類最初の道具である握斧で、世の中の誤ったものを壊し正そうという意味を込めている。

 

20日、ソウル西大門区の梨花女子高読書室に設置された「小さな少女像」の後で梨花女子高歴史サークル“握斧”の部員たちがポーズを取っている。左から握斧部員ソン・ドンヒ(18)、会長キム・ノグォン(18)、副会長ソ・カヨン(18)、部員ヒョン・スビン(18)さん//ハンギョレ新聞社

ファン・クムビ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )


「国交が正常化されたら、朝鮮と日本の間をよりたくさんの人たちが行き来しながら、食を通して心を繋げられるはず。

2017-06-06 | 朝鮮文化の紹介

夢広がる朝鮮の「食」/金貞淑さん講演会「朝鮮はおいしい!」

                             

朝鮮文化研究会主催の講演会「朝鮮はおいしい!」が2日、都内で開かれ、同胞、日本市民らが足を運んだ(写真)。

2014年7月から16年末まで「朝鮮紀行『食』」を執筆した、朝鮮大学校短期学部の金貞淑教授が講演。平壌をはじめとした朝鮮各地での料理実習体験を通して見聞した、朝鮮の食文化について語った。

金教授は「食は、人が育つ根(土台)。食からは歴史・生活・文化を知ることができ、社会や民族、国や集団のあり方を知ることができる。食を知れば、そこに住む人がわかる」と話した。
講演では、皿に盛り付けられた料理に限らず、朝鮮の台所や調理器具の説明、研修旅行のエピソードなど写真をふんだんに取り入れながら紹介し、参加者たちの興味をそそった。

約2時間の講演を終えながら、金教授は食の未来についての思いを語った。

「国交が正常化されたら、朝鮮と日本の間をよりたくさんの人たちが行き来しながら、食を通して心を繋げられるはず。例えば、江原道・洗浦地区畜産基地での和牛の放牧や、大同江ビールのブランド化も夢ではない」。

講演後、客席からは「朝鮮の米は1キロいくらですか」、「平壌ではまだタンゴギ(犬料理)は食べれますか」、「ソガリ(高麗結魚)は大同江でとれますか」など、たくさんの質問が寄せられた。(鳳)