みなさま
Bccで失礼します。
京都市の教科書採択が21日の市教育委員会で決まります。これまでと違い、市議会請願採択や委員会審議での政治圧力、採択地区の一本化、選定基準の改悪など大変厳しい環境の中で採択されます。
そこで、急で申し訳ありませんが、沖縄関係で市教委交渉をおこないます。
7月20日(水)16:00
市役所正面、向かって右側の待合室
にお集まり下さい。16:10に市教委に行きます。予定は50分間です。遅れてでもご参加いただける方は直接市教委に来てください。
例えば、
沖縄戦
地図に載せないなど沖縄軽視など
沖縄関係をやりますが、盗用問題、侵略戦争美化、憲法問題など他の問題で言いたいという方でも、最後の機会になると思いますのでご参加下さい。
尚、20日、17:30より市役所東門で宣伝行動
18:00集会
18:15四条河原町までデモ
21日、9:30教育委員会傍聴にもご参加下さい。
とりいそぎ。かとう
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中学校社会科歴史教科書採択についての要望書
2011年7月20日 大江健三郎・岩波書店沖縄戦裁判支援連絡会・京都グループ
連絡先 京都市東山区福稲柿本17-55 小松方気付
日ごろ、教育委員の皆様の御尽力に敬意を表します。
私たちは大江健三郎氏と岩波書店が、「沖縄ノート」「太平洋戦争」などの記述が名誉毀損であるとして、慰謝料の請求、出版停止、謝罪広告の掲載を求めて裁判を起こした時、支援連絡会を立ち上げました。そのうちの京都グループです。大阪や沖縄を中心とする裁判支援や調査などに参加するとともに、京都での沖縄関係の集会などに参加してきました。
私たちは、中学校社会科歴史教科書の採択で、自由社と育鵬社を採択されないよう要望します。
その理由は次の3点です。
① 原告が大阪地裁に訴え、陳述をしたことを根拠に、高校日本史教科書検定に検定意見が付き、「集団自決」の日本軍命令が書きかえられました。しかし、2008年3月28日地裁、同10月31日高裁、2010年4月21日最高裁と、すべて訴えが退けられる判決が出ました。
次のような明確な「証拠上の判断」に基づいて判示されました。
イ. 「決して自決するでない」と命じたとの梅沢の主張は到底採用できない。
ロ. 上記梅沢命令を隣の部屋で聞いたなどの宮平秀幸の供述は虚言である。これを無批判に採用し評価する(藤岡信勝氏が提出した)意見書等も含めて到底採用できない。
ハ. 援護法の適用を受けるため隊長命令説が捏造されたとは認められない。
(その他は省略)
そして、下記のように明快な判決が確定しました。
イ.隊長命令によることについて真実相当性がある。
ロ.論評部分は公正な論評に該当する。
ハ.継続的出版について、不法行為は成立しない。
ニ.訴訟費用は控訴人らの負担とする。
(その他は省略)
もちろん大阪地裁で、判断の前提となる法律的判断として、言論を萎縮させないため、資料や証言に基づく主張に対して、別の資料や論拠に基づき批判がなされる。さらに再批判が繰り返されるなどしてその時代の大方の意見が形成される。さらに時代を超えて再批判されるという過程をたどるもの。つまり司法に判断を委ねるのでなく、言論でたたかわすことを求めていることを踏襲しています。
しかし、上記のような完敗とも言える判決を受けたのに、自由社と育鵬社の教科書とも集団自決の原因は米軍の攻撃にあるという恥知らずな記述になっています。大騒ぎで裁判を推し進めながら、それが否定されるとまったく無視するという姿勢は、誠意が無さ過ぎますし、教育的でなく教科書執筆者の資格が問われる問題です。そのような教科書は教科書としての資格のないもであり、絶対に採択しないでください。
② 名誉毀損と出版停止を求めた「沖縄ノート」を、原告の梅澤氏は訴えてから1年後、赤松氏は飛び飛びにしか読んでいなかったことが裁判で明らかになりました。作家曽野綾子氏の誤読で、極悪人といわれたと思った経過が明らかになりました(注1)が、宮村幸延「証言」書は酒をたらふく飲ませ、家族にしか見せないといって署名させながら、すぐに新聞社に届けるなど、運動推進勢力の動きがあぶり出されています。他にも上記①の証拠上の判断で示した「宮平秀幸の供述は虚言である」というような判決文での表現がされたのは、何十年も弁護士活動をしていて初めてのことと被告側主任弁護士が報告していますが、こんなことは個人では不可能に近く、よこしまな運動団体の組織的な活動でしかできないものだと考えます。
つまり2000年頃から産経新聞などで、教科書の沖縄戦記述への攻撃が始まり「新しい歴史教科書をつくる会」の中心にいた藤岡信勝氏たちが2005年「沖縄プロジェクト」を立ち上げ、「集団自決(強制集団死)」訴訟や教科書検定への介入を強めてきました。歴史研究の地道な作業の成果や教育現場の蓄積などお構いなく、強引な手法で教科書に介入してきた人たちによって執筆編集された教科書だからです。
その面から見ますと、原告2人も彼らに利用され、敗訴すると無慈悲に捨て去られたということだと思います。私たちは、今回全国的に展開されている地方議会での意見書なども、そのように扱われる危険性があると危惧しています。
以上のように、歴史修正というよりは歴史偽造が、沖縄戦についてはいえると思います。そのような人たちが代表執筆者である教科書の採択は行わないように要望します。
③ 6月14日の朝日新聞は、「『つくる会』歴史教科書他社の年表と酷似」と題し、育鵬社と自由社の盗用を報じました。その記事中、自由社版教科書の代表執筆者で「つくる会」会長藤岡信勝氏は謝罪をしています。その後、横浜の関係者にお詫びの手紙を出しました。盗作を認め、東京書籍(株)に社長が出向いて陳謝していますが、経過については当時の担当者の退社で、「確かめることが出来ない」と責任を擦り付けています。
しかし、盗用は過去の問題であるとして、今回の2012年度用の自由社版の盗用については謝罪をしていません。自由社版の2012年度用の年表も東書2002年版の引き写しであることは秀吉の「朝鮮侵略」としていることから明白です。過去の担当者だけでなく、現在の担当者も盗作しています。盗作した上に、それが判明したら、嘘をついて逃げる。こんなことをする発行者の教科書は絶対認めるわけにはいきません。
育鵬社はもっと酷く、歴史教科書2012年度用77ページ図版は、日本文教出版(旧大阪書籍)2006年度用62ページの図版の盗用であることも指摘されていますが、何の釈明もありません。無責任極まりないものです。この社は独禁法や景品表示法違反の疑いももたれています。こういった犯罪行為をする教科書は子ども達に渡すべきではありません。
どうぞ、2社の教科書を採択せず、公正・公平な採択をしてくださるよう強く要望します。
(注1)別紙大江健三郎 近い将来への「証言」を求めるー沖縄戦裁判を終えてーをご参照ください。