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2歳に なる子どもがいるが、マンイルさんの母親が子守りを引き受けてくれたという。

2016-08-31 | 朝鮮民主主義人民共和国

〈月間平壌レポート 8月〉初開催のビール祭典が盛況

驚き、興奮、大同江畔に響く市民の歓喜

【平壌発=金淑美】朝鮮各地で高温現象が観測された今年の8月。連日35℃を超える暑さが続いた平壌では朝鮮で初となる大同江ビールの祭典が開催され、連日連夜にわたって大いに盛り上がった。

白熱の利きビール大会

大同江の夜景を一望し、夏の夜風に吹かれながら、冷えたビールをあおる――。朝鮮初のビール祭典の会場となったのは遊覧船「大同江」号とその埠頭。船内約300席に加え野外に約400席をしつらえ、一帯はさながら「朝鮮式ビアガーデン」と化した。

ビール祭典会場のようす

ビール祭典会場のようす

開幕式が行われた12日以降、職場などでは二言目には「ビール祭典、行った?」と、祭典の話題で持ち切りに。会場前は、開始時間を迎える前から連日人波であふれた。

取材に訪れたのは開幕式から数日が経った某日。混雑を避けて一足先に会場に入り、中央に設置されたステージ目の前の特等席に腰を下ろした。19時の 開場とほぼ同時に場内は満席に。ほどなくして若い男女に相席を求められた。少々手狭ではあったがこうした出会いもまた一興。快諾し、キンキンのビールで乾 杯した。

夫婦水入らずでイベントを楽しんでいた、カン・マンイルさん(左)とリ・チへさん

夫婦水入らずでイベントを楽しんでいた、カン・マンイルさん(左)とリ・チへさん

二人は夫婦で、聞けば夫のカン・マンイルさん(33)は今回が3度目の来場とのこと。一度目は職場の同僚と、二度目は友人らと訪れたそうだ。2歳に なる子どもがいるが、今日はマンイルさんの母親が「たまには夫婦水入らずで楽しんできなさい」と子守りを引き受けてくれたという。

「初日は興奮してしばらく寝付けなかった」とマンイルさん。祭典が人気を博しているわけは、野外の開放的な雰囲気だけでなく、ステージ上で繰り広げ られる公演や多彩な催し物にある。マンイルさんは、「ビール祭典と聞いて一体どんなものかと思っていたが、こんなに楽しいものとは想像もできなかった」と 話す。

一方、「ビールは苦手だけど、公演が見たくて」と妻のリ・チヘさん(30)。公演が始まると、歌と民族楽器、軽音楽による「わが国が一番良い」、「人民の歓喜」などの軽快な楽曲たちに、嬉しそうに目を細めて聴き入っていた。

公演の次はお待ちかね、「利きビール大会」。これは、麦と米の配合比率などによって7種類ある大同江ビールをすべて飲んだ後、そのうち一つを飲んでどのビールか言い当てるゲーム。祭典の目玉企画の一つだ。

7種類のうちどのビールかを言い当てる「利きビール」ゲームが人気だ

7種類のうちどのビールかを言い当てる「利きビール」ゲームが人気だ

この日会場から選ばれた出場者は平壌市民、中国人、イギリス人の3組。白熱した国別対抗戦は、司会者と会場に煽られていつしか一気飲みバトルに。全て飲み干したイギリス人男性に司会者から「闘志賞」が与えられると、会場中からはこの日一番の歓声があがった。

会場には外国人の姿も多く見られた。平壌市民と相席したり、ジョッキ片手に立ち話をしたりと、どのテーブルも賑わっていた。無類のビール好きだとい う40代のイギリス人男性は、「大同江ビールの質は世界レベル。世界各国のもっと多くの人が大同江ビールを飲む機会に恵まれたらいい」と話していた。

祭典の舞台裏

祭典を主催したのは玉流館など国内のレストランやホテルを管轄する人民奉仕総局が中心となって構成された準備委員会。準備段階では一日に1000人 くらいの来場を見込んでいたが、予想を上回る約1500人が連日にわたって押し寄せている。活況の裏には、「市民により楽しんでもらいたい」という主催側 の想いと努力がある。

最も重視したのが、「最高品質の大同江ビールを市民に提供すること」。製造元である大同江ビール工場から品質管理の専門スタッフが毎日派遣され、リアルタイムで品質をチェック。ビールサーバーやジョッキの消毒、食品の衛生管理も徹底した。

キンキンに冷えたビールが楽しめる

キンキンに冷えたビールが楽しめる

公演などのステージ上での催し物は、より多くの市民が見られるよう日に2回ずつ。利きビール大会の優勝者には商品が、出場者にはもれなく記念品が贈られた。

また、入り口付近には記念撮影コーナーが設けられたほか、Tシャツやうちわなどのオリジナル記念グッズも販売されていた。

これらグッズや祭典のロゴマーク、会場内の装飾にいたるまで今回すべてのデザインを手がけたのが、朝鮮産業デザイン創作社のチョン・ヨンイルさん (60)だ。大同江ビールの商標の生みの親として知られる。「祝典は文明強国建設や人民生活の向上に直結している。市民のための祭典の成功を願いながら製 作した」と話す。

装飾のほかにも会場には市民の便宜を図るための様々な工夫が施されていた。平壌は梅雨時期なので雨に備えて野外のテーブルにはテントを張り、灯りに群がる虫対策として外灯は会場の両端に設置した。

多くの平壌市民らが訪れた

多くの平壌市民らが訪れた

準備委員会のチョ・ヨンチョルさん(43)は、「初めて開催するイベントなので準備には苦心したが、準備委員会一同、市民のことを第一に考えて取り組んだ」と話す。

祭典は19時から24時まで。片付けが終われば、必ず一日の総括を行い、改善につなげる。スタッフらが帰路につくのは明け方になることもあるとい う。会計スタッフのキム・ボクシムさん(22)は、「平壌市民だけでなく、海外同胞や外国人の方々もとても喜んでくれるので、スタッフとしてやりがいを感 じる」と笑顔だった。ヨンチョルさんは、「敵対勢力は経済制裁を続けているが、確実に暮らしは上向いている。祭典の盛り上がりがそれを証明しているはず だ」と話した。

祭典は9月初旬まで続く予定。すでに「来年も」と継続開催を期待する声があがっている。

品質向上を実現

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祝典は連日大盛況だった

「大同江ビールがいっそう美味しく感じられる」。祭典を訪れた人々は口々にそう語るが、実は、祭典に出品された大同江ビールの美味しさは心理的効果によるものではない。大同江ビール工場では今回の祭典に合わせて7種類のビールの品質向上を実現した。

同工場のリ・ボンハク支配人(54)によると、近年工場では国際市場におけるビールの発展趨勢や消費者のニーズを研究・分析し、自社製品の品質のレベルアップを図った。改良された大同江ビールは、従来の味を維持しつつより口当たりが良くマイルドな味わいが特徴だ。

大同江ビールは海外でも人気が高く、アジアやヨーロッパなど諸外国からの輸出入ニーズも増えているが、「新たな国際市場開拓よりも、国内の需要を満 たすことが先決」とリ支配人。祭典では来場者を対象にした新しいビールの味に対する意見調査も実施している。市民のニーズを追求せんとする飽くなき努力 が、祭典を盛況せしめたもう一つの所以でもある。

(朝鮮新報)


裁判のときは、京都、大阪、名古屋とマイクで放送して、知らせた。そしたら、みんなが応援に来てくれた

2016-08-30 | 日朝友好親善を!

〈2016・風景に抗う 6〉“生きてきた正当性を記録する”/ルポ・ウトロを歩く

日本の「戦後」を問う

京都府宇治市伊勢田町ウトロ51番地。1941年、日本の侵略戦争遂行のための軍用飛行場建設に動員された朝鮮人は、戦後何ら保障のない中で、厳し い生活を余儀なくされ、20年にわたり「強制立ち退き」の危機にさらされ続けた。そして現在、長年の懸案事項であった「土地問題」が決着し、「ウトロ街づ くり」事業が推進されている。ウトロの今を追った。

共生の思いが書かれた看板

共生の思いが書かれた看板

同胞の生きざま

60世帯、約150人が暮らすウトロ地区。80年代まで労働者が使っていた飯場や人影のない朽ち果てた家々。時が止まったかのようなその風景は、戦後の同胞たちの生きざまを色濃く残している。

戦後、ウトロの所有権は「日産車体」に移された。そこからウトロの土地問題が始まる。その所有権は87年、住民に知らされることなく「西日本殖産」 に転売され、89年、同社は住民らに立ち退きを要求する訴訟を起こした。2000年11月、最高裁での上告棄却決定で、住民側が敗訴。「強制立ち退き」に 抗する住民たちの長い長い闘いが始まった。

80年代まで使われていた飯場の跡

80年代まで使われていた飯場の跡

「地上げ反対!ウトロを守る会」として30年以上もウトロと関わってきた田川明子さん(71)は、裁判で証言台に立った「おばあちゃん」の姿を語る。

「ぎっしりと埋まった傍聴席を前に、公の場で初めて自分たちの辛い境遇を聞いてもらえる。おばあちゃんは張り切って、どうしてウトロに住むように なったか、いかに悲惨な暮らしだったかを証言した」。しかし、裁判所は問題を「単なる土地所有権の問題」ととらえ、政府や企業、自治体の戦後補償責任に触 れることはなかった。「民事裁判だから、どちらが悪いということはないんだよといくら話しても『被告』と呼ばれることに強い怒りを感じ、また、証言台に 立ったが『宣誓書』の文字が読めず、裁判所職員に次いで復唱するおばあちゃん。傍聴席から、その小さい背中を見つめ、私は日本社会で触れ合うことのなかっ た人々の人生を知りました」。

植民地支配による生活破壊によって、生きる術を失い、海を渡った1世。「行けば家があてがわれる」と聞き、また徴用から逃れるため飛行場建設に従事 するが、それは到底家と呼べる代物ではなかった。そして戦後、同胞たちは、社会保障も得られない、幾重の苦しみと差別の中で、コミュニティを築き、生活し た。その住み慣れた「家」が奪われる。危機感は、強固な反対運動へとつながった。

「2度目やで。1度目は、国ごと地上げに会ったわけやないか(日本による植民地支配のこと)。これでわしらは2度目や」。ウトロに住む1世の姜景南さん(90)の言葉だ。

姜景南さん

姜景南さん

ウトロの空家をつぶそうとトラックがやってきた際には、「あんたら、なにしに来てんねや。その古い空家を潰しに来るんなら、私をひき殺してから潰せ」と地面に身を投げ出し抗議したという。

姜さんは「苦労だけや。それでもな、裁判のときは、京都、大阪、名古屋とマイクで放送して、知らせた。そしたら、みんなが応援に来てくれた」と回想する。

そして、その運動の中心には常に地域同胞に寄り添い続け親しまれた歴代の総聯活動家の姿があったという。

遅すぎた解決

「トンネを残す」。裁判を通じて住民たちが得た結論だった。そこから、土地を購入し、行政に公営住宅の設立を求める「ウトロまちづくりプラン」が当 事者と支援団体の手で進められた。土地購入のための募金運動は総聯組織や日本の支援団体のみならず、南の社会にも広がり、南の政府も支援に動いた。

第1次工事が行われている。

第1次工事が行われている。

今年の6月から、ウトロでは日本政府、京都府、宇治市が公的住宅を作る「ウトロ街づくり」事業に沿って、市営住宅建設に伴う解体工事が始まった。2020年までに市営住宅2棟61戸を完成させ、雨水貯留施設や上下水道、排水路を整備する。

長年にわたる強制立ち退きの恐怖におびえることはもうない。しかし、それはあまりにも遅すぎた決着であった。田川さんは言う。「『元気に頑張って生 き抜いて、住宅ができたときは私が第1号で入る。それが私の仕事やねん』と言っていたおばあちゃんたちは、亡くなってしまった。日本でたくさんの苦労を味 わったからこそ、たとえ半年でも1年でも安心して暮らしてほしかった。もう少し早かったら…」。

夕暮れ時、ショベルカーの工事音が鳴り響く。土地問題が解決し、姿形を変え行くウトロ。

総聯南山城支部の金秀煥委員長は、ウトロに隣接した陸上自衛隊大久保駐屯地をじっと見つめる。「戦後、軍隊を持つことを禁じられたにもかかわらず、 設置された自衛隊。その隣り合わせにあり、戦後補償からはじかれ続けた同胞たちが集うウトロ。ここには日本の近代における『矛盾』が混在しているんで す」。

また、ウトロ問題を追い続けたジャーナリストの中村一成さんはウトロのこれからをこう見据える。「土地問題が解決し、この地に生きてきた在日朝鮮人をどう記録していくか。なぜなら彼らの生きてきた正当性こそが、日本の植民地主義を根本から問うものだからだ」。

日本の戦争責任、植民地支配責任が集約されたウトロの地は、その姿を変えてもなお日本の「戦後」を問い続けている。

(金宥羅)


記事をそのまま掲載:北朝鮮は、以下のように考えている。皆さんはどう思う?

2016-08-29 | 朝鮮新報より転載

〈そこが知りたいQ&A〉朝鮮がSLBMを開発する目的は

核戦争抑止の最終手段確保

朝鮮は戦略潜水艦弾道弾(SLBM)の実戦配備に向けた試験発射を続けている。SLBM開発の目的と現在の進展状況をQ&Aで整理した。

8月24日に行われた戦略潜水艦弾道弾(SLBM)の水中試験発射(朝鮮中央通信)

8月24日に行われた戦略潜水艦弾道弾(SLBM)の水中試験発射(朝鮮中央通信)

—朝鮮のSLBM開発はいつから行われているのか。

開発着手の時点は定かでないが、朝鮮の国営メディアは金正恩委員長が自ら発起し、直接指導を行っていると伝えている。

朝鮮中央通信が金正恩委員長の指導の下で行われたSLBM試験発射を伝えたのは3回。15年の5月、16年の4月と8月だ。その内容を見ると開発は 国際社会の予想を覆すスピードで進んでいる。昨年5月に弾道弾の水中発射に成功して一年も経たずに飛行試験段階に突入、今回の試験発射では「段階熱分離と 操縦・誘導システムの信頼性、再突入弾頭部の命中度など弾道弾の核心技術」が目標値に達したという。SLBMは∇地上発射 ∇水上発射 ∇飛行試験、それに続いて∇潜水艦から誘導システムを載せた弾&道弾を発射し、目標に正確に着弾させる試験を経て実戦配備される。朝鮮のSLBM 開発は、その最終段階にあるといえる。

—金正日時代から大陸間弾道弾(ICBM)の開発は続けられてきた。既存の弾道弾とSLBMの違いは。

大雑把に言えば「ICBM+潜水艦=SLBM」となる。弾道ロケットの技術自体は同じだが、強いて言うなら、ICBMの使用は先制攻撃を想定し、 SLBMは報復用だ。海の中の潜水艦を完璧に探知するのは不可能だ。そこから発射される弾道弾を迎撃する技術は確立されていない。SLBMが最強の兵器、 最善の核戦争抑止力といわれる所以だ。核の先制攻撃によって相手国の核ミサイル基地をすべて破壊した後、第2派の攻撃を繰り出すという戦争計画は、 SLBMという最終兵器によって封じ込められる。海から核による報復攻撃を受けるかもしれないという恐怖が先制攻撃の抑止となる。

現在も米国は、朝鮮の核施設への先制攻撃を想定し、実動訓練を繰り返しているが、朝鮮のSLBMが実戦配備されれば、核武力を動員する米国の侵略戦争シナリオは根底から崩れる。

-朝鮮のSLBMが太平洋の向こうの米国に対する戦争抑止力であるならば、それ相応の射程距離を実現しなければならないはずだが。

朝鮮のSLBMが米国の軍事攻撃を未然に防ぐようにするためには、「射程距離」と「潜水艦のサイズ」という二つの技術的問題をクリアしなければなら ない。今回のSLBM発射は、6月の中長距離弾道ロケット「火星10」の時と同じく、飛行距離を意図的に短縮する「高角発射」で行われた。90度に近い角 度で打ち上げられ、1,413.6kmの高度に達し、400km前方に着弾した「火星10」の実際の射程距離は、米国の太平洋上の軍事拠点であるグアム島 を越えているはずだ。今回発射されたSLBMは500km飛行したというが、最大射程距離はそれより長いと考えられる。朝鮮のSLBMには「火星10」と 同じく固定燃料を使用する新型の大出力ロケットエンジンが搭載されているという指摘がある。

—「潜水艦のサイズ」に関する技術的問題はどうか。

朝鮮が発表したSLBM試験発射の公開映像を見る限り、発射管を1基だけ備えた中型の潜水艦が使われている。実戦を想定すれば、発射管を複数基を備 えた大型の潜水艦が必要になってくる。また、米本土と海外の米軍基地に照準を合わせ、海中で長期間に渡り作戦を遂行するには、ディーゼルエンジンではな く、原子炉を動力としなければならない。他国でも、核搭載可能なSLBMは原子力潜水艦で運営されている。

朝鮮でもSLBMの実戦配備を想定した新型潜水艦の建造が進められている。これもまた、金正恩委員長の発案によるものだ。朝鮮中央通信は、SLBM 試験発射成功に関する報道の中で、金正恩委員長が「強大な威力を持つウリ式戦略潜水艦の建造」を直接指揮していると伝えた。ここでいう「ウリ式」が何を意 味するのか、国内外の注目が集まっている。

—米国や日本はSLBM試験発射が国際社会に「脅威」を与える「挑発行為」で、「国連安保理決議違反」だと非難している。

国防力強化は、主権国家の正当な権利だ。米国の核威嚇が続く限り、核兵器の運搬手段となる弾道ロケットの開発を続けるという朝鮮の立場は変わらない。

朝鮮が実戦配備を目指すSLBMの名称は「北極星(북극성)」。英語で表記すれば「Polaris(ポラリス)」だが、これは米国で初めて開発され たSLBM(最初の発射実験は1960年)の名称だ。朝鮮は、米国が配備した核戦争装備に対する対抗手段としてSLBMの開発を進めていることを明確にし ている。

朝鮮は「火星10」や「北極星1」を「高角発射」することで、飛行距離を調整し、他国の領空、領海を侵入することなく、地域の安全を担保しながら、 弾道弾の性能をテストしている。これに対して「脅威」「挑発」のレッテルを張るのは、朝鮮への軍事侵攻をねらい、朝鮮の国防力強化にブレーキをかけるよう とする米国の論理だ。米国の「核の傘」の下にいる日本もこれに追随している。

朝鮮に対してのみ「弾道ミサイル技術を使ったいかなる発射も禁ずる」とした国連安保理の「決議」は、核ミサイルに関する米国の不当な二重基準を模倣したものだ。国際法上の根拠はなく、国連憲章の精神にも反している。

国連安保理の常任理事国(中・ロ・米・英・仏)はSLBM保有国だ。これまで実験を繰り返し、「核クラブ(nuclear club)」を形成した 国々が、同じプロセスを踏む国に身勝手なルールを適用し、一方的に責め立てるのは「大国の傲慢」以外のなにものでもない。朝鮮は、米国との戦争状態にピリ オドを打つ平和協定締結を目標に掲げつつ、核抑止力強化を「国際法で保障された自衛権の行使」として主張し、実行していくだろう。

(金志永)


「浮島丸」が爆沈した京都府と、出港した青森県でも追悼会が行われた。(24日付本ブログ参照)

2016-08-28 | 日・韓・朝友好親善のために

一刻も早く遺骨を遺族のもとへ/東京・祐天寺で朝鮮人戦争犠牲者追悼会

「浮島丸事件」(1945年8月24日)などで犠牲になった朝鮮人の遺骨が安置されている東京都目黒区の祐天寺で24日、第28回朝鮮人戦争犠牲者追悼会が挙行された。

会場には、金昌鎮、小林喜平、鈴木公一、梁大隆さんら追悼会世話人と、東京朝鮮人強制連行真相調査団関係者、総聯関係者をはじめとする同胞、「浮島丸事件」時に乗船していた小野寺和一(87)をはじめとする日本市民ら約40人が参加した。

祐天寺に安置されている遺骨は、1970年に厚生省(当時)から祐天寺に移管され、現在、本籍が朝鮮半島南部の275体(すべて「浮島丸事件」のも の)と本籍が朝鮮半島北部の425体(このうち5体が「浮島丸事件」のもの、4体がB、C級「戦犯」刑死者)の計700体の遺骨が安置されている。国家間 交渉により、南には2008年1月から2010年5月まで4回にわたり、遺族が判明しない遺骨(219体)を含む423体の遺骨が返還されたが、北には1 体も返還が実現されていない。

犠牲者の冥福を祈り、焼香する参加者たち

犠牲者の冥福を祈り、焼香する参加者たち

 

この日まず、法要が営まれ、住職が読経するなか、参加者たちは犠牲者の冥福を祈り、焼香した。

追悼会では、主催者を代表して世話人の金昌鎮さんがあいさつし、「最近の政治は71年前のずさんな戦争を忘れて、そこに1歩2歩近づいているように感じる」と警鐘を鳴らし、絶対に戦争が起こらない平和な世界にしようと呼びかけた。

続いて、青木英二・目黒区長、厚生労働省、「浮島丸殉難者を追悼する会」から寄せられたメッセージが紹介された。

その後、追悼会では参加者3人が発言。日韓合同授業研究会の藤田直彦さんは、犠牲者たちが誰で、どこでどのように亡くなったのかを明らかにしないこ とは、その者の存在をないことにしていると強調。「日本政府がきちんと事実を明らかにし謝罪することが大事だ。祐天寺の遺骨一つひとつが遺族のもとに帰る ことを願う」と語った。

東京朝鮮人強制連行真相調査団事務局次長の金哲秀さんは、2004年、南北の遺族を招き祐天寺で追悼会を行う際、北側の遺族2人が日本政府から実質 的に入国拒否されたことについて触れながら、「遺族は今でも当時のことを思い出している。この問題は一刻も早く解決しなければならない」と語った。

東京都歴史教育者協議会会長の東海林次男さんは「このような追悼が今後、新たに生まれないような社会をみんなで築いていこう」と呼びかけた。

追悼会のようす

追悼会のようす

1回目から追悼会に参加している山村茂雄さん(84)は「祖国に帰ることのできない遺骨が、どんな思いでいるのか」と思いを馳せ、「(遺骨は)故郷に戻ったほうがよい」と語った。

1回目から追悼会に携わっている世話人の鈴木公一さんは「加害の歴史を日本の人たちに知ってもらおうと私を含めた日本人有志3人で始めた」「返還も 謝罪も追悼も日本人の責任だ」と語った。また、鈴木さんは5、6年前から追悼会に参加する若者が少なくなっていることを憂慮している。

そんななか、今回初めて参加したという留学同西東京の金誠明さん(22)は、戦争により朝鮮人がどんな辛い思いをしてきたのかを改めて感じたとし、「年配の参加者が多かった。(若い世代が)歴史を忘れず、引き継いでいかなければいけない」と語った。

追悼会の後、懇親会が行われた。

「浮島丸」が爆沈した京都府と、出港した青森県でも追悼会が行われた。

(高英俊)


東村の高江橋:すでに拘束されていた市民らと一緒に数十分間にわたり押し込められました。

2016-08-27 | 動きだした戦争法

機動隊の沖縄2紙記者強制排除

“言論の自由踏みにじる”

暴挙に怒り・抗議の声広がる

 

 

 沖縄県の米海兵隊北部訓練場に政府が建設強行を狙う米軍ヘリパッド(着陸帯)の工事現場近くで、警察の機動隊が地元紙2紙の記者を強制排除し、身柄を一時拘束して取材活動を制限しました。この言論の自由を踏みにじる暴挙に怒りと抗議の声が広がっています。


 記者が拘束された沖縄タイムスと琉球新報の報道(21日付)によると20日午前、東村の高江橋で機動隊による市民排除を取材中の記者を機動隊員が包囲しました。

 記者は背中を強く押されるなどしながらバスとバスの間に連れて行かれ、すでに拘束されていた市民らと一緒に数十分間にわたり押し込められました。

 『新報』の記者は、排除される際に取材腕章を示しながら「琉球新報だ」と訴えたものの、機動隊は排除をやめませんでした。

 『タイムス』の記者は押し込められた際、沖縄県警に「取材中である」と訴えて、一度は解放されました。しかし、別の機動隊に再び拘束されました。『タイムス』の記者も社員証を見せながら、記者であることを訴えていました。

 この暴挙に両紙は、編集局長名で「現場には県民に伝えるべきことがあった。警察の妨害によって、その手段が奪われたことは大問題だ。…報道の自由を侵害するものであり、強く抗議する」(『新報』)などとする抗議声明を出しました。

 新聞労連(小林基秀委員長)は「多くのけが人や逮捕者まで出る緊迫した状況が続いており、現場で何がおきているのかを目撃し伝えることは、地元紙 はもとより沖縄で取材活動を続けている全ての報道機関にとって大切な使命」とのべ「報道の自由を侵害する行為とは断固として闘う」とする声明を発表しまし た。

 日本ジャーナリスト会議や沖縄県マスコミ労働組合協議会、中小出版社でつくる日本出版者協議会も抗議の声をあげました。信濃毎日新聞、高知新聞、東京新聞なども社説や特集で取り上げています。


思慮深い人間が持ち得る唯一の目標は、政治的緊張の高まりを抑制できる政策を追求すること」

2016-08-26 | 動きだした戦争法

[特派員コラム]東アジアの安保揺さぶる軍事力増強の逆説

登録 : 2016.08.26 04:21 修正 : 2016.08.26 06:56

 

セオドア・ボストル名誉教授//ハンギョレ新聞社

 韓米両国による高高度防衛ミサイル(THAAD)の星州(ソンジュ)への配備決定発表後、米国のミサイル防衛システム(MD)の 専門家である米国マサチューセッツ工科大学(MIT)のセオドア・ボストル名誉教授に、「中国が星州を軍事攻撃の目標に据える可能性はあるか」という質問 をしたことがある。

 

 同教授は「中国軍が星州に配備されたTHAADレーダーに対する攻撃計画を立てるのはほぼ確実だ」と断言した。同教授は「これは感情の問題ではない。中国はTHAADレーダーを自国の対米核抑止力に対する重要な脅威と見ているため、選択の余地がない」と説明した。

 

 さらに、「中国が星州を攻撃するとしたらどのような被害が予想されるか」も訊いてみた。最初に同教授は、「中国は『核先制不使用の原則』を宣言したと紹 介した。中国が「核先制不使用の原則」を固守する理由は「(道徳的な理由ではなく)先制攻撃をすれば、米国の大量報復を招きかねないため」と付け加えた。 だが、米国が中国に対して先制攻撃をした場合には、中国側からもすぐに報復攻撃を行わざるを得ず、このとき星州が攻撃対象になるだろうと見通した。

 

 同教授は、中国が保有する大半の中短距離核ミサイルの爆発力は200~300キロトンに及び、中国が星州を攻撃する場合、200キロトン程度の爆発力を 持つ核兵器を搭載した地対地短距離ミサイルを使用するだろうと予想した。1キロトンはトリニトロトルエン(TNT)1000トンが一気に爆発した時の爆発 力をいう。広島で爆発した原爆の爆発力は12.5キロトンだった。

 

 200キロトンの爆発力であれば1秒も経たないうちに、半径3分の1キロメートル大の「火球」(きのこ雲)が生成されるという(フォーストール教授はグ ラフィックを直接送ってくれた)。火球の最も熱い部分は摂氏約7726度で、太陽の表面温度1726度より4倍以上熱い。火球から出る莫大な光と熱は半径 5キロメートル内を「火の海」にする。火球に近い地域は鉄筋の建物を溶かし、花崗岩を壊して塵にしてしまう。

 

 また同教授は、初期の爆発の数秒以内に20平方キロの地域がすべて燃えると予測した。これは約600万坪であり、汝矣島(ヨイド)の10倍に相当する。 何より恐ろしいことは、気象条件によって変わるが致命的なレベルの放射能を含む塵が5~15キロメートルの幅で100~150キロメートル移動し降り積も る。

 

 同教授から送られた分析資料があまりにも衝撃的だという返信を送った。彼は「数十年間、核兵器の(恐ろしい)効果について話してきたが、そのたびに必ず 誰もが衝撃を受ける」と、まったく驚いたようすはなかった。同教授は「このような状況が発生する可能性は極めて低いが、起きたとすれば東アジアにとって災 いになるだろう」とし、「米国、中国、ロシア間の緊張を軽減することがなぜ現実的な問題なのかを示している」と語った。

 

 

イ・ヨンインワシントン特派員//ハンギョレ新聞社

 さらに、「緊張が高まれば、文明の終末をもたらしかねない偶発的事件が起こる可能性も高まる」とし、「災害のような悲劇の危険を防ぐため、思慮深い人間が持ち得る唯一の目標は、政治的緊張の高まりを抑制できる政策を追求すること」と話した。

 

 朴槿恵(パク・クネ)大統領は15日、光復節の記念式でTHAAD配備反対に対して「国民の生命がかかっている問題は、政争の対象には決してなり得な い」と主張した。しかし、軍事力を増強するほど安保は一層不安になるという逆説が生まれる。1914年第1次世界大戦前夜がまさにそうだった。欧州各国の 軍備競争は安保を保障したのではなく、相互間の不信と恐怖、過剰な対応を呼び、人類の災いに帰結された。

 

イ・ヨンインワシントン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)


民族教育を守るために在日同胞がたたかった「4.24教育闘争」をテーマとする「SAISA-4.24」を演奏。

2016-08-25 | ウリハッキョ

大阪朝高、府大会で優秀賞/日本吹奏楽コンクールで「4.24」演奏

府大会で優秀賞に輝いた大阪朝高吹奏楽部員と、指導教員たち

府大会で優秀賞に輝いた大阪朝高吹奏楽部員と、指導教員たち

大阪朝高の吹奏楽部が16日、「第53回大阪府吹奏楽コンクール大阪府大会」(主催:大阪府吹奏楽連盟、朝日新聞社)の高等学校の部小編成に出場し、優秀賞に輝いた。

7月27日に八尾市立文化会館で行われた中地区大会で優勝賞を受賞し、地区代表として今回府大会に出場した同部は、14校中、5番目に舞台に上がった。

舞台で19人の同部員たちは、民族教育を守るために在日同胞がたたかった「4.24教育闘争」をテーマとする「SAISA-4.24」を演奏。

演奏後、崔悠玉主将(3年)は「私たちは『4.24教育闘争』を実際に経験していないが、当時の同胞たちのように民族教育を守る強い気持ち」を伝えたとし、「曲想を考えて気分よく演奏できた」と清々しく語った。

同部が府大会に出場するのは今回が5回目。2012年度には初めて関西大会に進み、金賞を受賞している。しかし今回、府代表(4校)には選出されず、惜しくも関西大会へと駒を進めることは出来なかった。

関西大会出場を逃した結果発表の後、「みんなが一つになって成長できた。これを糧に、在日朝鮮学生中央芸術コンクールで優勝しよう」と、目頭を熱く しながら部員たちを励ます崔主将を、悔し涙を流しながら見ていた2年生責任者の宋凌兵さんは、「先輩たちと感じたこの悔しさを心に刻んで、来年は必ず良い 結果を残したい」と力強く語った。

この日、同部を応援するために同校の尹誠進校長をはじめとする学校関係者、保護者、同部卒業生など多くの人たちが駆け付けた。

保護者、関係者たちと共に

保護者、関係者たちと共に

今回演奏した「SAISA-4.24」は、「民族教育の歴史を一つの曲で残したい」と、尹忠新教員(功勲芸術家、文芸同中央副委員長兼文芸同大阪支 部委員長)が日本学校出身で同胞作曲家の朴守賢さん(36)に依頼し、数年かけて完成させた曲だ。作曲中朴さんは、学校を守るために同胞たちがたたかった 歴史に胸が痛んだが、ウリハッキョの生徒たちの笑顔と明るい未来を想像しながら作曲したと振り返りながら、「生徒たちは持っている力すべてを出して演奏し た。練習過程を見てきたからそれがわかる。あらゆる状況にも対応しながらよくやりきった」と称えた。

「当時を経験していない世代が4.24の精神を感じ、人前で演奏するのは簡単なことではない」と強調するのは、尹教員。「今回、日本のコンクールに 出演したが、その練習過程を通じて生徒たちが在日朝鮮人としての精神を学び、育むきっかけになった」と振り返り、「指揮台で見た演奏中の生徒たちの表情か らは、自分たちの音楽を奏でる喜びを感じ取れた。今後、より良い音楽を演奏するため、生徒たちには学校生活でたくさんのことを学んでほしい」と語った。

(高英俊)


日朝協会京都府連は花束を献花、8名が参列しました。

2016-08-24 | 朝総聯・韓国民団の代表も

8月24日、午前11時より「浮島丸殉難71周年追悼集会」が、

舞鶴市下佐波賀「殉難の碑公園」で開かれ、日朝協会京都府連は花束を献花、8名が参列しました。

集会次第は、①、開会 ②、黙祷 ③、追悼の辞 主催者 関係諸団体 ④、来賓及びメッセージ紹介 ⑤、献茶 ⑥、追悼の舞 ⑦、追悼歌「ハマナスのはなさきそめて」

⑧、献茶・献花 参加者一同 ⑨、閉会の順に進められました。  (亡くなられた方の遺骨は、東京の祐天寺に安置されています。一部は韓国に帰国。)


     

     実行委員会代表・追悼の辞 余江勝彦氏

     

     追悼の辞・韓国民団・金英王氏

     

     追悼の辞・朝鮮総聯 姜主淳氏

献茶

     

     

     追悼の舞・金一志さん

       

追悼歌・「ハマナスの花さきそめて」

参加者一同献花(一斉投花)

中央に日朝協会京都府連の献花


米日共同開発のSM3ブロック2A購入費、初計上  中国の海洋進出を防ぐため  自衛隊配備、

2016-08-23 | 動きだした戦争法

安倍首相、北朝鮮・中国牽制で史上最高の防衛費を投入

登録 : 2016.08.23 00:01 修正 : 2016.08.23 07:03

 

来年度防衛予算5兆1685億円 
歴代最大となる見込み 
米日共同開発のSM3ブロック2A購入費、初計上 
中国の海洋進出を防ぐため 
自衛隊配備、潜水艦開発費用も

日本の南西諸島軍事力強化//ハンギョレ新聞社

 日本が来年度の防衛予算(韓国の国防予算)の相当部分が、北朝鮮の核・ミサイル威嚇に備えるミサイル防御(MD)と中国の海洋進出を牽制する海洋戦力強化に充てられることが確認された。

 

 日本防衛省は毎年8月に次年度の防衛予算の要求事項を盛り込んだ「我が国(日本)の防衛と予算」という資料を公開する。この資料を分析すれば、現時点で日本が最も重要と考える安保脅威とそれに対する日本の対応策を確認できる。

 

 防衛省は2017年予算に、今年より2.3%多い5兆1685億円(約57兆6000億ウォン/韓国の国防予算は38兆7995億ウォン)を要求した。 この予算案が国会で承認されれば、日本の来年度防衛予算は歴代最高値を記録する。日本の防衛予算は、2003年から2012年までの10年間は減少傾向を 示し、安倍政権登場と共に2013年から4年連続で増加した。

 

 来年度予算案で最も目につく項目は、米日がこれまで執拗に開発してきたイージス艦用迎撃体のSM3ブロック2Aの「購入費」147億円だ。防衛省は昨 年、この迎撃体の「開発費」として42億円を要求した。予算項目が開発費から購入費に変更され、早ければ来年にもSM3ブロック2Aが実戦配備されると見 られる。

 

 北朝鮮などから日本に向けて弾道ミサイル攻撃がなされれば、海に展開した日本のイージス艦がSM3を活用して1次迎撃を試みることになる。既存モデルの SM3の場合は迎撃範囲が300キロメートルだが、改良型のSM3ブロック2Aの迎撃範囲は1000キロメートルと知られている。日本のミサイル防御能力 が飛躍的に強化されることになる。これとは別に、地上配備用迎撃体のパトリオット(PAC)3の射程距離を延ばすための改修費用1065億円も計上され た。しかしTHAAD(高高度防衛ミサイル)関連予算は計上されなかった。

 

 次いで目につくのは、中日間の激しい領土紛争が進行中の尖閣列島(中国名 釣魚島)防御のための「海洋戦力」強化予算だ。日本はこの間、中国の海洋進出を牽制するために鹿児島から沖縄を経て日本領土の最西端である与那国を結ぶ 「南西諸島」に自衛隊の戦力強化作業を進めてきた。南西諸島は、東アジアに対する米国の軍事的関与を阻もうとする中国の軍事戦略「接近阻止・領域拒否」 (A2/AD)戦略の核心の第1列島線に該当する。米日同盟と中国の力比べが繰り広げられている最前線と言える。

 

 日本は来年度予算に奄美大島と宮古島への自衛隊配置費用として746億円を計上した。この島には中国艦船を牽制するために既存モデルより射程距離が100キロメートル長い最新型の「12式地対艦誘導弾」(射程距離300キロメートル)が配備される。

 

 戦力強化は空中や海底でも行われる。中国が2013年10月、東シナ海の防空識別区域を拡張した後、中国空軍の動きを警戒するための自衛隊の緊急発進回 数は2010年386回から2014年は943回、2015年は873回へ2~3倍増えた状態だ。航空自衛隊は中国空軍の活発な動きに対抗するため、現在 の主力機のF-15 200機に装着できる空対空ミサイルの数を現在の8から16に増やすことにした。また、機体の耐久性強化のための改修も実施する予定だ。これとは別に、米 海兵隊は5世代ステルス戦闘機のF-35B 16機を来年1月と8月の2回に分けて山口県の岩国部隊に配備する。

 

 潜水艦戦力の強化も予定されている。現在、海上自衛隊は優れたステルス機能を誇る「そうりゅう型」潜水艦を運用中だ。来年はさらに性能が改善された新型潜水艦一隻を建造するため予算760億円を要求した。

 

 日本防衛省は、2003年の国防予算をそれぞれ1とした時、2013年現在の中国の国防予算は3.89、韓国は1.97に増えたという資料を公開している。日本も安倍政権の登場以後、4年連続で防衛予算が増加した。東アジアの軍備競争はすでに始まっている。

 

東京/キル・ユンヒョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )


離陸してから2時間後にドイツのラムスタイン米空軍基地に、ここで航空機を乗り換えソウルに。

2016-08-22 | ハンギョレ新聞社

英国メディア「テ公使の亡命、まるでスリラー小説のよう」

登録 : 2016.08.22 03:16 修正 : 2016.08.22 07:08

サンデー・エクスプレス紙、高位消息筋引用しテ公使の亡命過程報じる 
2カ月前、英国情報機関とゴルフ場で接触 
夫人も北朝鮮への帰国に不安を示し、脱北決心した様子 
米国情報機関も介入…ドイツ経て、韓国に入国

2014年11月3日、AFPTVが英国ロンドンの北朝鮮大使館で撮ったテ・ヨンホ公使の姿。テ公使は韓国に入国した事実は、今月17日に公式発表された=ロンドン/AFP聯合ニュース

 今月17日、韓国に入国した事実が伝えられた北朝鮮のテ・ヨンホ駐英公使が、英国と米国の情報当局の協力の下、ドイツを経て韓国 に入国したと、英国の「サンデー・エクスプレス」が21日付(現地時間)で報じた。同紙は10年間英国で勤務していたテ・ヨンホ公使の脱北過程を詳細に伝えながら、「テ公社の亡命はまるでスリラーの小説のように緊迫したものだった」と表現した。

 

 同紙は高位消息筋を引用し、テ公使の妻であるオ・ヒェソン氏の不安感がテ公使の亡命の決定に大きな影響を及ぼしたと伝えた。テ公使は、脱北を決定するこ と約2カ月前、英国ワトフォード地域のあるゴルフ場で英国情報機関の担当者たちと初めて会い、その場で平壌(ピョンヤン)に戻ることについて不安感をにじ ませた。消息筋は、夫人のオ・ヒェソン氏もテ公使と「同じような心境」を共有していたことが、テ公使が亡命を決心した最も大きな理由だったと語った。

 

 英国外務省はそれから約2週間後、テ公使が亡命を深刻に考慮していることを確認し、この事実を米国情報当局に知らせた。その後、少数の米国高位関係者たちがテ公使の亡命について協議するために英国を訪れ、テ公使に亡命地を選択できる「白紙委任状」(carte blanche)を与えたにもかかわらず、彼は亡命地として韓国を選んだ。同紙は「すべての過程が徹底した保安の中で進められたが、わずか10日後にはソウルで『欧州の一国で亡命が緊急に進められている』とする噂が流れた」と報じた。

 

 先月テ公使と妻、それぞれ26歳と19歳の2人の息子など家族4人は、韓国に入国するために、英国空軍のBAe 146機に乗って英国オックスフォードシャーのブライズ・ノートン空軍基地を出発した。同機には英国と米国の外交関係者7人が同乗していた。30人が搭乗できる飛行機が離陸すると、2台のタイフーン戦闘機がテ公使一行を護衛した。

 

 飛行機がドイツに向かう間、テ公使はテレサ・メイ英首相に感謝の意を表する書簡にサインし、この書簡を首相に直接伝えてほしいと要請したと同紙は報じた。同じ時間、テ公使の次男であるテ・クムヒョクさんは英国の親友に自分が突然姿を消した理由を説明する手紙を書いた。テ・クムヒョクさん成績優秀な秀才であり、ロンドン・インペリアルカレッジへの入学を控えていた。同紙は「テ公使の妻であるオ・ヒェソン氏は飛行機が出発する前に英国の小売店『マークス& スペンサー』(M&S)に立ち寄ることを希望していた」が、それは「英国を離れる前に好きな品物を購入するためだった」と伝えた。

 

 テ公使一行を乗せた飛行機は、離陸してから2時間後にドイツのラムスタイン米空軍基地に着陸し、テ公使家族はここで他の航空機に乗り換えてソウルに向 かった。「サンデー・エクスプレス」はイギリスの高位消息筋を引用し、「テ公使が平壌に帰ることを含め、自分の未来について心配をしていたのは明確な事実である。興味深いことに、妻が同じ心境だったことが亡命を決心するのに大きな影響を及ぼした」と話した。

 

ファン・クムビ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

 

「同族対決の新たな謀略劇」/「駐英公使亡命」、朝鮮中央通信社論評

朝鮮の駐英公使が南朝鮮に「亡命」したと報じられた騒動をめぐって、朝鮮中央通信社は20日、「同族対決の新たな謀略劇」と題した論評 を発表。「自身が働いた犯罪行為が暴露され、それに対する法的処罰を恐れて家族と共に逃走した者を南朝鮮に引き込む卑劣な劇を演じた」と、朴槿恵政権を強 く非難した。

論評は、駐英公使について、「多額の国家資金を横領し、国家秘密を売り渡し、未成年強姦犯罪まで働いた」人物であると指摘。犯罪捜査のため6月にはすでに召還指示を受けていたことを明らかにした。

論評は南当局が朝鮮のイメージダウンをねらって、「逃走者が駐英代表部で党活動をしただの、抗日闘士の息子だのと途方もない嘘を並べ立てて、逃走者の価値を少しでも上げようとやっきになっている」と指摘、公使の経歴に関する南の報道を否定した。

論評は、英国の対応も批判した。論評は、事件発生当初から、英国側に公使が働いた犯罪行為について知らせ、調査のために公使を引き渡すことを求めたが、英国側は自国に駐在する外交官を保護すべき義務に背き、旅券もない公使らを南朝鮮にそのまま引き渡したと指摘した。

(朝鮮新報)


禁止条約に対し、核兵器国米ロ英仏中と、米国の核兵器に依存する国々の抵抗があります。

2016-08-21 | アメリカの常識は世界の非常識

国連部会交渉開始採択

核兵器禁止へ広がる支持

過半数が条約求める

抵抗する保有・依存国

 

 

 「うおー」。大きな歓声と拍手がわきました。ジュネーブの欧州国連本部で開かれていた核軍備縮小・廃棄へ多国間交渉に向けた前進を図る国連作業部 会の最終日の19日、核兵器禁止条約の2017年の交渉開始を求めた報告の採択をタニ議長(タイ)が確認した瞬間でした。(ジュネーブ=小玉純一 写真 も)


写真

(写真)核軍備撤廃・縮小に関する国連作業部会の公開会合=16日、ジュネーブ

 「国連総会でも議決する。来年には交渉が始まる」―。禁止条約を推進するフィジーの代表、ジョジ・ドゥムクロ国防相顧問は本紙の取材に自信たっぷりです。

具体的な内容

 平和団体「パックス・クリスティ」のジョナサン・フレリッチ氏は「これまでも禁止条約の国連総会決議はあったが、今回は17年の交渉開始と、非常に具体的だ」と解説します。

 16日の部会の冒頭は圧巻でした。17年の交渉開始について、アフリカ54カ国、中南米33カ国、東南アジア10カ国、太平洋諸島4カ国の代表が次々支持を表明。合計101カ国です。国連加盟193カ国の過半数が支持していることの証しです。

 核軍縮交渉を長年見てきたオランダの平和団体「パックス」のスージー・スナイダー氏も「交渉開始支持が多数とはっきりしている。来年にきっと交渉が始まる」と言います。

 禁止条約ができればどうなるか。スナイダー氏はこう言います。

 「英国は先日、潜水艦発射の核兵器システムの更新を決めた。法的に問題なく決まった。しかし禁止条約があれば、これが大問題になり大きな論争となる」

 それだけに禁止条約に対し、核兵器国米ロ英仏中と、米国の核兵器に依存する国々の抵抗があります。

 核兵器5カ国は作業部会設置に反対し、ボイコット。代わりに部会で禁止条約に抵抗したのが、北大西洋条約機構(NATO)加盟国など24カ国でした。

 ドイツは24カ国を代表して発言し、「核兵器国が参加しないから禁止条約は効果がない」と条約を敵視。オーストラリアは会合の最後で、大筋合意かというときに抵抗し、合意を破りました。

 24カ国が代わりに主張するのが、核軍縮の「段階的接近」「漸進的接近」です。核兵器国が部会設置に共同声明を出して反対したときも、「漸進的段階的接近」を主張していました。

段階論を批判

 禁止条約を進める中南米エクアドルのレオン・アビレス軍縮担当公使は本紙の取材にこう説明します。

 「核兵器国は長年、核軍縮を支持する、段階的に進める、と言ってきた。ところが何も進んでいない」

 段階論は歴史を見れば信用できないという主張です。会合でも、段階論の一つ、包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准も「20年進んでいない」と批判がありました。

 アビレス氏は、「だから多くの国は(核兵器廃絶に向けた)実際の具体的な進展を見たいのだ。核兵器禁止はその一歩だ」と述べました。

 禁止条約の支持の背景には、核兵器が人道に反する点を直視する流れもあります。核兵器廃絶を「人道の誓約」とする国々は120カ国以上です。その多くが禁止条約支持となりました。

 作業部会では、禁止条約を支持する多数派少なくとも106カ国と、核兵器に依存し「漸進的接近」を主張する24カ国が、部会の報告をめぐって攻防を繰り広げました。

 核兵器国5カ国と、イスラエル、インド、パキスタン、北朝鮮の9カ国は部会をボイコットしました。依存国と合わせて33カ国が禁止条約に反対しています。

問われる日本の態度

 9月に開会する国連総会は、新たな禁止条約を進める多数派と、阻もうとする少数派の新たな攻防の場となります。

 一方、日本は米国の核兵器に依存し、禁止条約に反対する24カ国の一員となりました。

 部会の設置に棄権し、会合が始まった2月当初から、禁止条約に「交渉する状況にない」と反対し、「漸進的接近」という核兵器国と同じ見解を主張しました。秋の国連総会でも態度が問われます。


「朝鮮半島は解放されたが、在日朝鮮人はまだ解放されていない」という監督の言葉が重くのしかかる。

2016-08-20 | 朝鮮民主主義人民共和国

映画「蒼のシンフォニーを観て」/森類臣

涙が出てくるのを止められない/「祖国とは何か」、骨太のクエスチョンを設定

ストレートな作品であった。何度見ても、映画の最終場面で涙が出てくることを止められない。

帰日を前にあいさつを交わす生徒と祖国の案内人

帰日を前にあいさつを交わす生徒と祖国の案内人

ドキュメンタリーの限界を突破

本作品の主人公は茨城朝鮮初中高級学校第58期生の生徒11人だ。生徒の言葉と行動を通して、学校生活そして日本社会についての描写を重ねている。 しかしそれだけではない。本作は、朝鮮学校を扱ったこれまでのドキュメンタリー映画の限界を突破した。生徒たちにとって「祖国」とは何かという、骨太のク エスチョンを設定したのである。監督は生徒たちの修学旅行(「祖国」訪問)に同行し、「祖国」の人々と生徒たちの交流を撮影するというアプローチを選択し た。「祖国」として訪れるのは朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)であり、大韓民国(韓国)ではない。在日朝鮮人の多くがルーツを朝鮮半島南部つまり今の韓国 に持つのに、なぜ生徒たちが朝鮮を「祖国」とするのかについて、監督は、主人公の一人であるキム・リョンファさんの目線を通して語る。軍事境界線の北側か ら南側を眺めるリョンファさんの困惑に満ちた表情が忘れられない。彼女のルーツは済州島なのに、彼女と南の地の間には物理的・制度的に大きな壁が存在す る。監督は投げかける。「故郷の国から入国を拒否される状況下で、彼女は韓国を祖国と思えるのだろうか」と。

「ウリハッキョ」の金明俊監督や「60万回のトライ」の朴思柔監督がすでに指摘しているが、韓国人監督は本作のような視点を持つのが難しい。在日朝 鮮人であり朝鮮学校出身の朴英二という監督にしか撮れない作品である。なぜか。在日朝鮮人の心情・目線から「祖国」をとらえているからである。金明俊監督 は「韓国人にとって『祖国』(この場合は韓国)は、空気みたいにそこにあって当たり前のもの」とコメントしたが、在日朝鮮人にとってはそうではない。日本 に生まれ育った彼ら・彼女らにとって、「祖国」は後から“獲得”するものである。「祖国」で生きるのが難しい分、「祖国」を生きる努力が必要なのだ。であ るから、これまで頭で「祖国」について勉強してきた生徒たちは、朝鮮訪問を通して直感的・心情的に「祖国」を体感する。皮膚感覚として「祖国」を感じたと きの生徒の表情はとても自然で、そこに心情が率直に発露される。これこそ、朴英二監督が生徒たちの修学旅行に同行した大きな理由であろう。朝鮮滞在時こ そ、「祖国」で「祖国」を生きることができるだから。朴英二監督は言う。「『ウリハッキョ』であまり描かれなかった「祖国」訪問を主要テーマにし、朝鮮学校で育った自らの視点で撮りたかった」。

祖国での公演を前に「ありのままの君でやればいい」と励ます祖国の指導員(映画の一場面)

祖国での公演を前に「ありのままの君でやればいい」と励ます祖国の指導員(映画の一場面)

「日本的なる思考」へのアンチテーゼ

本作は、生徒たちの姿をドキュメントし、生徒たちを在日同胞と「祖国」をつなぐ、ある種の媒体に見立てることで、朝鮮学校と「祖国」が不可分である こと、在日同胞と祖国の結びつきは断ち切れないことを証明している。実はこれは、朝鮮学校無償化問題をめぐる「日本的なる思考」への強烈なアンチテーゼで ある(本作には、この「日本的なる思考」の代表例として橋下徹氏(大阪市長=当時)のコメントが引用されている)。朝鮮学校が「祖国」との関係を切るなど 不可能な問題だ。朝鮮学校の本質に関わる問題である。そのように要求すること自体が、マジョリティである日本人の暴力的発想から来ている。在日朝鮮人の歴 史とアイデンティティを無視しているのだから。私は問いたい。「朝鮮学校関係者が、祖国と自分たちの紐帯を大切にする気持ちから朝鮮民主主義人民共和国を 支持することがなぜいけないんですか」と。この点について、本作の主人公の一人であるチョン・ジェホンくんの言葉を聞いて、体に電流が走るような感じがし た。ジェホンくんは、パソコン入力コンクールで文部科学大臣賞を取るために努力し、そして見事入賞した。その理由は「文部科学大臣といえば無償化問題の直 接の相手だから、優勝すれば朝鮮学校の生徒が注目されるんじゃないかと思った」ということだ。画面の中のチョンくんは淡々と話していたが、その落ち着いた 態度がかえって強い意志と覚悟を感じさせた。私はこの言葉を聞きながら、高校生がここまで考えて行動しなければならない状況ってなんだ、こんな状況は絶対 に間違っていると反芻した。「朝鮮半島は解放されたが、在日朝鮮人はまだ解放されていない」という監督の言葉が重くのしかかる。

7月14~21日に米国で開催された「ダラス・アジアン映画祭」で、本作品は最優秀賞を受賞した。朝鮮に対して敵視政策を進めネガティブ・イメージ を重ねてきた米国で、である。この意味は非常に深いと思われるが、ではなぜ受賞できたのであろうか。マスメディアでは見ることのできない朝鮮のポジティブ な姿が関係者の関心を引いたのであろうか。それもあるだろう。しかし、本質的な理由は、本作品が愛と信頼という普遍的なテーマを描いていたからだと思う。

同胞が同胞に与える無条件の愛(本作に登場するキム・スン先生はまさにこの同胞愛を体現したような人物だ)。両親、先生そして友人を信じ切り、見返 りを求めない奉仕としての愛。十代の幼い生徒がそれを実践している。日本だけではなく、韓国やアメリカ、ヨーロッパなどからも失われて久しい感覚だ。愛な どくだらない、世の中はそんなに甘くない、自己利益最大化のために前進せよという“現実主義” “競争原理”は、人間社会発生とともに存在してきた思想であるが、この地球村において資本主義が極大化している現在、このような風潮は本当にひどくなって いる。一言で言えば、生きるのに精一杯で他人にかまう暇はないのだ。しかし、在日同胞社会、特に朝鮮学校は全く違う選択をしている。つらいときこそ、人間 を肯定し信じ抜き、愛を純化しようとしているのである。本作品の主人公の一人であるリュウ・キョンフィさんのコメントもそうだ。

「하나는 전체를 위하여,전체는 하나를 위하여(一人はみんなのために、みんなは一人のために)」-これは朝鮮の集団主義を表現する有名なフレーズであり、本作にも在日同胞の関係性を表わす言葉 として登場する。この言葉を私なりに解釈すれば同胞社会は大きな「식구(家族)」なのだろう。「家族」ならば、多少憎らしくてもお互い仲良く助けあって情 を通わせ合うのが当然だ、血を分けた親兄弟なんだから-基本的にはこういうことなんだと思う。

「ダラス・アジアン映画祭」関係者は、このような民族愛・同胞愛に衝撃を受けたのだろうと予想する。『ウリハッキョ』の金明俊監督は「資本主義国は ウリハッキョから学ぶべきだ」と言っていた。そして、朴英二監督は映画の最後で「愛があればそこに希望は生まれる」と言っていた。でも、ヒューマニズムに 満ちあふれたいい言葉だ。少なくとも私は、この「愛」と「希望」を肯定したい。

ちなみに、本作で設定したクエスチョンに対して、監督は明確なアンサーを準備しなかった。その代わりに「生徒たちの瞳の奥にその答えを見つけたよう な気がした」という台詞を残した。この映画の主人公である朝鮮学校生徒のうち、多くは朝鮮大学校に通っているという。今年は朝鮮大学校60周年であり、私 のような外部の人間も朝鮮大学校を訪問できる機会があるだろう。是非、彼ら・彼女らに会って、ウリマル=朝鮮語で話を分かち合い、その瞳の奥をのぞいてみ たい。そこには、彼ら・彼女らの思いだけではなく、これまで朝鮮学校に通った多くの在日同胞の姿をも見ることができるだろうから。

(立命館大学コリア研究センター専任研究員)


スミス教授は特に、北朝鮮の飢饉状況を誇張する国連調査委員会など国際社会の認識が事実とは違うと指摘した。

2016-08-19 | 世界を知る

北朝鮮住民の栄養と健康状態「最悪から脱しかなり好転」、英国教授が報告

登録 : 2016.08.19 00:48 修正 : 2016.08.19 06:42

韓国開発研究院、英セントラル・ランカシャー大学のスミス教授の論文を紹介  
1990年代の飢饉と比較し栄養状態は改善、感染性・疾病対応も安定  
「北朝鮮人権関連の国連報告書は現実を反映していない」との批判も

英国セントラル・ランカシャー大学のヘイゼル・スミス(Hazel Smith)教授//ハンギョレ新聞社

 1990年代に飢饉と深刻な経済難を経験した北朝鮮住民の栄養と健康状態がかなり好転したことが明らかになった。が、依然として北朝鮮住民の10人のうち3人は栄養失調の状態を抜け出せていない。

 

 韓国開発研究院(KDI)は、このような内容が書かれた英国セントラル・ランカシャー大学のヘイゼル・スミス(Hazel Smith)教授の論文「北朝鮮の栄養状態と保健:最近の動向、変化、重要性」を掲載した「北朝鮮経済レビュー」を18日に発刊した。スミス教授は論文で 「1990年代半ばに北朝鮮で発生した飢饉以降、経済危機まで重なり、配給制が崩壊し、国際社会の援助も減少した」とし、「しかし重症栄養障害のレベルは 他の低所得国家の一般的なレベルより低く、幼児死亡率などの指標も従来のレベルを維持していることが分かった」と明らかにした。貧困と疾病などは依然とし て懸念すべきレベルだが、例外的な飢饉状態からは脱したということである。

 

 まず、論文は国連児童基金(UNICEF)と世界銀行などの資料を通じ、2010年代以降の北朝鮮住民たちの栄養状態を分析した。 このうち一般的な意味での「栄養失調」を表す慢性栄養障害や急性栄養障害のレベルは、1990年代に比べ半分以下に減ったことが分かった。1998年当 時、北朝鮮住民のうち62.3%が慢性栄養障害を経験したが、この割合は2002年には41.6%に減少しており、2012年には27.9%まで下がった ことが明らかになった。また、急性栄養障害は1998年の60.6%から2002年の21%を経て、2012年には4%のレベルに大幅に減少した。また、 栄養失調より高い段階である「飢餓」の程度を判断する重症急性栄養障害は、2002年の4%から2012年には1%のレベルに低下した。

 論文は、1990年代の北朝鮮の栄養危機は深刻なレベルだったが、その後は食糧および健康上の緊急状況から脱したものと評価した。スミス教授は論文で、 飢饉以後の北朝鮮住民の健康状態を知るためにさまざまな指標を活用した。まず幼児と母親の死亡率(生後5年未満1000人当たりの死亡者数・10万人当た りの妊娠または出産後42日以内の死亡者数)は、飢饉を経験した1990年代に高まったが、2000年代以降は1990年代以前の水準に回復したことがわ かった。日本脳炎、はしか、百日咳など、ワクチン予防が可能な疾病の発病率は、2014年基準で0~3%のレベルに過ぎず、先進国レベルに進入したことが わかった。栄養失調と関連性の深いマラリアや結核も安定に転じた。マラリアの場合、飢饉直後の2001年には発病者数が30万人まで上がったが、2008 年には2万3409人に減った。結核による死亡者数も1990年代後半から減少しはじめ、2013年基準で人口10万人当たり27人を記録した。フィリピ ンやパキスタンと同じ数値である。

 論文は、このような北朝鮮の保健状況を「貧しさのなかでの改善」と評価した。まず27.9%に達する慢性栄養障害は東アジアおよび太平洋地域の発展途上 国の平均12%の2倍だ。しかし、低所得国家の慢性栄養失調率の37%に比べれば良好なレベルであるとされた。北朝鮮の幼児死亡率は世界平均の34より低 い22を記録し、北朝鮮住民の期待寿命も70歳で、世界平均の71歳と同じようなレベルである。スミス教授は特に、北朝鮮の飢饉状況を誇張する国連調査委員会など国際社会の認識が事実とは違うと指摘した。スミス教授は「国連の報告書は最近の北朝鮮における栄養や健康の改善状況を反映していない。実際に北朝 鮮住民たちの栄養および健康状態は低所得国家や発展途上国と比較した場合、特別変わった状況でもない」とし、「特に北朝鮮当局はワクチンの普及とマラリア 予防などについては成功の成果を収めた」と評価した。

 これに先立ち、2014年の国連調査委員会報告書は「この20年間国際的な支援が行われたが、北朝鮮の栄養および健康状態は依然としてひどい水準」と し、「北朝鮮当局の政策は食糧に対する住民の人権を侵害したもの」と主張した。スミス教授はさらに「国際社会が北朝鮮の政治、経済、社会に関連する問題を 扱う際には、情報に基づき一貫した姿勢で臨むことを期待する」とし、「北朝鮮に対する国際社会の関心が、北朝鮮住民すべてを『被害者または悪党』と見るこ とから脱するべき」と語った。

 

ノ・ヒョンウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)


米軍の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の韓国配備決定に、「日韓共通の課題だ」とまで主張した。

2016-08-18 | 大韓民国

朴大統領の光復節祝辞、日本「歓迎」・中国「不快」

登録 : 2016.08.16 23:38 修正 : 2016.08.17 07:06

日本メディア、「慰安婦問題に一言も触れず」と称賛一色 
中国は「過去とは変わった」不快感 
韓国が韓米日三角同盟に吸収される変換点と認識

朴槿恵大統領が15日午前、ソウルの世宗文化会館で開かれた第71周年光復節慶祝式で祝辞を述べている=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 朴槿恵(パククネ)大統領の8・15祝辞に対して、中国と日本のメディアが正反対の評価を出した。日本では朴大統領が歴史問題の代わりに「未来指向」を強調したことに対して称賛一色だったが、中国メディアは韓国の態度が過去とは変わったと刺々しい反応を示した。

 

 日本の保守世論を代弁する読売新聞は16日付社説で、朴大統領が韓日関係について「歴史を直視する中で、未来志向の関係を新たに作っていくべきだ」と言 及したことに対して「慰安婦問題に一切言及せず、歴史認識で日本側に注文をつけることもなかった。(朴大統領が)歴史問題を過剰に重視する姿勢を改めたこ とは、(両国間の)関係改善に寄与しよう」と明らかにした。

 

 毎日新聞も「朴大統領 穏当だった光復節演説」と題した社説で「安倍晋三首相の歴史認識を警戒する言葉を繰り返し、慰安婦問題の早期解決を迫った昨年ま でとは様変わりした。日韓はここ数年、政治指導者がナショナリズムを刺激して互いの国民感情を悪化させてきた。そうした悪循環から脱しつつあることを歓迎 したい」とした。

 

 しかし、中国の環球時報はこの日、「韓国の前任大統領二人(李明博<イミョンバク>、盧武鉉<ノムヒョン>)は共に日本に対して厳しい立場を示したこと に注目する」として、日本に「過去に対する心からの反省」(2006年)を要求した盧武鉉元大統領と「日本との過去にまつわる鎖が韓日両国のみならず北東 アジアの未来に向かう歩みを遅滞させている」(2012年)と指摘した李明博前大統領の光復節祝辞の内容を紹介した。

 

 中日両国が朴大統領の8・15祝辞に敏感に反応するのは、在韓米軍のTHAAD(高高度防衛ミサイル)配備に続き、今回の演説が韓国が韓米日三角同盟に 吸収されていく現実を公式化した変換点と見ているためだ。毎日新聞は「(現在)北東アジア情勢は厳しさを増している。日韓両国にとって、米国を含めた3国 の連携強化はきわめて重要だ」と明らかにし、日本経済新聞はさらに進んで「(両国間)情報をより密接に共有するためにも日韓の軍事情報包括保護協定 (GSOMIA)の締結を急ぎたい。米軍の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の韓国配備決定に反発し、北朝鮮寄りの姿勢をみせる中国への対応 も日韓共通の課題だ」とまで主張した。

 

 これに関して、遼寧省社会科学院朝鮮半島研究センターの呂超主任は環球時報とのインタビューで、朴大統領が「今回の祝辞では、日本に対し歴史直視を要求 してきた韓国政府の一貫した基調を変え、『未来指向的関係』を発展させようと述べた。米日韓軍事同盟の方向に近付く韓国政府の態度が鮮明に明らかになっ た」と話した。

 

東京、北京/キル・ユンヒョン、キム・ウェヒョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )


リ・セグァン選手は、14年と15年の世界選手権の跳馬で連続優勝しており、今回も金メダルの有力候補。

2016-08-17 | 朝鮮民主主義人民共和国

〈リオ五輪〉体操男子・跳馬でリ・セグァン選手が金メダル

男子体操種目別の跳馬で金メダルを獲得したリ・セグァン選手

男子体操種目別の跳馬で金メダルを獲得したリ・セグァン選手(連合ニュース)

リオデジャネイロオリンピック体操男子・跳馬で朝鮮のリ・セグァン選手が、自身の名が冠されたオリジナル技を連続して成功させ、金メダルを獲得した。

15日午後(現地時間)に行われた決勝でリ・セグァン選手は、予選を通過した8人中5番目に出場。1回目に「リ・セグァン2」、2回目に「リ・セ グァン」を試みて見事成功させた。この技はいずれも難易度6.4の大技で、平均15.691点(1回目15.616、2回目15.766)を叩き出した。

リ・セグァン選手は、14年と15年の世界選手権の跳馬で連続優勝しており、今回も金メダルの有力候補として目されていた。そのプレッシャーの中で跳馬世界チャンピオンの貫録を見せつけ、ロシアのデニス・アブリジャン選手(2位)、日本の白井健三選手(3位)を抑えた。

4.25体育団所属の31歳。演技を成功させたときも、表彰台の一番高い所に立ったときも表情を崩すことはなかった。

今大会で朝鮮が獲得した金メダルは、重量挙げ女子75kg級のリム・ジョンシム選手に続いて2つ目となる。

(朝鮮新報