【投稿】たった一つのウリ教室/金聖姫
「アンニョンハセヨ!」
大きな声で講師が子どもたちに挨拶をする。
そう、ここは京都府舞鶴市にある三丹地域土曜児童教室だ。この場所で子どもたちは月に1度楽しみながら授業に参加して、ウリマルやウリノレを学び、民族文化を体験している。
京都市内から車で約2時間の距離にある児童教室。雨の日も雪の日も講師たちは欠かさず毎月京都市内から子どもたちのために足を運ぶ。
12年前、舞鶴にはウリハッキョがあった。しかし2005年、児童・生徒数の減少で休校になってしまった。ウリハッキョがなくなってからは同胞たちが集まる機会も自然と少なくなっていった。
そんな中、舞鶴でどうしても子どもたちに朝鮮語を教えて欲しいとの同胞たちの熱い思いから、現在の三丹地域土曜児童教室が生まれた。
15年から始まった同児童教室の名称は「パンチャッ(반짝)三丹ウリ教室」。子どもたちの瞳のようにキラキラした素敵な教室を作りたいという思いを込め、講師が名付けたという。
以前は舞鶴初中で教員を務め、現在は児童教室に子どもを送っている。
2人のわが子が児童教室に通い始めて3年目。そして総聯三丹支部に児童教室ができて3年目になった。子どもが1年生になる頃、ウリハッキョに通わせたくても近くになく悩み落ち込んだ時もあったが、この教室ができて救われた。
ウリハッキョに通えなくてもウリトンムたちとウリマル、ウリノレ、ウリ民族について習える。凄く幸せな事だ。
土曜日になるたびに「オンマ、今日ウリマル教室?」と聞いてくるほど、子どもたちは教室をとても楽しみにしている。
きっと、講師たちが色々と工夫してくれているおかげで、もちろん、この教室を支えてくれている同胞たちのおかげでもある。本当に感謝の気持ちでいっぱいだ。
三丹地域土曜児童教室の生徒数は6人から始まり、今は10人で授業を行っている。
言葉の勉強だけではなく、音楽や民族文化などを多種多様に取り入れた子どもたちが楽しめるカリキュラムだ。
たった一つのウリ教室、みんなが大好きなウリ教室!
来月も再来月も子どもは児童教室を楽しみに楽しみに待っている。
(三丹地域在住)