日朝協会「京都府連合会」です。韓国・朝鮮との友好を進める、日本人の団体です。1カ月¥500 841-4316福谷気付

 世界の出来事から日本・韓国・朝鮮の未来を見る。
 皆さんの声を生かして活動を進めます。

強制連行・強制労働の事実

2007-08-30 | 投稿・投書・私の意見


      中国人強制連行認める

 

                 謝罪と賠償請求は棄却

                                                       前橋地裁


 第二次世界大戦中、中国から日本に強制連行され、群馬県内で労働を強いられたとして、中国人元労働者とその家族四十六人が、国とゼネコン二社に謝罪と総額四億六千万円の損害賠償を求めていた裁判で、前橋地裁(小林敬子裁判長)は二十九日、原告の請求をいずれも棄却しました。

 判決は、国と企業が共同しての、中国人労働者に対する日本への強制連行と強制労働を認めるとともに、「強制連行・強制労働の事実や加担はなかった」とする企業の主張を明確に否定しました。

 しかし、謝罪と損害賠償の請求については、「日中共同声明五項によって裁判上請求する機能を失っている」とした、中国人戦後補償裁判の最高裁判決(四月)を引用し、国と企業の不法行為や安全配慮義務違反の事実に触れることなく、原告の請求を棄却しました。

 原告側弁護団長の廣田繁雄弁護士は「事実を認定しておきながら、簡単に請求を棄却したことは、人権救済のとりでとしての裁判所の役割を放棄するものであり、極めて不当だ」と批判し、控訴する意思を表明しました。

 法廷には原告を代表し来日した、張彦栄さん(49)、王俊義さん(54)=いずれも遺族原告=が出廷。判決後開かれた抗議集会で張さんは、「不公平な判決だ。正しいことは正しいと信じてこれからも頑張っていきたい」と語りました。王さんは「強烈に怒りを感じるが、たたかいを続ける決意が強くなった」とのべました。



訪韓で見たこと、感じたことについて

2007-08-30 | 気になるマスコミの記事


 文化にも広がった交流



歴史問題の重み、改めて痛感



     文化財問題で韓国訪問




                   緒方副委員長 対談 笠井衆院議員

 

                                しんぶん赤旗より

 


 日本共産党の緒方靖夫副委員長・国際局長と笠井亮衆院議員が八月十九日から二十三日まで、韓国を訪問しました。植民地支配下で日本に持ち出された文化財の返還運動を韓国で進めている民間団体の共同代表を務める国会議員・金元雄さん(統一外交通商委員長)の公式招待によるものです。訪韓で見たこと、感じたことについて、緒方さんと笠井さんが語りました。


感謝の手紙と訪韓の招待

写真

(写真)月精寺の書庫の前でメディアの質問に答える(右から)正念師、緒方副委員長、笠井議員=21日、韓国江原道平昌郡(前田和則氏撮影)

 緒方 今回の訪韓に至ったきっかけは、四月に衆院での「武力紛争時の際の文化財保護法案」の審議の機会に、日本共産党の石井郁子議員が植民地支配下の朝鮮から日本が持ち出した文化財の実態調査と返還を求めたことでした。次いで五月に私が参院外交防衛委員会で、現在は宮内庁保管で韓国側が返還を求めている「朝鮮王室儀軌」について麻生外相(当時)に質問しました。

 儀軌については、韓国の民間団体「朝鮮王室儀軌還収委員会」が返還運動をしていて、昨年十二月に韓国の国会が返還要求決議を採択しています。日本共産党の国会質問を知った還収委員会の代表団が七月に訪日し、私たちと話し合い、さらに外務省に出向いて返還を申し入れました。

 その後、還収委員会の共同議長である韓国国会議員の金元雄さん(国会統一外交通商委員会委員長)から感謝の手紙と訪韓の招待を受け、今回の訪問になったわけです。

 笠井 訪韓前に緒方さんと一緒に宮内庁の書陵部に行き現物を見ました。朝鮮王朝の歴史を知ることができる貴重な資料で、韓国にあってこそ意味があるものだと感じました。朝鮮王室儀軌は国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産に登録されています。文化財は原産国に戻すべきだというのが、一九七〇年にユネスコが採択した条約の原則です。

 儀軌返還問題は、日本が植民地支配のけじめをつける意味もあります。偶然ですが、儀軌が朝鮮総督府から皇室に「寄贈」された一九二二年は、日本共産党が創立された年でもあります。植民地支配に反対した日本共産党と儀軌返還運動の運命的といえるような出会いを感じました。

 緒方 国会質問で政府側は、六五年に日韓国交正常化した際に締結した「請求権協定」や文化財引き渡しに関する協定を根拠に、日本政府は儀軌を返す法的な義務を全く負っていないと言いました。同時に、個別の協定を結んで韓国側に引き渡した前例があり、両国の友好促進のためにケース・バイ・ケースで検討すると答弁しました。

 笠井 たとえば、一九九一年に東京の国立博物館に保管されていた故・李方子さん(植民地期に「内鮮一体」を進める日本政府の方針で元朝鮮王族と結婚した日本皇族の女性)の服飾を引き渡した例があります。朝鮮王朝時代の服飾が一式まとまって残っている唯一の例だといわれています。

 最初に訪ねたソウルの国立古宮博物館はこの服飾を特別に見せてくれました。二年に一回、一週間だけ一般公開するものだそうです。

 緒方 一度広げると、たたんで元に戻すだけで八時間かかるとか。それだけの労を惜しまないくらい、今回の訪韓への韓国側の関心と期待は高かったのです。私たちが文化財の返還問題で声を上げた日本の議員だということで、歓迎されました。博物館には韓国政府の文化財庁から幹部が来て、私たちを案内しました。

文化財の意味改めて実感

 笠井 いま問題になっている儀軌は、一八九五年に日本の軍人らに殺害された閔妃(びんひ=朝鮮王朝第二十六代国王・高宗の妃)の国葬を記録したものです。博物館の近くに復元中の閔妃の居所にも特別に入れてくれました。歴史の現場に立ってみると、文化財の意味を改めて実感するものですね。

 緒方 儀軌の保管を朝鮮王朝から託されていた月精寺への訪問もたいへん印象的でした。この寺の住職は豊臣秀吉の侵略の際、仏教界で抵抗の先頭に立ったそうです。朝鮮王朝から重要な文献の保管を任されていた寺で、儀軌があった史閣(書庫)の前で今の住職の正念師(還収委員会共同議長)や地元の自治体首長などが出迎えてくれました。儀軌の故郷であり、西暦六四三年建立、千八百万坪と広い敷地を持つ由緒ある寺を訪問でき、住職が昼食会まで主催して日本共産党の一行を歓待してくれたことは、感慨深いものがありました。

 笠井 ソウルから車で三時間。寺に行く途中の道に、「朝鮮王室儀軌の故郷月精寺を訪問する日本訪問団を歓迎します」という横断幕が掲げられていたのには感激しました。寺には取材記者も大勢集まっており、儀軌返還が韓国の人々にとってどれだけ大事なことなのか分かりました。

 緒方 「八角九層石塔」などの第一級の国宝がある寺なのです。住職が境内を案内しながら、文化の意味を説明してくれたのですが、歴史と文化、民族というのは一体だと実感しました。メディアは、高僧がわれわれをこのように遇したことに注目していました。

 笠井 どこでも心尽くしのもてなしでしたね。文化財の返還という一種の「国際的な要求実現運動」をしているという連帯感、同志としての友情を感じました。

 緒方 還収委員会に参加している人々も、国会議員、僧侶、伝統文化の継承者、一般市民など実に多彩です。日本共産党と韓国の交流が、文化財返還問題での協力を通じていっそう広がったわけです。

日本共産党へ理解さらに

写真

(写真)金元雄議員(右)と会談する緒方副委員長(左から2人目)、笠井議員(左)=20日、韓国国会内(前田和則氏撮影)

 笠井 金元雄議員は私たちのことを、しきりに「真の愛国者」だと言っていました。金議員との会談に同席した議員も感謝してくれましたし、ある国会議員は「私がもし日本の国会議員だったら果たしてできるだろうか。あなたたちは本当に勇気がある」と言っていましたね。

 緒方 昨年九月にソウルで第四回アジア政党国際会議(ICAPP)が開かれた際に、志位委員長を団長とする日本共産党代表団と会談した議員とも再会しました。この訪問がベースになって今回があると思いました。野党ハンナラ党の金炯旿・院内代表と与党・大統合民主新党の李洛淵スポークスマンは、儀軌返還問題での日本共産党の活動に感謝してくれました。また、文化財の返還問題という具体的な問題を通じて、日本共産党への理解をさらに深めたと言っていました。

 笠井 昨年の訪韓からほぼ一年がたちますが、志位委員長の訪問が切り開いたものは大きかったなと思います。違和感なく私たちを受け入れてくれました。文化財返還問題で私たちが堂々と韓国の人々と協力できるのも、侵略戦争と植民地支配に反対し自主独立を貫いてきたからです。党の歴史の価値だと思います。

 緒方 今回の訪韓で、日本共産党と韓国の交流が、政治だけでなく文化や宗教にまで広がりました。文化や宗教は人々の生活、社会そのものです。そういう場に交流が発展していたことに大きな意味があったと同時に、私たちも多くのことを学びました。

 笠井 歴史問題の重さを痛感した訪韓でした。日本と韓国の友好を真剣に願っている多くの人々に会えました。文化財の返還をはじめ、歴史問題を解決して日本が尊敬され信頼される国になってほしいと言っていました。日本共産党と韓国の交流が、日本と韓国が信頼し合える関係になり東アジアの平和と友好を実現するために役立てば、これほどうれしいことはありません。


 朝鮮王室儀軌(ぎき) 朝鮮王朝(李氏朝鮮)時代(一三九二―一九一〇年)に、国家や王室の重要な行事の内容を絵と文章で記録した書物。ユネスコが世界記憶遺産に指定。このうち宮内庁に保管されているのは「明成皇后国葬都監」など。植民地統治機構の朝鮮総督府が月精寺から持ち出したものを一九二二年に皇室へ「寄贈」しました。



アジア諸国民の意識との 大幅なずれ

2007-08-26 | 投稿・投書・私の意見


  安倍外交では共鳴得られない


 安倍晋三首相のインドネシア、インド、マレーシア三カ国歴訪の旅が終わりました。

 参議院選挙での失敗を外交でもりかえすとの思惑とは裏腹に、アジア諸国民の意識とのずれの大きさばかりが目立つ外遊となったのは否めません。アジア人の手でアジアの平和な共同体をつくるというASEAN(東南アジア諸国連合)の意気込みも理解せず、アメリカ仕込みの「価値観」を押し付けるだけの安倍外交では、アジアから共鳴を得られないことがいよいよ鮮明になりました。

「価値観」の押し付け

 安倍首相が強調したのは、アメリカがイラク戦争など世界政策の基礎にすえている「自由と民主主義」などの「基本的価値」を売り込むことでした。

 インドネシアで行ったASEAN政策についての演説では、わざわざ、各国の指導者が「民主的諸価値」「法の支配」などの言葉を使っていることをもちだし、「励まされている」とまでいいました。インド国会でも日印パートナーシップと「基本的価値」の結合を強調しました。

 特定の価値観を押し付けることほどASEANに無理解なことはありません。ASEANは体制が異なっても平和的に協力していくことを基本にした集まりです。参加国は、資本主義、イスラム国、社会主義をめざす国とさまざまです。それがアジアの平和の流れを大きくしている原動力になっています。

 ASEANに特定の「基本的価値」をもちこむことは、その価値と一致しない国との間に一線を画すことにもなります。体制の違いをこえて友好協力関係をつくりあげるというASEANの努力を無にするのは明白です。安倍首相は、「基本的価値」の押し付けがASEANの努力に横やりを入れるものだということを理解すべきです。

 インド国会で、アメリカ、日本、オーストラリア、インドの四カ国が一体となって「拡大アジア」へと成長させると安倍首相が表明したことは、とくに重大です。日豪関係を条約なき安保同盟にしたように、日印協力の変容をはかるのは、アメリカ中心の新しい安保同盟関係をアジアでつくるねらいからです。それは、ASEANがめざしているアジア中心の東アジア共同体づくりを阻害する対立物になりかねません。

 安倍首相の大国意識も見過ごせません。アジアと世界が直面する挑戦にたいして、「ASEANの皆様には、ぜひともわれわれ日本人と一緒に立ち向かっていただきたい」とのべました。これでは“おれについて来い”といわんばかりです。

 安倍首相は、ASEAN政策で「思いやり、分かち合う未来を共に」と呼びかけました。「思いやり」というなら、まずやらなければならないのは、アジア侵略と植民地支配の歴史的責任を認め、被害者にたいして公式に謝罪し償いをすることです。ところが安倍首相は、極東軍事裁判で東条英機元首相らの無罪を主張したパール判事をもちだし、侵略戦争の正当化を印象付けようとさえしました。反省も謝罪もせずに「思いやり」をいっても共鳴は得られません。

アジアの一員として

 安倍政権は、明治政府がアジアを差別し、“脱亜入欧”政策に走ったことが領土拡張と他国支配のための侵略戦争につながったことを思い起こす必要があります。アメリカの代理人としてふるまうのではなく、アジアの一員として、憲法九条を生かした自主外交に転換すべきです。



世宗大王の生涯

2007-08-24 | 投稿・投書・私の意見

〈本の紹介〉 


    ハングルを創った国王 世宗大王の生涯


朝鮮文化の黄金時代照らす

 理科離れといわれて久しい。ただし、ここで留意しなければな

らないのは、今の子どもたちは昔に比べて自然に接する機会は

減ったが、決して知的好奇心がなくなったのではなく、学校で押

しつけられる「理科」が嫌いなのである。以前からこの事実を指

摘し「仮説実験授業」という独自の教授法を提唱、実践してきた

のが著者である。近年は理科のみならず歴史や社会まで範囲

を広げているが、本書はその独自の視点を活かして朝鮮文化

の黄金時代を築いた世宗の生涯について書いたものである。

 
   内容は、2人の兄を飛び越して王となった世宗/貨幣政策と〈朝鮮通宝〉のなぞ/農

業、医療技術の普及と出版/日本からの技術導入と「火薬と火砲」の秘密/天文、暦学

の研究と世界最古の測雨器/反対を押し切ってのハングルの創成、の6章から構成さ

れているが、一つひとつ解き明かすようなその記述は著者ならではのものである。著者

は「まえがき」で次のように書いている。

 

 「私はもともと朝鮮=韓国の歴史には詳しくはなかったのですが、世宗の仕事には私

がそれまで研究してきた事柄がたくさんあったことに気づきました。貨幣、和紙、水車、

火薬、数学書、○記号への興味、農学書の編さん、活字印刷、木綿、文字など、どれを

とっても、それまで私が日本を中心としてではありますが、専門的に研究を進めてきたも

のだったからです。そこで、私が世宗の伝記を書くのは、専門違いと思っていたのに、私

はその伝記を書くのにふさわしい適任者の一人だと思うことができました。そんなわけ

で、この伝記には私にしか書けない事柄も少なからず含まれています」

 

 著者にしか書けない内容とはどのようなものなのか、それは読んでからのお楽しみで

あるが、一つだけ挙げるならば「○記号」とハングルの類似である。世宗時代に出版さ

れた数学書には零を意味する「○記号」が用いられている。数学において「零の発見」は

単なる数字を越えた大きな意味を持つが、「○」記号とハングルの何も発音しない子音

の「彪」(例えば「焼」)には共通の思想があると指摘する。むろん、これは一つのアイデ

アにすぎず、著者自身もすぐに受け入れられるものではないだろうと書いているが、広

範な知識に裏付けされた柔軟な発想には、いつもながら感心するばかりである。

 

 本書の執筆の動機と関連して「まえがき」で、日本では欧米諸国や中国の偉人ならたく

さんの名を挙げられる人でも、朝鮮となると一人も挙げることができないのではないかと

書いているが、科学史研究および理科教育の大家といえる著者がこのような本を出す

意義は大きいといえる。ただ、一つ残念なことは日本の出版事情から仕方のないことか

もしれないが、ページ数に比べてちょっと割高なことである。それでも映画を一本見たと

して、ぜひ、楽しんでほしい本である。

 

(板倉聖宣著、仮説社、1800円+税、TEL 03・3204・1779)

(任正爀、朝大理工学部教授)

                                                                     [朝鮮新報 2007.8.21]


住民生活の安定最優先 !!日朝協会京都府連カンパ取り組む

2007-08-22 | 「協会」の公式見解・談話

   朝鮮の豪雨被害 各地で復旧作業に全力

        現地に続々と救援物資到着 住民生活の安定最優先

 既報のように、今月7日から朝鮮半島北半部で降り続いた豪雨によって各地に
甚大な被害が出ている。14日現在、8万8400余世帯の住宅が全・半壊、浸水、
全農耕地の11%以上が流失、水没、冠水、罹災者30万人以上など、おびただ
しい人的、物的損害が報告されている。当該機関では正確な被害状況の把握に
努める一方、復旧のためのさまざまな対策を講じている。各被害地域に国の救援
物資が届けられ、現地では軍、官、民共同の復旧作業が本格的に始まっている。


7日からの豪雨により、冠水した
咸鏡南道高原郡協同農場のトウ
モロコシ畑 [朝鮮中央通信=朝鮮
通信]

 朝鮮中央通信によると、内閣と省、中央機関が中心となって各道、市、郡の被害復旧計画を立案、罹災民の生活安定に優先的な力を注いでいる。

 国家計画委員会、建設建材工業省、金属工業省、軽工業省などの各省や中央機関では、復旧に必要なセメントや鋼材を被害地域に優先的に供給し、地域住民の生活を一日も早く安定させるための対策を講じている。

 収買糧政省と商業省は被害地域へ食糧と基
礎食品供給を最優先させている。

 保健省では、関係者らが医療チームとともに文川市、川内郡(江原道)、陽徳郡
(平安南道)、谷山郡、新坪郡(黄海北道)、などに駆けつけ医療サービス活動を
 展開中だ。

 鉄道省でも流失した鉄道路盤と寸断された鉄橋、通信施設の復旧に全力を挙
げている。

 一方、朝鮮赤十字会は1万6000世帯におよぶ被害地域住民に毛布、テント、
炊事道具、浄水薬などの緊急救護物資を配布した。また、1万3400人の赤十
字ボランティアらが被害地域住民を疎開させ、彼らの生活を安定させるための
活動を行っている。

 被害地域では軍隊と住民が力を合わせ、復旧作業を急ピッチで進めている。

 黄海北道の谷山、新坪、新渓、端興、延山郡では、住民と関係者らが壊れた
住宅と公共建物の再建、冠水した農耕地の復旧、整理活動にあたっている。

 平安南道、江原道、黄海南道、咸鏡南道でも、冠水した田畑の復旧と破壊さ
れた道路と橋の復旧作業が進行中だ。

インフラ再建急ぐ

19日、豪雨による洪水で平壌・綾羅島遊園地の積もった泥を取り除く政府機関の職員と市民 [朝鮮中央通信=朝鮮通信]

 一方、被害の大きかった首都・平壌
でも、市民らが全力で復旧活動にあた
っている。

 市人民委員会は壊れた住宅の再建、
浸水地域の住民生活の安定に重点を
おきながら、同時に生産設備や電力供
給設備、通信設備、道路など主要な被
害対象を復旧するための活動に力を入
れている。

 普通江区域では運河地区にある数十の行政機関、企業所や普通江遊園地、
峰火通りなど浸水被害を受けた地域のポンプ場に電力を優先的に供給してた
まった水を吸い上げ、倒木と土砂を片付ける作業を行っている。

 平川区域と船橋区域、西城区域、兄弟山区域など市内の各行政区域では崩
れた堤防を再建し、洪水と山崩れによって堆積した土砂を取り除いている。

 建物が浸水した結果、600台を超えるメリヤス針設備と変圧器が水に浸かっ
た平壌メリヤス針工場や平壌子どもメリヤス工場を含め、被害を受けた市内の
工場では、倒壊した壁を修理し、生産の正常化に向けた復旧作業を進めている。

 一方、市では大同江と普通江の遊歩道と遊園地、遊戯施設などで被害の拡大
を防止する対策も講じた。

 各省、中央機関の職員らも市内の各所で水害の復旧作業に取り組んでいる。


積もった泥土を取り除く政府機関
の職員と市民(19日、綾羅島)
[朝鮮中央通信=朝鮮通信]

 19日には総動員で綾羅島の復旧作業を行った。今回の豪雨で車道と歩道、芝生エリアなどに3万余m3の土砂と泥がたまり、1000本を超える木が倒れ、道路も寸断されるなど同地区も大きな被害をこうむった。

 この日、最高人民会議常任委員会、内閣事務局、中央検察所、教育省、青年同盟中央委員会をはじめとする各機関の職員らは手にスコップを持って泥を取り除き、道路を整備した。また、芝生の移し替えや街路樹の整理を行った。


 市農村経理委員会の職員らは江南郡、楽浪区域、順安区域など市周辺部の冠
水した農場の排水作業を現場で指揮する一方、冠水したり風雨によって倒れたり
した農作物を植えなおし、野菜の種まきを再度行うための準備を進めている。

 市職員と市民の献身的な活動によって、平壌は豪雨の被害から次第に立ち直
りつつある。

国際赤十字、赤半月会 被害地域を視察

水害被害者に救援物資を手渡す朝鮮赤十字会の関係者 [朝鮮中央通信=朝鮮通信]

 20日発朝鮮中央通信によると、朝鮮
に駐在している赤十字・赤半月会国際
連盟の代表団が咸鏡南道の被害地域
を視察した。

 代表団は金野郡と定平郡の被害地域
を見て回りながら、今回の豪雨によって
破壊された住宅と埋没、冠水、流失した
農耕地、罹災民の生活状況などについて
 具体的な調査を行った。

(関連記事)

朝鮮各地で甚大な豪雨被害、被害拡大防止と復興事業呼びかけ

朝鮮各地で豪雨被害拡大、30余万人が罹災

朝鮮各地で大雨被害

[朝鮮新報 2007.8.22]

 

 

    日朝協会京都府連は、カンパ活動を行う

ことを決定し、会員に呼びかけることになりました。


朝鮮王室儀軌返還を支援

2007-08-21 | 投稿・投書・私の意見
  
                                                           sugeno                                 

朝鮮王室儀軌返還を支援、日本の政治家ら訪韓へ

【ソウル16日聯合】日本の宮内庁が所蔵する、朝鮮王朝時代の王室儀礼を絵や文で記録した「朝鮮王室儀軌」の返還を支援する日本の政治家らが19日に訪韓する。朝鮮王室儀軌還収推進委員会が16日に明らかにした。

 訪韓するのは笠井亮・衆議院議員や緒方靖夫議員・元参議院議員らで、20日にソウル・国立古宮博物館を訪れ、2005年に返還された「北関大捷碑」の複製品(原本は北朝鮮に移送)と昨年返還された「朝鮮王朝実録」を見る予定だ。21日には江原道・平昌の五台山に位置する月精寺を訪れ、五台山史庫の現況を視察する。笠井議員らは、視察を基に国会に朝鮮王室儀軌の返還を働きかける予定だ。

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流れず、延期で良かった

2007-08-19 | 投稿・投書・私の意見


   南北首脳会談 10月に


   北朝鮮水害のため延期


 韓国の青瓦台(大統領府)は18日、南北首脳会談の日程を今月28―30から10月2―4日に延期すると発表しました。北朝鮮側が18日、水害復旧を優先させるため会談の延期を申し入れ。韓国側はこれを受け入れ具体的な日程を提案し、双方の合意で10月の日程が確定しました。

 青瓦台の発表によると、北朝鮮側は「南北首脳会談開催についての立場に変わりはない。事前準備協議の結果も有効だ」と伝えてきました。盧武鉉・韓国大統領による陸路訪朝の予定も変更はありません。

 北朝鮮の申し入れによると、水害は北朝鮮のほぼ全域にわたるといいます。盧大統領が車両で通る開城―平壌の高速道路が被害を受けたほか、平壌市内を流れる普通江もはんらんし、ホテルなどの施設を含め6400戸が浸水。市内の電力供給や通信設備にも障害が出ているといいます。

 一方、米韓合同の図上軍事演習「ウルチフォーカスレンズ」が20―31日に予定されていることが会談延期の理由ではないかとの指摘があることに対し、青瓦台の千皓宣スポークスマンは記者会見で、「水害は想像以上に深刻なようだ。会談延期に水害復旧以外の意図は全くないと思われる」と語りました。

 韓国政府は水害復旧に必要な救援物資を早急に北朝鮮側に引き渡す予定。具体的な被害状況を把握した上で、大韓赤十字社や人道支援団体、市民団体と協力して支援を実施するとしています。



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ASEAN40周年の果たした役割

2007-08-19 | 投稿・投書・私の意見

 

    ASEAN40周年

 


 平和なアジアづくりの原動力


 40年前のきょう、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイの五カ国外相がバンコクで東南アジア諸国連合(ASEAN)を設立しました。84年以降、ブルネイ、ベトナム、ラオス、ミャンマー、カンボジアが次々に加盟し、現在10カ国で構成される地域機構となっています。

 ASEANはいまやアジアの平和と経済発展にとって大きな役割を果たし、東アジア共同体づくりでも重みを増しています。

外交と対話を重視

 ASEANにはベトナム戦争という苦い体験があります。この体験から、ASEANは戦いあった国ぐにをふくめ東南アジアを平和の地域にすることをめざしました。これがこんにちのアジアの平和の流れにつながっていることは明白です。

 戦争が終わったあとの76年2月にASEANがはじめて開いた首脳会議で採択された「東南アジア友好協力条約」(TAC)は、とりわけ重要です。TACは領土保全や内政不干渉などとともに「意見の相違または紛争の平和的手段による解決」「武力による威嚇または武力の行使の放棄」を明記しています。これによって締約国同士が脅威を払しょくし、信頼を寄せ合うことができます。

 実際、ASEANはTACを土台に友好協力関係をつよめてきました。中国や日本、オーストラリアなどASEAN以外の国をふくめると24カ国で、欧州連合(EU)も加入の意思を表明しました。東南アジアから発信した平和の流れが大きくなっていることの表れです。

 7月のASEAN外相会議は、朝鮮半島の非核化について「対話と交渉を通じた核問題の平和的解決」を強調しました。イラク問題でも、「イラクの外国軍の計測された段階的な撤退」を求めています。外交と対話で問題を解決する原則が根付いていることを示しています。

 東南アジア非核兵器地帯条約(95年)も重要です。締約国が核兵器を製造も貯蔵もしないというだけでなく、ASEAN諸国の経済水域200カイリ内では海でも陸でも外国の核兵器持ち込みを禁止しています。ASEANを足場に核戦争することを拒絶したこの条約は、世界から核戦争の脅威をなくすことに貢献するものです。中国やロシアは条約への支持を表明していますが、核兵器を先制攻撃戦略の柱にすえているアメリカはいまだに反対し続けています。

 ASEAN諸国は7月に、東南アジア非核兵器地帯条約にかんする初の閣僚委員会を開き、条約を拒否する核兵器保有国にたいして条約署名をせまることをふくむ、こんご5年間の「行動計画」を採択しました。核兵器保有国はASEANの求めに応じるべきです。

 ASEANは2020年までにASEAN共同体をつくる計画です。しっかりしたASEAN地域機構を確立しながら、「アジアのことはアジア人で解決する」という立場で、平和と共存の東アジア共同体づくりにも主導権を発揮することが大いに期待されます。

侵略の反省が不可欠

 日本がアジアで生きていくためには、アメリカの代理人としてふるまうのではなく、アジアの一員として友好協力関係を強化する必要があります。そのさい、過去のアジア侵略戦争と植民地支配への態度が問われるのは必至です。

 安倍政権は侵略戦争を正当化する「靖国」派外交をやめて、アジアの新しい流れに合流すべきです。


 

 40年の間には、国際的な事件が沢山あった中で、関係諸国が40年間も努力してこられたのに、日本政府は全く良い役割を果たしていないのが残念です。


武力しか信じられない米国

2007-08-18 | 気になるマスコミの記事

 

 板門店で朝米軍部大佐級会談



朝鮮側 合同軍事演習非難声明通報

 

 

 朝鮮側の提議によって10日、朝米軍部大佐級会談が板門店で行われた。

 会談で朝鮮側は、米軍側が8月20日から南朝鮮で行う「ウルチ・フォーカスレンズ」合同軍事演習計画を公式発表したことについて厳重に抗議、糾弾し、これに強力に対応する朝鮮軍隊の立場を明らかにした朝鮮人民軍板門店代表部声明を米軍側に通報した。

 声明は、米軍部による合同軍事演習強行の企図には、米国が朝鮮半島の平和と安全保障には全く関心がなく、朝鮮半島の実際の非核化も、緊張緩和も、強固な平和も願わないということが示されていると指摘した。

 そして、米軍部の戦争演習計画に従って動員される交戦一方のぼう大な武力がそのまま朝鮮に襲いかかりうる緊迫した事態が生じている状況で、国の安全に責任を負った朝鮮の軍隊が手をこまぬいて無為無策のまま時が来るのを待つわけにはいかないと強調した。

 また、このような大規模戦争演習が強行される条件下で、それに対応した威力ある打撃手段を完備することに全力を尽くすとした言葉を実際の行動で積極的に推し進めていくとしながら、これが「2.13合意」履行と6者会談に及ぼす破局的な結果については、米国が全責任を負うことになる主張した。(朝鮮通信)

[朝鮮新報 2007.8.17]

 

 アメリカは、本当に6者会談を成功させようと考えているのか。鉄砲しか信じられないのではないか、アジアでの平和の思いがり理解できないのなら、一日も早くアジアから出て行ってほしいものだ。


日韓市民が、ベルリン でスクラム

2007-08-17 | 投稿・投書・私の意見


  「従軍慰安婦」問題

 

     謝罪と補償を要求

 

 

 ベルリン   日韓市民がスクラム

 


 【ベルリン=中村美弥子】六十二回目の日本の終戦記念日の十五日、ベルリンでは市民が、旧日本軍の元「従軍慰安婦」への公式な謝罪と補償を日本政府に要求する行動をしました。ベルリン在住の日本人団体と韓国人団体が共催したものです。

 場所は、第二次世界大戦中の空襲で破壊されたままの姿を残し、戦争の悲惨さを伝えるカイザー・ウィルフェルム記念教会の前。喪色の黒い服を着た参加者は、アジア各地の元「慰安婦」たちの写真を持ち、日本政府に謝罪を求める横断幕を掲げ、通行する人たちに向けて静かに訴えました。

 「韓国だけでなく、アジアの元『慰安婦』のために訴えている」という参加者のアン・チャジョさん(62)。「悲惨な戦争を繰り返さないために、日本人には歴史をきちんと勉強してほしい」と話し、「生きている間、ずっと運動を続ける」と強調しました。

 日本人の女性(62)は、「韓国やアジアの人たちにとって戦争はまだ終わっていない」と言い、「慰安婦」問題の解決のために公式な謝罪を日本政府に求めました。

 前を通りかかったオランダ人観光客のアニさん(56)とバートさん(57)夫妻は「歴史を振り返るこういう行動はとても大事なこと。日本の首相はただわびるだけでなく、被害者の苦しみを直視し、反省をすべきだ」と語りました。



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洪水で南北会談が流れないように

2007-08-16 | 投稿・投書・私の意見

 

 
   豪雨被害拡大、平壌市内は浸水


               農地流失や道路寸断も-北朝鮮          【ソウル13日時事】

北朝鮮で約1週間前から降り続いた豪雨のために、平壌を含む全国各地で洪水などの被害が拡大しているもようだ。

在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)機関紙・朝鮮新報(電子版)は13日、平壌の被害状況について伝え、北朝鮮の気象専門家の話として「1967年の大洪水に匹敵する降水量」と報じた。

 朝鮮新報によると、平壌市内を流れる大同江の水位が急激に上がり、11日午後の段階で河川沿いの遊歩道は完全に浸水。
普通江ホテルの1階部分が水に漬かるなど、洪水による被害が確認されているという。 

 北朝鮮の公式メディアも農地流失のほか、道路や線路の寸断といった各地の被害状況を伝えており、13日の天気予報でも大雨が続くとして各部門に洪水やがけ崩れ対策を呼び掛けた。

 

    自然が じゃまをしないように、祈っています。


これは よいことだ。早く国民も!

2007-08-15 | 韓国・朝鮮の旅

 
   盧大統領 陸路平壌へ

 

 

   南北首脳会談 準備協議で合意


 韓国と北朝鮮は14日、第二回南北首脳会談(28―30)準備のための事前協議を北朝鮮の開城で開き、盧武鉉大統領をはじめ韓国代表団が専用車両を使い陸路で平壌に入ることで合意しました。実現すれば盧大統領は軍事境界線(休戦ライン)を初めて越える韓国大統領となります。(面川誠)


 韓国と北朝鮮が戦火を交えた朝鮮戦争(1950―53年)は、休戦協定が締結されたままの状態で正式な終戦に至っていません。韓国大統領が休戦ラインを越えることは、平和構築に向けた意思を示すとともに、2000年の第一回南北首脳会談後の南北関係の進展を象徴するものといえます。

 また、休戦ラインの南側沿いは朝鮮戦争に参戦した国連軍(司令官は在韓米軍司令官が兼任)の管轄下にあります。国連軍管轄区域を韓国首脳が通ることで、南北の当事者によって朝鮮半島の平和を維持する姿勢を示す意味もあります。

 南北は第一回首脳会談の合意に基づき2000年から鉄道と道路の連結工事を開始。03年6月に鉄道が、04年10月には道路の連結が完工し、道路は同年12月から運用が始まりました。道路は開城工業団地に進出している韓国企業に出勤するために、ソウルから平日の日帰り通勤が行われています。

 今回の事前協議で韓国側は鉄道による訪問を提案しましたが、北朝鮮側は難色を示しました。韓国政府の発表によると、大統領以外の韓国政府当局者も陸路で平壌まで行ったことはないといいます。

 事前協議ではこのほか、

首脳会談の議題を

(1)朝鮮半島の平和   (2)民族共同の繁栄   (3)祖国統一の新たな局面

とすることで原則的に合意。
盧大統領は金正日・朝鮮労働党総書記や金永南・最高人民会議常任委員長と会談し、共同文書を発表することも決めました。

 韓国側代表団の規模は、韓国メディアの代表取材団を含め、前回より20人多い202人。韓国政府は21日に30人の先遣隊を平壌に派遣します。

 事前協議には韓国側から李寛世・統一次官、北朝鮮側からチェ・スンチョル朝鮮労働党統一戦線部副部長が代表として出席。具体的な日程などは今後の追加協議で決めます。



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米朝代表が事前会談

2007-08-14 | 投稿・投書・私の意見

 
   6カ国協議


     米朝代表が事前会談


    16、17日に非核化部会


 【北京=山田俊英】北朝鮮の核問題をめぐる六カ国協議の米国首席代表、ヒル国務次官補(東アジア・太平洋担当)が十三日午後、北京入りし、北朝鮮大使館で同国首席代表の金桂冠外務次官と会談しました。会談は約四時間にわたり、遼寧省瀋陽で十六、十七の両日開かれる非核化作業部会を前に意見交換したとみられます。

 ヒル次官補は記者団に「(北朝鮮の核の)無能力化とは何かなど明確な考えを得たい」と述べ、「次の段階」措置に関する行程表を策定する次回六カ国協議を「今月最終週か九月第一週に開きたい」と表明しました。

 金外務次官は先週北京入りし、十三日午前には中国外務省を訪問しました。六カ国協議議長の武大偉外務次官と意見を交換したもようです。

 朝鮮半島の非核化に関する作業部会は、北朝鮮の核施設の無能力化、すべての核計画の完全申告など「次の段階」措置の具体的手順がテーマ。詳細な技術的な問題も話し合います。中国が議長国を務めます.

 

     6者会談が成功することを期待している。


子どもにもMSがあると聞きましたが。

2007-08-14 | 投稿・投書・私の意見


  みんなの健康Q&A〉
 

 

 メタボリックシンドローム(上)-診断基準


 Q:「メタボ、メタボ」と友人が騒いでいますが、近頃テレビのニュースや健康番組などでもよく出てきます。

 A:正しくはメタボリックシンドローム(metabolic syndrome、以下MSと略す)といって、一言で日本語に訳すのは難しいのですが、別名「内臓脂肪症候群」とも呼ばれています。これは肥満とりわけ内臓脂肪蓄積とインスリン抵抗性という共通の病態を基盤として、高血圧、コレステロールや中性脂肪値の異常、それにまた血糖値の上昇つまり糖尿病が重複し、粥状動脈硬化症を生じやすくなり、その結果狭心症、心筋梗塞や脳梗塞の発症危険度が増大する疾患と定義されています。

 Q:聞いただけでもすごく恐ろしげな疾患ですね…。

 A:実は、医療現場ではもう何年も前から知られているのですよ。ちょっと難解な用語が並びましたが、説明しながら話をすすめましょう。

 Q:高血圧や糖尿病などはよく生活習慣病といわれていますが、MSにおいてはどういう意味合いがあるのですか。

 A:そういった生活習慣病をもっていると、心筋梗塞や脳梗塞といった動脈硬化性疾患にかかりやすいことはみなさんよくご存知のことと思います。動脈硬化というのは体中に栄養を運ぶ動脈が細くなったり、つまったりすることです。生活習慣と密接に関連する高血圧や糖尿病、肥満、喫煙などは動脈硬化を引き起こす危険因子と呼ばれています。こういった危険因子が重なると、動脈硬化を生じる確率がさらにいっそう高くなることは容易に理解できます。

 Q:一人の人に同時に複数の危険因子が存在しているという状況ですね。

 A:その通りです。そのような概念は1980年代後半からあちこちの研究者によって提唱されるようになりました。そんな中でも、MSにおいては認められる危険因子は同じでも、それらはある共通した病態から生じていて、お互いにきわめて相関していると考えられています。長年の研究によって、内臓脂肪蓄積を主とする肥満およびインスリン抵抗性などが基礎にあるということがわかってきました。インスリン抵抗性とは、血糖値を下げる働きのあるインスリンが血中に存在するにもかかわらず、期待されるほどのインスリン作用が発揮されない病態をいいます。そして、これらの病態をもたらす背景には、過食、運動不足といった生活習慣の乱れが大きく関与しているのです。

 Q:MSと診断するのには何か基準があるのですか。

 A:実は世界的にはまだ完全に統一されていないのですが、ここでは2005年に日本で示された診断基準に基づいてお話しましょう。まず必須項目として中心性肥満、またの名を腹部肥満、りんご型肥満といいますが、へそ周りが男性は85センチ以上、女性は90センチ以上をいいます。

 Q:えっー、女性より男性のほうが基準値が厳しいですね。

 A:女性の場合は皮下脂肪が多いのでどうしてもへそ周りが大きくなりがちです。ところが、MSにおいてはおなかの中の内臓の周りにつく内臓脂肪が問題なのです。だから、女性では皮下脂肪分は上乗せしてゆるい基準にしてあるのです。

 Q:おなかの周りだと誰でも簡単に測れて、身近な話題になりますね。それにしてもなかなかきつい数字です。

 A:加えて空腹時血糖が110以上、中性脂肪150以上および/または善玉と呼ばれるHDLコレステロール40以下、血圧130/85以上、これらのうち2つ以上が重なった場合にMSと診断されます。

 Q:簡単にいえば、おなかが出ていて、血液検査で糖尿病や脂質異常がみられ、それに高血圧があればMSの仲間入りというわけですね。

 A:肥満については身長や体型による個人差が大きいので、身長と体重から計算する体重指数もよく使われます。これは体重(kg)を身長(m)の二乗で割ったもので、25以上だと肥満と判定されます。

 Q:MSの頻度はどのくらいですか。

 A:調査報告によって用いた診断基準が微妙に異なるので一概には言えませんが、日本では男性は25~8%、女性は22~2%です。この頻度は、ほかのアジア地域と大きくは変わりがありません。ヨーロッパ白人のデータは日本と大差ないのですが、米国白人の頻度は、最近の肥満度の急速な増加傾向を反映してか高かったと報告されています。2004年に在日同胞を対象にしたアンケート調査を行ったのですが、20歳以上の男性では11.5%の頻度でした。たぶん日本人の統計とほぼ似た数値と思われます。また、どちらも40代から急に頻度が増加するのが特徴です。

 Q:子どもにもMSがあると聞きましたが。

 A:最近、子どものころからの予防が大切ということで、6~15歳の子どもにもMSの基準ができました。小学生は肥満の基準が「へそ周りが75センチ以上」か「へそ周り÷身長=0.5以上」で、あとは成人と同じように血糖、脂質、血圧異常のうち2つ以上あれば「小児MS」と呼びます。ただし、小児の場合はこれらの基準値を少しゆるく設定しています。ある統計調査によれば、肥満児の5~20%、一般の子の0.5~3%が小児MSと診断されたそうです。

 (金秀樹院長、医協東日本本部会長、あさひ病院内科、東京都足立区平野1-2-3、TEL 03・5242・5800)

[朝鮮新報 2007.8.9]

 

  いやー私も気になっていますが、・・・・爆弾抱えているようなものかなー?


遺骨問題の解決を

2007-08-13 | 投稿・投書・私の意見

 

  「韓国・朝鮮の遺族とともに-

          

          遺骨問題の解決を」全国集会


「遺族に誠実な対応を」

 「韓国・朝鮮の遺族とともに-遺骨問題の解決を」全国連絡会が主催する全国集会が7月29日、名古屋名進研ホールで行われ、関係者ら約300人が参加した。集会では、各団体の事業報告と今後の課題について話し合われ、決議文が採択された。また、集会に先立つ7月28日には岐阜県飛騨神岡、高山地区でフィールドワークが行われた。

体験者の証言も

金文奉さんの遺骨を受け取る金大勝さん

 集会では、全国連絡会の内海愛子共同代表があいさつ。28日のフィールドワークで1体の遺骨を遺族に返すことができたと述べながら、「遺骨の収集」と「遺族への援護」が義務化されていないことにより、旧植民地出身者に対する謝罪と遺骨返還が大幅に遅れていると日本政府の対応を非難した。

 続いてあいさつした南朝鮮の「日帝強占下強制動員被害真相究明委員会」の朴聖圭事務局長は、日本政府と企業のより積極的な協力を促しながら、この問題は市民団体の協力が欠かせないと訴えた。

 集会には過去、神岡炭鉱で労働を強いられた金得中さん(80)も参加し、自らの体験について語った。

 金さんは、食べるものも満足にない状況で、もっとも危険な場所で働かされたと述べながら、「『たくさん掘ればたくさんカネをやる』という言葉を信じて一生懸命働いたが、布団代や靴代などの雑費を差し引かれ、手許にはいくらも残らなかった」と証言した。

 基調報告を行った全国連絡会の上杉聰共同代表は、飛騨、高山周辺の寺院調査により約80体の遺骨が確認されたことに触れながら、今後の展望について語った。

証言する金得中さん

 上杉共同代表は、曹洞宗が中心となって行った飛騨市での調査で、戸籍受付帳が大量に発見されたことは大きな意味を持つとしながら、「政府の責任で戸籍記録を整理収集させるための運動を展開すれば、朝鮮人労働者の死亡情報が相当程度明らかになる展望が開ける」と強調。政府、企業に対し情報公開を強く求めた。

 集会では、曹洞宗、真宗大谷派をはじめとする各団体の活動も紹介された。

 各団体の代表らは、「生きていた人の魂は遺族に返さなければならない」と一様に述べながら、市民団体と宗教団体が心を込めて遺骨調査を行えば、遺族の元に遺骨を返すことができると指摘。大事なのは、遺族の気持ちに誠実に応えられるかどうかだと強調した。

 集会では、決議が採択された。

 決議では、①朝鮮人に対する労務動員は1939年7月4日の閣議決定後、政府の責任で実施されたものであり、遺族の悲痛な思いに対して遺骨返還という形で応えること、②遺骨返還のための情報は、政府が地方自治体に委託している戸籍関係書類に多く含まれており、政府はそれを自覚して自身の責任で情報収集作業に尽力すること、③遺骨の返還時には、遺族に死亡の経過を報告できるよう政府の持つ資料を公開したうえで、企業や地方公共団体にも情報提供を依頼すること、④遺骨の返還時には、遺族に対して政府が謝罪するとともに、渡航費や祭祀費などの負担を、誠意を持って負うこと-などを求めた。

「まずは真相究明」

 7月28日に行われたフィールドワークでは、徴用で日本に連行され、41年4月に神岡町のダム建設中に亡くなった金文奉さん(済州道出身、当時52歳)の遺骨が、甥の金大勝さん(66、済州市在住)に手渡された。遺骨はそれまで両全寺に保管されており、66年ぶりに故郷に帰ることになった。

 寺で献花を終えた金大勝さんは、「一日も早く遺骨を故郷に持ち帰りたい。行方不明になったとばかり思っていたが、遺骨を見つけることができて本当にありがたい」と語った。

 そもそも、金文奉さんの骨箱に本籍地が記されていることは昨年10月、「強制動員真相究明ネットワーク」の調査によって明らかになった。

 神岡では、植民地時代に炭鉱労働やダム建設に従事した約30人の朝鮮半島出身者の死亡記録が確認されており、飛騨、高山周辺の寺院では約80体の遺骨も発見された。遺骨の中には、幼い子どもと見られるものも含まれているという。

 愛知強制連行真相調査団事務局の金順愛さんは、「遺骨の返還とともに何よりも重要なのは、真相が明らかにされるべきだということ。真相が究明されてこそ、謝罪と補償があるということを基本に、すべての問題を包括的に解決していきたい」と述べながら、すべての団体が団結して根本的な問題解決に取り組むべきだと強調した。(鄭尚丘記者)

[朝鮮新報 2007.8.10]

 

 日朝・京都でも取り組んでいますが、

不十分です。資料集めから力を入れて頑張ります。