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F組はもう1試合のスウェーデン―メキシコ戦でスウェーデンが3―0で勝利し、それぞれ1、2位で1次リーグを通過。韓国が3位、ドイツが得失点差で韓国を下回り最下位となった。

2018-06-28 | 大韓民国

W杯・韓国 前回王者ドイツを2―0で下すも1次リーグ敗退

2018/06/28 01:54

【カザン聯合ニュース】サッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会1次リーグF組の韓国代表は27日午後、カザンで前回王者ドイツとの最終戦に臨み、2―0で勝利した。韓国は1勝2敗で1次リーグ敗退が決まった。ドイツも1勝2敗で決勝トーナメントに進出できなかった。

試合終了間際に先制点をあげた韓国の金英権(キム・ヨングォン)=27日、カザン(聯合ニュース)
試合終了間際に先制点をあげた韓国の金英権(キム・ヨングォン)=27日、カザン(聯合ニュース)

 韓国はドイツの攻撃をGKチョ・ヒョンウ(大邱)の好セーブなどで再三しのぎ、後半終了間際にDF金英権(キム・ヨングォン、中国・広州恒大)の得点で均衡を破った。一度はオフサイドと判定されたが、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)で覆り得点が認められた。さらにGKまで攻撃参加していたドイツに対しFW孫興民(ソン・フンミン、英トットナム)が2点目のゴールを決めた。

2点目を挙げた孫興民=27日、カザン(聯合ニュース)
2点目を挙げた孫興民=27日、カザン(聯合ニュース)

 F組はもう1試合のスウェーデン―メキシコ戦でスウェーデンが3―0で勝利し、それぞれ1、2位で1次リーグを通過。韓国が3位、ドイツが得失点差で韓国を下回り最下位となった。

 韓国は2010年南アフリカ大会以来の決勝トーナメント進出を目指していたが、スウェーデンとの初戦に0―1で敗れ、メキシコとの第2戦も1―2で敗れていた。最終戦で世界ランキング1位のドイツを破り意地を見せた。

先制ゴールが認められ喜ぶ韓国選手とスタッフ=27日、カザン(聯合ニュース)
先制ゴールが認められ喜ぶ韓国選手とスタッフ=27日、カザン(聯合ニュース)

sarangni@yna.co.kr


良心的兵役拒否が公開討論の場に登場するのは、今回が初めてではない。しかし、この問題を解決できる最高裁判所や憲法裁判所、国会の敷居を超えたことはなかった。

2018-06-18 | 大韓民国

「兵役拒否」14年間無視した最高裁、7年間沈黙し続ける憲法裁を刺激できるか

登録:2018-06-18 05:55 修正:2018-06-18 07:10

最高裁全員合意体で議論される「良心的兵役拒否」 
憲法裁での2回の公開弁論・法改正を試みる 
いずれも憲法裁・国会などで挫折 
下級審の無罪判決は6月現在で89件 
「認めるべき」との世論、11年間で4倍に増加 
8月の最高裁判事の交代期が追い風になるかに注目

 
世界兵役拒否者の日の昨年5月15日、ソウル光化門広場で国際アムネスティが開いた記者会見で、兵役の拒否に処罰を受けたり裁判中である良心的兵役拒否者らが兵役拒否者に対する処罰の中止と代替服務制の導入を要求する街頭パフォーマンスをしている=キム・テヒョン記者//ハンギョレ新聞社

 最高裁判所が17日、良心的兵役拒否事件を14年ぶりに全員合議体(全合)で議論する方針を決めると共に、8月末に公開弁論まで予告し、2004年に最高裁判所が下した結論が今回変わるかに注目が集まっている。

■最高裁判所に係留中の関連事件は200件超

 良心的兵役拒否が公開討論の場に登場するのは、今回が初めてではない。しかし、この問題を解決できる最高裁判所や憲法裁判所、国会の敷居を超えたことはなかった。

 最高裁判所は2004年7月に全員合議体で「良心の自由が国防の義務に優先することはできない」との判断を示し、昨年7月の関連事件の判決まで同じ態度を維持した。現在、最高裁判所に係留された関連事件(兵役法・予備軍法違反)は210件を超えたという。しかし、その間、良心的兵役拒否、下級審無罪判決は2007年の1件から、2015年に6件、2016年に7件、2017年に44件、2018年6月現在28件に増えた。国家人権委員会の国民人権意識調査によると、良心的兵役拒否を認めるべきという回答が2016年には46.1%で、2005年(10.2%)に比べて4倍近く増えた。最高裁判所が今回事件を全員合意体で議論することにしたのは、このように良心的兵役拒否に対する世論の視線が変わって代替服務制の導入を求める声が高まった状況を考慮したものとみられる。

 最高裁判所が前向きな態度を見せていることで、憲法裁判所の足取りにも拍車がかかるものと見られる。憲法裁は2010年と2015年に公開弁論を開き、入営・召集通知書を受けて正当な事由なしに応じない場合、3年以下の懲役刑に処することを定めている兵役法第88条が違憲かどうかを審理した。しかし、憲法裁は2004年に続き、2011年にも7対2の意見で兵役法第88条に合憲の決定を下した。「南北対峙の特有な安保状況、代替服務制度の導入時に発生する兵力資源の損失などを考慮すれば、判断を簡単に下すことはできない」との理由からだった。それ以降も該当条項に対する違憲法律提案や憲法訴願が相次いでいるが、憲法裁は7年間にわたり沈黙を守っている。法曹界では、今回の最高裁判所の判決が憲法裁の審理の“速度”に影響を与えるだろうと予想している。「最上級裁判所」のプライドをかけた争いになりうるとみているのだ。

 国会でも立法的解決案をめぐる議論が続いている。第20代国会でも、共に民主党所属のチョン・ヘチョル、・パク・ジュミン、イ・チョルヒ議員らが代替服務制の導入を柱とする兵役法改正案を発議した状態だ。

■最高裁判事の交代期迎え、“追い風”吹くか

 今回の事件の主要争点は、良心の自由を兵役法と予備役法が規定する入営・召集・訓練拒否の「正当な事由」として認定するかどうかだ。裁判官9人のうち6人以上が賛成しなければならない憲法裁判所と異なり、最高裁判事13人が多数決で決める全員合意体では7人が支持するかどうかがカギとなる。

 最高裁判所が公開弁論の時期を8月末に予告したのも、注目される部分だ。現在の裁判官のうちコ・ヨンハン、キム・シン、キム・チャンソク最高裁判事は8月2日に退任する。市民社会では「バッググラウンドと経験が多様な最高裁判事が任命され、社会的弱者や少数者を配慮する判決が出なければならない」と指摘する声が上がってきた。最近任命された最高裁判事らも人事聴聞会で「裁判所も解釈論に基づき、(良心的兵役拒否が入営拒否の)正当な事由に該当するかどうかをさらに積極的に考える必要がある」(チョ・ジェヨン最高裁判事)、「最高裁判所の全員合議体で論争を終わらせる必要がある」(パク・ジョンファ最高裁判事)」と答弁し、司法部の態度の変化を強調した。

ヒョン・ソウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

五輪休戦決議を採択した国連は、冬季五輪とパラリンピックの開幕7日前から閉幕7日後まで世界の紛争を一時中断することを勧告した。

2017-12-14 | 大韓民国

「韓米軍事演習、平昌五輪後に延期…米国、受け入れの公算」

                        
昨年3月14日、歴代最大規模で実施されたキーリゾルブ・トクスリ演習に参加した米航空母艦カールビンソン号でF/A-18戦闘機が離陸準備をしている=共同取材団//ハンギョレ新聞社

 韓国が平昌(ピョンチャン)冬季五輪が終るまで韓米連合軍事演習を延期しようと米国に要請したと、ファイナンシャルタイムズが11日報道した。

 同紙はワシントンの消息筋4人の話を引用して、韓国が来年度の韓米合同演習であるキーリゾルブ演習・トクスリ(鷲)演習を、来年3月18日に終わる平昌パラリンピック以後に延期することを望むと明らかにしたと報道した。消息筋のうちの2人は、米国もこれを受け入れそうだと伝えた。

 同紙は、こうした要請は平昌五輪期間に北朝鮮が挑発する可能性を減らし、今後の対話の窓口を切り開く意図だと解説した。

 韓国側の要請について詳しいというある要人は「演習の延期は緊張を緩和するための慎重措置になるだろう」とし「世界中の選手と観客が非武装地帯からわずか80キロメートル離れた韓国の都市に来る」と話した。この消息筋は「両国の軍隊が今年広範囲な演習をしたので、大規模軍事演習に対する必要度は減った」と述べた。彼は、こうした要求は中国の旅行制限を緩和させる努力の一環でもあると話した。このような要求を文在寅(ムン・ジェイン)大統領の中国訪問前にワシントンに伝達したが、韓国側は高高度防衛ミサイル(THAAD)配備による中国の団体旅行制限などで、中国人の平昌五輪入場券購買の低調さに腐心していると同紙は説明した。

 韓国政府はこうした報道に対して明確な立場を出していない。チェ・ヒョンス国防部報道官は12日、定例ブリーフィングで「韓米連合演習を平昌五輪以後に延期しようという議論がなされているか」という質問に「まだ何も決まっていない」として「韓米間で進行される事案に対しては、現在発表することに制限があり、また適切でもない」と答えた。ただし「(演習)日程に関する議論はされていないのか」という質問には「そうだ」と答えた。

 だが、9月に文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、国連の五輪休戦決議案の採択を主導し、平昌五輪を“平和の五輪”にしようと強調した点に照らしてみれば、政府が連合演習の開催を延期しようと提案した可能性は高く見える。

 韓国政府内には、演習延期を北朝鮮の平昌五輪参加のためのテコにしなければならないという見解もある。政府では、北朝鮮の確答がない状態で、演習延期が既定事実化されるような外信報道が相次ぐことに負担を感じる雰囲気も感知される。政府のある当局者は「演習延期問題はマスコミが関心を持たないことが(平昌五輪の成功を)助けることになる」と話した。

 韓米両国は、毎年2月末から3月初めにキーリゾルブ演習を開始し、4月末まで進行されるトクスリ(鷲)演習で大規模合同演習を終えてきた。平昌五輪は来年2月9~25日、パラリンピックは3月9~18日に予定されている。五輪休戦決議を採択した国連は、冬季五輪とパラリンピックの開幕7日前から閉幕7日後まで世界の紛争を一時中断することを勧告した。

チョン・ウィギル、キム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

賛成160人・反対15人・棄権3人で通過した。

2017-12-06 | 大韓民国

【写真】議長席前に集まって抗議も…本会議で予算案通過=韓国

2017年12月06日07時45分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]

 

                                  5日午後、韓国の国会で丁世均議長が新年度予算案の案件を処理するために本会議を進めようとしたところ、野党である自由韓国党の議員が議長席の前に集まって抗議している。

  5日午後、丁世均(チョン・セギュン)国会議長が新年度予算案の案件を処理するために本会議を進めようとしたところ、韓国野党である自由韓国党の議員が議長席の前に集まって抗議している。

  会議中断後に再開された本会議で、予算案は韓国党議員が表決をボイコットする中、賛成160人・反対15人・棄権3人で通過した。

16日朝、南東部・慶尚北道浦項市で前日発生したマグニチュード(M)5.4の地震による被害状況を発表した。

2017-11-16 | 大韓民国

韓国南東部地震の被害拡大 けが57人・被災者1536人に

2017/11/16 09:02

【ソウル聯合ニュース】韓国の中央災難(災害)安全対策本部は16日朝、南東部・慶尚北道浦項市で前日発生したマグニチュード(M)5.4の地震による被害状況を発表した。午前6時までに負傷者は57人に増えた。このうち10人が入院している。また、被災者1536人が浦項市内の体育館など27カ所に避難している。被災者の数は前日午後10時時点の集計に比べ200人以上増えた。

避難先の体育館で炊き出しを待つ住民=15日、浦項(聯合ニュース)
避難先の体育館で炊き出しを待つ住民=15日、浦項(聯合ニュース)

 住宅や店舗など民間の建物被害は現時点で1197件に上る。住宅の被害は1098棟で、うち全壊が3棟、半壊が219棟、屋根の破損が876棟と集計された。店舗84棟と工場1カ所にも被害があった。地震により壊れた車両は38台。

 道路や水道などのインフラ、公共施設などにも被害が及んでいる。

 学校では建物に亀裂が入る被害が32件、浦項の迎日湾港など3港でもコンクリートの亀裂が13件あった。国防施設38カ所にも被害が見られる。

 大邱―浦項区間の高速道路の橋では11カ所が破損した。上下水道などの施設6カ所で破損、上水道管で45件の水漏れが見つかった。

 政府はこの地震を受け、16日に予定されていた大学修学能力試験(日本のセンター試験に相当)を1週間後の23日に延期した。16日中に、浦項で試験会場に指定されている学校の安全点検に入る予定。

 また、政府は午前にソウルで李洛淵(イ・ナクヨン)首相が関係閣僚会議を開き、状況を確認するとともに今後の対応を話し合った。中央災難安全状況室では専門家による会議が開かれる。

mgk1202@yna.co.kr


カン候補者:自分の目で、自分の耳で直接話を聞こうと思い訪ねることにした」と説明した。

2017-06-03 | 大韓民国

「慰安婦」被害者に会ったカン・ギョンファ外交長官候補「真正性ある措置をとる」

登録 : 2017.06.02 20:55 修正 : 2017.06.03 06:39

外交長官候補、聴聞会控え「ナヌムの家」訪問 
過去の政府の不足したことを明確にしてゆく 
「国民の意志を込めて国民と疎通する外交を」

カン・ギョンファ外交部長官候補者(右)が2日午前、京畿道広州市退村面の日本軍「慰安婦」被害者の憩い場「ナヌムの家」を訪問し、パク・オクソンさんと話を交わしている/聯合ニュース

 国会の人事聴聞会を控えたカン・ギョンファ外交部長官候補者(62)が2日午前、日本軍「慰安婦」被害者に会った。

 

 カン候補者はこの日午前10時30分頃、個人の乗用車で京畿道広州市(クァンジュシ)退村面(トェチョンミョン)の「ナヌムの家」を訪問し「人権問題の基本は、被害者が中心となることで、加えて真正性が感じられるものでなければならない。長官になったら、政府の知恵を集めて真正性ある措置をとるよう最善を尽くす」と明らかにした。

 

 彼女は被害者ハルモニ(おばあさん)が「慰安婦」問題の解決を約束してほしいと注文すると「私は国連で人権業務を遂行してきたし、韓国の国際的地位にとってもきわめて重要な問題だった。市民の権利を十分に保障する民主市民社会国家として出発するためにも、この問題を解決しなければならないと考える」と強調した。カン候補者は続けて「1995年北京国連世界女性大会に韓国NGOの一員として参加して、慰安婦問題を世界に知らせることに努めた」と付け加えた。

 

カン・ギョンファ外交部長官候補者が2日午前、京畿道広州市退村面の日本軍「慰安婦」被害者の憩い場「ナヌムの家」を訪問し、被害者たちと話を交わしている/聯合ニュース

 昨年、「慰安婦」被害者11人が政府を相手に起こした損害賠償請求訴訟で、外交部が韓日「慰安婦」合意の前に5回ナヌムの家側と接触したという資料を提出したことと関連して、ナヌムの家側は「事実と違う」と指摘すると「長官になったらよく調べてみる。外交部は自分が熱心にやったと言っても、不十分な点があるならば、しっかり埋めなければならない。叱責するだけでなく、過去の不十分だったことに対しては明確にしていく」とも話した。

 

 彼女は「国民が参加して国民の意志が込められた、国民と疎通する外交をする。韓国の外交部はこういうことに慣れていないが、外交人材の考えや態度、思考の転換が必要なようなので熱心に努力する」と話した。

 

 また、アントニオ・グテーレス国連事務総長が韓日「慰安婦」合意支持発言をしたかをめぐる論議に対しても、「特定の合意書に対する支持表明ではない」という趣旨のグテーレス事務総長との通話内容をあらためて説明した。

 

カン・ギョンファ外交部長官候補者が2日午前、京畿道広州市退村面の日本軍「慰安婦」被害者の憩い場「ナヌムの家」を訪問し、歴史館を見て回っている/聯合ニュース

 一方、カン候補者はナヌムの家訪問の背景について「重要な外交政策事案であり、長官になったら他の問題で忙しくなることもあり、自分の目で、自分の耳で直接話を聞こうと思い訪ねることにした」と説明した。

 

 この日のカン候補者との面談には、イ・ヨンス(89)、イ・オクソン(90)、パク・オクソン(93)、ハ・ジョムヨン(95)ハルモニの4人が席を共にした。ハルモニたちは「私たちは日本からお金ではなく真の謝罪を受けなければならない。国民が主人なのに、主人の言うことを聞かずに交渉しても良いのだろうか。長官になって、この問題を必ず解決してほしい」と訴えた。

 

 カン候補者は、病床で闘病中の被害者ハルモニに挨拶し、追慕銅像、慰安婦歴史館などを見て回り、1時間30分程度ナヌムの家に留まり、ハルモニたちはカン候補者に少女像の頭部をかたどったバッジをプレゼントした。カン候補者に対する国会人事聴聞会は7日に開かれる。

 

光州/キム・キソン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )


文大統領は次回大統領選から、任期4年・再任可能へと、来年の統一地方選で改憲の是非を問う国民投票を実施する

2017-05-21 | 大韓民国

改憲のための国民投票実施 THAADには慎重姿勢=文大統領

2017/05/19 16:50   

【ソウル聯合ニュース】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は19日、青瓦台(大統領府)で与野党5党の院内代表と会合を開き、大統領選の公約通りに来年の統一地方選で改憲の是非を問う国民投票を実施する意向を明らかにした。米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の在韓米軍配備については、韓米、韓中首脳会談などを踏まえ、慎重にアプローチする考えを示した。青瓦台(大統領府)の朴洙賢(パク・スヒョン)報道官が伝えた。

与野党5党の院内代表と会合を行う文大統領(左から4人目)=19日、ソウル(聯合ニュース)
与野党5党の院内代表と会合を行う文大統領(左から4人目)=19日、ソウル(聯合ニュース)

 文大統領は次回2022年の大統領選から、現行の任期5年・1期限りの大統領制を任期4年・再任可能へと変更するため、来年の統一地方選で改憲の是非を問う国民投票を実施することを公約に掲げていた。

 一方、会合では与野党と政府が参加する国政に関する常設の協議体を設置することで事実上合意した。

 文大統領が、各党の大統領選候補が掲げた公約のうち、共通したものについては優先的に推進するよう提案したことに各党の院内代表が同意し、国会で具体的な議論を行うことになった。

 また、国会で検察改革や情報機関・国家情報院(国情院)の改革などについて協議することで一致した。朴報道官は「国会で合意する前にも国情院の国内政治への介入根絶については強い意志を持って望むことを表明した」と述べた。

kimchiboxs@yna.co.kr


ムン議員は最近、慰安婦合意の再交渉ではなく「第3の道」が必要だと主張したが、これについては同日、「私の個人的な所信」だと述べた。

2017-05-18 | 大韓民国

ムン・ヒサン日本特使「慰安婦合意含め全般的な対日政策を伝えた」

登録 : 2017.05.18 03:20 修正 : 2017.05.18 07:20

 

日・米特使出国 

ホン・ソクヒョン米国特使  
「THAAD撤回に重点おいているわけではない」

米国特使のホン・ソクヒョン朝鮮半島フォーラム理事長(左)が17日午前、仁川空港を通じて米国へ出国するに先立ち取材陣の質問に答えている。右は訪米特使団に含まれたファン・ヒ共に民主党議員/聯合ニュース

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領の親書を伝える米・日本特使が17日、それぞれワシントンと東京に向かって出国した。

 

 米国特使であるホン・ソクヒョン朝鮮半島フォーラム理事長(前中央日報・JTBC会長)は同日午前、仁川(インチョン)空港から出国する前に、米国側に伝えるメッセージと関連して「最も重要なのはやはり、韓米同盟と北朝鮮核問題の解決に対する米国との共有、相互理解を高める問題」だと述べた。

 

 同日、ホン特使の発言の中で目を引いたのは、在韓米軍のTHAAD(高高度防衛ミサイル)に関する部分だ。ホン特使は、文大統領が候補時代に「THAAD配備の国会批准を推進する」と発言したことについて、「訓令(大統領の指示)事項にそれ(THAAD)に対する言及もある」としたうえで、「候補としての発言と大統領になってからでは、相手がいる問題だから、少し差があるのではないか」と述べた。さらに、「私が知っているかぎりでは、大統領の発言は米国との考えの違いというよりも国内での手続き問題に言及したものだと理解している」と付け加えた。これと関連して、大統領府関係者は「(大統領府の立場は)THAADそのものを撤回するということに重点を置いているわけではない」としたうえで、「しかし、費用問題などがあるため韓国国内の手続き的問題、国会同意などの公論化を進めるということ」だと話した。

 

 ホン特使はこれに先立ち、ドナルド・トランプ米大統領が言及した韓米自由貿易協定(FTA)再交渉問題については「米国が提起しない限り、私たちが先に提起する必要がない問題」とも述べた。

 

 ホン特使はトランプ政権側の関係者に会って6月末に予定された韓米首脳会談の日程や議題などを調整する予定だ。特使団が大統領の親書を直接トランプ大統領に届けるかどうかは確認されていない。

 

 

文在寅新政府の日本特使であるムン・ヒサン前国会副議長(右)が17日、東京の外務省で岸田文雄外務省との面談に先立ち握手をしている=東京/聯合ニュース

 同日午後、東京の外務省で岸田文雄外相と約40分間に渡り面談した日本特使のムン・ヒサン共に民主党議員は、慰安婦問題について協議したか否かを問う質問に「(韓国)国民の大多数が情緒的に慰安婦合意について受け入れられない雰囲気だと話した」と答えた。彼はさらに、「河野・村山・菅直人談話と小渕・金大中(キム・デジュン)宣言の内容を直視し、それに基づいて互いに賢明に努力しようと話した」と述べた。彼は同日の面談で、慰安婦合意の「再交渉」は持ち出さず、韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)についても話し合わなかったと明らかにした。ムン議員は最近、慰安婦合意の再交渉ではなく「第3の道」が必要だと主張したが、これについては同日、「私の個人的な所信」だと述べた。特使団は18日午前、安倍晋三首相と面談する予定だ。

 

 特使団の役割について、文大統領の外交・安保タスクフォースの関係者は「大統領の政治・外交の基本方向を説明し、未来志向的で協力していくことを願うという大統領の意を伝えることになるだろう」と説明した。

 

キム・ジウン記者、東京/チョ・ギウォン特派員(お問い合わせ (お問い合わせ japan@hani.co.kr ) )


韓国はもとより米国も、具体的な論議をするには関連担当者の陣容が整っていない状態だ。

2017-05-17 | 大韓民国

[ニュース分析]韓米、外交空白を埋めることに“共感”

登録 : 2017.05.17 03:50 修正 : 2017.05.17 07:21

 

北朝鮮核・THAAD・FTAめぐる意見調整に神経尖らす 
「北朝鮮核問題の解決に向けた4原則」に言及…最優先議題  
トランプ政権、強硬基調の中でも“対話”を模索  
THAAD配備・FTA再交渉も交渉テーブルに  
大統領府「両首脳の友誼深める契機」

文在寅大統領が16日午前、大統領府与民館で米国特使のマット・ポッティンガーNSCアジア担当先任補佐官と会った=大統領府提供//ハンギョレ新聞社

 韓米が6月末にワシントンで早期首脳会談をすることで原則的に合意したのは、朴槿恵(パク・クネ)前大統領弾劾後に起こった首脳外交の空白をできるだけ早いうちに埋める必要性に、双方が共感しているためと分析される。また一方では、文在寅(ムン・ジェイン)大統領に向けた米国側の憂慮を早期に払拭するための大統領府の意図もうかがえる。

 

 16日、大統領府の説明を総合すると、大統領府のチョン・ウィヨン外交安保タスクフォース団長とホワイトハウスのマット・ポッティンガー国家安全保障会議(NSC)アジア担当先任補佐官は同日午前、大統領府の与民館で会い、6月末の首脳会談の開催に大きな枠組みで合意した。

 

 両方が同日、「北朝鮮核問題に向けた4原則」に合意したと明らかにしたのは、北朝鮮核問題が首脳会談の議題のうち最優先順位で取り上げられる可能性があることを示したものと見られる。両国首脳がこれまで「北朝鮮核問題の解決」を強調してきたことに加えて、同日、大統領府がチョン・ウィヨン団長とポッティンガー部長の会合後に発表した内容を見ても、両国の共通分母が確認されたからだ。初の首脳会談から北朝鮮核問題のアプローチ方法と関連して見解の相違が露呈するのは、双方にとって負担であり、今回の首脳会談ではできるだけ“見解の相違がないこと”を強調するような原則的な合意に力を注ぐものと予想される。方法論からは軍事的行動が除外されたものとみられ、北朝鮮との対話を再開するための「正しい環境」という“敷居”も、今後北朝鮮の行動と韓国と中国の外交力・仲裁力に応じて高さが変わる可能性もある。

 

 延世大学行政大学院のキム・ギジョン院長は「韓国と米国の政策的共通点を探しているというのは、朝鮮半島問題を解決する良い機会とみられる」としたうえで、「早期会談はトランプ政権の(対北朝鮮政策基調である)『最大の圧迫と関与』に対応し、韓国が“関与”する方法を模索するということ」だと話した。韓東大学のキム・ジュンヒョン教授は「(早期会談は)ここ9年間の政府と異なるという米国側の不安と誤解を払拭するのが良いと判断したようだ」と話した。

 

 在韓米軍のTHAAD(高高度防衛ミサイル)配備問題も、首脳会談の主な議題として取り上げられるものとみられる。ポッティンガー部長は同日午後、THAAD問題について話し合ったかどうかを尋ねる質問に対し、「韓米同盟の基本的な問題について幅広く意見を交換した」とし、即答を避けた。さらに、「これで引き続き対話していくことを期待する」と含みを持たせた。米国防総省のジェフ・デービス報道官が15日(現地時間)、外国メディアの記者会見で「確かに、新しい韓国政府とこれからこの(THAAD)問題を引き続き議論するだろう」としながらも、「THAAD配備は同盟の間に行われた決定だ」とした発言の連続線上にある。これまでトランプ大統領の発言を見ると、米国側は韓米自由貿易協定(FTA)再交渉問題も交渉テーブルにあげることを強く要請するものと予想される。

 

 ただし、大統領府のユン・ヨンチャン国民疎通首席秘書官が「今回の首脳会談は、両国首脳の個人的紐帯と友誼を深めるきっかけにするため、関連した準備を進めることにした」と明らかにしたことから、初の会談であるだけに、懸案に対する具体的な交渉よりも両首脳が大きな枠組みで共感することに重点を置く可能性もあると見られる。韓国はもとより米国も、具体的な論議をするには関連担当者の陣容が整っていない状態だ。

 

 新政府の外交・安保陣営の人選さえまだできない状態で、首脳会談の日程が具体的に取り上げられることについて、一部では憂慮する見方もある。文大統領の大統領選挙キャンプに関与したある外交・安保専門家は「大統領府国家安保室はもちろん、統一・外交・国防部長官など、外交・安保ラインがまだ整っていない状態で、6月末に韓米首脳会談を推進するのは時期尚早の感がある」とし、「北朝鮮の核とTHAADなど敏感な懸案に対する文大統領のビジョンと政策構想を込めて、首脳会談を準備するには実務的に時間が切迫していると見られる」と話した。キム・ジュンヒョン教授も「トランプ大統領と一応顔合わせを行い、良い印象を残す程度でアプローチすべきであり、中途半端な政策論議をすれば逆攻勢に遭う恐れもある」と助言した。

 

キム・ジウン、チョン・インファン記者、ワシントン/イ・ヨンイン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )


「最善を尽くして民主主義を、国格を回復させるだろう。韓国人であることを誇りに思うというレベルにまで引き上げることができる人物だ。

2017-05-14 | 大韓民国

「文大統領が盧元大統領と違う点は傾聴」

2017年05月13日12時17分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]

宋基寅(ソン・ギイン)神父
  11日、慶尚南道密陽(ミリャン)の三浪津邑(サムナンジンウプ)。村会館の後ろの韓屋(司祭館)には盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領と文在寅(ムン・ジェイン)大統領が「精神的支柱」と呼んだ宋基寅(ソン・ギイン)神父(79)がいる。文大統領夫妻が9日と11日に電話で感謝のあいさつをしたほど親しい。釜山(プサン)が故郷の宋氏は2005年12月、司牧を引退してここに移った。記者が入った時、宋氏は椅子に座って青瓦台(チョンワデ、大統領府)の人事を発表するテレビニュースを見ていた。インタビュー中、ニュースを見ながら話をした。

  --文大統領の当選は予想していたか。

  「今回の選挙はろうそく集会がしたことだ。ろうそく集会が誘発し、ろうそく集会を支持したのが文候補だった。なると思っていた」

  --感慨深いはずだ。

  「ようやくまともに仕事ができる人が(大統領)席に座ることになったと思う」

  --2人の大統領とはいつから縁があるのか。

  「文大統領は開業するのに資金がまったくなく、事務室を開けなかった。ちょうど盧武鉉(ノ・ムヒョン)弁護士が開業をしていて、一緒に仕事を始めることになった。1982年に弁護士の事務室で2人に初めて会った」

  宋氏は82年、釜山米国文化院放火事件の容疑者の弁論を盧元大統領に任せた。

  --文大統領の家族との縁は。

  「母親(カン・ハノク氏、90)が私がいた聖堂(影島区新仙聖堂)の熱心な信者だった」

  宋基寅氏は文大統領との縁について「とても多い」と語った。そして「ずっと見てきた文在寅はもともと権力への欲がない人だ。私が政治をするように言い続けてきたが、内心、少し申し訳ない。しかし『朴槿恵(パク・クネ)氏があまりにも政治ができないので私でもしようと思う』といって突然すると言い出した」と伝えた。

  --盧元大統領と文大統領の共通点と違いは。

  「2人とも非常に正義感が強い。しかし盧元大統領は自分が何かを決めれば他人の言うことは聞かないでおこうとする。一方、文大統領は自分の考えがあっても、ひとまず他人の意見を尊重して聞くことができる」

  宋氏は文大統領の家族がスキンスキューバが好きだったという話もした。近くの海によく行き、文大統領が銛で魚を捕まえたという。

  --盧武鉉政権の功過は。

  「自分の権力を部署に分けたこと。それは盧武鉉大統領以前まで誰も想像ができなかったことだ。文大統領もそうするようだ。過の部分は朴淵次(パク・ヨンチャ)会長のお金を他の人を通じて受けたことだが…。私は青瓦台に行く前に3つのことをよく守れば小言を言いに行かないと伝えていた。お金を集めるな、保安法の改革しろ、家族を特別監獄に閉じ込めろというものだった」

  --文大統領はどうか。

  「文大統領は弟と妹の2人がいるが、船長の弟はずっと以前からそれぞれ別に暮らしているのでそのような心配はなく、妹も母親の世話をしながら暮らしていて、家族にそのようなことはないだろう」

  --本格的な国政運営に入ったが。

  「文大統領の国政運営方向は私の考えと同じだ。非常に長い間、一緒に戦い、相談し、討論したので、これ以上話すことは一つもない」

  --うまくできると思うか。

  「最善を尽くして民主主義を、国格を回復させるだろう。韓国人であることを誇りに思うというレベルにまで引き上げることができる人物だ。THAAD(高高度防衛ミサイル)問題も、平壌(ピョンヤン)からソウル攻撃すれば金泉(キムチョン)からTHAADを撃っても防げない。米国の専門家も防止できないと話している。戦時作戦権も転換しなければいけない。旧日本軍慰安婦問題もそうだ。文大統領は経済的な損失があっても国の主権を守り国格を高めるはずだ」

  --就任直後の動きが格別だ。

  「我々の歴史でこれほどの大統領を迎えるのは、遅かったとはいえ幸運だと考える。ろうそく集会のために当選しただけに、燃え尽きるまで努力して暗い世の中を明るくするだろう」

  ◆宋基寅(ソン・ギイン)神父

  釜山(プサン)民主化運動を率いた。1972年に司祭になり、天主教正義具現全国司祭団に参加し、て反独裁闘争をした。盧武鉉政権当時には真実と和解のための過去史整理委員会の初代委員長を務めた。

キム・グァンジン室長-マクマスター補佐官が緊急電話協議  「既存合意を再確認」トランプ発言を否認   

2017-05-01 | 大韓民国

トランプ、二日続けて「韓国がTHAAD費用を払え」…

韓米高位当局者が緊急鎮火へ

登録 : 2017.05.01 01:02 修正 : 2017.05.01 06:55

ワシントンタイムズとのインタビューでも 
「アメリカがなぜTHAAD配備の費用を出すのか」 
キム・グァンジン室長-マクマスター補佐官が緊急電話協議 
「既存合意を再確認」トランプ発言を否認 
 
トランプ、関心注ぐ問題に強い集中力… 
一回だけで終わらない可能性

ドナルド・トランプ米大統領が29日、ペンシルバニア州ミドルタウンのハリスバーグ国際空港に到着し、米軍将兵らと挨拶を交わしている=ミドルタウン(ペンシルバニア州)/AP聯合ニュース

 ドナルド・トランプ米大統領が二日連続で高高度防衛ミサイル(THAAD)配備費用を韓国が払わなければならないと高強度圧迫を加えた。波紋が広がると、韓米高位当局者は両国間ですでに合意した内容を再確認するとして緊急鎮火に乗り出した。しかし、トランプ大統領特有の予測不可能性に照らしてみる時、「THAAD配備請求書」をいつでも再び持ち出すことがありえて、在韓米軍の駐留費用問題に対しても同様な事態が繰り返されることがありうるという憂慮が出ている。

 

 トランプ大統領は28日(現地時間)、就任100日を翌日に控えて行われたワシントンタイムズとのインタビューで「なぜアメリカがTHAAD配備の費用を出さなければならないのか」として「丁寧に話すべきだが、韓国が費用を支払うことが適切だと考える」と述べた。トランプ大統領は「(THAADは)すばらしい防御システムだ。それは韓国を保護するためのものだ」としてこのように明らかにした。

 

 トランプ大統領は前日の27日にもロイター通信とのインタビューを通じて、THAADの費用を韓国に負担させるという立場を初めて明らかにした後「THAADは10億ドルのシステム」という話を繰り返し強調した。またトランプ大統領は、韓米自由貿易協定(FTA)に対しても前日に続き「ヒラリー・クリントンが(国務長官在職時期に)交渉したもので、アメリカにとって非常に悪い条件」とし、再協議あるいは廃棄の意志を改めて明らかにした。

 

 トランプ大統領の相次ぐ発言に対して韓米両国で荒々しい批判が起こり、キム・グァンジン大統領府国家安保室長とハーバート・マクマスター米ホワイトハウス国家安保補佐官は30日午前(韓国時刻)、35分間にわたり緊急電話協議をした。

 

 キム室長とマクマスター補佐官はこの日の通話で「在韓米軍THAAD配備費用負担と関連して、韓米両国間で既に合意された内容を再確認した」と大統領府が伝えた。マクマスター補佐官は通話で「ドナルド・トランプ大統領の最近の言及は、同盟国の費用分担に対する米国民の希望を念頭に置いて一般的脈絡で話されたこと」と説明したと韓国大統領府は明らかにした。

 

 大統領府が伝えた通話内容が事実ならば、トランプ大統領の発言を韓米両国の高位当局者が事実上否定することで、前例がないことだ。韓国国防部は昨年7月に締結した約定を通じて、韓国政府は敷地と基盤施設を提供し、THAADシステムの展開および運営維持費用は米国側が負担するという内容に合意したと明らかにしたことがある。

 

 韓米の高官が鎮火に乗り出したが、トランプ大統領が直接説明しない限りは火種が簡単に消えるとは思われない。トランプ大統領は自らが関心を注ぐ問題に対しては強い集中力を見せてきた。こうした点に照らしてみる時、自身が二度も言及したTHAAD配備費用の請求が今回だけで終わらない可能性がある。また、トランプ大統領がTHAAD費用の負担要求を韓国に通知したと明らかにしたことと関連しても、その背景と事実関係は依然として明らかになっていない。

 

ワシントン/イ・ヨンイン特派員、チェ・ヘジョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )


5月20日開場、ソウル路7017 マスコミ事前公開  延長1024m、ソウル駅の東西結ぶ空中散歩道 

2017-04-30 | 大韓民国

ソウル駅高架道路の変身…コンクリートの路面に花を咲かせる

登録 : 2017.04.25 22:53 修正 : 2017.04.30 07:13

 四季折々の2万4085の花壇が相次いで花開き    「日陰のない場所に花壇だけ」歩行親和性は?

5月20日の開場を控えて仕上げ工事中のソウル路7017が報道機関に事前公開された。ソウル駅高架道路を再活用した都市再生事業として注目されてきた空中公園散歩道は、228種2万4085の植物の花壇で飾られた=ソウル市提供//ハンギョレ新聞社

 ソウル駅裏の万里峙(マンリジェ)は阿ヒョン洞(アヒョンドン)の“エオゲ”になぞらえて“クンゴゲ”と呼ばれる。万里峙から“大きな丘”という意味の孔徳洞(コンドクトン)一帯は、解放後に粗末な板張りの家が密集した町だった。一時は都心製造業のメッカだったソウル中区(チュング)退渓路(テゲロ)一帯は、南大門(ナムデムン)市場が衰退すると共に活気を失った。都心の衰退した地域であるこれら2カ所は、5月20日に空中散歩道“ソウル路7017”(旧ソウル駅高架道路)が公開されれば再び活力を取り戻すだろうか? 1年6カ月に及ぶ工事の仕上げに入ったソウル路7017を25日に歩いてみた。

 

 総延長1024メートルのソウル路7017は、万里峙、青坡洞(チョンパドン)、中林洞(チュンニムドン)、会賢(フェヒョン)駅と退渓路、ソウル駅広場、南山(ナムサン)陸橋の6カ所、17の進入路でつながる。開場を25日後に控えて西側の万里洞と東側の退渓路進入路が先に工事を終えた。高架の上から見下ろすと、清掃車の車庫だった万里洞側の空間は幅40~50メートル、長さ200メートルの緑地広場に変わっていた。広場は“ユンスル”という巨大な設置美術作品を中心に祝祭が開かれる北側と芸術公演が行われる南側に分かれる。

 

 高架道路は退渓路を出発点として植物をコンクリート製の大型花壇に植え、カナダラ順(ハングルの辞書配列順)に配列してある。退渓路側から上がれば、ナス科クコの木から、万里洞側から上がればフェヤンモク(朝鮮ヒメツゲ)から見ることになる。このように228種2万4085の花や木は、小さいのは直径1メートル24センチ、大きいのは直径4メートル80センチの500個余りのコンクリート花壇に植えられている。高架公園のところどころにあるドングリ太鼓焼き、バラ海苔巻きなどを売る5軒の食堂もすべて花壇に似せた丸いコンクリート製の建物だ。

 

 なぜ緑色散歩道はコンクリート製の花壇で満たされたのだろうか? ソウル駅一帯総合発展企画団のイ・チュンヨル団長は「コンクリート花壇で花と植物が咲くように、ソウルというコンクリート都市で再生を咲かせようという意味」と説明した。高架探訪に同行したソウル市のイ・ウォンヨン造景課長は「早春にショウコウミズキ (マンサク科) が最初に咲けば、晩秋に菊が散るまで高架の上には常に何らかの花か咲いていることになる」として四季の花が咲く高架公園を強調した。冬には常緑樹と潅木類が公園を守る。ソウル路7017で最も丈の高い植物は5メートルを超える白樺だ。

 

退渓路側から眺めたソウル路7017。大宇ビルディングとホテル・マヌなど周辺の高層建築との連結工事が真っ最中だ=ソウル市提供//ハンギョレ新聞社

 空中公園で最も目につくのはソウル駅前の高層建築につながる空中連絡道だ。大宇(デウ)財団ビルディングとホテル・マヌにつながる部分が詰めの工事を進行中だ。大宇財団ビルディングはソウル路につなぐために100億ウォン(約10億円)をかけて建物の中間に通路を開けた。イ・チュンヨル団長は「後からでもソウル駅ロッテマートや、ソウルスクエアビルディングなど他の建物が望めば追加で連結することが可能。高架道は今後も進化することを念頭に置いて設計した」と明らかにした。高架公園の中間30メートル程度は、開通から40年を経たソウル駅高架道の欄干と路面を保存してある。

 

 高架公園ができる前、南大門市場から万里峙路までは徒歩で45分程度かかった。ソウル路が開通すれば15分で行き来できる。しかし、退渓路のビルの森が影を落とすところを除けば高架公園上の日差しは痛いほどだった。開場後に人々が多く訪れるようになれば、大きなコンクリート花壇の間を歩くことは楽ではないだろうという憂慮もある。市は「30カ所に霧噴水や日陰テントを設置し、一度に収容できる適正人員5千人を超えれば進入を統制する予定」として問題はないと明らかにした。

 

 ソウル路7017は5月20日午前10時に全面開放される。この日は午後10時まで多彩な行事が予定されている。

 

ナム・ウンジュ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )


「12日後、次期政権が発足するのに  THAAD早期配備は明らかな選挙介入」:アメリカの強い圧力が?

2017-04-28 | 大韓民国

大統領不在の大統領府で主人顔する国家安保室長の「THAAD越権」に波紋広がる

登録 : 2017.04.28 04:35 修正 : 2017.04.28 06:39

 

大統領選挙前のTHAAD既成事実化を陣頭指揮 
「北朝鮮の追加挑発を抑制するため圧迫を続ける」 
3月以降4回もホワイトハウスとの電話協議 
 
安保関連「大統領補佐」の役割を越えて 
新政権の負担になる懸案まで「独自で決定」 
「12日後、次期政権が発足するのに 
THAAD早期配備は明らかな選挙介入」

キム・グァンジン大統領府国家安保室長(右)=イ・ジョンウ先任記者//ハンギョレ新聞社

 電撃的なTHAAD(高高度防衛ミサイル)システム配備に続き、27日、国防部と在韓米軍が近く「実際の運用」に入ると明らかにしたことで、THAADをめぐる攻防が激しさを増している。地域住民の激しい反発と政界の批判にもかかわらず、キム・グァンジン大統領府国家安保室長は同日、ホワイトハウスのハーバート・マクマスター国家安保補佐官との電話で「北朝鮮の挑発の脅威に対抗し、在韓米軍のTHAAD配備が円滑に行われている」と評価した。12日後に大統領選挙が行われる状況で、キム室長が次期政権の外交安保政策に質的変化を強制し、新大統領の選択を封鎖する方向で核心安保懸案を確定するのは、権限を超えた行為だという批判の声ががっている。罷免された朴槿恵(パク・クネ)前大統領を補佐していた参謀が、単に安保状況を維持・管理するレベルを超え、事実上“決定者”のように振る舞っているからだ。

 

 大統領府は27日、資料を発表して、キム室長やマクマスター補佐官が同日午前9時から25分間、最近の朝鮮半島情勢と関連した電話協議を行い、「拡大抑止力の強化を含めた堅固な韓米同盟を通じて軍事的態勢を一層強化しよう」としながら、このように述べたと明らかにした。同日の電話協議で、2人は「北朝鮮の思惑の変化と追加的な挑発抑制を防ぐため、中国など国際社会との協力のもと、強力な対北朝鮮制裁・圧迫を持続していく一方、北朝鮮が戦略的挑発に出た場合は、韓米両国間の緊密な共助のもと、新規国連安保理決議を含め、北朝鮮が耐えられない懲罰的措置を迅速に推進していくことにした」と大統領府は付け加えた。

 

THAADシステムの装備が今月27日午後、慶尚北道星州郡旧星州ゴルフ場の敷地に置かれている=星州/キム・ソングヮン記者//ハンギョレ新聞社

 キム室長が3月に直接米国を訪問し、マクマスター補佐官とTHAADをはじめとする懸案について議論したのに続き、在韓米軍がTHAADの装備を搬入した3月6日とTHAAD配備翌日の同日を含め、合わせて4回にわたり電話協議を行った。THAAD早期配備の決定過程を事実上先頭に立って進めているといえる。大統領選挙が目前に迫った時点で、キム室長が次期政権に負担になりかねない外交安保懸案を決定するのは、行き過ぎた越権行為という批判の声がが政界の内外からあがっているのも、そのためだ。

 

 共に民主党のホン・イクピョ選挙対策委員会首席代弁人は「キム・グァンジン室長は、独自で判断するのではなく、大統領を補佐して助言する役割を果たす人」だとし、「まるで自分が安保問題に独自の権限を持っているかのように振る舞うのは、権限の範囲を超えたもの」だと批判した。彼はさらに、「THAADは単純な武器ではなく、外交的・国際政治的意味を持っている」としたうえで、「黄教安(ファン・ギョアン)権限代行は言うまでもなく、米国もこの問題が軍事対決的な側面に突き進むのは、韓国の利益はもちろん、米国の北東アジア外交にも望ましくないことを認識すべきだ」と強調した。

 

 チョン・セヒョン元統一部長官は「国防部はこれまで技術的にTHAADの正常稼働は年末になって可能になるだろうと言ってきた」とし、「結局、次期政権が発足してから、THAADが正常に稼動できるということ」だと指摘した。チョン元長官は、「にもかかわらず、大統領選挙前にTHAADの配備を推し進めたのは、一種の武力示威であり、明白な選挙介入」だとしたうえで、「わずか12日後には、引継ぎ委員会もなく、新しい政権が発足するのに、約2カ月わたる引継ぎ委員会の活動期間を経た歴代政権でも、このようなことはなかった」と話した。

 

チョン・ユギョン、チョン・インファン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)


済州、風と石は知っている、惨い苦難の歴史  太平洋戦争など日帝の痕跡から  済州島民が虐殺された4・3事件まで 

2017-04-02 | 大韓民国

“平和の島”済州、そして“ダークツーリズム”

登録 : 2017.03.30 22:27 修正 : 2017.03.31 06:39

 

済州、風と石は知っている、惨い苦難の歴史 
太平洋戦争など日帝の痕跡から 
済州島民が虐殺された4・3事件まで 
島のあちこちに歴史の現場が残る 
 
美しい風景に劣らない感慨 
“平和の島”意味を探す人が増加

中日戦争、太平洋戦争当時、日本軍が中国爆撃用に使った済州特別自治道、西帰浦市大静邑サンモ里のアルトゥル飛行場跡。手前に古墳群のように並んでいるのは日本軍の飛行機格納庫跡だ。飛行場の後方に山房山と漢拏山が見える=西帰浦/キム・ミョンジン記者//ハンギョレ新聞社

 3月12日午後、済州島(チェジュド)の西南部にある西帰浦市(ソギポシ)大静邑(テジョンウプ)サンモ里の旧アルトゥル飛行場周辺は、ジャガイモの農作業が真っ盛りだった。 この地域の農民がトラクターで畑を耕し、腰を曲げて手で農作業をしていた。畑と畑の間にまばらに咲いた黄色い菜の花と周辺の青い草が、寒い冬を振り払い背伸びをする済州の春を知らせていた。日帝が作ったバンカー陣地の上に上がると、100余万坪の広大な野原が一望できた。畑になっている平野の所々に日帝強制占領期間に建設された格納庫が見え、山房山(サンバンサン)が手に取るように近くに見えた。その後ろには壮大な漢拏山(ハルラサン)が屏風のようにアルトゥル飛行場一帯を抱いていた。その横には松岳山(ソンアクサン)が高く聳え、加波島(カパド)と韓国最南端の馬羅島(マラド)がはるか先に点々と浮かんでいた。

 

 松岳山とアルトゥル飛行場一帯は、済州オルレ(小道)10コース(和順金砂海岸~モスル浦)の通り道だ。“トゥル”とは済州語で“広い平野”を意味し、“アル”は“下”という意味だ。“アルトゥル”はモスル峰の下の平野に由来する。旧日本海軍が1931年に建設したアルトゥル飛行場は、1945年の終戦まで約15年間にわたり日本軍の主要軍事拠点だった。付近には朝鮮戦争時期に予備検束され211人が集団虐殺されたソアルオルム4・3遺跡もある。

 

 穏やかな陽気の下でオルレ愛好者が一人、または二人で歩く姿がしばしば目についた。 ソアルオルム4・3遺跡付近を歩いていたパク・レソンさん(51・京畿城南市盆唐区)はこの日、一人で済州オルレ10番コースを歩くため、日帰り済州旅行に来たと話した。

 

 パクさんは「済州にこのような隠れた歴史遺跡があるとは知らなかった。本で見ただけの歴史の現場を自分の目で見て感じながら歩くのがとても良い」と所感を話した。パクさんは「松岳山海岸の絶壁に全く知らなかった日本軍の戦争遺跡である人工洞窟(坑道陣地)もあった」と言って「良いカフェもあって景色もずば抜けていて、今度また来たい」と明るく笑った。

 

太平洋戦争当時、日本軍が使った済州特別自治道西帰浦市大静邑サンモ里の日本軍地下壕=西帰浦/キム・ミョンジン記者//ハンギョレ新聞社

 “平和の島”済州が“ダーク ツーリズム”の現場として注目を集めている。ダークツーリズムとは、単純に楽しむ旅行ではなく、歴史的に死や苦痛、惨劇が起きた地域を旅行して真実を悟る旅行だ。ホロコーストの現場であるポーランドのアウシュビッツ収容所、カンボジアのキリングフィールド、原爆が投下された日本の広島と長崎、数十万人の中国人が日本軍に虐殺された中国の南京大虐殺記念館、原発の危険性を教えたチェルノブイリ、旧ソ連の原発付近などは代表的なダークツーリズム地域だ。

 

 例えばアウシュビッツが観光地になることに拒否感を感じる人もいるだろうが、おかげで多くの人々が現場学習を通じてナチの蛮行を生々しく感じて、再びこうした歴史が繰り返されないよう誓い、社会的共感を形成することができる。『チェルノブイリ・ダークツーリズム・ガイド』の著者である東浩紀氏の次のような指摘はダークツーリズムの本質をよく示している。彼は「この本を貫く一貫した問題意識は、チェルノブイリの記憶、福島の記憶を未来に継承するために『忘れてはならない』と唱える以外に何ができるのかという問い」と明らかにした。本は「ある場所で生じた悲しみは、その場にいてこそ、その重さや辛さをリアルに感じることができる」とも指摘した。

 

 他に類を見ない美しい自然を抱いた済州の近現代史は苦痛で綴られた。中日戦争時期、日帝は済州島を中国爆撃のための基地として使い、太平洋戦争末期には日本本土を守るための最後の拠点として朝鮮人を強制動員して済州島を要塞化した。解放以後に起きた韓国現代史最大の悲劇の一つである済州4・3事件では、済州島の全人口の10%が犠牲になった。また朝鮮戦争時期には、中国軍の捕虜収容所があり、大静邑の陸軍第1訓練所で訓練を受けた延べ50万人の青年が前線に出て行った。大静邑にはまだ当時の指揮所、医務隊建物、第1訓練所の正門柱と強兵台教会、空軍士官学校の勳籍碑などが残っている。

 

 済州島にはこのような歴史的背景ゆえに旧日本軍の軍事施設をはじめ解放以後に起きた済州4・3事件遺跡、朝鮮戦争時期の韓国軍の軍事施設など韓国近現代史の現場を見ることができる歴史の現場があちこちにある。こうした現場はほとんど済州のずば抜けた絶景と共に見てこそ感慨を伝える。

 

朝鮮戦争当時、予備検束されて211人が集団虐殺された済州特別自治道西帰浦市大静邑サンモ里のソアルオルム。ソアルオルムは済州オルレ10番コースにあり、オルレを歩けば自然に4・3事件の遺跡も見ることができる=西帰浦/キム・ミョンジン記者//ハンギョレ新聞社

 韓国政府は2007年に済州島を「世界平和の島」に指定した。政府は「平和の島」指定の根拠として多くを挙げたが、その中でも解放以後に起きた済州4・3事件の廃虚を歩いて済州の人々の意志と和解・共生の精神を平和の概念の中に入れた。

 

 最近では済州4・3事件をひと目で見られる済州市奉蓋洞(ポンゲドン)の済州4・3平和公園を訪れる人も増えた。10日、4・3記念館で会ったピョン・ジョンウンさん(32・女・済州市)は「済州に住んでいるのに、他の展示会を見に来て今回初めて記念館を訪ねた」として「4・3という歴史的事件に対してより深く知ることができたし、歴史と人権について考える時間になった」と話した。

 

 記念館の出口にある願いの木に付けられた短冊の字句も目についた。

 

 「教科書には4・3事件と短く書いてあるだけで、どんな事件かもよく知らないままで過ぎてしまったが、大学入試を終えてここに来て自分自身の無知が恥ずかしかった。覚えられないからと調べてみもしなかった態度を直さなければと思いました。ここに多くの人が訪ねてきて、多くのことを感じて学んだら良いと思いました」(2016年12月9日全羅南道順天(スンチョン)のある女子高生)

 

 「4・3事件の辛い歴史を記憶します。再びこの地にこうしたことが起きないよう切に祈ります」

 

 済州発展研究院のパク・チャンシク済州学研究センター長は「多くの人々に済州島は“美しい島”、“世界自然遺産の島”として知られたが、済州を訪ねる人々がダークツーリズム体験を通じて平和と人権についても考えることができればうれしい」と語った。

 

済州/ホ・ホジュン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )


「米国優先主義」を掲げる米国のトランプ政権の政策方向に合わせて、日本も韓国も言いなりで良いのか?

2017-01-30 | 大韓民国

韓国政府の“トランプなだめ”?…米国産自動車・航空機の輸入拡大を検討

登録 : 2017.01.27 05:33 修正 : 2017.01.27 09:10

2017年の対外経済政策方向が確定 
輸入拡大し、対米経常収支の黒字減らし 
必要な場合、米国に汎省庁の代表団も派遣 
THAAD問題による中国との通商摩擦は他の国と共同対応 
産業部「自動車輸入の拡大に対する検討はなかった」不協和音

韓国の対米経常収支黒字の推移を示すグラフ。2010年136億8千万ドルから2014年には409億9千万ドル、2015年には330億3千万ドルを記録した=韓国銀行資料//ハンギョレ新聞社

 政府が「米国優先主義」を掲げる米国のトランプ政権の政策方向に合わせて、米国産自動車や航空機の輸入拡大を検討することにした。対米経常収支の黒字を減らすことで、米国の為替レート操作国指定や輸入規制を避けるための措置と見られる。THAAD(高高度防衛ミサイル)配備に伴う対中通商摩擦については、中国駐在公館同士の協力強化など他の国と共同で対応することにした。

 

 政府は26日、政府ソウル庁舎でユ・イルホ副首相兼企画財政部長官の主宰で開かれた第190回対外経済長官会議で、このような内容が盛り込まれた「2017年対外経済政策方向」を確定した。政府は韓国との貿易の比重が高く、経済的に最も密接な米国と中国を中心に対外不確実性が高まっているだけに、これを安定的に管理することに焦点を合わせた。

 

 政府はトランプ米政権が、「米国優先主義」政策を実行に移し始めたことにより、今後世界の交易量が萎縮し、成長が鈍化しかねないと予想した。特に、米国の景気浮揚策の影響で、金利上昇、ドル高など金融・為替市場の変動性が拡大する可能性があると見た。これに対し、政府は米国と2国間協議チャンネルをできるだけ早く稼動させ、必要な場合、汎省庁の代表団を送って通商・投資協力を強化する予定だ。

 

 米国の輸入規制、為替レート操作国指定の可能性についても対米経常収支の黒字を減らす方向で備えることにした。シェールガス(年間280万トン)などの原材料に続き、米国が強みを持っている自動車、航空機、航空機部品、半導体など輸送装備と産業用機器の輸入を拡大する案を検討する方針だ。事態が韓国に飛び火する可能性を最大限低く押さえようということだ。企画財政部の関係者は「トランプ政権の政策方向に合致する新たな協力パートナーシップが必要だ」として、「対米貿易構造を改善していく計画」だと話した。通商関連主務省庁である産業通商資源部の動きも忙しくなっている。産業通商資源部のイ・インホ次官補は今週、米国を訪問し、実務協議を行う一方、チュ・ヒョンファン長官もウィルバー・ロス米商務部長官内定者の承認が済み次第、閣僚級会談を要請する予定だ。

 

 政府はサード配備の決定後、中国が非関税障壁を高めているとしながら、二国間チャンネルとともに世界貿易機関(WTO)などを積極的に活用することにした。 また、同様な困難を経験する主要国家と共同で対応するため、中国駐在公館同士の協力も強化する予定だ。

 

 このような政府の政策の方向をめぐっては「G2(米国と中国)リスク」に対する省庁間の調整も十分に行われていなかったうえ、具体性も不十分だとして、批判の声もあがっている。トランプ政権が保護貿易主義行動を本格的に始めているのに、韓国政府は「二者協議チャンネルをできるだけ早い時期に開催する」など具体的な対策や日程を示していない。トランプ大統領が1兆ウォン(約982億円)を投資すると明らかにしたインフラ市場進出戦略についても、「調査を開始した」と述べただけだ。韓国の自動車業界に大きな影響を与えかねない米国産自動車輸入などについて産業部は「検討したことはない」と敏感に反応した。

 

 対中経済政策方向も同じだ。THAAD配備決定以降、中国の報復的措置が続いているが、政府は依然として「報復措置であることが明確でないため、公式的な対応が難しい」と繰り返してばかりいる。

 

キム・ソヨン、チョ・ギェワン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)