日朝協会「京都府連合会」です。韓国・朝鮮との友好を進める、日本人の団体です。1カ月¥500 841-4316福谷気付

 世界の出来事から日本・韓国・朝鮮の未来を見る。
 皆さんの声を生かして活動を進めます。

京都で行われた、「総連」の取り組みを紹介します。

2009-09-16 | 韓国・朝鮮の旅

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京都で「ムジゲ会」全国交流会 同胞愛に満ちた3日間

同胞社会におけるノーマライゼーションの訪れを予感

 「ムジゲ会」全国交流会(主催=「ムジゲ会」、協力=総連京都府本部、在日同胞福祉連絡会)が8月22~24日、京都で行われた。「ムジゲ会」は障がい のある子どもたちの父母の集いで、今年で発足15周年を迎える。交流会は2年に1度ずつ開かれてきた。7回目を迎えた今年の交流会には、初参加の6家族を 含む27家族と関係者、ボランティア、龍谷大学の加藤博教授(京都外国人高齢者・障がい者生活支援ネットワークモア共同代表)、同法科大学院の金尚均教 授、臨床発達心理士の成基香さん、社会福祉士の李明仙さんなど、福祉、障がい者支援の専門家など300人余りが参加した。

300人余りが参加し交流と理解を深めた

 交流会は、京都市国際交流会館での歓迎会で幕を開けた。

 各地から集まった「ムジゲ会」のメンバーたちを、総連中央の高徳羽副議長兼権利福祉委員会委員長と総連京都府本部の金学福委員長をはじめとする近畿地方の総連本部、支部代表、同胞ボランティアたちが出迎えた。

 京都の各団体は「ムジゲ会」を迎えるにあたり、同胞愛の精神で万全の準備を進めてきた。青商会では「最大限のもてなしをしよう」と大型観光バス、ボランティアのTシャツを用意し、バーベキュー大会を受け持ったほか、観光の実費を負担するなど、協力を惜しまなかった。

 金学福委員長は歓迎のあいさつで、交流会が京都で開催されることを大変うれしく思うと述べ、同胞福祉活動に対する理解を深める重要なきっかけとして、同 胞社会を挙げて準備を進めてきたと話した。そして、老若男女、障がい者、すべての同胞が明るく豊かで幸せに暮らせる同胞社会を形成するために尽力していこ うと呼びかけた。

 続いて京都朝鮮歌舞団、京都中高生徒たちによる歓迎公演が披露された。参加者全員による「アリラン」の合唱や朝鮮の小太鼓の合奏なども行われた。

 公演が終わると、障がいを持つ同胞たちが舞台前に集まり出演者に握手を求め感謝の気持ちを表した。

 千葉から参加した障害のある子を持つ女性同胞は、「障がいのある子どもたちはとても素直。表現が素直なあまり誤解を招くこともあるが、どうか理解を深めてほしい」と話す。

 出演者たちは、笑顔で彼らと握手を交わし記念撮影に応じるなど交流を深めた。

 2日目には観光、バーベキュー大会が行われた。また、両日夜には父母たちの懇談会があった。

 バーベキュー大会は歌と踊りで大いに盛り上がった。終了間際には車椅子に乗った同胞を先頭にして「統一列車」が走った。障がい者、高齢者、健常者の区別なく助け合い、ともに出会いを楽しむ姿は感動的な光景だった。

 参加者たちは同胞社会におけるノーマライゼーションの訪れを予感し、実現を切に願っていた。(鄭尚丘記者)

「ムジゲ会」全国交流会 発足15年、活動の幅さらに広げ

                  [朝鮮新報 2009.8.31]より転載


日朝協会本部ホームページより

2009-09-16 | 「協会」の公式見解・談話

書籍『戦争と性~韓国で「慰安婦」と向きあう』





日朝協会・「人間と性」教育研究所企画、高柳美知子・岩本正光 編著
『戦争と性~韓国で「慰安婦」と向き合う』(かもがわ出版、四六判、168頁、1,575円)

への感想や評判が各地から寄せられています。その中から日朝協会機関紙「日本と朝鮮」紙上に紹介されたものを紹介します。
出典がないものは日朝協会本部へ寄せられた本紙に初出のものです。なお一部の人名を省略、またはイニシャルで紹介しています。



もくじ

漫画「もう一度生まれたら、花に」

第1章 「ナヌムの家」をたずねて
1.姜日出ハルモニの話をきく
2.「水曜デモ」に参加
3.李容洙ハルモニの話をきく
4.李容洙ハルモニを突き動かしているもの
5.「ナヌムの家」からのメッセージ

第2章 「慰安婦」を高校の授業でとりくむ
1.衝撃を受ける生徒たち
2.「慰安婦」っていつのこと?
3.「レイプは日本軍だけじゃない」
4.公文書等で「動かぬ事実」を知る
5.「慰安婦」はどのように集められたか
6.なぜ、今になって問題化しているのか
7.ビデオ「沈黙の歴史を破って」を観る
8.戦争と性を考え始めた生徒たち
9.「過去にむきあい、新しい一歩を」

第3章 戦場の兵士のセクシュアリティ(性と生)
1.文学にみる戦争と性-田村泰次郎が描いた「慰安婦」
2.元兵士の証言-女性国際戦犯法廷、ダイヤル110番

第4章 日本軍「慰安婦」 いま問われていること
1.「慰安婦」問題の現在
2.「慰安婦」と「冬ソナ」「ディープラブ」「愛ルケ」現象
3.韓国で見たこと、考えたこと



『戦争と性―韓国で「慰安婦」と向き合う』を読みましょう

高柳美知子

2005年秋、韓国を訪ねました。旅のねらいは2つ。その1つは、韓国ドラマ「冬のソナタ」が、なぜ日本の国で社会現象ともいうべき状況を呈しているの か、とりわけ中高年の女性たちがこれほど魅せられてしまうのはなぜなのか。もう1つは、「冬ソナ」への傾倒が、なぜ歴史認識につながらないのかというこ と。

団長はいいだしっぺの私。参加者は9名。ずしりと重い旅の収穫は、『「冬のソナタ」から見えてくるもの‐韓流の韓国を訪ねて』(かもがわ出版)にまとめました。

おかげさまで好評を得て、「ぜひ、わたしも韓国に行きたい」の声が寄せられ、昨年のツアーの参加者からも、「ハルモニと話し合えなかったことが心残り」「次は水曜デモに参加したい」の声があがりました。

その思いは団長をつとめた私も同じ。ならばもう一度、「ナヌムの家」を訪ねて、ハルモニから直接話を聴こう、そして「戦争と性」にきちんと向き合おうと思 いきめたのでした。旅たつ3日前、埼玉県上田知事の「従軍慰安婦はいない」発言に抗議するために埼玉にいらしていたイ・ヨンスさんとは水曜デモでの再会を 約しました。

今回の旅のメンバーは、身体に障害をお持ちのご夫妻2組、その介助役のご夫妻をまじえて15名。仁川空港に着いたその足で、早速、バスに乗り込み、「ナヌムの家・歴史館」に向かいました。

韓国内には約180人の元「慰安婦」がお出でですが、ナヌムの家にいるハルモニは8人。「そのなかで私が一番元気」とおっしゃるカン・イルチュルさんの証言,歴史館を案内してくれた若い研究員の真摯な解説に誰もが心を動かされました。

待望の日本大使館前の「水曜デモ」では、大邸(テグ)から駆けつけたイ・ヨンスさんと再会。大使館に向かって埼玉県知事の発言への抗議を力いっぱいぶつけ ていました。私たちのツアーからは、高校教師の金子さんが、授業で「慰安婦」問題をとりあげていることや、子どもたちの様子などを韓国のデモ参加者に語り ました。デモのあと、イ・ヨンスさんといっしょに昼食をとり、そのあとホテルでじっくりお話をうかがいました。

3泊4日の短い日程でしたが、前回の旅と同じく、たくさんのことを感じ、たくさんのことを考えた旅でした。その収穫は、『戦争と性‐韓国で「慰安婦」と向き合う』(かもがわ出版)と題する1冊にまとめました。

特に今回うれしいことは、「ナヌムの家・歴史館」の若き研究員がメッセージを寄せてくださったこと、彼の友人の漫画「もう1度うまれたら、花に」を掲載できたことです。

「冬ソナ」や「チャングム」のロケ地、西大門刑務所歴史館、韓国民俗村、水原華城を訪ねてのさまざまな思いは、座談会「韓国で見たこと、考えたこと」にまとめました。

「慰安婦」問題は、過去の歴史認識だけでなく、現代の男と女の関係性に深く繋がる、まさに今日的なテーマ。この本をお読みになった感想、あなたの「慰安婦」問題へのご意見など、お寄せいただければ幸いです。

(日朝協会代表理事、「人間と性」教育研究所所長)



(投稿)

松元眞

まず目次、そして本文を拝読致しました。まず、この種の「証言」を基にした本の出版されたことを心より嬉しく思います。いえ、うれしいといういい方は少し 違います。「わが意を得たり」というのが正しいでしょう。現在の政治、そして「政治家」といわれる人びとの歴史認識に常に腹立たしさを覚えている私として は、「慰安婦」問題はつまるところ侵略戦争そのものにつながっているからです。

戦争を知らない人間たちが今の政治を動かしている。そのこと自体が世論を危うくしている―そういう時期に、この本の果たす役割は決して小さくはありません。小さいどころか大きい、大きいのです。

本の出来ばえも上首尾です。全体の流れに編集の手練が感じられます。ルポルタージュとしてのイントロから、座談会でしめくくった構成に説得力があります。 冒頭のマンガにも編集の妙が感じられます。こういうマンガの紹介にも意義があります。1つの大衆運動としての価値といえるからです。大衆へのアプローチに は欠かせません。

そして、やはりこの本の持つふくらみは、第3章の「文学に見る『戦争と性』」の書き様にありましょう。田村泰次郎はむしろ誤解されている作家の1人です が、『蝗』の紹介は適切です。「文学」の中の人間性が鮮やかに訴求力を伴なっているからです。それに続く「女性国際戦犯法廷」のドキュメントは、田村の作 品をより現実化してみせてくれています。

第2章の84ページからの高校授業の在り様にも、事実の持つ強みが表出されており、この本の主題、つまり戦争を知らない子供たちへの警告としての狙いがこめられておりました。

126ページからの詩の配置も活きています。挿入の場所もいい。何より、この本の特色は、全体の文章のトーンにもいえます。声高にならず事実の積み重ね、 そして肉づけとしての文学性、決してたかぶらず、しかし重く、静かな筆致によって、戦争の非人間性を訴えることに成功しています。

この本を出版した「かもがわ出版」という会社にも心からの拍手を送りたいと思います。企画された「日朝協会」という団体にも併せてお礼を申し上げたい。そ れにしても、いまの政治家たちの歴史認識のいい加減さを思い、この本がかれらへの頂門の一針になることを念ずるものです。

随所に配置された写真の数々も1つの迫力をもって迫ります。やはりドキュメントの強みでしょうか。

「戦争」というものの実体に対する今後のご執筆にも、ここに1人の支持者がいることをお忘れなく。期待しております。

(ジャーナリスト、テレビ朝日元報道局長)