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図書館便り「LIBRARY NEWS 2月号」を発行しました。
こちらです。
今日はこれを読んで「この本借りたいです。」とたくさんの生徒・先生方が来てくれて嬉しい日でした♪
今月号の特集は「第140回芥川賞・直木賞発表!!」です。
今日、直木賞受賞作の天童荒太著『悼む人』を読了しました。
前作のベストセラー『永遠の仔』から7年がかりの作品だけあって、
力作でどっしりとした読後感です。
(以下、内容にかかわる部分があります。)
全国を放浪し、死者を悼む旅を続ける坂築静人。
彼を巡り、夫を殺した女、 人間不信の雑誌記者、末期癌の母らのドラマが繰り広げられます。
何の報酬も受けず、誰かから頼まれたわけでもなく、ニュースで知る故人は知人でもなく、
野宿しながらほとんど徒歩で亡くなった場所へ行き死者を「悼む」だけ。
彼の行動に他の登場人物も、この私も理由を求めたくなります。
なぜそんなことをしているのか?
そうすることによって何が変わるのか?
結局最後まで、完全な答えは彼の口からは語られません。
「その人は、誰に愛されたのでしょうか。
誰を愛していたのでしょう。
どんなことをして、人に感謝されたことがあったでしょうか」
これを尋ねてそれをもとに個人を覚えておく=「悼む」なのです。
繰り返しこの言葉は出てきます。
この言葉と一緒に主人公の行動を追っているうちに、
人生の中で誰でも「愛する・愛される・感謝される」のだと思えてきます。
そして、その形は一人一人違い、それぞれがかけがえのない一つの命であったのです。
ある新聞に、天童荒太がインタビューに答えている記事がありました。
今、図書館の掲示板に貼ってあります。
その記事の中の言葉が、この作品を理解する一端になると思います。
「着想は01年にアメリカで起きた9・11同時テロ。
その犠牲者は盛大に式典で悼まれたのに、
米軍のアフガニスタン10・7報復爆撃の死者たちは悼まれなかった。
人の死は平等に訪れるのに、その扱いに軽重をつけてきた。
そういう世界を問いたかった。
死者を等しく悼むことが多くの悲劇や、むごい現実と対峙する砦になるのではないか。
そんな人が存在したら、この世界は生きるに値するのではないかと思ったのです。」
映画「おくりびと」につながる部分があると思いました。
こちらです。
今日はこれを読んで「この本借りたいです。」とたくさんの生徒・先生方が来てくれて嬉しい日でした♪
今月号の特集は「第140回芥川賞・直木賞発表!!」です。
今日、直木賞受賞作の天童荒太著『悼む人』を読了しました。
前作のベストセラー『永遠の仔』から7年がかりの作品だけあって、
力作でどっしりとした読後感です。
(以下、内容にかかわる部分があります。)
全国を放浪し、死者を悼む旅を続ける坂築静人。
彼を巡り、夫を殺した女、 人間不信の雑誌記者、末期癌の母らのドラマが繰り広げられます。
何の報酬も受けず、誰かから頼まれたわけでもなく、ニュースで知る故人は知人でもなく、
野宿しながらほとんど徒歩で亡くなった場所へ行き死者を「悼む」だけ。
彼の行動に他の登場人物も、この私も理由を求めたくなります。
なぜそんなことをしているのか?
そうすることによって何が変わるのか?
結局最後まで、完全な答えは彼の口からは語られません。
「その人は、誰に愛されたのでしょうか。
誰を愛していたのでしょう。
どんなことをして、人に感謝されたことがあったでしょうか」
これを尋ねてそれをもとに個人を覚えておく=「悼む」なのです。
繰り返しこの言葉は出てきます。
この言葉と一緒に主人公の行動を追っているうちに、
人生の中で誰でも「愛する・愛される・感謝される」のだと思えてきます。
そして、その形は一人一人違い、それぞれがかけがえのない一つの命であったのです。
ある新聞に、天童荒太がインタビューに答えている記事がありました。
今、図書館の掲示板に貼ってあります。
その記事の中の言葉が、この作品を理解する一端になると思います。
「着想は01年にアメリカで起きた9・11同時テロ。
その犠牲者は盛大に式典で悼まれたのに、
米軍のアフガニスタン10・7報復爆撃の死者たちは悼まれなかった。
人の死は平等に訪れるのに、その扱いに軽重をつけてきた。
そういう世界を問いたかった。
死者を等しく悼むことが多くの悲劇や、むごい現実と対峙する砦になるのではないか。
そんな人が存在したら、この世界は生きるに値するのではないかと思ったのです。」
映画「おくりびと」につながる部分があると思いました。
お貸しできると思ってましたら、既に読了ですね。頑張ります。
死者と静人の思いをこちらまで背負っている気分になります。
後半部分の方が感情移入して読めた気がします。
後で感想をお聞かせ下さい。
トラックバックさせていただきました。
トラックバックいただけたらうれしいです。
お気軽にどうぞ。
私も遅ればせながら「悼む人」を昨日一気に読み終えました。
年月が経過すると、死の悲しみは他人にとっては風化していきます。当事者には、何時までも癒えるものではありません。
なぜ見知らぬ人を悼み続けるのか、複合的な要因から行なう行為であり、決定的な答えは無用かと思います。
静人の母の命の終焉を受け入れる姿がよく描かれていました。
あまり一生懸命読んだためか、とても疲れたようです。
命の終わりを巡ってのテーマは、語りつくせません。
偶然にも「おくりびと」も『悼む人』も死をテーマにしたものでした。
作者も書きあげるのに7年の月日と努力が必要だったそうなので、
読む私たちにもその重みが感じられ疲れるのかもしれませんね。
「決定的な答えは無用」なるほどと感じました!