今日も一期一会

「本が好き♪図書館ブログ」のタイトル変更
本好きholyの覚え書き的日常のあれこれ

「本が好き♪図書館ブログ」からタイトル変更

19年目のholyのブログをそのまま残します。 同じ時は二度とやって来ない。これからも毎日を「一期一会」の心で過ごします♪

終戦の日に

2017-08-15 | 本の紹介
第二次世界大戦の日本の終戦の日、戦後72年が経ちました。
戦争を体験していない「戦後生まれ」は1億人を超え、総人口の8割以上となっています(2014年)。

そんな今日、紹介したい本は、
六草いちか 著『いのちの証言 ナチスの時代を生き延びたユダヤ人と日本人』(晶文社)
ヘレナ・ドゥニチ‐ニヴィンスカ 著『強制収容所のバイオリニスト ビルケナウ女性音楽隊員の回想』(新日本出版社)
2冊とも第二次世界大戦中のユダヤ人迫害の真実を描いたノンフィクションです。

六草さんはベルリンに暮らし、数年にわたって生存ユダヤ人と日本人たちへの丹念な取材で記憶と証言を得、
ナチス政権下のホロコーストの時代のベルリンにおけるユダヤ人、ドイツ人、日本人の生々しい姿を描きました。
当時ドイツに住んでいた日本人の多くが、ユダヤ人救済のために動いていて、
杉原千畝だけではなく、古賀守、近衛秀麿、藤村義朗、毛利誠子等、の英断を知りました。
それでも、ベルリンで生活していた16万人のユダヤ人のうち、終戦時に生き延びたのはわずか6千人だけ。
六草さんの「私が書かなければ、日本語で伝わる機会はないのだという思い」を感じました。

『強制収容所のバイオリニスト』は、かつて収容所に入れられ大変な体験をした実在のバイオリニスト、
ポーランド人のヘレナが、戦後家族にも明かさなかった収容所での非人間的な体験や音楽隊の実態を、
長い沈黙を破って克明に記した回想録です。
現在101歳でお元気にお過ごしで、その穏やかな表情からは想像できないほどの苦しい体験です。
同じようにアウシュビッツの音楽隊を題材とした作品『アヴェ・マリアのバイオリン』を以前読みました。
ヘレナさんは本の中で「強制収容所で体験したことだけは忘れようにも忘れられません。
それは警告のための記憶です!
わたしがこの世から去った後も、忘れないでいてほしいことなのです。」と語っています。

国際的にきな臭い情勢となっている今、戦争が引き起こした壮絶な悲劇の数々を忘れてはいけません。
戦争の悲惨さを知り、学び、語り継ぐこと、それが平和への第一歩と思います。