先日の東京国立博物館「国宝展」と同時開催で焼き物好きには興味深い展覧会が開催されていて、
そこに、「国宝を訪ねる旅」13番目の国宝が公開されておりました!!
場所は東京国立博物館本館の特別5室、国宝展の平成館はごった返していますがこちらは静か。
2014年日中韓国立博物館合同企画特別展「東アジアの華 陶磁名品展」
世界的には圧倒的に高い評価を得ている東アジアの日本、中国、韓国の焼き物。
この3ヶ国を代表する3つの国立博物館の所蔵作品から精選された各15件の計45件が公開されています。
日本の東京国立博物館、中国・北京の中国国家博物館、
そして韓国・ソウルの韓国国立中央博物館が共同企画した初めての展覧会です。
日本の作品の中に国宝「秋草文壺」がありました!
平安時代の末12世紀に、現在の愛知県渥美半島で焼かれた「渥美焼き」といわれています。
素朴で力強い姿をしていて、その表面には線彫りで秋草やとんぼが伸びやかに線刻されています。
壺の肩を流れる黄土色の釉もつややかで、この時代の焼き物にしては美しい刻文があり、
陶磁史上貴重な遺品です。
昭和17年4月に神奈川県川崎市の加瀬山南端の道路拡張工事中に発見されました!
これで、国宝指定の陶磁器14点中13点(○印)を見ました♪
残り1点!最も公開されそうもない(3)大徳寺の「曜変天目」がいつの日にか公開される日を待ちましょう。
唐物(からもの:中国製)
○(1) 曜変天目 (静嘉堂所蔵)
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○(2) 曜変天目 (藤田美術館所蔵)
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(3) 曜変天目 (大徳寺龍光院所蔵)
○(4) 油滴天目 (大阪市立東洋陶磁美術館所蔵)
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○(5) 玳玻天目 (京都・相国寺)
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○(6) 青磁鳳凰耳花生「銘万声」(久保惣記念美術館)
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○(7) 飛青磁花生(大阪市立東洋陶磁美術館所蔵)
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○(8) 青磁下蕪花生 (ハラ ミュージアム アーク所蔵)
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○(9) 喜左衛門井戸 (大徳寺狐逢庵所蔵)
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国焼(くにやき:国産)
○(10) 秋草文壺 (慶應義塾所蔵) 今回
○(11) 色絵藤花茶壺 仁清作 (MOA美術館所蔵)
○(12) 雉香炉 仁清作 (石川県立美術館所蔵)
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○(13) 光悦片身替り [銘不二山] 本阿弥光悦作 (サンリツ服部美術館所蔵)
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○(14) 志野茶碗 (三井記念美術館所蔵)
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この「東アジアの華 陶磁名品展」には、3か国のまさしく名品が展示されていました。
日本:国宝1点、重要文化財11点、中国:2級文物3点、3級文物12点、韓国:国宝1点、宝物2点
長次郎や仁清の重要文化財や、5,000年前の縄文時代中期を代表する力強い造形「火焰型土器」もあります!
左が中国の2級文物「三彩馬」唐時代のいわゆる唐三彩の馬、素晴らしい発色です。
右は韓国の国宝「青磁亀形水注(せいじかめがたすいちゅう)」高麗時代・12世紀のものです。
現在、この3か国は政治的、外交的に微妙な関係にあります。
でも、こうして陶磁器の流れを見ると3つの国の相互の文化的な深いつながりを感じました。