今日お昼頃、ラジオで「国語学者の大野晋氏が死去されました。」
とのニュースを聞きました。
ショックを受け、哀しい気持ちになりました。
私が国語教師となった大きなきっかけがこの本でした。
『日本語の起源』を読んだのは確か高校生の頃。
古文を勉強するうちに言葉の語源について興味を持ち、
いろいろ読んだ本の一冊がこれでした。
その頃「やさしさ」世代などと言われ、
「優しい」が流行っていました。
大野氏の説によると「やさしい」は「やせるらし」から来ている。
(もしかしたら諸説あるのかもしれませんが。。。)
体が痩せるほど相手を思うことが「やさしい」のだといいます。
そんな切実な思いがこの言葉につまっているのだそうです。
日頃たいして言葉の意味も考えず、簡単に言葉を使っていることに
あの頃の私はショックを受けました。
言葉は「言霊(ことだま)」からきているように、
口から出た言葉には魂が宿るのです。
昔はその言葉を口から出すと真実になると言われていました。
言葉には重みがあるのです。
そんな言語のいろいろを大野晋氏のたくさんの著作から学び、
大学では国語学を大野氏の元で学びたいと思っていました。
(結局は教員になるために教育学部へいってしまいましたが。。。)
大学の卒論に『万葉集』を選んだのも、
大野氏の研究書で学びたいと思ったからです。
ご冥福をお祈りします 合掌。。。