朝ごはんを食べて、座椅子に座って新聞やらテレビを見るのが日課なのだが、その日ふと右手の上腕部を掻いているのに気づいた。そんなに痒いと思ってはいなかったのだが、いつの間にか何度か掻いていて、そうしてひっかいた痕が赤くなり、それなりの範囲で蕁麻疹ができている。あれっと思ってよく見てみると、左手上腕も同じく掻かれていて赤く腫れたようになっている。
つれあいにも見せて、確かにこれは蕁麻疹だな、と確認するが、さて、病院、と言われて気が重い。アレルギーはたくさんあることは、ずいぶん前に何かの検査でだいぶ言われた。それで蕁麻疹ができることはほとんどないが、アレルギー反応で検査をすると、かなりのものが上がってくるのではないか。しかし自覚としてはまったく平気だから、そんなものをいくら上げられたところで仕方がない。
一応先ほど食べたものを考えてみると、味噌汁やごはんなど基本的に毎日食べるものばかりだ(これを書いている現在、正確なものは忘れてしまった)。つれあいが昨日からのメニューをずらっとメモ帳にあげてくれている。医者に見せる参考ということになろう。しかしその前に検査をするのが厄介そうだし、見た目は派手に赤く腫れだしたけど、基本的に掻いているところだけが赤くなっているような気がする。ざっとネットで検索すると、ストレスとある。ストレスは原因が分からないということの代名詞ともいわれているが、まあ、そういえばそうとも言えるのだから、それは原因なのかもしれない。しかし、それはいったいなんだろう。
思い当たるとしたら、ここ数日やたらに眠くなるということかもしれない。僕はだいたい6時間半睡眠を基本としているように思う。ときに7時間ちょっと。もう何年もずっとそうで、休みならたまにするが昼寝は習慣には無い。それなりに疲れが溜まっていると思える時は少し多く寝ることもあるが、前の日寝不足であっても同じように寝るだけで、たいていは普通に戻る感じだ。ところがこの一週間ほどは、先週の飲み疲れ後に間があるから少し飲んだらまた疲れた感じがあって、しかしすでに二日ほど経過していて油断していた。昨夜はだけど早く寝て、まったく睡眠十分だったと時間的には言えるが、考えてみるとまだ少し眠気が残っている。運動は特にしないが散歩くらいはしている。雨が降ったりやんだりの間を縫って、涼しいころ合いに歩く。汗をかくのは嫌いだけど、湿度があるので多少は汗ばむ運動にはなっている。
他に考えられるのは、何か内臓の疾患と連動しているとか……。それは思い当たるふしはあるが、基本的に蕁麻疹は内臓疾患との関連はそれほどないのだという。安心するより疑念があって、ではどうしてこれほど眠いのだろう。まあ、体が単に弱っているということなんだろうか。
検査をされるという考えを持つだけでかなりのストレス感に陥ってしまったので、すっかり病院に行く気は失せてしまって、さらに特に赤く腫れあがって微熱を帯びているとはいえ、かゆみはほとんど感じない。ストレスや疲れのためなら病院の選択はよした方が良いだろう。ストレスを感じていなくてもストレスを受けているのが体だという解説も読んだが、ちょっと訳が分からないオカルトのような話である。まあ、人体なんてオカルトの世界かもしれないが……。
ということであんまりオオゴトにすると、今度は酒の制限などつまらぬ強いストレスにさらされる危険がある。そうなると生命維持の危険が出てくる可能性もある。なかなか難しいところなのであった。