日本の文字の特徴にルビをふれるというのがある。読みにくい漢字にルビが降ってあると助かる。それは麻生大臣でなくとも助かることに違いない。実際読めない漢字というのは結構あるもので、読めないだけでなく、意味もつかみにくくなって閉口させられることもある。難しい漢字を使えることを自慢げに変換させるような無知な人も多くて、いちいち読みにくい文章というのがそれなりに増えている気もするのである。役人の文章みたいに妙な横文字や記号の多いのも困るが、要するに分かりにくく書く方が知性的だという勘違いの表れだろう。もしくは書いている人が、本当は何を言いたいかはっきりしないだけかもしれないが……。
西洋の映画なんかを見ていると、発音している名前などを、何とつづるか説明している場面があんがいある。要するに書いてある通り発音されない可能性のある名前なのだろうと思われる。アルファベットにルビをふるという習慣を見たことが無いので、書いてあるだけでは、間違われて発音され続けている単語なんかもあるのかもしれない。特に英語というのは日本語と比べても単語の数も多いし、全部の英語話者がすべての単語を知ってるなんてことはあり得ない。読めない単語の存在なんて、実際にごまんとあることだろう。彼らはルビを持たないだけでなく、日々読み間違いの人生を送っているのではないか。それはロシヤ語でもスワヒリ語でも同じだろうし、中国語なんて漢字だらけだから、読めない文字ばっかりあるんじゃなかろうか。教育もあるとは思うが、海外では一定の文盲率があるようで、それらの何%かの原因に、このルビということがあるんじゃなかろうか。
ところでこのルビという言葉は、英国からの輸入らしい。活版印刷の技術を日本が英国人から習った折に、伝わったものだという。ルビのない国から何故ルビを習うことができるのかというと、実はあちらの国では、文字の大きさを宝石などの名前を当てて読んでいるらしい。だからパールとかメノー(単語としてはageteだが)という文字の大きさあるらしく、なかなか華やかなのである。それでルビーという大きさの文字が、日本のフリガナに使われる小さいポイントの文字を指す言葉だったという。
カッコつけてルビーをふるって発音したところで、気取っているだけでなく、通じないかもしれない。でも実際はその方が正しいわけだ。なかなか言葉というのは難しいものである。