平均より長寿の人たちは、幸福度というものが平均より高い、という。ご高齢になると、様々な不自由があるにもかかわらず、生活の中の満足度が高く、さらに感謝の気持ちも持っておられるということのようだった。耳が遠くなるなどの不自由はあるとしても、おおむね健康で暮らせていることに満足し、様々なことに支えられていることに感謝している。毎日楽しくて仕方ないということも言われていた。
このように人生に対する満足度が高い人が、実は平均の寿命を延ばしているのではないかという調査報告もあるらしい。人生満足度が高い人は、平均寿命が10年延びるのだそうだ。
確かにご高齢の人でも愚痴っぽい人もいるし、何かと不満足ばかりの人もいるだろう(個人的な印象としては、そういう人は案外多いような気もするのだが)。そうでありながら長寿であるのならば、さらに伸ばせる寿命を消耗させているのではないか。
寿命は、体の問題と事故などの運の問題などもあり、複雑な要素が絡み合った結果がもたらすものかもしれない。しかしながら、健康で長寿であるというのは、何より素晴らしいことのようにも思える。そのうえで長寿であること、生きておられることに満足度が高いというのは、人間としての最高の幸福なのではなかろうか。長寿社会が、そのような満足度の高い人々のものであるとしたら、それはある意味ですてたものではないのではなかろうか。