ケニー・ドリュー・トリオの「EXPRESSIONS/旅の終りに」(1990 Alfa Records)。
ヨーロッパ3部作といわれるものの3番目である。
EXPRESSIONは、表情とか表現という意味。
「旅の終りに」とは、どういうことだろうか。
いったいどういう「旅」なのか。
ケニー・ドリューは、ニューヨークに生まれ、ヨーロッパに渡り、64歳で、コペンハーゲンで亡くなっている。
アメリカに帰ることはなかったのである。
人種差別の激しいアメリカより、黒人も同じ人間として受け容れてくれるヨーロッパの空気が合ったのでないかと聞いている。
アメリカからの多くのジャズマンが、ヨーロッパで暮らした。
そんなことも連想させるタイトルだ。
〈収録曲〉
1.ローマの秋:Autumn in Rome
2.ミラノのカテドラル
3.ベニスの愛
4.アナスターシア
5.マイ・ファニー・バレンタイン
6.イズント・イット・ロマンチック
7.ワルツ・イタリアーノ
8.ソレント
9.ビッグ・ブーツ
10.旅の終りに:Expressions
スロー・テンポで感傷を誘い、アップ・テンポでジャズっぽく。
さて、「旅」。
帰らぬ旅に
この世の旅を終わって
いったい何なんだろう
この世の旅
みんな
あっさりと
旅立って
燦めいた日々も
記憶は
何処に消えるのか
何処かに
残るのか