“ポルトガルの血”

2022-03-01 | 【断想】音楽

 ホレス・シルヴァーのリーダー・アルバム、20代の頃買ったLPを2枚持っている。
 ・ホレス・スコープ(1960  BLUE NOTE)
 ・フィンガー・ポッピン(1959 BLUE NOTE)
 その後、何10年も後に買ったCDが3枚ある。
 ・jazz...has...a sense of humor (1998 verve)
 ・ブローイン・ザ・ブルース・アウェイ(1959  BLUE NOTE)
 ・ソング・フォー・マイ・ファザー(1963  BLUE NOTE )
 アルバムは、購入順に記した。
 ホレス・シルヴァーと言えば、ファンキー・ジャズ、私の最初のとっかかりも、そう言うところだったと思う。
 でも、「ソング・フォー・マイ・ファザー」等を聞くと、エキゾチックな魅力もある。
 ホレス・シルヴァーの父には、ポルトガルの血が流れていたと言うことで、その音楽に、その血がはっきり感じられる。
 ジャケットの帽子をかぶった男は、シルヴァーの父だそうだ。
 久し振りに聞くと、改めて、なかなかいいなと感じる。
 「ザ・ホレス・シルヴァー・クインテット/ソング・フォー・マイ・ファザー」
 (1963~1964/BLUE NOTE)
 〈収録曲〉
 1.ソング・フォー・マイ・ファザー
 2.ザ・ネイティヴス・アー・レストレス・トゥナイト
 3.カルカッタ・キューティ
 4.ケ・パサ
 5.ザ・キッカー
 6.ロンリー・ウーマン
 以上が、オリジナル・アルバムに収録、片面3曲。
 7.SANCTIMONIOUS SAM
 8.QUE PASA? : ケ・パサ(トリオ・ヴァージョン)
 9.SIGHIN' AND CRYIN'
 10.SILVER TREADS AMONG MY SOUL
 〈1,2,4,5 パーソネル〉
 カーメル・ジョーンズ(tp)
 ジョー・ヘンダーソン(ts)
 ホレス・シルヴァー(p)
  テディ・スミス(b)
 ロジャー・ハンフリーズ(ds)
 〈3,6,7,8,9,10 パーソネル〉
 ブルー・ミッチェル(tp)
 ジュニア・クック(ts)
 ホレス・シルヴァー(p)
 ジーン・テイラー(b)
 ロイ・ブルックス(ds)


EXPRESSIONS/旅の終りに

2022-03-01 | 【断想】音楽

 ケニー・ドリュー・トリオの「EXPRESSIONS/旅の終りに」(1990 Alfa Records)。
  ヨーロッパ3部作といわれるものの3番目である。
 EXPRESSIONは、表情とか表現という意味。
 「旅の終りに」とは、どういうことだろうか。
 いったいどういう「旅」なのか。
 ケニー・ドリューは、ニューヨークに生まれ、ヨーロッパに渡り、64歳で、コペンハーゲンで亡くなっている。
 アメリカに帰ることはなかったのである。
 人種差別の激しいアメリカより、黒人も同じ人間として受け容れてくれるヨーロッパの空気が合ったのでないかと聞いている。
 アメリカからの多くのジャズマンが、ヨーロッパで暮らした。
 そんなことも連想させるタイトルだ。
 〈収録曲〉
 1.ローマの秋:Autumn in Rome
 2.ミラノのカテドラル
 3.ベニスの愛
 4.アナスターシア
 5.マイ・ファニー・バレンタイン
 6.イズント・イット・ロマンチック
 7.ワルツ・イタリアーノ
 8.ソレント
 9.ビッグ・ブーツ
 10.旅の終りに:Expressions
 スロー・テンポで感傷を誘い、アップ・テンポでジャズっぽく。
 さて、「旅」。
 帰らぬ旅に
 この世の旅を終わって
 いったい何なんだろう
 この世の旅
 みんな
 あっさりと
 旅立って
 燦めいた日々も
 記憶は
 何処に消えるのか
 何処かに
 残るのか